ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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シグルド、本当にもう……。


26話 新店舗

変身!商売!変身!商売!

 

このドゥムヤ王国の街を巡り、コンスタントに稼ぎ続けた結果、合計で五十億円くらいを手にした俺!!!

 

変装を繰り返しているので、その正体は誰も知らない。

 

ただ、いっつもスーツを着ているので、『黒衣の商人』という噂のみが一人歩きして都市伝説みたいになってるそうだ。

 

街の酒場で聞いた話だが、曰く、「見たことのない気品あふれる黒い服と白い帽子の紳士の姿をした商人がいて、そいつに頼むとどんな商品でも適正な価格で手に入る」と。

 

但し、「商人を捕まえて従わせようとしたり、無理やり値切ったりすると、商人は怒ってしまい、例え相手が貴族であっても、商人の四人の連れに叩き潰される」だとか。

 

そんな都市伝説が生まれて、国中に噂が広まった結果……。

 

「すみません、商人ギルドへの登録をしたいのですが、よろしいですか?」

 

「あっ!ま、ま、まさかっ!こ、黒衣の商人?!ギルド長ーーーッ!!!」

 

こんな感じで、話が早くなってとても助かっている。

 

 

 

「いやー、儲けた儲けた」

 

「やったね、ベンジャミン!」

 

今はベンジャミン・シーゲルと名乗っている。

 

「いやあ、ちょろいなあ」

 

俺は、更に『変身 Lv10』のスクロールを四つ買い取って、四人娘にプレゼントした。これは、俺の都合で変装してもらうので、無料で与えた。

 

これで累計二十五億ポイントの消費。

 

半分の節目たるLv5に成長したネットスーパースキルは、色々と変わった。

 

まず、追加された機能は、今まで、ネットスーパーの店舗スタッフだったマネキン人間達が進化したこと。

 

全員、近未来と魔法文明をミックスしたような、アンドロイド的存在になった。

 

顔も服装も個人個人に定義され、世間話を振ってきたり、表情を変えたりなど、とにかく高性能になっている。

 

そして、新しいテナントについて。

 

『サリバンモーターズ』『オカザキ人材派遣サービス』『ペイジ服飾店』の三つ。

 

更に、Lv6まで上がったので、『ペットショップマリッサ』『サタケ建築』『コトブキ娯楽店』の三つが追加。

 

『サリバンモーターズ』は、車両や航空機、船舶を販売している。軍用機も手に入るようだ。なので、『運転 Lv10』のスキルスクロールを購入。一億円。

 

『オカザキ人材派遣サービス』は、このネットスーパーの元マネキン職員、現アンドロイドのような存在を、有料で現実世界に召喚して、やらせたい仕事をさせられる、という店。もちろん、労働時間が長ければ払うべき賃金も増え、能力が高い者は雇うために必要な金額が高価だ。

 

『ペイジ服飾店』は、オーダーメイドのスーツからシルクのドレス、小指の先ほどのダイアモンドが付いた指輪から真珠のネックレスまで、幅広い服が手に入る店だ。鎧なども売っている。俺のスーツもここで買った。

 

『ペットショップマリッサ』は、普通のペットショップ……、と見せかけて、農耕馬やサラブレッド、果てはヒポグリフにグリフォン、ワイバーン、そしてドラゴンまで購入可能な店だ。ドラゴンは百億ポイントした。

 

『サタケ建築』はそのまんま、建築業者だ。塹壕掘りから要塞作り、インフラ整備まで幅広くやってくれる。原材料費と工賃だけで24時間働いてくれる、頼もしい建築業者だ。

 

そして『コトブキ娯楽店』は……、パソコン、漫画喫茶、図書館、映画館、カラオケ、ボウリング、スケートリンクにテニスコート、果てはスノボ用の雪山まで、幅広い娯楽施設を提供する店だ。因みに、この店にいるときは、時間が普通に流れてしまうので、人前で使うと急に俺が消えたように見えるらしい。はて、何でこの店では時間が流れるんだ?何の意味が?

 

その意味は、今わかった。

 

 

 

コトブキ娯楽店が解放されたので、四人娘に、息抜きとして二時間ほど漫画喫茶を使わせてやった。

 

陽が何気なく、漫画喫茶のパソコンを弄ったら……。

 

「………………え?!嘘でしょ?!」

 

と、騒ぎ始めた。

 

「どうした?」

 

「繋がるんだよ!日本のインターネットに!!!」

 

「………………は?」

 

陽は、店員から、携帯端末を借りて、即座に電話した。

 

「もしもし!お母さん?!」

 

『……陽?!陽なのっ?!!!』

 

「景虎さんっ!繋がるよっ!」

 

俺は、それを聞いて、即座に電話を借りて、日本の友人に連絡した。

 

明良、風香、アンも同じように、実家に電話したようだ。

 

俺はただ単に、ストレートに事実のみを述べ、今まで集めたテレビ局上層部の不正の証拠を隠した位置を、友人の俳優に託して、これからの芸能界の未来を託した。

 

四人娘は、と言うと……。

 

「うん……、そう、異世界転移」

 

『……ふざけてるのか?』

 

「いや、マジだよ……。まず、私達は、ククラ王国に勇者として召喚されて……」

 

と、色々と説明を始めている。

 

そして……。

 

「で、こっちが、俳優の鬼山景虎さん。巻き込まれて転移してきたんだけど、チートなスキルで私達を保護してくれたの!」

 

「どうも、鬼山です」

 

『ああ、貴方が……?あの、本当に、ありがとうございます……!!!』

 

四人娘の親と軽く話す。

 

全員、相当に物分かりが良かったが、流石に、「おたくの娘さん達は命をかけた殺し合いをすることもあります」と伝えると、動揺を見せていた。

 

日本では、戦後始まって以来の集団失踪、未解決事件として大騒ぎのようだ。

 

何にせよ、こっちの世界の話とか、バレたら大騒ぎになるから黙っていろと厳命しておく。

 

『お、鬼山さん……、何とかならないのですか?娘は、殺し合いだなんて……!』

 

「そう言われましてもね。この世界は日本のように、人命を尊ぶ国ではないんですよ。街を出歩けば、餓死した物乞いやら、喧嘩で殴り殺された男やら、梅毒で死んだ娼婦やら……、死体なんてゴロゴロ転がっています。その死体のお仲間にならない保証なんてどこにもないんですよ。それに、こっちが何を言おうと、世界側は殺しにかかってきますからね」

 

『そ、そんな……』

 

「実際、既に、俺も陽ちゃんも、何人か殺してると思いますよ?賊とかに殺されそうになったんで、それに抵抗して、手足やらを吹っ飛ばしてやりました。あれ、多分、何人かショック死してるでしょうね」

 

『な、なんてことだ……!』

 

親達は、さめざめと泣き始めた。

 

「まあ……、何を言われましても、こちらとしては、敵対者は殺害も視野に入れて攻撃する他ないとだけ明言しておきましょう。抵抗しなければ死にますし……、女性なら、死ぬより辛い思いをさせられるんじゃないですかね?」

 

『お、お願いします!娘を!娘を守ってやってください!!!』

 

「善処はしますが、期待しないでいただきたいものですね。四人の女性を私一人で守るのは無理ですから、本人達にも手を汚してもらう他ないです」

 

まあ、そんな感じで、軽く話をして終わりだ。

 




はい、ここまで。

で、次は、ラブのないラブコメ行きますね。

色々書きたいものがたくさんあって辛いな。

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