ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ファンタジーぜんぜんわからん!(ジャガー)


15話 レクノアと休日

その後は、街を見て回り、物価や文化を見極めた。

 

まず、食料。

 

食料は、基本は野菜だ。

 

平民は黒パンを、貧民は大麦や豆の粥を主食とする。

 

小麦粉は全粒粉……、ほら、殻の部分とか、芽の部分とか、そう言うのを全部すりつぶしたやつだ。ざらざらするけど身体には良いんじゃねーの?知らんけど。

 

そしてどうやら、この世界では、発酵についての技術が未発達のようで、パンは酸っぱい。

 

俺も、歴史にはあまり詳しくないのだが、昔のパンは、自然発酵したパン生地をうなぎの『秘伝のタレ』のように継ぎ足して使っているらしい。

 

……それってつまり、腐ってるってことなんじゃねーのか?

 

とにかく、パンは、貴族の食べる白パンであっても、ゴワゴワで酸っぱくて、酷く不味い。

 

その他、野菜や豆のシチューと、動物性のタンパク質はチーズで摂取することが基本だ。

 

魚は、港町などでもない限り、干し魚などがごく小規模に流通するのみ。

 

食肉については、結構高価。

 

あの、100g以下くらいの串焼きで鉄貨五枚だったので、つまりは、100gで500円くらいか。ジビエでそれだから、家畜の肉はもっと高いだろうな。実質的に貴族の食べ物だ。

 

レクノアが言うには、土からとれる野菜などは平民の食べ物で、貴族は肉を食べるのが基本らしい。

 

地面に生えている生き物じゃない野菜よりも、生きている動物の命を刈り取って食べることこそがカッコいい……、みたいな、なんかそんなの。

 

但し、香辛料はまた別扱いで、高価なものらしい。胡椒とか高価なんだそうだ。

 

レクノアの話によると、肉は、狩人が獲物を得られた時か、収穫祭の時に老いた牛を絞める時、貴族に上納する獣肉の余りのみしか食べられないそうだ。

 

このように、街中で串焼肉の屋台があるこの街は、相当に裕福なんだとか。

 

俺達が今宿泊している宿は、一晩で銀貨一枚。食事と、体を拭くための布と、タライ一杯の水付き。

 

食事は、朝晩に、黒パン、野菜シチュー、チーズが出る。

 

散髪は大体、銅貨一枚ってところらしい。千円カットかよ。

 

また、理容師は、髪を切る、整える以外にも、爪を整えて、髭を剃る。

 

それだけじゃなく、抜歯や浣腸、瀉血(血を抜いて悪いものを出す治療法)もするらしい。

 

理容師はつまり、医者も兼ねている。

 

本は、この世界は羊皮紙しかないので、極めて高価。銀貨が基本で、専門書なら金貨何十枚の世界だ。

 

また、当然ながらコピー機なんてものもないので、写本師ってのもいて、かなり儲かる仕事なんだとか。

 

武器は、俺が持っている鋼のロングソードで金貨三枚くらい。

 

レクノアが持つ、魔力を高めるトネリコの杖は金貨一枚。

 

服も中々に高価で、麻の服でも上下揃えれば銀貨数枚。靴なんて、ちゃんとしたものなら銀貨五枚は確実だ。

 

ウニクロなら、下着から靴まで全部揃えて五、六千円ってところなのに、この世界では全部揃えると十万円近くする。

 

そして、風呂。

 

上下水道。

 

衛生観念。

 

そんなものはない。

 

と、こんなところか。

 

まあ、そうね。

 

困るね。

 

 

 

俺は、街の見物を終えた後に、街外れの川に来た。

 

今は夕暮れということもあり、この辺りに人はいない。

 

ここでシャワーを浴びる。

 

「シャワーって何?」

 

俺は、シャワーについて頭の中で考える。

 

「うん、分かった」

 

レクノアは、全知の魔眼で俺のイメージを読み取った。

 

簡易シャワールームがガチャから出たので、発電機を繋ぎ、排水溝の水を川の川下に垂れ流す。

 

発電機については、昨日の夜に、ガチャのスーパーレアで出た、無限に電気を発する魔法の宝石を、テスターを使って電圧電流を測定したので、変圧器などを噛ませて、特製の魔法の発電機を作った。

 

魔法の発電機は、家庭用の100Vのコンセントだけじゃなく、業務用の200Vも付けてある。

 

そんなこんなで、まずはレクノアを先にシャワーに入れた。

 

「さっぱりした!気持ち良い!」

 

「良かったな。見張っとけ、次は俺が入る」

 

全裸のレクノアにバスタオルを投げつける。

 

……にしても、レクノアは胸がそこそこにあるな。手懐けた暁には触らせてもらえるだろうか。

 

そんなことを考えつつ俺も、身体を洗ってから、バスタオルで拭く。

 

バスタオルや服は、週末にまとめて洗うつもりだ。

 

いや、乾燥機能付きの洗濯機がガチャから出たからな。

 

「じー」

 

「どうした?」

 

レクノアは、シャワー上がりの俺の身体をじっくり見つめる。

 

「……大きい」

 

どこが、とは言わないが。

 

逆に俺は、風呂上がりのレクノアの胸元を見た。

 

「……触る?」

 

「じゃあちょっとだけ」

 

にしても、全裸の成人男性が十五歳の女の子の乳を揉んでりゃ事案だよな。

 

揉むけど。

 

 

 

そうしてから、宿に戻り、飯を食ってから歯を磨く。

 

「歯ブラシかー、歯を磨くのって久しぶりだよ」

 

「毎日磨け」

 

「うん」

 

宿の裏で、歯を磨きうがいをして、部屋に戻って寝る。

 

さあ、明日は仕事だ。

 




傭兵の世界:ハードコアファンタジーだが、今の段階でも亜人国家は平均して江戸時代くらい。なお、人間の国家は窓からクソを捨ててる模様

触手の世界:ご都合主義ファンタジー。下水道とかちゃんとあるし、飯もそこそこうまいし、みんな結構水浴びとかしててきれいだし、魔法で強化された作物とかがあって食うものには困らない

技師の世界:超古代超文明の技術が所々残ったのを活用してる系ファンタジー、便所はスライムとかをああしてこうして。メシマズで風呂に入る習慣もない

帰還勇者の世界:亜人国家はむしろSF

クリエイターの世界:亜人国家はローマ的文明、敵対する人間国家はレコンギスタ的なスペイン的な、その内産業革命期並のイギリス的な国家も出てくる予定

錬金王の世界:ハードコアファンタジーで、住民達は基本的に、バベルから取れたものをどうやって活用するかと言うことばかりを考えているため、様々な学問や文化が未発達。便所は汲み取り、メシマズ、水浴びはそこそこだが、バベルから色々なものがドロップするので、結果的にナーロッパ化。主人公の実家のようなごく普通の農家であれば、旱魃でもない限りなんとか食べていくことは可能

ガチャJの世界:ハードコアファンタジー。国によって違うが、人々がまともに食べていくことすら困難。メシはクソ不味いし、そもそも食べられる野菜の種類がそんなにない。貴族共が暴利を貪り、普通の農家ですら重税で喘ぎ苦しむ。奴隷はゴミ屑のように消費される。清潔な水は貴重で、水浴びすらろくにしない人々。古代超文明の遺産を遺跡からくすねてきて使うくらいのもので、魔法は選ばれしものや貴族などの特権階級が独占。識字率も低く、数すらろくに数えられない奴が多い

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