受付で、ゴブリン退治の報酬金をもらう。
ゴブリン:銅貨三枚×59匹
ゴブリンシャーマン:銀貨一枚×18匹
ボブゴブリン:銀貨三枚×13匹
レッドキャップ:銀貨五枚×11匹
ゴブリンキング:金貨十枚×1匹
合計、銅貨七枚と、銀貨九枚、そして、金貨二十二枚だ。
これに、たった二人でスタンピードを未然に防いだことによる報酬金の、金貨十枚が更に追加される。
今日はこれで帰ろう。
次の日。
《スキル:ガチャを使用しますか?》
《GP:219980000》
《はい/いいえ》
三回はい。
ノーマル×73
レア×22
スーパーレア×5
レジェンドレア×0
ノーマル×77
レア×18
スーパーレア×5
レジェンドレア×0
ノーマル×71
レア×23
スーパーレア×6
レジェンドレア×0
所持金は金貨七十六枚と小銭を少々。
王国から掻っ払った金貨十枚、奴隷商人から掻っ払った金貨の半分の五十枚、ゴブリンキング退治で得た金貨の半分の十六枚ってところだ。
何故半分なのか?
もう半分はレクノアにくれてやったからだ。
レクノアは、金を受け取ろうとしなかったが、俺は平等に分けた。
そして、今日の午前に街を巡り、レクノアに与えた装備品の値段を計算した。
合計で金貨四枚分払わせた。
そして、食費については後払いで、一食につき銅貨一枚として、一日三食。一ヶ月分の銀貨三枚を月の終わりに徴収すると契約した。
金勘定については揉めるからな、フェアにやらなきゃならん。
「あの……、私、お金とか、どうすればいいか分からないし、預かってて欲しいんだけど」
「いや、持っておけ」
「でも……」
「良いから。金の使い方を覚えろ」
そんなこんなで、今日は街の散策をすることにした。
む、串焼肉の屋台。
「こりゃ何だ?」
俺は、屋台の男に訊ねる。
「鹿だよ、森の鹿の肉だ」
鹿肉か。
学生時代、自転車で日本を横断したが、その時、北海道で蝦夷鹿を食ったっけな。
ちゃんと処理されたジビエだったんでまあ、そこそこに美味かった記憶がある。
「いくらだ?」
「鉄貨五枚だよ」
「二本くれ」
俺は、銅貨を一枚渡す。
「まいど、ほらよ」
一本をレクノアに渡す。
そして、俺は肉に齧り付いた。
「もぐ……、んぐ?!」
しょっっっぺえ!!!
そして……、これ……、不味い!
何だこれ、こう……、血に浸したティッシュを噛んでるみたいな?!旨味が一切ない!
確か、鹿肉は、強火で長い時間焼くとクソ不味くなるとか……。この屋台では、強火の炎で、客が来るまでずっと火にかけられてる。美味い訳がない!
鹿肉は、中火で温める感じで焼くのが良いと聞くのだが……。
いやー、まっずい!!!
「レ、レクノア、どうだ?」
「私は美味しいと思うけどな」
「マジかお前……。俺の分も食って良いぞ、奢りだ」
「本当っ?!ありがとう!」
それと、めちゃくちゃにしょっぱい。
なんかアレだな、味が濃い=美味いみたいな価値観なのかね。
日本も昔はそうだったらしいしな。
今でも、アメリカとかでは、お菓子は馬鹿甘いし、味が濃いほど良いみたいな価値観があるのかもしれない。
俺もそこまで舌に自信がある訳じゃないんだが、繊細な味付けも良いもんだぞ?秋の新蕎麦の風味は最高だ。
俺は、口直しに焼き鳥パック(塩)を出して食う。
「じー……」
「ん?どうした?」
「何それ?」
「焼き鳥だ。食うか?」
「うんっ!お肉大好き!もぐっ……、も、ぐ?!?!?!!」
「どうした?」
喉にでもつまらせたか?
「こ、これ、美味し過ぎるぅ……!プリッとしたお肉、程よくしょっぱくて、ほんのり甘くて、柔らかくて、噛めば簡単に千切れて……!」
蕩けた顔をしてそう言ったレクノア。
「……あー、そうだな、昼飯時だし、広場で飯でも食うか」
街の広場に来た。
人は疎らだ。
誰にも注視されていないことをレクノアに確認させたのち、腰に下げたポーチから取ったように見せかけて、『収納』から、ガチャのノーマルで出た食品を出してやる。
出したのは、東京の有名店のハンバーガーと、紙コップのコーラ、それとポテトだ。これは、ノーマルの中でもレアな方らしくて、一度に十セットしか出なかった。
「ん、んー!ぴりぴりする?!でも、甘くて美味しい!」
コーラをがぶ飲みするレクノア。
「冷めないうちに食えよ」
「うんっ!……は、はひ、す、すっごい!何これ?!何の肉なの?!」
「牛だ」
「牛?牛なんて、硬くて臭くて美味しくないはずなのに?!」
「俺の世界じゃ、食べるために牛を育てて、餌をたくさん食わせて、運動させないでおくんだよ。そうすると、筋肉もなくて太るから、柔らかくて美味い肉になるんだ」
「へー、凄いね!裕福な国だったんだ!ん、これもホクホクしてて美味しー!」
俺も、ハンバーガーにかぶりつく。
美味い!
「じー」
「どうした?」
「そ、その、も、もう一個もらえる、かなー、なんて……?」
おかわりか。
「良いぞ、どうする?違うの食べるか?」
「どんなのがあるの?」
「甘じょっぱい鶏肉の『テリヤキ』とか、白身魚のフライの『タルタル』とかあるぞ」
「お肉が良いかな」
「ほれ、テリヤキだ」
「はむっ!……美味しー!」
「よかったな」
ハーレムでいい?それとも、適度に男がいた方がいい?
でもなあ、ポストアポカリプスみたいな倫理観で男女混成のチームとかって、痴情のもつれヤバそう。
ならいっそ、主人公以外全員女のハーレムチームの方が団結力ありそうで良くない?君の意見を聞こう。