ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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実家に帰りジョンソンウィルを食う。


19話 脅し

ホウジョウケイマの居城は、なんと、小田原城だった。

 

いよいよもって戦国大名だな。

 

さてさて、俺は何で呼び出されたのか、聞いてみようか。

 

俺達、神楽坂御一門衆は、全員が天守閣に呼び出された。

 

「殿のおなりである!平伏せよ!」

 

へーへー、へーふくへーふく。

 

「面をあげよ!」

 

さて、ホウジョウケイマ。

 

垂れ目の、嫌味そうな顔をした、ショートカットの男だ。

 

服は革ズボンに着物を羽織った姿で、腰に刀とミネベアP9、そして腕には端末という出で立ち。

 

「ええと、誰だったか?まあ、名前なんてどうでもいいか。おい、お前!」

 

おーっと?

 

名乗りもせずに俺に指を指すとは何たる無礼か。

 

「報告によると、車両やロボットを持っているらしいな?それをこの俺様に献上しろ!」

 

おーっと?

 

金も払わず物だけ寄越せとは何様だ?

 

「もちろん、タダでとは言わん」

 

お?

 

「俺様の世界最強の軍隊の足軽にしてやる!」

 

おーっと?

 

駄目みたいですねぇ!!!

 

「とりあえず、窓の外を見ない方が良い。強烈な光で目が潰れるからな」

 

俺は言った。

 

「はぁ?何を言ってるんだお前?」

 

ホウジョウケイマは、怪訝そうな顔をした。

 

「さーん、にー、いーち」

 

俺がカウントダウン、すると……。

 

「ぜーろ」

 

小田原の街のすぐ近くにある山が、爆ぜた。

 

そう、小田原付近の山の上に、核爆弾を落としたのだ。

 

パンチに「やってくれ」と頼めば、パンチは何でもやってくれるからな。

 

具体的にどうやったのか、と言うと、俺の脳内で、「小田原付近の人がいない山に、ここから見えるが被害は出ない程度の威力の核爆弾を投下しろ」と命令すれば、パンチはそれだけで良きに計らう。

 

普段は、ナノマシンの粒子として、俺の周囲を漂うパンチは、俺の脳内の命令を読み取り、オートで動いてくれるのだ。

 

俺が脳内でやれと命じれば、大抵のことはやってくれる。

 

今回、パンチは、身体の一部を切り離して近くの山に飛ばし、一部を核爆弾に変化させてそれを投下した。それだけだ。

 

「な、な、何が起こった?!!!」

 

ホウジョウケイマとその部下は、たまらず窓の外を見る。

 

そこでは、山が抉れ、キノコ雲がもうもうと揺れていた。

 

「ま、まさか!あれは、世界を滅ぼした核の炎!!!」

 

俺は、手元に、核爆弾のイミテーションを作る。

 

それと、作り出したトンカチで軽く叩く。

 

「そーれ、こんこーん、こんこーん」

 

「げええっ?!!そ、そのマークは、核爆弾!!!」

 

ハザードシンボルがデカデカと描かれたイミテーションを見て、悲鳴を上げたホウジョウケイマ。

 

「えーと、それで、何の話でしたっけ?こんこーん」

 

「ば、ばかやろおおお!!!やめろおおお!!!」

 

「用事がないなら出て行きますが?こんこーん」

 

「で、出て行けえっ!すぐに俺様の目の前から消えろおおおおおっ!!!!」

 

「なるほど、では、失礼します。こんこーん」

 

そう言って、俺は、御一門衆を引き連れて城から出た。

 

 

 

車の中で、俺は仲間達に詫びた。

 

「あー、すまないね。折角仕官できそうだったのに、フイにしちゃって」

 

「まさか!あのような態度の主君はこちらからお断りだ!」

 

イロハが言った。

 

「そうだよ!あんな要求、賊徒と同じだもん!断って正解だよ!」

 

ムサシが言った。

 

「そうなのか?イロハは、サムライになりたいって言ってただろ?」

 

「ははは、そんなことか。良いんだ、私は既に、グレン殿に仕えるサムライだからな」

 

そうなの?

 

「にしても、ホウジョウのあの驚き様!まるでお笑いだな!」

 

「確かになー」

 

「核爆弾など、日本にはありはしないんだが……、いや……、もしかして、つ、作れるのか?」

 

「あ、落とした核爆弾は本物だよ」

 

「ウゲェーーーッ!!!!本気で言ってるのか?!脅しで核を落としたのか?!!!」

 

「そうだよ」

 

「こ、怖過ぎる……!!!」

 

そうなのかね?

 

広島長崎クラスよりももっと小さい、精々、破壊範囲は百メートルくらいの小型弾頭だったんだけど。

 

「核爆弾と言えば、世界を終わらせた『死』そのものだぞ?!」

 

「ちっちゃいやつだしヘーキじゃない?」

 

まあ、専門家じゃないからよく分かんないけど、大丈夫でしょ。

 

「ヘーキじゃない!核の炎は、海や川の多くを蒸発させ、雨の一滴も降らなくなった!死の灰は大地を病ませ、植物はうまく育たなくなった!」

 

「え?そうなの?羽田の街から海も見えたし、荒川もあったじゃん」

 

「海面は数メートル下がり、川も水嵩が大きく減ったんだぞ!それに、水は汚染されていて、半分に煮詰めないと飲めないんだよ!」

 

「小台の街で魚とったり水売ったりしてるって言ったじゃん?」

 

「魚は変異しているし、川に住むミュータントと戦って初めて手に入る高級品だ!水も、オダイで煮詰めたものを売っている!」

 

「地下水とかは?」

 

「無理だ、汚染されている」

 

ふーん。

 

「作物、十条台で育ってなかった?」

 

「あれは、変異したミュータント野菜だ」

 

「ミュータント野菜?何だか、不味そうな響きだけど?」

 

「ミュータント野菜というのは、根を張ったものの養分を吸い尽くして育つ、植物型のミュータントだ」

 

怖っ。

 

そっちの方が核爆弾よりこえーよ。

 

「十条台では、狩ってきたミュータントの死骸や、家畜の糞尿などで育てている」

 

えっ怖。

 

「それ、食って平気なんすかね」

 

「知らん。しかし、それでも、かなりの高級品だ。ジュージョーダイでは、オダイからミュータントの死骸を買い取って、その対価としてミュータント野菜を売り渡している。味が良いからとんでもなく高価だがな」

 

なるほどねえ。

 

「俺も食ったけど、美味くなかったよアレ」

 

「それはグレン殿がおかしいのだ!戦前の食品や道具が好きなだけ手に入るなんて!」

 

まあ、そんな訳で。

 

「それはそれとして、飯にするか」

 

「「「「わあい」」」」

 




スカイリムを始めた。

えっこれ、成長システムってえぉなと同じく使えば使うほど強くなる形式?

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