ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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エルデンリングで時間がないのに……。


31話 腐った組織

商人ギルド。

 

地球の中世ヨーロッパに例えると、職人のギルドに相当する組織である。

 

その業務内容は主に三つ。

 

一つ、職人を管理する事。

 

二つ、流通する製品の数と品質と価格を一定に保つ事。

 

三つ、会員から会費を募り、それを元手に救貧院や孤児院などの援助をする事。

 

こうしてみると、素晴らしい組織のように思えるが……、そんなことはない。

 

職人の管理については、親方などの既に上の立場にある奴が、若い奴らに仕事を与えない為に『遍歴職人』という制度を作った。若い職人は職を求めて彷徨っている。

 

品質の一定化も聞こえは良いが、一定以上の品質にしても意味がないので、技術の進化がない。

 

孤児院への喜捨?横領だ。

 

まあ、最初は存在するべき組織だったんだろうが、この時代においては腐敗しまくりで最早ない方がマシなのでは?みたいな疑惑があるくらいだそうだ。

 

そしてついでに言えば、俺達のような余所者、外国人は、正式な身分証明書がない限り正規会員にはなれない。

 

ギルドの会員になるには、偉い人からの紹介状か、そうでなければその街での市民権と身分証のセットか……、そう言ったものがないの正規の会員になれないのだ。

 

仮会員は、登録料金が割増だし、街に滞在する限りは正規会員と同じ額の上納金を納めなければならない。

 

そんな辛い思いをしてまで、何で会員登録をするのか?もちろん俺も訊ねた。

 

理由は簡単、そうしないと商人ギルドと敵対することになるからだ。

 

未登録の商人は、ギルドが総力を上げて潰しに来る。

 

そんな訳で、面倒を避ける為に俺は登録をするのだった。

 

どうせ、本気で金を稼ごうと思えば、ギルドの会費なんてカスみたいなもんだからな。日本円だと月二、三万円になるから、零細職人にはかなりの負担らしいが……。

 

「はあ……、外国の新興商会、『コルレオーネ商会』ですか」

 

「ああ、会長のティガーだ。登録を頼む」

 

「まあ、良いですけど」

 

胡乱なものを見る目で書類を受け取った受付の女は、どうでも良いものを扱うように、俺のサインが書かれた羊皮紙をバックヤードに放り投げた。

 

「ああ、そうだ、聞きたいことが……」

 

「……次の方ー」

 

俺が質問しようとすると、俺を無視して次の客の対応に入ろうとする受付嬢。

 

大体予想できていたが、外国人である俺はこのように差別されるのが普通なのだ。

 

会話をしてくれるだけマシまである。

 

が、ここでめげる俺ではない。

 

こう言うやつに効くのはこれだ。

 

「質問があるんだが」

 

机の上に金貨を一枚置く。

 

すると……。

 

「……何ですか?答えられることなら聞きますよ」

 

と、会話を始められた。

 

「従業員が足りなくてね」

 

「ギルドで紹介しろとでも?あなたがお国でどれほどの商人なのかは知りませんが、余所者が……」

 

「いや、奴隷だ」

 

「……ふむ、奴隷に任せようと?よくある話ですね」

 

「奴隷商はどこにいる?」

 

「商売を任せられるような技能奴隷となると……、三番通りの『青蜥蜴商店』ですかね。技能奴隷もいますし、カタワやツンボで良ければ掘り出し物も多いと言う話です」

 

なるほどね。

 

俺は、追加でもう一枚金貨を置く。

 

「この国で奴隷を買うのは初めてでね。注意点はあるかな?」

 

受付嬢は、机の上の金貨二枚という臨時収入に頬を緩ませてこう言った。

 

「そうですね……、高級な奴隷は表通りでオークションにかけられますが、あなたに参加資格はないし、許可が降りることもまずないでしょう。青蜥蜴商会の掘り出し物狙いが一番ではないでしょうか?」

 

「掘り出し物ってのは?」

 

「五体満足の綺麗なまま捕まる技能奴隷って、少ないんですよね。例えば、完品のエルフなんて、金貨一万枚はします。でも、奴隷として捕まる時に抵抗して怪我をした奴隷は、完品よりずっと安値で買える訳です」

 

なるほどな。

 

「そういう欠損奴隷は、奴隷としてはクズ同然ですからね。あなたのような外国人だろうと購入できますし、安いです」

 

俺は、更にもう一枚金貨を出して、奴隷の相場について訊ねた。

 

「相場ですか。まあ、オークションに出るような高級奴隷は最低でも金貨数百枚から。技能奴隷なら金貨十枚前後。無能でも、身体が大きく健康な男奴隷などは技能奴隷に匹敵するくらい高価ですね。女奴隷や欠損奴隷は金貨数枚といったところでしょうか」

 

なるほど……。

 

「よく分かった、ありがとう」

 

「いえ、外国人でも、『物分かりの良い』外国人は嫌いじゃありませんから」

 

物分かりの良い?金払いの良いの間違いだろ?

 

あえて口にしないが、俺は曖昧な笑みを残してギルドを去った。

 

 

 

「そんな訳で、奴隷を買うぞ」

 

四人娘に俺はそう言いつけた。

 

「奴隷ハーレム……!なろうチート……!」

 

陽が意味不明な発言をしている。

 

「ハーレム?奴隷の女を買えってことか?」

 

「ほら……、ティガーさんも男の人だし……、そう言うのあるでしょ?」

 

ニヤついてそう言ってくる陽だが……。

 

「……こういうのを抱けると思うか?」

 

俺はそう言って、周囲を見回した。

 

周囲の女達は、ノミやシラミだらけの髪に、ガサガサで垢だらけの肌を、有毒な化粧を厚く塗って、おまけに香水をつけまくり体臭をも誤魔化している。

 

うん、金をもらっても抱きたくないな。

 

「あー……、なんかごめんなさい」

 

「いや、良い。まあ……、そうだな、若くて美人な奴隷とかいたら、買ってみようか?」

 

従業員として使えなくもない、かねえ……?

 

「いやその……、結構です」

 

まあ、だよな。




あーマジで現代ダンジョンものが書きたい意欲が大きい。

えっ実際どうです?現代ダンジョンもの見たいですか?

書き溜めがなあ……。

でも、近代ロボものとかも……。

あー……。

現代ダンジョンものは、某氏のやる夫スレのようにコツコツ成り上がる感じでやりたいのだが、小説ではあんこスレのようなドキドキ感とか飽きさせない感じとかが表現できないから、そこがネックですよね。

命懸けでモンスターを倒して日給数千円のクソみたいな世界を描き、そこから成り上がりをー、とか考えてんですけど。

あと書きたいのは、主人公である元ヤンおじさんの頭のおかしさ。

「ええ?何で?気に食わないんならさ、殺しちゃえば良くないかい?」みたいな発言をして、「ああ、こいつが逮捕されてないのは奇跡がいくつも重なった結果なんだな」と分かってしまう化け物っぷりを書いていきたい。

「気に食わない奴にはありとあらゆる要素を無視して、差し違えてでも攻撃してくる」という社会不適合な凶暴性と、陽キャの不良らしい鷹揚さが同棲するおかしな奴。

あー……。

あー……。

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