ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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アサシンクリード 、クリアしました。

あとちょっとやり込んだら終了、サイバーパンク買います。その前に積みゲー崩さなきゃな……。


10話 商人ちゃん

「ウチはフミナ。十七歳で、行商人をやっとる」

 

「その喋り方からして、大阪の方から来たのかな?」

 

「せやで、ウチの生まれは商業国の『オーサカ』や」

 

「行商人というと、他の街に行っているの?」

 

「せや、一応の拠点はこのジュージョーダイなんやけど、ここから東の『オダイ』の街に、月二回行っとるんや」

 

「へえ、どんな商売してるの?」

 

「オダイは、『アラ川』と『スミダ川』に挟まれた土地で、水資源と魚が豊富なんや。そこから、水と魚を買って、ジュージョーダイで売る。そして、ジュージョーダイで買った農作物をオダイに売る。そうやって生活しとるんや」

 

なるほど、なるほど。

 

「その、それで、ウチから質問してもええか?」

 

「ああ、ごめんごめん、ついついこっちが質問しちゃったね。さあ、何でも聞いてあげよう」

 

知りたいこと何でも教えよう。

 

「ありがとな、そんで、まあ、質問……、というか、警告や」

 

「ほうほう」

 

警告とな。

 

「あんちゃんは皇族か、ダイミョウの一族の者か、それとも豪商のボンボンか……、そんなところやろ?」

 

「違うぞ」

 

違うんだよなあ。

 

まあ、この財力なら、豪族豪商の類だと思われてもおかしくないか。

 

「い、いや、詮索はせぇへんで?そんなんもうおっかないから詳しくは聞けんわ。けどな、あんちゃんはやり過ぎなんよ」

 

「ふむ」

 

「あんちゃんは確かに金持ちなんやろうけどな、この国の人間は、その日を生きるだけでいっぱいいっぱいなんや。そんな人らに、こうも金持ちっぷりを見せるのは嫌味やで?」

 

「その辺は分かってやってる感はあるよ」

 

知ってた。

 

そんなことは百も承知である。

 

昔、とある伝説のギャンブラーが、この世で最もうまいものは人の心だと言っていた。

 

命をかけて切った牌でアガってやるのが一番うまい、と。

 

俺もまあ、その考え方に近く、物理的にうまいものよりも、シチュエーションが物をうまくするんだと思う。

 

要するに、砂漠で今にも干からびて死にそうな人の前で飲むビールが、恵まれない子供達が飢えて死にそうなところの目の前で食うステーキが、そう言ったものこそが世界で一番うまいんだ。

 

「何やそれ……、性格わっるいな……」

 

フミナはドン引きしている。

 

とは言え、美少女にドン引きされたからと言って、俺の趣味を曲げることはないが。

 

「でも、普段はろくな物を食べられない人々に、ちょっと贅沢すれば、戦前の美味しい食べ物が食べられるようにしてあげてるんだから、こういう言い方はアレだが、文句を言われる筋合いはないってことだよ」

 

そう、とは言え、俺は比較的、他人にも施してやっている方だと思う。

 

飢えた美少女がいれば食事を恵んでやるし、困っている美女がいれば助けるし。

 

「そうやな、でも、この調子で安売りを続けられると、普通の商人が儲からんのや。商売の基本は『三方よし』やろ?」

 

三方よしとは、近江商人の、売り手と買い手が満足するのは当然として、世間も満足するような商売をしようという考え方だ。

 

フミナちゃんは俺に、うまい物を安売りして人を喜ばせるのはいいが、この街の経済活動の妨げにならないようにしろと仰っているようだ。

 

「と言われても、適切な流通量とか知らないんだよねえ」

 

「それは……、まあ、そうやな。うーん、なら、一日三十品限定にする、とか?」

 

「まあ、その辺はちょっと考えてみようか。それで、他には?」

 

「そ、その……、もし良かったら、あんちゃんの知り合いの『カラス』を紹介してくれへんかな?」

 

「カラス?」

 

「あ、西では『モグラ』やったっけ?北なら『キツネ』らしいけど」

 

カラスとは?

 

空を飛ぶ鳥ではなく、何かの暗喩かな?

 

「カラスって、何?」

 

「え……?そ、そりゃ、戦前の遺跡から、色々なもんを発掘してくる遺跡漁りのことやろ?」

 

そっか、腐肉食い(スカベンジャー)ってことか。

 

「ああ、なるほど!そんなのがいるんだねえ、面白い世の中だなあ」

 

「えっ……、い、いや、戦前の道具を大安売りなんて、相当に優秀なカラス衆と知り合いなんよね?」

 

「いや、カラスとか会ったことないなあ」

 

「うう……、やっぱし仕入れ先は教えてくれへんかぁ……。ウチもオカンみたいなビッグな商人になりたいのにぃ……」

 

「いやいや、隠してなんかないよ。戦前の道具も、端末もエクステンダーも、全部俺が手に入れた物だよ」

 

「ええ……?あんちゃんは荒事とかやらん人やろ?雰囲気で分かるわ」

 

「そりゃあねえ?汗水流して働くことすら馬鹿らしいのに、その上で血まで流すなんて、とてもとても。人間はスポンジじゃないんだから、すぐに干からびちゃうよね」

 

「でも、かと言って、商人って感じでもない。変な人やな」

 

変な人ってのは……。

 

「失礼な」

 

「そもそも、端末や車を実家から盗んできたぁ言うけど、実家はなんて家なんや?」

 

「神楽坂だけど」

 

「『カグラザカ』ぁ?あんちゃんくらいの財力を持つボンボンなら普通に考えて、『ミツイ』、『スミトモ』、『ミツビシ』、『ヤスダ』のどれかやろ?」

 

えっ、財閥。

 

このご時世にも商人として名を馳せているのか。流石は財閥。

 

「財閥とは関係ないかなあ」

 

「詮索はせぇへんけど、ホンマに何もんなんやあんちゃん……」

 

「賢者?」

 

「そーゆーこと、自分で言うのはアホっぽいで?」

 

本当なんだけどなあ……。

 

「しかし……、ホンマにあんちゃんは怪しいなあ」

 

「そうでもない」

 

「あのなあ……、ウチだって、生まれはオーサカやで?目もそこそこに肥えとるし、舌もそこそこ。それなのに、ありえんほどに高価な道具と、ありえんほどに美味い食いもんを持っとるんや。誰だって怪しむやろ」

 

「そうかなー?」

 

「せや。うわ、この紅茶も合成じゃない本物の茶葉やん……、クッキーも砂糖使っとるし」

 

「女の子は甘い物好きだもんね。お土産にいくつか菓子折を」

 

「い、いやいや!そんなん貰えへんってば!」

 

 

 

「とにかく……、やり過ぎるのはやめてな?あんまりにもやられると、商売上がったりなんや」

 

「だったらさ、こうしない?」

 

俺は一つ提案した。

 




いや、もちろん、評価や感想が来ないから書かないって訳じゃないですが、人気ありそうな話の続きを優先して書きたいね、って話です。

打ち切りとかにはしません。

これの続きが読みたい!って要望が来たり、更新した時にたくさん感想が来たりすると、「ああ、これは人気あるんだな」と思って優先して書くって話ですね。

評価はあんまり期待してないし、思いつき集って性質上、評価ポイントをもらっても何が評価されたか分からんのですよ。

なので、作者としては、感想をもらえた=ウケてる!と判断してる訳ですね。
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