私は、茨木陽(いばらきひなた)、十六歳。
長沢高校一年三組のJKだよー。
オタクやってまーす。
オタクだけどまあ、別に虐められたりはしてないから無問題だね。
特撮、エロゲ、ラノベ、何でもござれだよー。
部活は演劇部でー、バイトはメイド喫茶でー。両親は有名なオンラインゲームのプロデューサーとGMでーす。タイトルを具体的に言えば最終幻想の。
学校では、喫茶店の娘『犬神明良』、本屋の娘『岬風香』、アメリカから来た『アンジェラ・ジンデル』の四人でオタク同盟を組み、毎日楽しく暮らしているんだよー。
なんだけど、八月末、夏も過ぎようかって頃に。
「な、何だこれっ?!」
「足元に魔法陣が?!」
「す、すごく光ってるぞ!に、逃げた方が……、う、うわーーーっ!!!」
異世界転移、する羽目になったよー……。
「あいててて……、って、ここどこ?!あきらっ、ふーか!アン!大丈夫?!」
「痛た……、生きてるわよ」
「は、はい、大丈夫です……」
「オー、痛いデース!何事デスかー?!」
HRが終わって、部活に行こうと鞄を手に取ったその瞬間、私達の足元に光る大きな魔法陣が浮かび上がった。
そして、一分もしないうちに、魔法陣の光が、目を開けていられないほどに大きくなって……。
気がついたら、石造りの建物の中にいたの。
そりゃあ、まあ、びっくりしたよ。
こんなことあるんだ、って。
これってアレだよね、異世界転移。
本当にこんなことがあるんだなー。
よし。
「ステータスオープン」
とか、小声で言ってみる。
『NAME:ヒナタ
RACE:ヒューマン
AGE:16
SEX:女
JOB:マスターオブミミック
LEVEL:1
HP:500
MP:500
STR:100
DEX:100
VIT:100
AGI:100
INT:100
MND:120
LUK:200
CHA:200
SKILL
異界知識 Lv3
演技 Lv5
瞬時記憶 Lv5
EXTRA SKILL
ものまね Lv1』
あは、よーしよし!
これは……、ものまね士じゃーん!
強キャラの予感!
いち早く『魔法剣二刀流みだれうち』しなきゃね!!!
そんなこんなで、いち早く自分のステータスを理解した私は、明良、風香、アンジェラの三人に、ステータスオープンと言えば自分のステータスを見ることができると助言して、お互いのステータスをノートに書き入れ、見せ合った。
『NAME:アキラ
RACE:ヒューマン
AGE:16
SEX:女
JOB:ワイズマン
LEVEL:1
HP:400
MP:1000
STR:80
DEX:100
VIT:80
AGI:80
INT:200
MND:100
LUK:100
CHA:200
SKILL
異界知識 Lv6
料理 Lv4
黒魔法 LV5
白魔法 Lv5
赤魔法 Lv5
青魔法 Lv5
緑魔法 Lv5
EXTRA SKILL
金魔法 Lv1
銀魔法 Lv1』
『NAME:フウカ
RACE:ヒューマン
AGE:16
SEX:女
JOB:ジオマンサー
LEVEL:1
HP:400
MP:700
STR:70
DEX:100
VIT:70
AGI:70
INT:220
MND:80
LUK:80
CHA:200
SKILL
異界知識 Lv8
速読 Lv4
EXTRA SKILL
地図作成 Lv1
大地の神秘 Lv1』
『NAME:アンジェラ
RACE:ヒューマン
AGE:16
SEX:女
JOB:ニンジャマスター
LEVEL:1
HP:500
MP:600
STR:120
DEX:140
VIT:80
AGI:180
INT:70
MND:80
LUK:100
CHA:200
SKILL
異界知識 Lv4
格闘 Lv3
剣術 Lv5
二刀流 Lv5
投擲 Lv5
窃盗 Lv5
EXTRA SKILL
忍術 Lv1
影渡り Lv1』
そして、ステータスを見せ合った後は、なるべく目立たないように行動すると四人で約束したよ。
問答無用で異世界転移させてくるような無礼なやつらが、私達の今後に責任を持ってくれるほど紳士的とは思えないもんねー。
下手に有能だと思われると、『隷属の首輪』みたいな感じの洗脳アイテムで洗脳されちゃうかもしれないし。
そんなことを話し合ってしばらくすると、シミ一つない真っ白なドレスに、銀色のティアラを付けた美女が現れて一言。
「ようこそおいでくださいました、勇者様方」
その美女……、フランソワーズ・ド・ククラは、簡潔に名乗ると、私達生徒が騒めくのを無視して一分か、二分か待ったんだ。
そして、騒めきが小さくなると、これまた簡潔に、ついてきてくださいと一言。
従うしかないので、全員移動。
って、アレ?
なんか、見知らぬおじさんがいる。
いや、あの人、どこかで見た気がするんだけど……、うーん?
まあいいや、どうやらここは城で、これから玉座の間の王様の前にでも案内されるんだろーね。道のりは長いだろうし、おじさんに話しかけてみよう。
おじさんは、髪の毛が首の後ろを完全に隠すくらいのセミロングで、口と顎に整えられた髭を生やしているのが特徴かな。
その長い髪をポニーテールにして、がっしりした180cmくらいの身体を、作業着に包んでいるハンサムイケオジだね。
私、イケオジ萌えだから、ちょっちドキがムネムネだね!え?胸なんてないじゃん?うるせぇ!貧乳も萌え要素だろうがっ!
っと、それより、早く話しかけよう。
「あのー、ちょっと良いですか?」
「あ、はい、何ですか?」
ん?なんか違和感?
まあ良いや。
ええと……。
「おじさん、誰ですか?」
「私かい?私は……、は、花形だよ。花形敬」
花形さん、ね。
「花形さんは、何でここに?」
「久々の休日で、母校の近くに寄ったから、校舎の様子でも見ようと長沢高校に近づいたら、急に足元が光ってね……。腰を抜かしていたら、急にここへ……」
ふむふむ、巻き込まれたんだ。
……巻き込まれた?!
「あ、あのっ!ステータスオープンって行ってみてください!」
「え?あ、ああ、ステータスオープン……、って何だこれは?!」
「なんて書いてありますか?」
「商人と、異界知識 Lv5と書いてあるね……」
「エクストラスキルは?」
「え?何も書いていないけど……?」
あ、あからさまァッ……!あからさまな巻き込まれ転生者俺つえーものだよっ!!!
これ、後々で、どこかで修行したりして強くなって、散々スキルなしで馬鹿にしてきたこの国とか私達とかに復讐しにくるやつじゃん!
今流行りの追放系じゃん!!!
や、やばいねこれ。
仲良くして助命嘆願だ!!!
「そ、そうなんですか、残念ですね!で、でも、同じ日本人同士、頑張っていきましょう!」
「え?頑張るって……、何をだい?」
「えっと、召喚されたってことは、多分、魔王とかそう言うのを倒さなきゃならないと思うんですけど……」
「そ、そんな!!!私には、妻も子供もいるんだぞ!!!何故命がけで戦ったりなんか!!!」
みんながこっちを向く。
おじさんは私の肩を掴んで、叫ぶ。
ん……、何だろう、違和感がする。
おじさんの動きは……、そう、演技っぽいんだ。
伊達に子供の頃から演劇部やってないよ、私もさ。
おじさんの動きは、なんて言うかこう……、特撮系の大袈裟さがあるね。
私の肩を掴んだ時も、こんなしっかりしたガタイのおじさんに思い切り掴まれたらかなり痛いはずなのに、全然痛くなかったし。
でも、それを指摘したら不味い、よね?
演技をしてるってことは、人畜無害なおじさんを装いたい、面倒ごとはごめんだってこと、だよね?
この場はそれに乗っておこうか……。
とりあえず、今作は二十話くらい書けてます。
反応を見て人気有り気だったら書き溜めを増やして、そんなんでもない感じだったらまた別の新作か、それとも既存作品の続きか……。
新作はいくつかストックがあるんですけど、今は、また新しく貞操観念逆転ものを書き始めました。具体的には、ストライクウィッチーズとかマブラヴみたいな滅亡寸前世界に転移してきた、イケメン両刀の主人公が俺ツエーする話になると思います。
美少年でも構わず食ってしまう主人公!貞操逆転世界の女共はそれを見て「ホモも良いんだけど私も構ってほしい」みたいな複雑な顔になる!面白そう!