ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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大丈夫、大丈夫です。

今作の主人公はクズですが、次回作の主人公はまともな奴を派遣するんで!

安心してください!信用してください!




20話 ネメアンレオン

「おらよ」

 

俺が思い切り振り回したバスタードソードは、猛獣の唸り声のような風切音と共に空間を斬り裂き、化け物の肉体を両断した。

 

なんだったか、これは。

 

「オウルベアだよ」

 

レクノアが言った。

 

「ああ、そうそう、オウルベア」

 

フクロウの頭を持つヒグマね。

 

立ち上がれば180cmくらいあるデカブツだ。

 

「トライー!」

 

「ぜはーっ!はあーっ、はーっ!」

 

「おい、トライ!」

 

「な、なんだい?」

 

「オウルベアから討伐証を剥ぎ取っておいてくれ」

 

「わ、分かったけどちょっと待って、つ、疲れたよ」

 

「何がだ?」

 

「オウルベアだよ?!ベテラン級でも一対一で倒すのは難しいって言われる化け物だ!そ、それを、一度に八体も相手するなんて、無茶苦茶だよ!」

 

「死ななかっただろ?」

 

「死ななかったけどね?!!!死ななかったけど、精神的には何回も死んでるよアタシは!!!」

 

「ははは!何だよお前、ビビってたのか?」

 

「当たり前だよ!旦那がいくら強くっても、アタシは凡人さ!本当に、死ぬかと思った……!」

 

「ほら、来てみろ」

 

俺は、トライを抱きしめて、頭を撫でてやる。

 

「わ、だ、旦那、こんなガキにするみたいに」

 

「トライ、お前は今まで雑魚としか戦ってこなかったろ?」

 

「え?そ、そりゃ、自分より強い奴と戦ったら、死んじまうじゃないか」

 

「ははは、だから駄目なんだよ。安全な戦いなんてねえんだ。戦いである以上、安全なんてものはどこにもない」

 

「そ、そうだけどぉ」

 

「だが、言えることは、死中に活あり、身を捨ててこそ浮かぶ瀬あれってことだ」

 

後ろに逃げるよりかは前に進む方が生きる道がある場合ってのは、結構多い。

 

ビビって立ち止まると囲まれる。

 

「そんな、死んだら終わりだよ!」

 

「いや、死ぬことより辛いことなんざいくらでもある。ただ死ぬくらいなら安いんだよ。だが、ビビって動けないと、犬死にだ」

 

「うう、分かったよ……」

 

「よし、いい子だ」

 

まあ、ズルしている俺が言っても説得力はないんだがな。

 

 

 

その後は、討伐証であるクチバシを回収して、皮を剥いでトライに持たせた。

 

だが……。

 

「ぐぬ、お、重い!」

 

まあ、そうなるな。

 

トライ一人では、八匹分のオウルベアの皮、肝、魔石、クチバシ……、そう言ったもの全ては持てない。

 

どうするか……。

 

そうだ!

 

「レクノア」

 

「えっと……、召喚獣は珍しいけど持っている人は結構いるよ」

 

「OKだ、行くぞ!召喚!」

 

俺は、ネメアンレオンを召喚した!

 

『グルルルル……』

 

それは、白い身体に、黄金のたてがみを持つ獅子。

 

蒼い瞳に深い知性をたたえ、身体は、明らかに普通のライオンよりも大きい。普通のライオンの2倍くらいの巨体だ。

 

「へえ、カッコいいじゃねえか」

 

俺は、ガシガシとネメアンレオンの頭を撫でた。

 

『ゴロゴロ……』

 

嬉しそうにしているようだ。

 

「よし、そうだな……、お前は『クーリエ』だ」

 

『ガウ!』

 

え?何でクーリエ(運び人)かって?俺が好きなゲームの主人公が運び人なんだよ。ほら、某放射性降下物の。

 

「トライ!」

 

俺は、トライに目を向ける。

 

あれ?

 

視線を下に。

 

「へ、へへーっ!」

 

「……何土下座してんだ?」

 

「獅子神様だもん、頭を下げなきゃ!」

 

は?

 

「獣人は、ネメアンレオンを獅子神様、ナインテイルフォックスを九尾神様、フェンリルを神狼様、ケリュネイアンハインドを鹿神様とか言って崇めるみたい」

 

ふーん、多神教なんだな。

 

「ってことは、クーリエを連れ回せば獣人が傅くのか?」

 

「そうだよ」

 

そっかあ……。

 

×××××××××××××××

 

名前:クーリエ

 

体力:B

精神:A

筋力:A

耐久:S

器用:G

知覚:S

学習:D

意思:A

魔力:B

魅力:A

 

スキル

戦闘術:A

サバイバル:B

嗅覚:B

雷属性魔法:A

金剛不壊:S

領域守護:S

威圧:B

 

×××××××××××××××

 

 

 

ほら、タイとかでさ、真っ赤な飾り布に椅子とか傘とかをさ、象の背中に乗せて、その上に乗るやつあるじゃん?

 

俺はそれをクーリエの背中の上でやってる。ついでに荷物も背負わせてる。

 

俺がクーリエの背中に座って、手を振りながら街を練り歩く。

 

「ひええーっ!あ、あれはっ!」

 

「ありがたや、ありがたやーっ!」

 

「は、ははーっ!」

 

クーリエの姿を見るなり、道端でも構わずにいきなり土下座する獣人達。

 

それを見下ろしながら傭兵ギルドに入る。

 

カウンターに、オウルベアの討伐証であるクチバシと、貴重なオウルベアの皮、それと魔石、肝を出す。

 

オウルベアの討伐による報酬金は、一体で金貨三枚。

 

そして、丈夫で暖かい、羽毛と獣皮のいいとこ取りをしたかのようなオウルベアの皮は、一体分につき金貨二枚で取引される。

 

肝などのはらわたも、胃腸の調子を整える薬になるんだとか。その為、銀貨五枚ほどになる。

 

魔石も結構大きめで、金貨一枚になった。

 

それを八体分として、金貨五十二枚になった。

 

これを三等分して、俺の手元には金貨十七枚が入ってきた。

 

現在の所持金は、金貨八十四枚と小銭を少々ってところだ。

 

金貨は一枚で、大体十万円くらいの価値がある。

 

金貨十枚は常に持ち歩くとして、余剰な金貨が百枚を超えたら、GPに変換してしまおう。

 




あと三十話くらいはガチャJが続きますが、今は新作をまた書いています。

新作のあらすじを軽く投げておきます。

因みに、帰還勇者とラブのないラブコメもちょっとずつ書いてます。あと、要望のあった旅人スパロボZもちょっとだけ。



全然絶望しないポストアポカリプス

舞台は数百年後の日本。20XX年、世界は核の炎に包まれた。しかし、人類は絶滅してはいなかった!

主人公たるグレン(28)は、四年間、異世界転移して、異世界で賢者をやっていた。しかし、王女から公爵家の一人娘、著名な女冒険者から奴隷まで、百人の女を口説き落とし、孕ませたことにより、国の怒りを買い、拘束されて日本に送還されてしまう。

グレンが帰ってきた日本は、2020年ではなく、何と、2XXX年頃。異世界の地球は時間軸が大きく違っていたのだ。

地球は、21世紀後半に、共産主義国家と資本主義国家の第三次世界大戦が勃発し、核によって滅びていた。ここ、日本も、東京に核ミサイルが直撃し、滅亡……。と見せかけて、世界はポストアポカリプスながらも人が生きている。

けど大丈夫、グレンは、異世界転移の時に手に入れた、『創造』のスキルがあるから。いやむしろ、この時代だと、メタルマックスみたいな世界観で水すらろくにないし。グレンは、特技が料理と楽器演奏、実家は整体院、職業は美容師で、創造スキルがないとポストアポカリプス世界で生き抜くとか無理なんです。

最初に、日本軍が開発していた超能力を持った人造人間が研究所から逃げてきたので、それを拾う。

街では、戦前の貴重な物資を大安売り。

女の子が大好きなので、可愛い女の子をガンガンスカウトし、世界を巡る!

そしてやがて、愛知県にある新興国家『オワリ』にて、『オダ』のうつけ姫と出会う!はい、この世界、荒廃して武家階級が復活したんです。

そして、うつけ姫に手を貸して、天下統一をしながら美少女をコレクトし、金を稼いで遊んで暮らす!



登場人物

主人公
びっくりするほど顔がいいぞ!カリスマ美容師の名の下に、アイドルや芸能人の女の子に手を出しまくり、異世界でも身分様々な美少女に手を出しまくり大変なことになったにもかかわらず、一ミリも反省してないぞ!
荒事は全然できないので、ロデムみたいなシモベに身を守らせている。

ヒロインちゃん達
荒廃したこの時代だと、優しい男なんて全然いないから、表面上は紳士的な主人公にコロッと落ちるぞ!

オダのうつけ姫
歴史書とか結構散逸しちゃってるので、歴史観が司馬遼太郎の国盗り物語からきているぞ!
うつけのように見えて、色々考えているぞ!本物の信長みたいに!
でも、蝮の道三みたいな頼れる、自分のことを凄いと言ってくれる大人の男に憧れてて、そこを主人公に突かれてコロリだぞ!

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