ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

843 / 1724
追放もの、やっぱり乱造って感じであんま面白いのないな。

たまに「おっ?」くらいの目に止まるやつはあるけど、「すげー!めっちゃおもしれー!」みたいなのはあんまりない。


7話 誉れはその辺で死にました

「でも、俺は怪しくなんかないぞ?」

 

「見るからに怪しいぞ!銀色の髪に、最高級の端末、綺麗な服装!」

 

あ、そうなんだ。

 

怪しく見えるのか。

 

「この髪は染めてんだよ」

 

実際は、ゲームに出てきた遺伝子改変薬を創造して、地毛そのものを銀色にしたんだがな。染めるのってやっぱり大変だからねー。戦場とかでは中々、髪をいじったりできないし。

 

なので俺は、髪型と髪色を固定する薬品を服用してある。なので、龍の球みたいな感じで髪型は変わらないのだ。いや、戦闘民族ではないが。

 

「髪を……、染める?『キョート』の方にはそんな技術が残っているという噂も聞くが……」

 

と、サムライ女。

 

へー、そうなんだ。

 

首都キョートでは、まだこの辺よりマシな生活をしてるっぽい?

 

何にせよ、キョートでは髪染めが普通だってんなら、キョートから来たってことにしておけば良いか。

 

「そうだな、俺は西の方から来たんだ」

 

「そうなのか……?」

 

嘘だが。

 

「西の方で結構裕福に暮らしていた商人なんだが、販路を新規開拓しようと思って東に来たんだ」

 

「ふむ……、おかしくはない、が……。しかし、それでも違和感は大きいな。西で裕福な暮らしをしていたのなら、何故わざわざ東に来たのだ?」

 

おっ、鋭いな。脳筋馬鹿サムライじゃねえ、考える頭はあるようだ。

 

「詳しくは話したくないんだが、実家から飛び出してきたのさ。この車や端末も実家からガメてきたんだ」

 

「いかんぞ、ご両親に迷惑をかけるのは。見たところ、私より歳上だろう?」

 

んあ?

 

「おいくつで?」

 

「私は今年で二十一歳だ」

 

七歳歳下なのか、行けるな。

 

「で、そっちの女は?」

 

「これは……、愛人?」

 

「愛人なんだな?私にも可能性はあるんだな?!」

 

なんの話だよ。

 

「ゴホン、いや、失礼。私はローニンで、仕えるべき主人を探しているとは言ったな?だが、それだけではなく、夫も、その、探していてだな?」

 

あー?

 

「いやいや、若くて綺麗だよ。まだまだ全然行けるって。夫もすぐに見つかるよ」

 

「えっ、こ、こんな年増をもらってくれる人がいるのか?!!」

 

「……年増?」

 

「な、なんだ?やはり、二十を超えた未婚の女はおかしいのか?!」

 

えっ二十で年増カウントなの?

 

いや、まあ、そうか。

 

平均寿命とかが短くなり、早婚化が進んでいるんだろう。

 

一応聞いてみるか。

 

「結婚適齢期っていくつくらいなんだ?」

 

「まあ、十五歳くらいだな。二十歳を超えて独り身の女なんて、地雷物件扱いだ!男なら年齢なんて気にされないのに!」

 

十五歳!そりゃ戦国時代だな。

 

……まあ、高校とかもやってないだろうし、義務教育とかもないはずだ。

 

となると、十五で嫁に行くのもおかしくないのかもな。

 

実際、日本でも、二十世紀半ばくらいまでは、小学校を卒業したら嫁に行け!みたいな感じだったらしいじゃん。

 

晩婚化ってのは、貧困とババアの僻みによるものだってことよなー。

 

っと、だが、こんな美人が結婚できねえのはおかしいやろがい。聞いてみるか。

 

「えっと、何で行き遅れたんだ?」

 

「サムライを目指してがむしゃらにやってきたんだが、ふと人生を振り返れば、刀を振り回していた記憶しかなくて……」

 

あー?

 

「あー、仕事が恋人的な?いるよねー、そういう人。やっぱり適度に遊んでおかないとねえ」

 

「そうだな……、やはり、もっと男と仲良くしておくべきだった。硬派を気取ってお高くとまっていれば、もう二十一のおばさんだ!」

 

「いやいや、全然おばさんじゃないから。戦前ではみんな、三十頃に結婚してたんだし普通だよ」

 

「慰めてくれるのか……、お前はいい奴だな……。よし!礼と言っては何だが、何か買って行ってやろう!」

 

「おっ、ありがたいね」

 

という訳で整体をやってやることにした。料金は五千円だ。

 

「うーん?あー、肩がね、右肩ばかりよく使ってるでしょ。歪んじゃってるよこれ。はいっ、こうして、こう!」

 

ぼきっ!

 

「ぎゃーーーっ!!!痛いぃーーーっ!!!」

 

「後骨盤も歪んでるねえ、右足の方で踏み込んでるから、右に寄っちゃってるよこれ。はいっ、こう!」

 

ばきばきっ!

 

「うぎゃーーーっ!!!」

 

と、軽く整えてやる。

 

俺もまあ、若い頃は実家の整体院を継ごうと思って、整体の勉強やら何やらをしていたから、半分素人だがこれくらいはできる。

 

「な、何で虐めるんだぁ……、優しくしてくれたのは嘘だったのか……?」

 

「いやいや、ほら、立ってごらんよ」

 

「ん……、んん?あれ?か、身体が軽い!肩がグリグリ動く!腰も、脚も素早く動くぞ!」

 

「そりゃ整体だからなあ」

 

「す、凄いなお前!こんなに身体の調子がいいのは久しぶりだ!五歳は若返ったぞ!これで、たったの五千円で良いのか?」

 

「ああ、ついでに飯も買って行ったらどうだ?昼だしな」

 

「だが、戦前の食料を買えるほど裕福じゃないぞ、私は」

 

「弁当ひとつで千円で良いぞ」

 

「や、安いな?!本当に良いのか?」

 

「構わんよ。それと、紙パック焼酎はどうだ?一つ千円で良いぞ」

 

「安い!」

 

「それとチョコバーはどうだ?これも千円でいい」

 

「安い!全部一つずつ買うぞ!」

 

「はい、八千円のお買い上げ」

 

「あ……、フミナとミヨコの分も買って行ってやろう。更に二セット頼めるか?」

 

「はい、追加で六千円のお買い上げ」

 

「ありがとう!まだ街にいるなら、今度は知り合いを連れてくるぞ!」

 

「それはありがたいな、しばらく滞在するつもりだから、よろしくな」

 

「ああ!っと、申し遅れた。私はイロハだ!」

 

「俺はグレン、こっちはクイナ」

 

「では、またな、グレン殿!」

 




俺はハーレムが好きなの。

女の人格を否定して、お人形さんのようにコレクションする話が好きなのよ。

特に理由もなく女をコレクションする話なのに、その人間性を覆い隠して大物ぶる話はきらい。

いや、良いんだよ?幼稚な子供みたいに眉目麗しい女を集めて飼い殺しにしても。

でも、それを、なんだかんだと言葉を飾って、主人公が惚れられたから仕方なくーみたいなのは許せんのだ。

正直に、「顔が良かったんで拾いました、一緒奴隷として飼います」と言えよ。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。