ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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台風が近づいて雨が降り、俺は風邪をひいた。


33話 奴隷一家購入

現代の日本人が異世界に来たからって「よし、奴隷を買うか!」ってのは倫理観ガバガバかな?とお思いかもしれない。

 

だが、よく考えて欲しい。

 

ブラック企業にて、朝から晩まで休日すらなく働かされる社畜!あれは奴隷と何が違うのか?

 

社畜を飼う側の経営者も、「代わりはいくらでもいる奴隷」と言う認識に違いないだろう。そうでなければとてもじゃないがあのような待遇で人を働かせたりはしない。

 

「お金は渡せないけど顔が売れて次の仕事に繋がるよ」などと言って金を渡さず搾取する……、奴隷以外の何物でもないな。

 

現代日本にも、社畜という名の奴隷がいるのだから、異世界に転移した日本人が奴隷を買い取ろうとするのはおかしくないはずだ。

 

ましてや、日本以外では、奴隷よりも悲惨な目に遭っている人間が山ほどいる。

 

日本でいい暮らしをしていると気が付かないだけで、奴隷という名前じゃなくとも、実質奴隷な人々は山ほどいるのだ。

 

何が言いたいかというとつまり、俺の倫理観がおかしいのではなく、日本人が平和ボケしてるだけってことだ。

 

俺は何もおかしくない。

 

 

 

さあ、早速奴隷を買いに行こう。

 

この世界では奴隷は合法である。

 

オランダに支配されていた頃のインドネシア、イギリスに支配されていた頃のインドのような扱いより酷くてもOKで、つまりは、ぶっ殺しても処罰されない。

 

奴隷は人間扱いされないのだ。

 

俺は、レクノアとトライを連れて、クーリエに乗りながら街を練り歩く。

 

もちろん、バッチリ注目される。

 

そして、奴隷を売っている市場に入った。

 

クーリエの威圧を感じて、全ての人間が道を開ける。

 

そして、奴隷商人の前に立った。

 

「な、ななな、な……?!!」

 

「お前が奴隷商人か?」

 

俺は、あえて敬語を使わずに、威圧するように訊ねた。

 

何でも、レクノアが言うには、奴隷商人はガンガンぼったくってくるらしい。

 

だが、こうやって威圧すれば、ぼったくりはしないだろう。

 

「は、はい!そうです!」

 

「礼儀作法と経営、計算ができる奴隷が欲しい。そうだな、例えば、元商人とか」

 

「わ、分かりました!おい、連れてこい!」

 

そして連れてこられた奴隷は、茶髪にヒゲの男と、くすんだ灰色の髪を持つ半獣人の女だった。男女共に三十くらい。

 

「こ、こいつらはオフィサー級の商人とその嫁で、礼儀作法と経営、教養のスキルを持っています!」

 

俺は鑑定をかける。

 

×××××××××××××××

 

名前:ラリー

 

体力:G

精神:G

筋力:G

耐久:G

器用:G

知覚:G

学習:D

意思:G

魔力:G

魅力:D

 

スキル

教養:D

経営:D

礼儀作法:D

鑑定:D

 

×××××××××××××××

 

×××××××××××××××

 

名前:ベル

 

体力:F

精神:H

筋力:F

耐久:F

器用:G

知覚:F

学習:G

意思:F

魔力:G

魅力:D

 

スキル

教養:E

礼儀作法:E

武術:F

嗅覚:E

家事:E

 

×××××××××××××××

 

「いくらだ?」

 

「ふ、二人合わせて金貨十枚でどうでしょう?」

 

俺はレクノアに目配せする。

 

レクノアは頷いた。

 

「よし、買ってやる」

 

すると……。

 

「ま、待ってください!子供が、子供がいるんです!!!」

 

と、ラリー……、男の方が叫んだ。

 

「子供?」

 

「はい、子供が七人いて……!」

 

「子供は使えるのか?」

 

「皆賢くて良い子ですが、幼い子を親元から離すのは……、ぐあっ?!!」

 

「うるせえぞ奴隷が!旦那様を怒鳴りつけるとは何事だ!!!」

 

奴隷商人が、ラリーを鞭で打った。

 

「おい」

 

「へっ?はい?」

 

「今、俺はそいつと会話をしている。邪魔をするな、いいな?」

 

「ひっ……?!わ、分かりました!で、ですが、これだけは言わせてください!」

 

「何だ?」

 

「そ、そいつらのガキは七匹いやがるんですが、一匹が病気持ちなんです!病気持ちを買われて後から苦情を言われちゃこっちが困りますよ!」

 

ふーん?

 

俺はラリーに話しかける。

 

「そうなのか?」

 

「っ……!!は、はい」

 

「病気なのか」

 

「で、ですが、本当に良い子で!!!」

 

「いやお前の主観とかどうでも良いから。使えるのか?」

 

「……全員、礼儀作法と教養を覚えさせて、長男と長女には経営スキルも覚えさせました」

 

「病気なのは誰だ?」

 

「長女です……」

 

ふむ……、念のため見ておくか。

 

「奴隷商人、こいつらのガキを全員連れてこい」

 

「へ、へい、病気持ちもですか?」

 

「全員だ」

 

どれ……。

 

顔を青くして、立っているのもやっとと言った長女と、それを支えようとする長男。

 

それとガキが七人いる。

 

鑑定、と。

 

×××××××××××××××

 

名前:プリム

 

体力:H(病気により2ランクダウン)

精神:G

筋力:H(病気により2ランクダウン)

耐久:H(病気により2ランクダウン)

器用:G

知覚:E

学習:F(病気により2ランクダウン)

意思:F

魔力:G

魅力:D

 

スキル

教養:E

経営:E

礼儀作法:E

(武術:F)(病気により使用不可)

嗅覚:E

家事:E

鑑定:E

 

×××××××××××××××

 

おお、これは使える人材だ。

 

「レクノア」

 

「スーパーレアの病気治療メガポーションで治るよ」

 

「何だ、それならローコストだな」

 

病気治療メガポーションなんてダース単位で出てくるから百本くらいあるし。ポーションは出やすいんだよな。

 

そんなことを考えながら俺は、懐から病気治療メガポーションを取り出す。

 

「おい、奴隷商人。ガキも含めて買えばいくらだ?」

 

「へい、金貨十枚に加えて金貨二十でどうでしょう?」

 

「買ったぞ」

 

俺は金貨を渡した。

 




雨に濡れて身体を冷やしたのが悪かったね。

みんなも気をつけようね。



それはさておき、またなんか書きてェなあ……?

今度はネットスーパーもの書きてェぞ……?

おっさん主人公が高校生のクラス転移に巻き込まれて、無能装って逃げて……、みたいなテンプーレ。

因みに俺が何かとネットスーパーやらガチャスキルやら、現代物資がナーロッパでも手に入るチートスキルを持たせるのは、そうしないと現代人は生きていけないからです。

いやお前、中世ナーロッパぞ?食事衛生娯楽医療ガバガバ世界で、あったかいおうちで出前ピザ食いながらゲームしてエロ動画でシコって寝る我々が中世ナーロッパで生きていけますか、アナタ?

家なんて隙間風上等のガタガタ、飯は米どころか普通の麦すら手に入りにくい、娯楽は大抵、神を讃える演劇のような、退屈なものが貴族向けにちょっとあるだけで、猥褻本は禁書扱い、売春婦は病気持ちかもしれない。そんな世界で一般通過ジャップが生きていける訳ねーじゃんよ。

仮に、下水道があるとか、飯がまあまあうまいとか、そう言うパターンはあれど、中世ナーロッパである以上、現代日本よりは福祉も何も、そう言ったものは少ないと見ていい。こんな言い方は良くないが、遅れた世界だ。

わかりやすく例えるなら、「お前明日からアフリカの片田舎で暮らせ」って言われたら、三日もたないでしょ?そういうこと。

なので僕は、転生主人公の皆さんには、現代日本の文化的な生活ができるようになるようなチートを付けるのです。

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