女の子もイケメンからセクハラされれば嬉しいでしょ?
「917号だから、クイナって呼んで良いか?」
「クイナ……?名前をくれるの?」
「嫌か?」
「ううん、嬉しい!私はクイナ……、クイナだね!」
「じゃあ、クイナ。とりあえず、身体を洗おうか」
俺は、風呂場を作って、そこにクイナと一緒に入る……。
折角なので、洗っている最中に乳尻揉んどくわ。
クイナ。
外見の年齢は十八歳ほど、本人が言うには六歳。
日本人らしい細身の身体で、胸も平均的。身長は168cmくらいで少し高いかな?と感じる。まあ、188cmある俺よりは低いのだが。
顔の作りはかなりクール系で、年齢の割に大人っぽい印象を受ける。けどそこに奔放さと言うか、子供らしさと言うか、そういった幼さ的な部分が残っていて、そこがまた魅力的だ。
自称六歳の子どもらしい仕草も、クール系の見た目とミスマッチしているのだがそれが良いんだよな。
白髪が伸び放題だったので、これから切る。
「はい、髪切るよー。どうする?カワイイ系?キレイ系?パーマは当てる?」
「分からないよ……」
「じゃあおすすめか。参ったな、素材がいいから何やっても似合うぞこれ。美容師としての腕の見せ所か」
と、ヘアカタログを見せる。
「色も折角、脱色されたみたいに白いんだし、染めちゃわない?君は……、顔の作りが大人なクール系だから、寒色系とか、いっそシルバーとかも似合うと思うよ」
因みに俺は、シルバーのロングウルフである。
「うーん……、あ、これがいい」
どれどれ……?
アイドルの塩見ちゃんか!この子はうちにも来てくれてたし、同じ髪型でいいならやろうか。
髪質も、風呂で洗ってあげたときに触った感じ、塩見ちゃんに近い感じだったから、似たような髪型にしても大丈夫だろう。
「はい、じゃあ切るよー」
髪型はショートカット、前髪は作った。
折角だから、ノンホールピアスを付けさせて、パンツルックで、クール系の寒色の服を着せた。
薄色のスキニーデニムにノースリーブのトップス、その上にモスグリーンのジャケットを羽織らせた。靴はブーツ。
姿見に映す。
「どうかな?」
「ふわあ……!カッコいい!これが私?」
「そうだよ」
「すごい!素敵になった!ありがとう、グレン!」
ご満足いただけたようだ。
髪は濃い目のシルバーに染めた。どうせあれでしょ?日本軍なるところから追手がきたりするんでしょ?そのためにカモフラージュせんといかんでしょ。
「さて、とりあえず、飯にするか」
俺は、適当にカレーライスを創造する。
「これ、何?」
「カレーライスだよ、ほら、スプーン。はい、いただきます!」
「いただきます?……んー!美味しいっ!」
二人で食事をした。
その後に、色々と話をする。
「さて……、それで、君は何者なのかな?」
「私はクイナだよ?」
「クイナは、俺と会う前にどこにいたのかな?」
「研究所にいた」
「研究所ってのは、どんなところなんだ?」
「よくわかんないけど……、私に、いっぱい痛いことするの。細い針を……、ちゅーしゃ?を刺したり、能力を限界まで使わせたり」
「能力?」
「うん。博士が言ってたけど、私は、PSY能力者の『フジワラ ナリコ』の遺伝子情報を基にして造られた『鬼人兵』なんだって」
なんだそりゃ。
「PSY能力ってのは?」
「凄い力のことだよ。百万人に一人が持つ、遺伝する脳科学的な超能力なんだって」
「クイナはどんなことができるんだ?」
「気体を生み出したり、操ったり、気圧を操作したりできるよ。『フジワラ ナリコ』と同じ能力なんだって」
「フジワラナリコ、とやらはどこにいるんだ?」
「わかんないけど、博士は、私みたいに『天然ガス』を作るための道具にされたって言ってた」
ふむ……、察するところ、地下資源がもうないのかね?俺の時代では、天然ガス、メタンハイドレートが日本近海に云々と言っていたのに。
よって、地下資源の代わりとして、PSY能力者が『消費』され、遺伝子を取られて、同じものが『量産』されるってか?
酷い話だな。
俺の万物創造も、ひょっとしたらそのPSY能力にカウントされるかもしれない。
少なくとも、新宿が廃墟になるようなこの時代で、資源資材実質無限マンである俺は……、まあ、確実に狙われるだろう。
「よく分かった。クイナ、君はこれからどうしたい?」
「わからないけど……、研究所には戻りたくないよ」
「一人で生きていけそうか?」
「……無理、かな?今までは、博士が助けてくれていたけど、私は何もできないし」
おお、六歳とは言ってはいるが、馬鹿ではないんだな。知識が六歳ってだけで、知能は六歳児ではないようだ。
「じゃあ、一緒に行動しようか。俺はハンサムでブルジョワなナイスガイだから、養ってあげるよ」
「良いの?養うって大変なことだよね?」
「美人を見捨てるのは忍びないからな。だが、一緒に行動するにあたって、約束してほしいことがある」
「うん」
「まず、俺もPSY能力者みたいなものなんだが、それを他人に言わないこと。次に、君がPSY能力者であることを他人に知られないこと」
「うん、分かった」
「でも、身の危険を感じた時は、能力を使ってでも逃げろ」
「うん」
「よし、約束ができるなら、一緒に行こうか」
フラッシュ、今年いっぱいで終わりなのか。
寂しいなあ。