ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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予定通りにいかないもんよ。


揃う面子

時間が大きく飛んで十数年後。原作開始数年前ってところか。

 

……いや、特に言うことないしな。

 

俺は順当にシェロの右腕みたいなポジションで大魔導師ムーブしまくって、今や、全空一の大魔導師と噂されている。

 

街に行く度に、白髪碧眼のイケメンフェイスを活かして女の子を引っ掛けること多数。かの大魔導師は女好きだと言う噂も流れたかな。

 

だがまあ、目的はなんであれ、女の子が沢山寄ってきてくれたのは確かだ。魔法を教えてほしいとか、武器や防具にエンチャントをかけてほしい、マジックアイテムや財宝が欲しいとかな。でも、結構いい思いできたし。ワンナイトラブに愛人現地妻とやりたい放題やった。

 

ちょっと目立ち過ぎたかなー、なんて思わないこともないが……、まあ、遅かれ早かれこうなっていただろう。

 

俺のこの魔法力を完全に隠しきるのは難しい、分かっていたことだ。

 

さて、今回は。

 

ザンクティンゼルに出向く。

 

ザンクティンゼル……、主人公の出身地だ。

 

俺の計算が正しければ、今の主人公の年齢は十代前半。旅に出るのは確か十五歳の時だから、今から行けば確実に会える。

 

それに、だ。

 

「もしもジータちゃんだったら、師匠ポジに収まってウハウハに……!!」

 

俺は大魔導師だ。

 

勇者を導いたりとか、しちゃおっかな〜!

 

 

 

さーて、千里眼千里眼と。

 

んー、いたいたいたいた。

 

おやおやおやおや。

 

「ビィ、今日も訓練に行くよ!」

 

「またかよジータ、飽きねえなぁ」

 

よっしゃ、ジータちゃんの方だぁぁぁ!!!!

 

ジータちゃんの方だと俺のやる気ゲージが断然違う。

 

さあ、初接触。

 

うっわ、ドキドキだ。

 

「ん?誰か来るぜ?」

 

「あれ?誰かな、こんなところに」

 

「やあ」

 

爽やか全開。

 

「あの、貴方は……?」

 

「私は、マリン。大魔導師マリン。君を導くものさ」

 

「私を……?」

 

「なんだよにいちゃん、うさんくせえなあ……」

 

黙れトカゲ。ぐらぶるっ!みたいな不思議生命体にされてえか。

 

「君は、近い将来、イスタルシアを目指す。そうだね?」

 

「?!、は、はい!」

 

「しかし、そのためには、訓練を積む必要がある……」

 

「そうです!」

 

「ならば、私が剣や魔法を教えてあげよう」

 

「えっ、良いんですか?!」

 

「ちょ、ちょっと待った!何であんたは急にそんなことを言い始めたんだぁ?!意味がわからねえぜ!」

 

「私には未来が見える。君は将来、全空を股にかける大冒険を繰り広げるだろう。私はそれを見たいのさ」

 

「つまりは、道楽ってことかぁ?」

 

「そうとも言えるが……、純粋な善意でもある。君達には、世界を救って欲しいんだ」

 

「世界を、救う?」

 

「おいおい、スケールがデカくなってきたぜぇ?どこまでが本当なんだぁ?」

 

ビィ君は疑っているようだが……。

 

「でも、稽古をつけてもらえるのは嬉しいよ!一人じゃそろそろ限界だし……」

 

「そうかもしれねえけどよぉ……」

 

ジータちゃんは乗り気だ。

 

「取り敢えず、お試しって事で、私の指導を受けてみないかい?」

 

「はい!よろしくお願いします、師匠!」

 

「ええぇ?!し、師匠?気が早くねぇか?!」

 

師匠ポジゲット!

 

 

 

そして数年。

 

俺はジータに稽古をつけた。

 

ついでにセクハラもしまくった。

 

しかしジータも満更でもない様子。

 

キスや添い寝もしたぞ。

 

その度にビィ君から怒られたが。

 

さて、そろそろ原作の始まりか、ってとこで。

 

「さて、こんなものかな」

 

「どうしたの、師匠?」

 

俺に抱きついているジータを優しく引き剥がす。

 

「及第点ってことさ。修行は終わりだ」

 

「じゃあ、師匠、行っちゃうの……?」

 

「ああ。でも、また会えるさ」

 

「師匠には、一緒に旅についてきて欲しかったのに……」

 

「ごめんね、ジータ」

 

「お別れ、やだよぉ……」

 

キスをする。

 

「大丈夫、君は一人でもやっていけるさ」

 

「……うん」

 

まあ、懸念は、ジータに褒められた勢いで、生命創造や時間停止や飛行、異世界転移に召喚獣まで見せちゃったことかね。

 

いやー、凄い凄いって褒められるからついついやっちゃったぜ。

 

 

 

あ、因みに、プロトバハムートとも戦ってみたけど、五分で倒せた。舐めプだったんだけどな、割と。でも、マハジオダインとジゴデインに耐えてビーム撃ってきたのはびっくりしたわ。トリプルからのコラプス、アーダー、フレアで倒せたけど。久々に全力(但し制限魔法あり)で魔法ぶっ放せて気持ちよかった。

 

 

 

ジータと別れた、のは良いんだが。

 

やることがない。

 

シェロも、今では大商人となって、俺に態々依頼することもないらしい。まあ、会いたいんで時々顔を見せに行くが。

 

今は、そこらの島の山奥に来ている。

 

「この辺なら良いか」

 

さて。

 

『召喚』

 

時々は喚んでやらにゃならんよな。

 

『グルルルル……』

 

『我ガ主人ヨ……』

 

『御身ノ前ニ……』

 

まあ、生命創造で創ったものだから、実質子供みたいなもの。

 

たまにしか呼び出せないけどな。

 

『主人ヨ、人間ガ……』

 

ん?

 

「素晴らしい!!!」

 

こいつ、は……。

 

「魔導師よ、その力、我が翼の一族で役立てる気はないか?!!!」

 

ネツァワルピリ?!

 

何でこんなところに……?

 

どうするか、記憶消すか?いや……。

 

「誰だお前」

 

「む、すまんな、要求をする前に名乗るのが礼儀だな。我はネツァワルピリ!翼の一族の王である!!」

 

人違いではない、と。

 

「俺に何の用だ」

 

「名乗られたら名乗り返さなければならんぞ!」

 

「チッ、大魔導師マリンだ」

 

「何と!あの、全空一と謳われる大魔導師のマリンであったか!何たる僥倖か!」

 

「何がだよ」

 

「うむ!マリンのような者を翼の一族に迎え入れたいと思っておってな!」

 

「は?」

 

「我々は戦士の一族でな。しかし魔法の力を取り入れればより一族の力が高まるかと思ってだな!」

 

「いや、普通に……、嫌だけど」

 

「待遇は要相談だぞ?」

 

「嫌だってめんどくさい」

 

「確か女好きだと言っていたな。ならば、一族の女達を当てがおう。何、我が一族の女達は皆美しく、お主のように優れた力を持つ男が好きだ」

 

あ、ちょっと心が揺れた。でも。

 

「断る」

 

「しかし、複数の星晶獣を自在に操るともなれば、その力、凡ゆる組織や国が欲するだろう。その前に、我が一族が何としても手にしたいと思うのだ」

 

「こいつらは星晶獣じゃない、俺が創った召喚獣だ」

 

「何と、これだけの魔物を創ったと申すか?その力、益々欲しくなった!」

 

 

 

結果、なんか知らんがついて来た。

 

「その力の秘密、手にするまで同行させてもらおう!」

 

えぇ、俺としては美女とジータの大冒険を見物したいところなんだけど。

 

何で翼の王がついて来てんだか、理解に苦しむ。

 

「ほら、もう……、普通にマテリアやるからさ、これで我慢してくれよ」

 

「ふむ?この宝珠は?」

 

「魔力を込めると魔法が発動する宝珠だ。それには『セラフィム召喚』の魔法を込めた」

 

「何と!マジックアイテムまで創り出すか!その力、より一層欲しくなったぞ!」

 

あー、畜生。

 

そして道中。

 

「何だありゃ」

 

魔物のパレード?

 

先頭にいるのは……?!

 

メルゥ!!!

 

メルゥじゃないか!!!

 

空から降り立つ。

 

「やあ、可愛らしいお嬢さん」

 

「んんー?お兄さん、ボクちんに何の用?」

 

「取り敢えずは名乗ろう、大魔導師のマリンさ」

 

「マリン?……知らないなあ」

 

確か設定だと、メルゥは、森の奥に引きこもった戦闘民族の元女王だとか。知らなくても無理はない、か?

 

「なら、これから知り合おうじゃないか」

 

「そ〜だね〜。一期一会?って言うのかな?」

 

「いや、君とはこれからも末永く仲良くやっていきたいな」

 

「ん〜?末永く〜?」

 

「ああ」

 

「ん〜、ボクちん、狙われちゃってる〜?」

 

「そうだね、狙ってるよ」

 

「んふふ〜、お兄さん、とっても美味しそうな匂い〜……。うん、良いよ〜。狙ってオッケー!」

 

資格を得た。

 

「むう、我の時と大分態度が違うな!」

 

「当たり前だろおっさん」

 

「おっさんではない!まだ三十四だ!!」

 

いやおっさんだろ。

 

「ねえねえ、マリン〜?耳触ってみる?フサフサだよぉ〜?」

 

触るゥァ!!!

 

……ふさふさ。

 

「んっ❤︎撫でるの上手だね〜?」

 

「ああ、女性を喜ばせるのは得意なのさ」

 

「むっ?!マリン、後ろだ!」

 

ネツァワルピリが叫ぶ。背後から巨大なコブラが襲いかかって来ている。

 

「おっと」

 

俺はメルゥを庇うように前に立ち、マジスティックソードで一撃で斬り伏せた。

 

「無事かい?」

 

「……ほ」

 

「ほ?」

 

「惚れたぜ……!」

 

 

 

「マリン〜❤︎」

 

「よしよし、可愛いぞメルゥ」

 

「マリンよ、その年頃の娘に手を出すのはどうかと思うぞ」

 

うるせー黙れ。

 

「……そろそろ飯にするぞ」

 

「む?手ぶらのように見えるが?」

 

「そんなもん魔法で出すに決まってんだろ。……メルゥ、何が食べたい?」

 

「んー、ふわふわで〜、甘いのが良いな〜」

 

「よーし、パンケーキ出してあげるからねー」

 

と、川沿いにテーブルと椅子を出して、パンケーキを出す。

 

「我はチキンを希望するぞ!!」

 

「きーっちっち!儂は刺身で頼むぞい!!」

 

んんー?

 

増えてる。

 

「誰だよてめーはよ」

 

「なんじゃなんじゃ、ジジイには優しくせんとならんぞ!」

 

まあ、大した労力ではない、食事くらい出すか。

 

フライドチキンと刺身盛り合わせを出してやる。

 

「おお!魔法とは素晴らしいものだな!」

 

「きーっちっち!食べ物を出す魔法とは、長年生きてきたが見たことがない!」

 

俺も適当にサンドイッチを出す。

 

「「「「いただきます」」」」

 

「食べながらで良いから聞け。俺は、友人であるシェロカルテの命令を聞きつつも、とある少女を陰ながら見守り、イスタルシアまでついていくことが目的だ」

 

「成る程のぅ、ならば、儂もついて行って良いな?」

 

「嫌って言ってもついてくんだろどうせ。そう言う流れだしな」

 

「うむ、潔いぞ!」

 

はぁ、BLTサンド美味い……。

 

「ただし、俺の邪魔はするなよ。その時は死よりも辛い思いをさせるからな」

 

「穏やかじゃないのぉ」

 

 

 

「にしても、イスタルシアを目指すか……。実り多き旅になりそうだな!」

 

ネツァワルピリが言う。

 

そろそろこの島を出ようと港へ向かっていたところ……。

 

「大魔導師マリンはイスタルシアを目指している、それは本当なのかしら?」

 

ローブに三角帽子と杖、いかにも魔導師といった姿の女が話しかけてきた。

 

この女……、どこかで……?

 

あっ、マギサ!原作キャラだ!!

 

「本当だが、君は?」

 

「私はマギサ、貴方と同じ、魔導師よ」

 

「では、マギサ。君もイスタルシアを目指しているのかな?」

 

「ええ」

 

「それじゃあ、私の旅についてくるのはどうかな?」

 

「そうしたいのは山々だけれども……、イスタルシアに行くには、ルリアという少女が必要なのよ。私はその子を手に入れたいのよね」

 

「ああ、ああ、マギサ。大丈夫だ。ルリアの様子は常に見えている。私は、ルリアがいる騎空団を追えば、やがてイスタルシアにたどり着けると思うのだよ」

 

「それは……、名案ね。貴方と一緒に旅をした方が、より魔法の研鑽が積めるだろうし」

 

「決まりだ、私と共に行こう、マギサ」

 

「我の時と対応が大違いだな!」

 

「儂の時ともな」

 

うるせーってんだよ。

 




次はサラちゃんの件。

ダヌア出すかな出さないかなー。

いっそ艦これの方みたいに沢山キャラ出すべきか?

ジータちゃんと併合は避けたい。

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