ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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食い過ぎで腹痛い。


9話 溢れる富

「あんちゃんはアホなんか?!戦前の、それも温熱剤付きの民生用レーションを千円なんて端金で売りつけるだなんて!」「端末、洋車、洋銃。見せて。お願い」

 

「それにチョコレートなんて売るかい、普通?!純正品のチョコレートなんて、この国に存在するかどうかレベルの贅沢品やで?!」「こ、これは……、イタリア軍の制式採用ライフル!上下左右のピカティニーレイルによる拡張性、人間工学に基づいたデザイン……!しかも、オプションパーツのアンダーレイルグレネードランチャーにバレル三種とレーザーサイトにフラッシュライト、フォアグリップにドラムマガジンまで揃っている……!」

 

「酒もあかんやろ!これ、低級添加アルコールじゃなくて、純米酒やん!純米酒をたったの千円で売るとかアホって言葉で括れないレベルのアホやで?!!」「これ、軍用の軽装甲車?このレベルの美品、一体どこに……?それにこれ、日本軍のものではなく、洋車。洋車の軽装甲車となると、日本に一台あるかないか」

 

俺は、午前に会ったイロハと名乗るサムライ女に連れられた二人の女に詰め寄られていた。

 

片方は、身長150cmもない小柄さ、華奢で、胸も薄い子供……、いや、年齢的には十八くらいだろうか?たまにいるんだよね、ちっちゃい女の子。

 

関西弁っぽい話し方で、八重歯をした、ブラウンのショートカットの女の子。ラテン系っぽい顔つきで、肌は褐色、瞳は黒。

 

服装はデニム生地のショートパンツにパーカー。そしてブーツ。腰にはサバイバルナイフが。

 

もう片方は、物静かそうな雰囲気の女の子。身長155cm辺りで、体重は痩せ型。胸は平均的。

 

日本人らしい顔つきで、黒髪黒目。髪型はショートボブ。一重で眠たげな瞳をしている。

 

服装は、薄汚れた白Tシャツにオーバーオール、そして、恐らくは鉄鋼作業員などが履くような安全靴。腰にある工具セットは護身用なのか、仕事用なのか。

 

さてさて、俺は聖徳太子ではないので、両サイドからマシンガントークされると困ってしまうな。

 

「えい」

 

「きゃわあ?!!!」「えっ……?!」

 

両サイドにいる女の子の胸を揉んだ。

 

おっと、褐色ちゃんは揉むほどないな、すまんすまん。

 

そして、来ると分かっていれば避けられる。

 

「な、何すんねんこのアホーっ!!!」

 

ビンタ!しかし、頭を下げればぶつかりません。

 

黒髪ちゃんは無反応だな?フリーズしてるか?

 

まあいいや、俺は一言。

 

「知らない人に二人で詰め寄ってお説教するのは、実際スゴイ・シツレイです。いいね?」

 

「うっ……、せ、せやな、それはすまんかったわ」「ご、ごめんなさい」

 

「でも、俺も美人とお話しできるのは嬉しいから、話があるなら聞くよ。ただし一人ずつね。さあ、座って」

 

椅子を出してやる。

 

「さて、紅茶で良いかな?」

 

「「あっ、お構いなく……」」

 

あとはクッキーでも出してやろうか。

 

「あ、イロハも座って良いよ」

 

「あ、ああ、ありがとう」

 

適当にキッチンテーブルを出して、紅茶を蒸らす。

 

その間にクッキーを用意する。

 

そして、紅茶を淹れて、と。

 

「さて、話を聞こうかな。まずは誰から?」

 

「じゃあ、私……」

 

おっと、黒髪ちゃんか。

 

「私はミヨコ。十九歳。このジュージョーダイの街でジャンク屋をやっている」

 

道理で。だから機械油の匂いがしたのか。それと、腰の工具セットは仕事用みたいだ。

 

「それで?」

 

「貴方はとても珍しい機械をたくさん持っていると聞いた。ただとは言わないから、少し見せて欲しい」

 

ああ、そんな感じか。

 

「ただで良いよ、好きに見ていきな。はい、これ」

 

「こ、これは……!!!」

 

「予備の端末だけど?まだいくらか持ってるから、一つくらいバラしちゃっても……」

 

「な、ななな、なあっ……?!」

 

お、フリーズした。おもしれー女。

 

あ、あらかじめ言っておくけど、俺もアホじゃない。わざとやってます。

 

ただ単純に、民間用の廉価モデルであっても、末端価格が一千万円はする『端末』の、しかも最高級モデルを、見ず知らずの女に「予備なんざいくらでもあるからバラしていいよ」とポンと渡す謎の男!という変態ムーブメントを楽しんでいるだけだ。

 

遊びでやってるんだよー!紅蓮は男の名だ。

 

まあ、一言でまとめると、「しゅみです。」ってことだ。

 

「あ、貴方は、自分が何を言っているのか分かっている?!軍用ハイエンドモデルの『真紅』型を、市場で売れば末端価格一億円は下らないそれを、見ず知らずの小娘に投げ渡すだなんて!」

 

「いやいや、その程度のものでよければいくらでもあるんでね」

 

「……流石に、こんな高価なものは貰えない。少し見せてくれるだけでいい」

 

「そうなの?あ、俺はアレも持ってるよ」

 

「アレとは?」

 

「『エクステンダー』」

 

「なっ……?!!!!」

 

説明しよう!

 

エクステンダーとは!

 

強化外骨格のこと。いや、びっくりしたよ、この時代にはそういうのあるんだね。

 

確か、俺の時代では、アメリカで強化外骨格の軍事利用がテスト段階だったんだけど。まあ、戦争もありつつ、百年近くも過ぎれば、流石に完成してるか。

 

エクステンダーは多種多様で、色んなタイプのものがある。

 

民生用なら、背骨と腕と脚の横に金属のピストンが付いて、物を持ち上げるときにアシストしてくれて力持ち!工事現場や介護などで活躍!くらいのもんだが、軍用モデルだと、5.56mmライフル弾を容易く防ぐアーマーと、ミニガンを振り回す腕力を与えるスーパーマシン!なんてこともある。

 

多腕モデル、多脚モデル、10m以上ある大型モデルなど、多種多様。

 

だが、これらの、特に軍用モデルは、第三次世界大戦の折に多くが破壊された。故に、動くエクステンダーはとっても貴重なのだ!

 

さあ、ミヨコちゃんは息を呑んだ。

 

「か、稼働する、エクステンダーを、所持している?」

 

「まあ、いくつかは」

 

「こひゅ」

 

あ、気絶しちゃった?

 

「この場合、回復薬とか注射した方が良い?」

 

俺は、この世界の回復薬を出す。

 

その名も、IPSアンプル!そのまんまだな。

 

注射すれば大抵の怪我や病気は治るそうだ。

 

「やめーや、そんなんされてもウチらは何も払えんって!」

 

褐色ちゃんに止められる。

 

「……はっ?!一瞬意識が飛んでいた」

 

お、ミヨコちゃんが目覚めた。

 

「その、エクステンダーを、所持、している?」

 

「いくつかは」

 

「……はーっ、落ち着こう、落ち着こう。……見せてもらうことは?」

 

「いくらでも。一機くらいあげようか?」

 

「無理……!本当に、ちょっと見せてもらうだけで良い!」

 

「じゃあ、どのタイプを?」

 

「……どのタイプ、とは?」

 

「一通り持ってるから。『山吹』?『白練』?それとも、『漆黒』?」

 

「な、ななな……?!軍用多腕型ハイエンドモデルの山吹に、ジェットパック搭載型空戦仕様の白練、そして日本軍レンジャー部隊専用の超高性能型の漆黒まで……?!!!」

 

「まあ、いくらかはあるから、美人になら譲っても良いかなーって」

 

「末端価格で数十億円は下らない軍用ハイエンドモデルのエクステンダーを!譲るとか!ふざけてる!」

 

「ふざけてはいるけど、言ってる言葉は本気だよ?」

 

「……漆黒を見せて欲しい」

 

俺は、『漆黒』を『アイテムボックス』から出す。

 

アイテムボックスは、俺の持つスキルの一つだ。

 

何を隠そう、異世界転移して一番最初に作ったのが、アイテムボックスのスキルスクロールなのであった。

 

「これ、マニュアルね。好きに弄っていいよ」

 

「はわわ、はわわわわ……」

 

さて、次に行こうか。

 




うーん、ポストアポカリプスはあんまり人気ないのかな。

大人しく、追放物とか書いた方がいいのだろうか……。
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