ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ビーマイベイベー。


32話 姫様のおっぱい

俺のワカヤマ行きを知ったオダダンジョーの言葉を聞く。

 

それは……、意外な言葉であった。

 

「では、アオイを連れて行けい」

 

「………………は?」

 

いやいや、待てよ。

 

「テメェの娘を旅に連れ出すのか?このご時世に?」

 

それは危険だ。

 

俺が、東京から名古屋まで車で移動した実感だが、この世界は俺がいた異世界並みに危険な世界になっている。

 

一瞬でパンチが片付けたとは言え、道中、野盗やミュータントの襲撃が何度もあった。

 

こんな危険な世界に、アオイみたいな可愛い女の子を放り出すのか?

 

いや、もちろん、俺についてきてくれた家臣の女の子達ならどうなっても良いなんて話じゃないぞ。

 

うちの子達は、他に行くべきところがないから連れ歩いているんだ。

 

みんな、親も遠方で独立して生きているか、そもそも親がいないか……、みたいな感じだそうだ。

 

だが……、アオイのように、こんな金持ちの親がいるんなら、そこで暮らした方が良いって話だ。わざわざ、危険な街の外に出る必要はない。

 

「なあに、可愛い子には旅をさせよ、だ」

 

「正気か?この世界を旅させるのか?」

 

「うむ、アオイがこのナゴヤの次期当主になると言うのなら、経験を積まねばならぬ」

 

「しかし、一人娘をだな」

 

「む?儂には、他にも息子がおるぞ?まだ幼いがな。しかし、一番才能があるのはアオイじゃ」

 

なるほど、スペアがいるから一人くらい死んでも構わない、ってことか。

 

施政者の考え方だな。

 

非情ではあるんだろうが、正しいものの見方だ。

 

「まあいいさ、どうなっても責任は取らないがな」

 

「構わぬ」

 

 

 

と言う訳で……。

 

「では、グレンよ!よろしく頼むぞ!」

 

アオイ姫がついてきちゃった。

 

「あんちゃん、大丈夫なのかよ?相手は姫様だぜー?」

 

「大丈夫、大丈夫」

 

ロリハーレムも、今回の旅に連れて行くこととした。だって、この子達、他に行くところがないんだもの。俺が面倒みてやらにゃならん。

 

拾ったペットは最後まで面倒を見なきゃな。

 

「良いか、確認するぞ?今回のワカヤマ行きは、鉄砲傭兵であるサイカ衆の勧誘の為じゃ」

 

アオイがそう言った。

 

そう、オダダンジョーは、アオイの修学旅行の課題として、サイカ衆の勧誘を申し付けていたのだ。

 

これは成功しようがしまいが、俺に責任はないので問題はない。

 

とは言え、護衛も付けずに俺にアオイを託すってのは、本当にどうなんだ?

 

にしても、鉄砲傭兵『サイカ衆』ねえ……。

 

歴史の変動はそう大きくなかったってことだろう。

 

もし、戦国時代を超えるような戦乱の世なら、それこそ綺羅星のような英雄達が、時代の寵児が生まれて話題になっていたはず。

 

しかし、そうではない。

 

つまりは、大きな変化がなく、大多数の凡人が、恵まれた社会インフラの恩恵を受けて勉学に励み、その結果として様々な分野で発見があり、着実に進歩してきたということになる。

 

俺が調べた限りでも、レオナルド・ダビンチのような稀代の天才が何かをして一気に進歩した!って感じではなかったなあ。

 

そして、滅ぶのも一瞬だったのも窺えた。

 

第三次世界大戦……、共産圏と資本主義国家という極めて大きな枠組みでの対立。それから、負けた共産圏国家が、やぶれかぶれになって核ミサイルをばら撒いた、と。

 

うーん……、あり得るのだろうか?

 

だが、俺が調べた限りでは、第三次世界大戦末期は相当な世紀末感だったらしく、共産圏は民間人にすら無差別テロなどを行う非対称戦ばかりになっていたとか。

 

更に言えば、落とされた核ミサイルも正確に言えば核ミサイルではなかったらしい。

 

実は、核分裂を使って重力異常を引き起こす、重力子崩壊弾頭だったとか……。

 

広島長崎も、戦後から数十年後には人が住めるようになっていたのはみんな知ってる事実だが、この重力子崩壊弾頭は、半永久的な環境破壊を引き起こすとか……。

 

だから、第三次世界大戦が終わってから数十年が過ぎたこの地球も、未だに人がまともに生活できる環境じゃない訳ですね。

 

「ん……?どうした?」

 

アオイが悩んでいる俺の顔を見て一言。

 

んあー、怖い顔しちゃってたかな?

 

心配かけちゃダメだな。

 

でも……。

 

「いや……、本当にいいのかな、と思ってさ」

 

アオイ姫を連れ歩くのには、やっぱり反対したい。

 

危険が危ないからな。

 

「ん?……ああ、構わぬぞ。そもそも、ワシは女じゃし、兄弟も六人はいるしのう。それに……」

 

「それに?」

 

「このような腕の立つ護衛に囲まれて、このような簡単な遣いすらできぬようであれば、ワシに人の上に立つ資格はない、と言うことじゃな。こんな簡単な任務で死ぬようでは、そこまでの人間じゃったと言う訳よ」

 

わーお。

 

「スパルタっすね」

 

「?」

 

「あー、厳しいね」

 

「そうか?武門ならば当然じゃろ?」

 

そうなのか……。

 

この世界では、ダイミョウ……、武家ならば、己の子供を危険なところに向かわせても、それで死んでも仕方がないって考え方をしているのか。

 

他人の考え方に口出しはしないが、こんな可愛い女の子が死んでもいいから行ってこいってのはちょっと賛同できねえなあ。

 

戦国並みの感想ってことか……。

 

よし。

 

「アオイ」

 

「なんじゃ?」

 

「全力で(パンチが)守るから、怪我しないようにね」

 

「……な、なぜいきなり口説く?」

 

いや、口説いてる訳じゃないけど……。

 

あえて訂正はすまい。

 

「ふむ……?ワシの尻が可愛らしいなどと言っておったが、よもや、世辞ではなく本心なのか?」

 

「あ、それは本心」

 

「もしかして、ワシに惚れたか?」

 

おっ、そうだな。

 

「惚れた惚れた」

 

「ははははは!しょうがないやつよのう!ほれほれ、近う寄れ!」

 

「ひゃっほう!」

 

「ぬあー!い、いきなり抱きつくな!近過ぎじゃー!」

 

「まあまあ、そう言わずに」

 

「馬鹿者!あっ、尻を撫でたな?!こらっ、やめろっ!」

 

 

 

「……変態」

 

「まあまあ」

 

「馬鹿者、すけべ」

 

「まあまあ」

 

「乳も揉んだ」

 

「良かったよ」

 

「良くないわ、アホーっ!」

 

「いや良かったよ、ちょうど良いサイズで」

 

「無礼討ちされても文句は言えんぞ?」

 

「おー、怖い怖い。優しくしてくれよ、優しく触ったんだからさあ」

 

「お主、本当にいい加減にしないとぶちのめすぞ?」

 

ヒューっ、怖い怖い。

 

とても怖い。

 

「触られるのは嫌?」

 

「嫌ってほどでもないが……、無礼じゃな」

 

「じゃあ、次からは礼を尽くして触るわ」

 

「礼を尽くして触るとは……?」

 

うーん……。

 

「おっぱいを揉んでもよろしいでしょうか?」

 

とか聞いてみるなんてどうだ?

 

「礼を尽くしているとは言わんぞそれは」

 

そうなのかー。

 




ア°ーーーーー!!!!

もう全然ダメ。

俺はダメだ、才能がない。

オレツエーはそもそも面白くない題材だった……?

パミ゛ッッッ!!!!

次どうしよう?

  • 貞操逆転サムライもの
  • 偏屈提督
  • 生物兵器と博士
  • 召喚能力もの
  • ファンタジーロボットもの
  • 屋台マン

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