ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

795 / 1724
隣室の人、昼間からいびきが聞こえてくる。

何者なんだ……?

夜勤の人かな?


42話 砂漠の国の貴族女

傭兵共のガス抜きのために、砂漠のど真ん中でバーベキュー開始。

 

全員、かなり飲んでるので、今晩の巡回警備はどの隊も無理そうだ。

 

まあぶっちゃけ、俺とその召喚獣が本気になれば、奇襲とかあっても別に秒殺できるのだが、それだと下が育たないからな。

 

組織である以上、俺だけが負担を負うのはおかしいだろ。

 

だがまあ、このクソ暑い中、ずっと働かせてたら死ぬからな。

 

たまにはガス抜きしてやらにゃならんだろ。

 

しかしとなると、少々手が足りないな。

 

じゃあこうするか。

 

「召喚、リヴァイアサン!」

 

『ゴアアアアーーーッ!!!!』

 

うわ、水すげー。

 

存在している場所が湖になる、周辺環境を変えてくるタイプのモンスターらしく、召喚された時に地面が抉れて、そこから水が溢れ出した。

 

大きさは数十メートルはある、デカいドラゴンのような魚のような首長龍だ。

 

「よーし、お前の名前はジャックだ!」

 

『ガァッ!』

 

名前?

 

まあほら、水場と言ったらジャックだろ。

 

ラプチャーとかでもよかったかも?

 

×××××××××××××××

 

名前:ジャック

 

体力:A

精神:B

筋力:S

耐久:A

器用:G

知覚:B

学習:A

意思:A

魔力:B

魅力:A

 

スキル

戦闘術:B

サバイバル:B

水泳:S

水中呼吸:S

水属性魔法:S

行雲流水:S

大海嘯:S

威圧:A

 

×××××××××××××××

 

「クーリエ、アッシュ、ジャック!お前らは見張りをしておけ!」

 

『『『ガァッ!』』』

 

そう言って、三匹を呼び出すと、獣人、鳥人、蜥蜴人が崇めてきた。

 

やはり、ネメアンレオンは獣人の神、フレズベルグは鳥人の神、ドラゴンの類は蜥蜴人の神(ワイバーンなどの亜竜は別)らしい。

 

さあ、それは良いとして、俺も酒でも飲むか。

 

やはりバーベキュー、バーベキューは全てを解決する。

 

肉をガッツリ食って『力(リキ)』をつければ、暑い砂漠もヘーキさ!

 

 

 

そして今は午後五時。

 

晩飯を作る。

 

晩飯のメニューは、業務用ロールパンと豆カレースープ、そしてボイルエビのサラダ。ついでにアイスクリームも出します。

 

よし、早速、調理開始だ!

 

まず、材料は調理器で切る。

 

そしたら大鍋で鶏胸肉と玉ねぎを炒めて、レッドキドニーとひよこ豆、トマト缶を茹でる。そこにカレーパウダーの類を入れて完成。

 

エビ、卵、ブロッコリーを茹でて、卵を潰して、マヨネーズと塩胡椒で味付け。

 

この人数での炊き出しとなると、あまり多彩なメニューは出せないが、まあ、その辺は腕の見せ所なんだぞ、ってことにしておこうか。

 

そうして、配膳していると……。

 

「あ、あの」

 

「んー?ああ、お前か。ちょっと待ってろ……、オイ!奥さん方!後は任せても良いかい?!」

 

ああ、さっきの貴族女か。

 

調理を手伝う女衆に後を任せる。

 

女衆も馬鹿ではないので、どうして動くのか原理は全くわかっていないが、野外炊具1号の使い方はほぼ完全に覚えたらしく、使いこなしている。

 

「はいよ!」

 

「良いですよ!」

 

「むしろ、大団長さんは早く休んでくださいな!」

 

女衆にそう言われてから、俺は客の応対をする。

 

「ありがとな!……よし、で、何?」

 

「貴方が私を助けてくれたのね?」

 

「そうだが?」

 

「私は、フィア・フライルー……、フライルー侯爵家の娘よ。助けてくれてありがとう。貴方は?」

 

おお、まともだ。

 

礼が言えるなんて偉いじゃないか。

 

少なくとも、俺を召喚した王国の王よりかはよっぽどマシだ。

 

「俺はライン、傭兵団『神秘の力』の大団長だ」

 

「ラインさんね。重ねて言うけれど、本当にありがとう……。護衛の傭兵に裏切られて物資を奪われて、後は砂漠で干からびて死ぬだけだったところを救ってくれて、貴重な水を分けてもらった上で街まで運んでくれたなんて……。貴方は命の恩人よ。できる限りのお礼はするわ」

 

OK、OKだ。

 

上々だな。

 

だが……。

 

「一つ良いか?ここは街じゃない、俺達の野営地だ」

 

「え?そんな……、だって、建物が……」

 

「ああ、アレは持ち運びできる家なんだよ。位置的には大体、帝国と砂漠の国の中間ってところか」

 

「え、ええと……、じゃあ、死の砂漠のど真ん中で野営してるってこと?」

 

「よく分からんがそうだな」

 

「……貴方、正気なの?」

 

「俺はまともだよ。死なない算段があるからここにいるんだ」

 

と、その時、フィアの腹が結構な大きさで「ぐう」と鳴った。

 

「あ、あら?私ったら、なんてはしたないことを……!」

 

「んー?腹減ったのか?下々の傭兵が食うもので良ければ、食事を分けてやるぞ?」

 

俺は、野外炊具1号を指さした。

 

「よ、よろしいのかしら?」

 

「おう、俺も今から食うから、自分の分は自分で持っていけ」

 

「ありがとう、本当に助かるわ」

 

 

 

さあ、飯にしよう。

 

味は……、うん、良くできてるな。流石俺だ。俺は偉い。

 

「……ん?どうした?食えよ」

 

「その……、これは何かしら?」

 

「パンと、豆カレースープと、ボイルエビサラダだ。それとワイン」

 

「傭兵団って、こんな上等な料理を食べるのかしら……?」

 

「嫌なら食わなくて良いぞ」

 

「いえ!そうじゃなくって、砂漠のど真ん中で食べる食事にしては、豪勢すぎるのよ」

 

「そうか?こんなもんだろ」

 

「いいえ!まず、この白パンの白さ!黒麦ではなく、白麦を……、それも、丹念にふるいにかけてふすまを除去した、真っ白なパンをふっくら焼き上げてあるわ。それも、侯爵家の娘である私ですら口にしたことのないような、ふんわりとした雲のような柔らかさ!そして、味もほのかに甘く、バターの香りがしてとても美味しいわ!」

 

ほう。

 

「このサラダも美味しいわ!何より凄いのは、このシュリンプ!シュリンプは港でしか食べられない食べ物よ。こんな砂漠のど真ん中で食べるとなると、国宝級に性能がいいアイテムボックスに詰めて持ち運ぶ必要があるわ。そして、味の方も、程よい酸味のあるソースに……、これは黒胡椒ね?黒胡椒は、一粒で銅貨一枚と言われる高級品なのよ?それをこんなふうに大胆に……!」

 

はあ。

 

「極め付けは、このスープ!同じ重さの金銀と同じ価値があるとまで言われるスパイスをふんだんに使った、本当に豪華なスープよ!それに、鶏肉も王家御用達の食肉用鶏肉と比べても遜色ないわ」

 

そうかい。

 

「更にこのワインも、あり得ないくらいに美味しいわ!砂漠の国のワイン利権の殆どをその手に収めるフライルー家の私でも口にしたことのない、産地不明の最高級ワイン……、一体どこのものかしら?」

 

はいはいはいはい。

 

「まあ、アレだ。気にすんなよ」

 




体調悪い。

みんな特に何も言わんみたいなので、一応、書き溜め吐き終えるまで続けるかなあ。

ガチャはあと十話もないんじゃない?

その次の更新をどうするかだよ。

ラブのないラブコメを吐いておきたい気持ちもあるけど、俺個人の観測だと、ラブのないラブコメはあんまり人気ないんじゃないかなと思えるので、吐くか迷う……。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。