さて、しばらくガラを躱して相手を疲弊させよう。
ウルカストルのチンピラ集団……、えーと、鰐の顎団だったか?
あいつらは今、総動員体制で俺のことを探し回っているだろう。
だが、俺はそれに付き合う必要……、ないんだな、これが!
例えば、法律があるが自分とは全く関係がない異世界があったとする。
で、自分は地球と好きに行き来できるとする。
そんな時、異世界でどう過ごすか?
こーれは道徳心が問われますな。
まあ……、俺は、例え禽獣の謗りを受けようとも、好き放題やるね。
だってお前、いついかなる時でも、都合が悪くなれば国外逃亡どころか世界外に逃亡できるんだぞ?
そりゃ好き放題するさ。
言っちまえば、その辺の女をぶち犯してぶっ殺して指名手配されても、地球に逃げ込めばオールオッケー!ってなもんで。
もちろん俺は、遠方に旅行しにきたからって帰国すれば捕まらないとタカを括って、重要文化財に落書きしたりするようなマナーの悪い観光客ではない。
つまり積極的に犯罪をするつもりはない。
だが、いざと言うときに、他人を顧みないで大事を起こせるかどうかってのは、物事を判断する基準としてデカい。
日本では、例え正当防衛でも殺人したら面倒なことになるだろうが、異世界ならできる。
俺とはなんの関係もない異世界でなら、いざと言うときに大事件を起こしてもOKだ。
だから、あんな無警戒に娼婦について行って、暴行事件を起こしたんですね。
いや俺もアホじゃない、海外旅行は何度も行った。
あんな無警戒なのは、ステータスが上がっていたから確実に勝てると思っていたからってことと、異世界だから逮捕されないだろと思ってのこと。
いざと言うときに人を殺してもOKってのは助かるなあ。
俺、今のステータスだと、デコピンで人殺せるし。
さて……。
今日は午前中に、色々と武器防具になりそうなものを買ってきた。
怪しげな護身用具ショップや玩具屋、コスプレ用品店などを回って、色々と買ってきたのだ。
はて、何故玩具か?
武器探しなのに、玩具屋なのか?
そう思われるのは当然かもしれない。
だが、その台詞。
このポーションを見てから言えるかな?
《ランクアップポーション》
これをな……!!!
はい、世界線転移で移動。
このスキルは、俺が今まで行ったことがある場所なら何処へでも転移できるらしい。
で、ここ。
テキサスです。
テキサスの荒野のど真ん中。
ここで、ランクアップポーションを試してみようと思います!
いやー、ランクアップポーションな。
俺は、このポーション生成のスキルを活かすために、昨日の夜、インターネットのファンタジーゲーム攻略サイトを漁って、強力なポーションを探したんだ。
そしたら、とあるローグライクゲームに、「使用すると道具が進化するポーション」ってのを見つけたんだな。
こりゃ、やるっきゃないでしょ。
「と、言う訳だ」
『馬鹿な……。ランクアップポーション?聞いたこともないぞ、そんなもの』
「とりあえずやってみようぜ!まずはこれだ!」
エアガンのデザートイーグル!
ホイ鑑定!
《ヨコイエアソフトガン・デザートイーグルモデル
ATK:3》
これにー?
「ランクアップポーションをドローっと!」
すると!
「うおっ!光った!」
んー?
見た目は変わってな……、いやこれ鉄だ。
鑑定!
《デザートイーグル
ATK:100
耐火》
んー。
セーフティー外して、と。
銃声!標的のサボテン粉砕!
んー。
もう一回かけてみる?
はい、ドバー。
お、また光った!
見た目は……。
うん、アレだね。
星の大戦。
鑑定してみるか。
《レーザーガン"ブルーペガサス"
ATK:500
耐火
耐酸
耐低温》
サボテンにシュート!
ビビビビビ!
……なんか、サボテンが灰になったんだが。
うーん。
「笑える」
『笑い事ではないのだが……?』
次行こう。
まずこれ。
《模造刀大典太光世
ATK:50
耐火》
これはこうなった。
《大典太光世
ATK:100
耐火》
更にこうなった。
《魔刀"雷星"
ATK:500
光属性
耐火
耐酸
耐低温
スキル:放電を付与》
試しに振り回したところ、雷が迸り、間合いの外にある標的のサボテンさんが粉砕された。
次はこっち。
《ダカラトミー社製玩具・覆面ライダーベルフェス"光る!音が鳴る!残月ブレード!"
ATK:10》
これはこうなって。
《残月ブレード
ATK:500
闇属性
耐火
耐酸
耐低温
不壊
スキル:ムーンキラー追加》
更にこうなった。
《残月ブレード・深淵
ATK:1500
闇属性
耐火
耐酸
耐低温
不壊
闇の刃発動
スキル:ムーンキラー追加
スキル:ルナティック・デッドエンド追加》
覆面ライダーの玩具は本物になった。
試しにスキルを使ったところ、俺が幼き日に見ていた覆面ライダーの必殺技が再現できた。
うーん……。
「やばくねーかこれ?」
『やばいだろうな』
マッドと美少女クリーチャーがいくゾンビアポカリプス、書いてて楽しいんだよなあ。
人外じゃないと勃たない系サイコパスマッドサイエンティストが、自らの創り出したクリーチャー嫁と、ゾンビアポカリプスと化した地球を旅する話。
主人公のマッドサイエンティストは、生物兵器を「ロマンあふれる芸術品」と評する変態で、当然、表の学会からは追放されて、裏社会の悪の組織『オデュッセイア』に拾われるのね。
そこで、『エキドナ計画』という最強の生物兵器を作る計画を実施して、若くして生物兵器研究部のトップになるのよ。主人公のコードネームは『ティフォン』ね。
が、ある日、オデュッセイアのテロ実行部隊のリーダー『ゼウス』が、オデュッセイアの乗っ取りをして、兵器開発部の『ヘパイトス』や傭兵部門の『ハデス』なんかと共に下克上やらかして、主人公の研究部の前任者『デイモス』もそれに参加して、デイモスが開発した『ゾンビウイルス』が世界中に流出するのよ。
ゾンビはバイオハザード系ね。雑魚ゾンビは追いかけて噛みつくだけだけど、リッカー的なのとか、なんかそういう進化ゾンビも出る。
強大な進化ゾンビや、ゾンビの群れを、圧倒的な生物兵器パワーで蹴散らしながら、世界を破壊したゼウスとなんだかんだで敵対し、崩壊世界で楽しく生きるお話です。
主人公
マッドサイエンティスト。
スタート時に『ゼウス』の策略で『与えられた電気信号により、あらゆる生命体の体組織を再現する能力を持つ捕食スライム』の実験槽に叩き込まれて死亡する。
しかし、スライムに吸収されたのち、脳を再構成されて、『どんな生物の姿にもなれるスライム人間』として復活(?)する。
人外娘フェチ。
外道で常識もない。
キマイラちゃん
エキドナ計画のクリーチャーの一体。
ライオンの身体を持つケンタウロス。摂取した炭素から炭素の超硬質ブレードを両腕の甲から生やせる。また、両手と喉に超高性能な発声器官を持ち、マイクロ波レベルの周波数と、衝撃波レベルのデシベルの声を発して攻撃できる。つまり、その気になれば、爆音のソニックブームで戦車をひっくり返したりなど、好き放題できる。
性格は優しくて良い子。甘いお菓子と可愛いものが好き。主人公より常識的な行動をとり、慈悲も持ち合わせている。
スキュラちゃん
エキドナ計画のクリーチャーの一体。
八本の蛸足、背中から十本の触手、髪の代わりに触手と、触手の塊のような姿をしている。触手は一本につき数百トンのパワーがあり、数百メートル伸ばせる。鞭のようにしならせて叩きつけるだけで、戦車が紙屑のようにばらばらになる。また、首だけにされても、十秒もあれば完全に再生する。
性格はメスガキ。けど優しい。
デルピュネちゃん
エキドナ計画のクリーチャーの一体。
龍と人のあいの子のような姿で、背中の管から爆炎を発して音速で空を飛び、口からプラズマ火炎を放射する。超高熱の爪や牙は、軍事利用されるような特殊合金すら簡単に裁断する。
性格は好戦的で、自分のことを主人公が作ってくれた特別な力ある存在だと思っている。
パイアちゃん
エキドナ計画のクリーチャーの一体。
普段は人間の姿だが、戦闘時には全身から牙を生やす。牙は、対物ライフル並みの威力で射出できる。また、電気や電磁波を自在に操り、姿を消すこともできる。潜入が得意。電磁波を操るので、ガンマ線の照射とか、割と洒落にならんことができちゃう。
性格はネガティブ。自分のことを醜い化け物だと思っている。主人公とエキドナ計画の姉妹達だけが、唯一自分を愛してくれると考えている。
ヒュドラちゃん
エキドナ計画のクリーチャーの一体。
ラミア型の姿。ありとあらゆる毒物を生成、散布できる。その気になれば、風向きにもよるが、一週間ほどで日本人を全滅させられるレベルの激毒、ウイルスを作れる。
性格は控えめ。大人しくて良い子。