ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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久々にランキング載ったじゃん。

わーい。



27話 今後の計画

さて、まあ色々とやって金を稼いだ訳だが。

 

そう前置きして、俺は夜の中級宿屋で四人娘と相対した。

 

「まず、目標を決めたい」

 

俺はそう言いながら、ウイスキーの入ったグラスを傾けた。

 

「目標ですか?」

 

と陽が首を傾げる。

 

「そうだ。金は充分手に入れただろ?これからどうすべきか、話し合おう」

 

俺がそう返すと……。

 

「どうすべきかって……、私達は景虎さんに従いますよ」

 

と、明良が困惑した様子で返した。

 

「お前らは、やりたいことはないのか?ほら、今流行の異世界転生チートみたいな」

 

「うーん、そういうのは、この世界の厳しさを知った時点で諦めましたから……」

 

と風香。

 

「とにかく、早くアノ国から離れたいデスね」

 

とアン。

 

なるほど、そんな感じか。

 

「じゃあ、俺の案を聞いてくれ」

 

そう言って俺は、iPadのメモを開いた。

 

そこには、こう書いておいた。

 

1.田舎の方のまともな国を探す

2.手柄を立てるか何かして爵位を手に入れる

3.辺境の開拓地などの土地をもらう

4.辺境を開拓して商用植物や家畜などを育てる

5.他領と貿易して金銭を手に入れる。この時、なるべく黒字を出して貯金を切り崩さなくてもいいようにする

6.ネットスーパーに頼らずとも悠々と生活できる基盤を築く

 

こんな感じ。

 

「どうだ?」

 

「はい、しつもーん」

 

「はい、陽」

 

「こういうのって、貴族とかになると面倒ごとが多そうじゃないですか?都会の方に屋敷を買うとかでよくないです?」

 

なるほど。

 

「俺もそれを考えたが、都会の街で屋敷を買ったとしても、その土地は結局、その土地を治める貴族のものなんだよ」

 

「と言うと?」

 

「俺のネットスーパーはなんでも買えるが、土地だけは手に入らない」

 

「……?」

 

分からんのか?

 

「陽さん、つまりですね、王様の土地を借りれば、王様の都合で取り上げられてしまうということですよ」

 

と、風香が横から言ってきた。

 

そうだ、俺はつまりそれが言いたかった。

 

「だから、自分で土地を開拓するってこと?」

 

「そうだ」

 

「でも、開拓しても、なんだかんだ理由をつけて土地を取られちゃったりしません?」

 

と明良。

 

確かに、その懸念は理解できる。

 

だが……。

 

「この世界は中世並みで、中央集権国家はほぼない。だから、辺境の土地を開拓したくらいなら、わざわざ盗みにくる奴はいないさ」

 

ってことだ。

 

本当の意味で中世的な世界だからな。

 

ファンタジー世界の近世のような絶対王政とは違い、この世界では貴族の権益が非常に大きい。

 

この世界で王が貴族の土地を正当な理由もなしに取り上げるとすると、求心力大幅低下からの謀反祭りコンボだろうな。

 

「えーと、つまり、戦国時代?」

 

「そんな感じだな。大名達がバチバチ戦争してても、朝廷はあまり口出しできなかっただろ?」

 

「つまり、蠣崎氏のような大名を目指す訳です!」

 

と風香が言うが、三人は首を傾げた。

 

蠣崎氏なんてマイナー大名、女子高生は知らんのよな。

 

「蠣崎氏は北海道の大名だ。安東氏の従属家」

 

俺がそう補足するが。

 

「まず安東氏がわからない件について」

 

陽が更に首を傾げる。

 

「まあ、その辺はいい。とにかく、戦国時代の北海道のような辺境の地で引きこもって暮らそうと提案しているんだ」

 

「引きこもり、ですか?」

 

「ああ。この世界に見所や観光名所なんてなさそうだしな」

 

「それもそうデスねー、アニメみたいにわざわざ世界を旅する必要とか、ないかもデス」

 

とアンは俺のウイスキーをひったくり、舐めるように飲んだ。

 

おい、未成年。

 

だが、行動は置いといて、言葉は正しい。

 

観光産業なんてない世界なのだから、わざわざ世界を旅して色々なものを見よう!とはならないのだ。

 

精々、聖地っぽいところに巡礼者用の大聖堂があるくらいらしい(風香調べ)。

 

そんなもんを見物しても意味ないからな。

 

「でも、北海道みたいな寒いところはちょっと……」

 

と陽。

 

「南の島とかがいいわよねー」

 

「やっぱり、海の近くがー」

 

などと、明良と話し合っている。

 

「離島となると、商用植物の栽培は難しいんじゃないか?」

 

と、俺が言うと。

 

「ですが、水源が近くにないと……」

 

などと、風香も意見を言う。

 

そうやって意見を交換し合った末に……。

 

「じゃあ、海の見える陸地ってことで」

 

「「「「賛成!」」」」

 

 

 

「さあ、これからは、安住の地を探すための旅が始まるぞ」

 

俺はそう言って、ネットスーパーで購入した馬と馬車に乗って、街を出た。

 

「わあ!馬だ!名前なんて言うんです?」

 

「え?あー……、考えてないわ」

 

「じゃあヴァルキリーとスロー・ダンサーにしましょう!」

 

「パクるな、パクるな」

 

ってか、女の子が思い浮かべる馬の名前がそれでいいのか、陽よ。

 

「でも、名前がないのは可哀想ですよね」

 

「そもそも、オスなの?メスなの?」

 

「こっちの黒いのがオスで、白いのがメスだ」

 

「うーん、そうだ!飼い主は景虎さんなんだし、景虎さんが名前をつけるべきじゃ?」

 

あー?

 

「じゃあ、ボニーとクライドで」

 

「「「……?」」」

 

三人は首を傾げるが、風香が隣から注釈を入れる。

 

「ボニーとクライドと言うのは、禁酒法時代のアメリカで暴れ回った、カップルの強盗犯のことです」

 

「何それ、知らない」

 

「今晩は、ボニーとクライドの映画でも見るか?」

 

「え?映画化されてるの?!どんな強盗犯?!」

 

「まあほら、金持ちからだけ奪うみたいな感じで、民衆からウケてたんだよ」

 

「なるほど……」

 

そんな無駄話をしつつ、馬を歩かせる……。

 




それはそれとして溢れる創作意欲!!!!

15話くらいだけ書き溜めてある近世ロボットものの続きを書きたくなってきた。

昭和のロボットアニメみたいな悪の侵略宇宙人との最終決戦後に、生き残った最強のロボットパイロットと、その相棒のAIか近世ファンタジー世界に転移してしまう話です。

転移先は十九世紀後半くらいの文明があり、魔法で動くロボットがいます。

具体的に?

この世界のモンスターはクソデカくて強いので、それに対抗するために、魔法障壁を組み込んだ土塊の巨人「ゴーレム」を使っていたんですよ。

それが、近世に入ってから、「ちょっと待てよ?魔導師がいなくても訓練した一般人でも使えるようになれば楽じゃないか?」とか、「最近発展してきた錬金術の術理を組み込んだらもっと強くないか?」とか、そうやって進化を遂げたゴーレムを「マギアメイル」と呼び、以降、それらが世界の主力兵器となった訳です。

ストーリー的には、イタリアマフィア的な組織に取り入って、その援助を元にして傭兵団を結成し……、となります。

マフィアとの交流、傭兵団の活躍……。それを邪魔に思うファシスト党の妨害。

アメリカへの移住、二代目ボスのゴッドファーザーへの成り上がり。

日本やイギリス、ロシアや中国へ顔繋ぎ。

日清、日露戦争、ボーア、アフガン、キューバ……、あらゆる戦争への介入。

そして運命の第一次世界大戦……。

世界大戦で一躍有名になった傭兵団の更なる活動、各国への支部設立。

第二次世界大戦。

魔法ロボットも最初は雑魚なんですけど、段々と技術が進歩して強くなっていきます。中には、「ジオン軍かな?」みたいなビックリドッキリメカも!

最終的には近代編としてパトレイバーみたいな世界になるんじゃないかな?

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