ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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マックの出前を頼んだんだが、間違ってコーラを買ってしまった。

普段は牛乳なのに。

……マックのバリューセット買って、ドリンクに牛乳を頼むと、周囲の人からサイコパス扱いされるんですよね。「マックはコーラだろ!」と。

そうなの?

俺っておかしいのかな……。


20話 みんなの前でごめんなさい

俺はポイントに変換せずに、十一億円分をアイテムボックスにぶち込み、財布とした。

 

「凄いよ景虎さんっ!!!十一億円だよ?!たった一日で十一億円!!宝くじ当たるより凄いよ!!!」

 

陽ちゃんが自分のことのように喜んでくれている。

 

「はっはっは、とは言え、多少食事を奢るくらいは構わないけど、何でも買ってやるみたいなことは言わないぞー」

 

「うへー、残念……」

 

「金銭関係しっかり引き締めておかないと、人間関係なんてジェンガより簡単に崩壊するぞ?」

 

「うげー、そう言う話、聞きたくないですよー!」

 

そうは言っても事実だからな。

 

金の問題は簡単に人間をぶっ壊す。

 

「俺も俳優になってからは、話したこともない自称同級生が山のように……」

 

「うわ……、やっぱり、苦労してるんですねー」

 

「JHKがヤクザと繋がってる話ってもうしたっけ?」

 

「ヤダーーーッ!芸能界の闇を見せないでェーッ!!!」

 

そんな感じで、陽ちゃんをいじめながら、和気藹々として宿屋に戻り、さあ次の日だ。

 

 

 

次の日、俺達は、ネットスーパーから買った惣菜パンを朝食として食べてから、部屋を出る。

 

すると……。

 

「チャールズ様ですね?」

 

と、身なりの良い初老の男に話しかけられた。

 

よく分からんがめんどくさいことになりそうだ。

 

「人違いです。すいませーん、チェックアウトしますー。はい、鍵を返却しますね」

 

「お待ちになってください。ガストン伯爵の使いです」

 

「さあ?知らない名前ですね」

 

「ガストン伯爵に逆らうのですか?」

 

そんなことを言う「使い」を使っている時点でお里が知れるな。

 

「で?逆らったらどうなると?」

 

「木っ端商人程度、どうとでもできるのですよ?」

 

「おーおー、威圧的ってやつだな?鶏ガラみたいな身体でよくやるぜ」

 

「……何ですと?伯爵閣下の使いである私を侮辱するおつもりで?」

 

「知らんのか爺さん?自分が侮辱したら、相手だって同じことを返すんだ。一方的に他人を殴れるとは思わないことだな」

 

「金などという不浄なものを扱う商人風情が……!」

 

「それで?伯爵閣下サマの飼い犬『風情』が見下すような木っ端商人に、伯爵閣下サマが何の御用で?俺だったら、とてもじゃないが、そこまで見下している相手にお願いなんてできないんだがね。俺は恥を知る人間だからな」

 

「貴様!!!」

 

「おっと!すまない、あんたは飼い犬で、高尚な、恥を知る理性のある人間である俺とは立場が違うんだよな!だが一言言わせてくれ……。犬が人の言葉を話すなよ」

 

すると、ジジイは、泡を吹いて「憤死」するんじゃねえのか?ってくらいにキレ散らかした。

 

いやぁ、醜いね。

 

歳を取るならもっと品のある紳士になりたいもんだ。

 

「者共!であえ!」

 

そしたら、宿屋のドアをバーン!と景気良くブチ破って、武装した兵士達が数人、なだれ込んできた。

 

口喧嘩で負けたから手をあげるってのは、この世で三本の指に入るくらいに無様だな。

 

「不浄なる商人め、どうだ!」

 

「どうと言われてもね。言っておくが、攻撃してくるなら潰すぞ」

 

「いつまでその高慢な態度が続くか見ものだな!やれ、痛めつけろ!」

 

兵士が殴りかかってきた。

 

一人目、俺の顔面を殴りつけてきた。

 

欠伸が出るほどスローだ。

 

拳を掴み、握り潰してやる。

 

二人目、飛びかかってきた。

 

金玉を潰す。

 

三人目、剣を抜いて斬りかかってきた。

 

剣を奪い取り、利き手を斬り飛ばす。

 

四人目、五人目、六人目。一斉に剣を抜き、襲いかかってきた。

 

四人目を盾にして、五人目の腕を引っこ抜き、六人目は背骨を砕いた。

 

全員を一瞬で、片方しか車輪のない車のようにしてやった。つまりはカタワってか。おっと、放送禁止用語なんだったか?まあいい、この世界にテレビはない。

 

「ひ、ひいいっ!!!」

 

逃げようとした「使い」の男を捕まえる。

 

「どこに行くんだ?」

 

「わ、分かった!伯爵閣下にとりなしてやろう!この私が口利きをすれば」

 

「そうじゃないだろ」

 

「は……?」

 

「悪いことをやったら、ごめんなさいだろう?」

 

「は……、わ、悪かった!謝罪する!だから」

 

「誠意が見えないなぁ?駄目だよ、謝罪には誠意を込めなきゃ……」

 

「か、金か!わ、分かった!金なら用意す」

 

「そうじゃないだろ」

 

「な、な、なんなんだ!なんだというんだ!!!」

 

「みんなの前でごめんなさい、だろ?」

 

 

 

俺は、死にかけの兵士と「使い」のジジイを捕まえて、街のど真ん中にある絞首台に吊り下げた。但し、逆さ吊りだ。首吊りではない。

 

もちろん、街中の人間がこちらを見てくる。

 

「さあ、言え」

 

「そ、そんなことを言ったら私は破滅だ!」

 

「じゃあ、この絞首台から、正しい向きで吊り下がるか?俺はそれでもいいぞ?」

 

「そ、それは……」

 

俺は、「使い」のジジイの指を一本折る。

 

「ぎゃああああああっ!!!わ、分かった!言う、言いますぅ!!!」

 

「では……、さあ、街の皆さん!ガストン伯爵の使いからのお言葉だ!よーく聞いてくれ!」

 

ジジイは大声で叫ぶ。

 

「私!ガストン伯爵の使いであるケビンは!ガストン伯爵の命令で、商人を誘拐する仕事をしました!!!商人に対して高圧的に接して!それを咎められると逆上して兵士で取り囲み、脅しつけました!!!」

 

「しかし!連れてきた兵士は簡単に倒され!私は泣きながら命乞いをすることになりました!」

 

「ガストン伯爵の兵士は弱くて!この私、ケビンは、自分でものを考えられない犬畜生です!!!」

 

ジジイは、終わりだ、破滅だ、などと呟きながら泣いていた。

 

それを横目に、俺は騒めく聴衆に叫んだ!

 

「良いですか、皆さん!ガストン伯爵は、厚顔無恥な豚野郎だ!人様を上から目線で呼びつけて、断られれば武力をちらつかせるような最低のクズだ!そんな人間に私は屈さない!!!」

 

そう言い残して、俺は、四人娘を連れて街を出た。




こいつも大概サイコパスですわな。



さて……、次回作、大賢者ポストアポカリプスなんですが……。え?みなさん、ポストアポカリプスとか好きなんですか?あのあらすじを読んで「読みたい!」と思われたのだろうか……。あらすじをうまく書く技能も欲しいなあ。

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