四人娘を見る。
震えているようだ。まあ、春と言ってもまだまだ寒いしな。
「上着、欲しいかい?」
「そ、そうじゃなくって……、な、なんで、あんなことしたんですか?!」
ん?
ああ……。
「売られた喧嘩は買う主義でね」
「だ、だって、そんな……!」
「気に入らないか?なら、ここでお別れでも良い。金も手に入ったし、借金だってチャラで良いよ」
「そ、それは……」
ふむ。
「陽ちゃん」
「は、はい……?」
「君はとても優しい子だね。だけど、あえて言っておこう。殴りかかってきた相手になあなあで済ませて許すと、いつか取り返しのつかないことになるよ。殴られたら、相手が立ち上がれなくなるまで殴るくらいで丁度いいんだ」
「でも……」
「この際だからはっきりと言っておこうか。例え何があっても、俺は気に入らない奴には従わない。相手が王侯貴族だろうとなんであろうとね。そして、武力を向けてくるなら、相手を殺すことも厭わない。以上、俺のやり方が気に食わないのなら、ここでお別れだ。さあ、どうする?」
まあ、これにビビって付いてくるのをやめるなら、それがベストだな。
覚悟が決まっていない奴ほど邪魔なもんはない。
俺は、この世界だろうと、日本だろうと、自分とその仲間のためなら命をかけた。
どんな脅しにも屈しないし、敵対者はあらゆる手段で潰した。
生馬の目を抜くような芸能界において、他人に媚びずにのし上がるには、邪悪な手段も使う必要があった。
俺は自分の力にプライドを持っているし、それと同時に、プライドに反さないならどんな手段も使う。
正直、人道に背くことも平気でやるだろう。
そこにいちいち文句を言うような人間は連れ歩きたくない。
さあ、返答は?
「……私はついて行くよ。今回の件でよく分かった。あいつら、私達を殺そうとしてきた。殺されるくらいなら、私が殺す」
陽ちゃんは覚悟を決めたようだ。
まあ、土壇場でどうなるかは分からないんだがね。
「他は?」
俺が声をかける。
「私も、ついて行きます。私だって、他人の言いなりになるのは嫌だ……!!!」
明良ちゃんがそう言った。
「他は?」
「私もついて行きマス。私も、舐められる、嫌いデス。フレンズを害する奴らは、殺しマス」
アンジェラちゃんが言った。
「君は?」
「……私も、ついて行きます。ここで景虎さんと別れても、私は生きていけません。それに……、まあ、他人を殺すのは嫌です。けど、友人や、自分が死ぬのはもっと嫌です」
風香ちゃんが言った。
よし、よし。
なるほど。
「じゃあ、この瞬間から、お前らを俺の仲間と認めてやる。仲間だ、助けてやる。だから、俺を助けてくれ」
「「「「……はい!」」」」
正式に仲間になったので、距離を詰めてみた。
「で?景虎さん、どうすんの?」
「ああ、面倒ごとが起きそうだからな。こうする……、『変身』」
俺は、スーツと白いボルサリーノ帽を身につけて、こう言った。
「どうだ?アル・カポネだ」
と。
「変身スキル!そういうのもあるんだ!覚えたよ、私も……、『変身』!」
陽は、短髪の少年に姿を変えた。
「おほー!ショタだ!」
興奮する陽を他所に、俺は指示を出して行く。
「明良、お前は男装しろ。顔が中性的だから、胸をサラシで巻けば男に見えなくもないだろう」
「ええ、分かったわ」
「アン、風香。お前らは胸が隠し切れないから、女の姿のままでいい。だが、ある程度姿を変えてもらう」
「イエス!」「はい」
俺がスーツ。
陽が子供用のスーツ。
明良がカチューシャをつけたフードの魔導師風。
アンが金髪をポニーテールにして袴と着物のサムライ風。
風香が丈の短いスカートにカシミアのコートを羽織るマダム風。
四人娘は、お互いの姿を見て笑っている。
「陽」
「はいよ」
「お前は俺の息子だ」
「オッケー、そういう設定ね」
「風香」
「はい?」
「お前は俺の嫁だ」
嫁役ってことだ。変装の話。
「えっ……?!!!あっ、はい!そういうことですね!はい!分かりました!」
「何だ?本当に嫁になってみるか?」
勘違いしたか?可愛らしいもんだ。
「ひゃあい?!!」
なんか変な声を出してる風香をよそに……。
「明良、アン、お前らは護衛だ」
「オッケー!」「イエス!」
さあ、これで……。
「行くぞ、お前ら!とりあえずは、この国から財貨を毟り取ってやる!!!」
次話から各ヒロインそれぞれの視点を描写します。
今作ではヒロインの数を絞って描写を濃厚にしていくと決めてるんで。
帰還勇者、いまいち書き溜めが増やせねえなあ。
なにがいけなかったんでしょうかー。
多分ね、キャラクターがいっぱい出てきて、それの設定を考えるのが大変で手が止まってる感じかな。
でも、キャラクター公募とかはあんまりしたくないんだよな。
それはさておき、またアンケート貼るんで答えてくれ……。