ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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毎回思ってるんだけどRPGとかでは何故スタミナの概念がないのか。

魔法使いには精神力の概念があるのに、戦士にはスタミナの概念がない。

なら、魔法使いの精神力もスタミナのように自動回復するか無限かってことにしない?


合流後

アウギュステにて。

 

沿岸警備をするジータと合流。

 

イオとルリア可愛い、カタリナも中々。

 

可愛いので愛でたい。

 

しかし、創造魔法で虚空から薔薇の花束を出したりしてるんだけど、反応は芳しくない。何故だ?

 

「ジータ、彼女達は何故怯えているのかな?」

 

「ファーストインプレッションが最悪だったからじゃないかな」

 

「む、やはりインプロージョンはナンセンスか。死体が不恰好だもんな。グラスプハートで即死させるべきだったな」

 

「師匠って割とサイコパスだよね!」

 

そう?

 

心優しい一般通過大魔導師よ?

 

「やっぱり師匠は外道だぜぇ……」

 

何だトカゲ、舐めたこと言ってるとぐらぶるっ!みてえに液状にするぞ。生きたまま液状にするぞ。バイオライダーよろしく。

 

「それにしてもジータ。会いたかったよ……」

 

「あんっ❤︎師匠……❤︎」

 

「ちゅ」

 

「んっ、ちゅう……❤︎」

 

「あーっ!!この!こらっ!ジータから離れろ変態師匠っ!!!」

 

トカゲェ、邪魔すんなよ……!

 

無視して続行。

 

「ちょ、ちょっと待て!!」

 

おっと、カタリナからストップがかかった。何だ何だ?

 

「マリン殿、ジータはまだ子供だ。そ、そのような、み、淫らなことは控えるようにしていただきたい」

 

「淫ら?愛を確かめ合っているだけさ」

 

「ごめんねカタリナ、師匠は女の子大好きだから……」

 

「お、女好きとはいえ……、ジータの年齢を考えて欲しい!まだ子供だ」

 

「年齢なんて気にしないさ、可愛ければそれで良い」

 

「な、なななななっ?!何て言い草だ!!!」

 

目を白黒させるカタリナ。

 

「師匠ってそういう人だから」

 

そう言って俺にしなだれかかるジータ。

 

瞳の中にハートマークを浮かび上がらせ、擦り寄ってくる。

 

可愛いやつめ。

 

「うう、あの全空一の大魔導師のマリンがこんな人だったなんて……」

 

残念そうに、悔しそうにするイオ。

 

「何か問題でも?」

 

「マリンさんの書いた魔道書、沢山持ってるわ。どれも革新的で、緻密で繊細、大胆不敵で超高性能。尊敬も、してるわ。でも!魔法は、魔法の力は、人々を幸せにする為にあるんだと、私は思うの!」

 

ああ、そうだね。

 

「幸せにする魔法かい?これなんてどうかな、前頭葉を刺激して擬似的に大麻の中毒症状を起こす魔法なんだが」

 

「師匠、多分そういう意味じゃないです」

 

ジータからのツッコミ。

 

えっ。

 

「イオは、人々を幸せにしたいって思う優しい子なのであって、強制的に幸せな状態にする魔法を知りたいって言った訳じゃないと思いますよ?」

 

そうなの?

 

「それじゃあ最近作った極限まで難易度を下げた創造魔法で、消費魔力に応じた量の任意の花を創り出す魔法なんてどうかな」

 

「そう!そう言う魔法!そう言う、人を喜ばせるような魔法にこそ力を入れてよ!」

 

と、イオ。

 

「誰にでもできる宴会芸くらいのものだが」

 

「そう言う怖くない魔法なら、是非教えて欲しいわ!効率的に殺すとか、洗脳とかそう言うのは、嫌よ……」

 

「しかし、戦う力も必要ではないかね?戦う力は悪用しなければ人を守ることができる力になるぞ」

 

「でも、貴方の魔法は……、恐ろしいの」

 

恐ろしい?何が駄目なんだ?

 

「私の術式に問題でもあったかな?」

 

「そうじゃないわ。……完璧過ぎるの」

 

完璧に越したことはねぇだろ。

 

「数百年先のレベルの先進的な理論と、実戦に基づいた構成式。どれを取っても最高だわ。でも、でもね。だからこそ、怖いの」

 

あー?

 

あれか、理解できないものは怖い、ってやつか。

 

成る程な。

 

「こんなにも簡単に、大量に、相手の精神と肉体を破壊できる手段があるってことが、たまらなく、怖い……!」

 

そうか?

 

「それは魔術の深淵を知らないからさ。真理を、この世の根源を、全てを知れば分かる。全ては本当に簡単なことなんだ」

 

「私は!真理なんてどうでも良いわ!」

 

あらそう?

 

そっかー。

 

うちの魔導師であるマギサは、真理を求める為なら多少の非人道的行為も容認するし、ハングリー精神だってある。分からないところはどんどん質問してくる良い生徒だ。

 

しかしまあ、一人前の魔法使いを目指してるらしいから、俺が啓蒙しようかと思ったんだが。

 

嫌なら良いよ。

 

ごめんな。

 

 

 

さて、今日の分の沿岸警備を終えて、と。

 

帰ってきたところで。

 

「何、捕虜を捕らえた?」

 

「へい、ですがまあ、何も喋らないんですよ」

 

「離すっす!解放するっす!誇り高き帝国兵は絶対に何も喋らないっすよー!!!」

 

ふむ。

 

「む、ファラじゃないか?!」

 

「あっ、先輩!」

 

カタリナの後輩、ファラだ。

 

しかしファラは、カタリナにも何も語ることはなかった。

 

「では私が尋問しよう」

 

俺がやる。

 

「何すか、あんた」

 

「お初にお目にかかる。大魔導師マリンだ」

 

「えっ?!あの大魔導師マリンっすか?!凄い、有名人じゃないっすか!!!」

 

ふむ、少し照れるな。

 

「三つ、選択肢をあげよう。一つ、地獄の苦しみを与えられ、情報を吐く。二つ、洗脳され、情報を吐く。三つ、心を読まれる。どれが良い?」

 

「ええっ?!ど、どれも嫌っすよ!」

 

「一つ目はオススメしない。あれは本当に苦しいからな。生皮や爪を生きたまま剥がされ、目玉や歯をくり抜かれるような痛みを何倍にも凝縮したような……」

 

クルーシオ、闇の魔法だ。

 

「ひ、ひいいいい……!」

 

「嫌か?」

 

「い、い、い、嫌っすよー!!」

 

「なら大人しく情報を吐いて欲しいんだが」

 

「そ、それも嫌っす!」

 

「なら、二つ目がオススメだな。支配の魔法をかけられている最中は、最高の気分だぞ。どんな指示にでも従えるだろう」

 

「駄目っす!無理っす!」

 

「心を読むか?」

 

「えー、それもなんか嫌っすよ。乙女の心には秘密がいっぱいっすから!」

 

ふむ……。

 

「あの、マリン殿。帝国兵とは言え私の可愛い後輩だ。あまり、人道に反することは……」

 

カタリナ中尉ィが口出ししてくる。

 

ええい、めんどくせえ。

 

『インペリオ!』

 

「あうっ」

 

「ファラ?!」

 

「マ……」

 

「ファラ、大丈夫か?!」

 

「マリン様の為なら何でも答えるっす!!!」

 

頬を紅潮させて、俺に跪くファラ。

 

「マリン殿!ファラに何をした?!」

 

「支配の魔法をかけたんだが」

 

「支配の魔法……?」

 

「一種の洗脳さ。これが終われば解くとも。さあ、帝国軍はどこにいる?」

 

「はい!ザニス高地っす!」

 

「よし、良い子だ。解除、と」

 

「………………っは?!わ、私は何を?!」

 

インペリオを解いて解放する。

 

「マリン殿!私は魔法に詳しくはないが……、貴殿の魔法は、人道に反している!」

 

「そうかな?」

 

「少なくとも、人を自在に操る魔法など、あって良いものではない!」

 

「ああ、安心すると良い。まず、この魔法は難解だ。一握りの天才にしか使いこなせまい。そして次に、この魔法には抵抗できる」

 

「しかし、それでも危険であることには変わりが……!」

 

「まあ、だが、そうだな。私程の大魔導師が唱えれば、ほぼ全てのものが抵抗できないだろう。星晶獣も含めて」

 

「やはりか……!」

 

「だが……、何が悪いのかな」

 

「……何が悪いのか、分からないと?」

 

「ああ、全くもって分からないね。言っておこうか。魔法の真理を見た者からすると、この魔法は何百何千年すれば実用されるだろう。今の世の中でも教えれば使えるようになる人間もいるだろう」

 

「だからこそ、封印すべきだと……」

 

「しかし術式そのものには何の罪もない。あくまで魔法とは技術に過ぎないのだから。要は使う者次第だと言うことだ」

 

「それはっ……!そう、だが……」

 

「その技術について詳しく知りもせず、頭ごなしに否定するのはいけないことではないかな?」

 

「確かに、そうだな……。すまない、言い過ぎた……」

 

「いや、良いさ」

 

と、説教と言う名の言い包め。

 

ただ単に魔法の行使に制限をつけられたくないだけってのは秘密だ!

 

 

 

「よし、じゃあ、帝国兵の嬢ちゃんは解放してやれ」

 

「しかし」

 

「良いんだ、解放しろ」

 

「へい……」

 

ファラは普通に解放された。

 

「先輩、じゃあ、私は行くっす。先輩の事情はよく分からないけど、また、会いましょう!」

 

「ああ、ファラ!さらばだ!」

 

しかし、あれだな。

 

こちら側に情報を吐いたことがバレたらタダじゃ済まないだろう。

 

最悪処刑もあり得る。

 

……それとなく使い魔に見張らせておくか。

 

「ではどうする?早速私がゼニス高地をゼニス平地に変えてこようか?」

 

「い、いや、できれば地形を変えるようなことは控えて欲しいんだが……」

 

若干引いたオイゲンが言う。

 

そう?

 

「取り敢えず本軍を呼び寄せて、明後日には攻める予定だ。あんたはその時に、本軍と一緒に騎空団で攻めてくれ」

 

「良いだろう。ああ、地形を変えた後は元に戻すからな。それなら良いだろ」

 

「んあぁ、そりゃあ、まあ。なるべくなら地形を変えて欲しくないが」

 

「たまにはそれなりの力で魔法をぶっ放したい」

 

「他所でやってくれ!!!」

 

駄目か?

 




大魔導師殿は人の心が分からない……。

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