ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ラーメンうまかった。


38話 滋賀を見た姫君

千葉!滋賀!佐賀!

 

そんな感じで滋賀のハチマンの街へ到着し、入国審査というか検問をパスした我々は、街の中へと入っていった。

 

「ほうほう、中々に栄えておるようじゃの」

 

アオイ姫様がそう言ってキョロキョロと周囲を見て一言言った。

 

実際、ハチマンの街の栄えっぷりは、ナゴヤの街と同等……、いや、それ以上だ。

 

やはり、きれいな水効果は大きいらしく、かなりの人が集まっていた。

 

それに、この辺は核ミサイルの爆心地から遠いのか、緑が少し見える。

 

当然、この時代は、放射能汚染や共産国のウイルス兵器の影響で、ほぼ全ての生命体が変異してしまっているため、まともな植物はほぼない。

 

だがそれでも、こうして湖があり、その周辺に湖や川の水を吸って大きくなった植物があると言うのは、この時代ではとてつもなく豊かな土地である証拠だった。

 

何せ、俺はここまで移動する途中で、殆ど緑を見ていないのだ。

 

ポストアポカリプスものが好きな人なんかは分かると思うが、普通、都市から人間がいなくなると、まず最初に湧いて出るのか緑と水だ。

 

アスファルトの隙間から雑草が生えているのを目にしたことがない日本人はいないよな?緑なんて殆どない首都圏でも、道路の端っこで、アスファルトを突き破った雑草を見たことは確実にあるだろうよ。

 

つまり、あんな感じで、アスファルトやコンクリートで固められた地面も植物の力には勝てないのだ。

 

錆びた水道管から水が溢れ出し、道路を割って植物が顔を出す。

 

最初は雑草だが、十年二十年と時が過ぎれば、すぐに、低木、雑木林、森とランクアップするのだ。

 

つまり、街を手入れする人間がいなくなれば、あっという間に世界は樹海になる。

 

だが、そうはならなかった。

 

ならなかったんだよ、グレン。

 

何故か?

 

植物の小さな種、カビなどの菌類、そういうのを全部破壊する圧倒的な熱と放射能汚染、ウイルス汚染。

 

あーもうぶっちゃけていい?

 

『私達の最後』って感じの世界観じゃなくって、『放射性降下物』って感じの世界観ですわ。

 

いやまあ俺もね?野生化した動物園の動物がその辺で暮らしてるシーンとか見たかったよ?

 

でも、この世界だと、放射能汚染でおかしくなったクリーチャー共が襲いかかってくる!とかそんなんばっかりですわ!

 

最初は、女の子と旅をする訳だから俺もまあジョ◯ルと言っても過言ではないだろうと思い込んでいたが、全然そんなことはなく。

 

相棒の女の子(クイナ)は俺より強く、しかも俺は洋ゲー男主人公のようなゴリラではない。

 

ゾンビは出たが放射能汚染やウイルス兵器での変異体で、噛まれても感染はしないそうだ。

 

クイナが噛まれても感染しないとか、クイナを謎のゾンビ研究組織に引き渡すとか、そういう面白展開は一切ないぞ!

 

まあ何にせよ、植物が希少な世界なんだな。

 

ウェルカムトゥディスクレイジータイムとはよく言ったもので、日本は、地球の殆どは不毛の荒野へと姿を変えている。

 

それなのに、ここ、ビワ湖周辺は、雑草が生えているくらいに豊かな土地だ。

 

「どうだ、アオイ?ナゴヤより栄えているんじゃないか?」

 

「はっ、冗談抜かせい。ワシがこの地を支配しておったら、これの倍は栄えておるわ!」

 

なるほど、自信あり、と。

 

「自信の根拠は?」

 

「ふむ、そうじゃの。パッと見の感想しか言えぬが、隣のダイミョウとの戦いに逸るばかりで内政が疎かになっておるのう」

 

なるほど。

 

アオイは内政を重視してるのかな?

 

「おまけに言えば、防衛に外様を使うのは悪手じゃな。情報が漏れる」

 

情報戦か。

 

「ワシなら、アサクラかサイトウどちらかと手を結び、もう一方を滅ぼすぞ。それができねば、隣領のキタハタを巻き込む」

 

なるほど、三十六計の一つ、借刀殺人ってことか。

 

「もしくは……、この領地の警備では、必ず敵側の間者(スパイ)がおるはずじゃ。それを懐柔して偽の情報を流し、強襲する」

 

ふーん、今度は反間計か。

 

「そう上手くいくかな?」

 

「まず前提として、このアザイと、アサクラ、サイトウがそれぞれ同等程度か、もしくはアザイが少し上程度程度の戦力比だと予想できる」

 

「何故?」

 

「アザイ、アサクラ、サイトウの三家は、ワシが生まれる前からずっと小競り合いを続けておるからのう。どこか一つが明確に弱ければ、とっくに滅ぼされておるはずじゃ」

 

なるほど、理解できる。

 

「なのに、どこも滅んでおらん。すわ談合か?と思えば、自領の防衛戦力すら残さないほどに私兵を戦場に差し向けておるんじゃから、それは違う」

 

ふむふむ、そうだな。

 

「と言う訳で、現状から推察するに、もう少し小細工をした方がいいと言うことじゃな!……まあ、ダイミョウは信条や立場からそれができんことがままあるのじゃが」

 

ふむ……。

 

これ、アオイが賢いのか、アザイがアホなのか分からんね。もしくはどっちもかも。

 

 

 

とりあえず、街の様子は、緑が少々ある豊かな地で、ナゴヤよりも栄えている感じだな。

 

「折角だから、ビワ湖を見に行くか?」

 

「は?何ででしょうか?」

 

とイロハ。

 

何で?

 

何でってそりゃ……。

 

「観光だよ」

 

「……かんこう?かんこうとはなんですか?」

 

アッ!

 

観光の概念そのものが消滅してる!

 

「イロハよ、観光とは、遠方に赴き景色を眺める行為じゃぞ」

 

とアオイ。

 

「け、景色を、眺める?それに何の意味が?」

 

「あー……、確かに今は荒廃していて、どこを見ても荒野ばかりだが、昔の日本はそれはそれは美しいところだったんだよ」

 

俺がそう解説した。

 

「なるほど……。ですが、ビワ湖周辺はアザイ家の者しか立ち入れない領域です。無断で水を汲んだりすれば、斬首ですよ」

 

「ヒェー、怖」

 

なにそれこわい。

 

じゃあもう、大人しく行商人としての仕事をするしかないじゃん。

 




キヒッ、ヒヒッ……。

TRPGもの、とりあえず十万文字くらい書いたけどあんまり自信がない……。

読者が求めているのは既存作のようなチートによる蹂躙ものなのではと頭を悩ませる。

ちょっと小さくまとめちゃったなという印象。

その小ささを、「あえて小さな規模で、決められたルールの範囲内で好き勝手やることで、冒険者というキャラクターのロールプレイを楽しんでいるサイコパス」というキャラクターに落とし込んだつもりなのですが……。

もちろん、作者は毎日書いているので、文章力とかはちょっとずつ上がってるのかななんて自惚れてるんですが、どうでしょう?初期と比べれば読みやすくなったとは思うんですけど……。

内容にはちゃんと自信はあります。俺が書きたくて、読みたいものを書いたつもりですからね。でも、ここのニーズに合うかどうかはちょっと分からないなって感じ?

まあ、ダメそうなら打ち切りにします。

明日の更新から、『TRPGのカンストキャラに身体をもらって転生したTRPGおじさんの話』を始めます!



……たまにはまた二次創作でもやろうかなあ。

この前、ハメのR18で、絆レベル10の鯖が現実世界に降臨して、それと一緒に滅んだ地球で生活するって題材の小説を見つけたんですよね。

俺もそれっぽいことがやりたい。

レギュレーションは、そいつの一番思い入れがあるキャラクターを、鯖のように召喚できるとする。絆レベルも10だが、サイコパス系のキャラだとコミュを間違うと殺しにかかってくる。

好きなキャラと二人三脚で滅びた地球で生き延びよう!とかどうよ?

一方通行とかだと、強いけど機嫌を損ねたら殺されますねこれ……。

実際、好きなキャラクターを一人だけ召喚可能、絆レベルはMAX状態としたら誰呼べば一番アドなんだろうか……。

俺は、Twitterでこの話をした時に、ISの束か、なのはのスカリエッティじゃね?と言ったんだけど、周囲からは東方のえーりんじゃね?という提言もあった。

難しいなあ。

これの発展で、ソシャゲ転生!但しガチャで手に入るのは仲間キャラとする!みたいな一次創作もいけそう。

例えば、プリコネみたいなソシャゲのキャラガチャを引いてから転生する、みたいな。

一人だけいる男の娘キャラを引き当てて絶望する転生者とか面白そう。

低レアの子を引いてもネタになりそうだなあ、面白そうな題材だ。

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