「ぐっ……、ああっ……!!!」
「言ったでしょ?愛は必ず勝つ、って」
倒れ伏し、頭を踏みつけられる木場祐斗。
シュリアーの「愛」は誰にも砕けない。
「やっぱり愛だよねっ!」
「シュリアー、そろそろトドメの時間よ」
「あら、そうね。それじゃ……、マリオン、ビュレント!覚悟は良い?!」
「「ええ!」」
「ユーベルーナ!やりなさい!」
「く、くそ……!ここで終わりだなんて……?!」
「荒れ狂う炎灼の消滅結尾(フレイムバニッシャー)!!!!」
「う、うわあああ!!!」
木場が悲鳴を上げた、その時には!
『ライザー様の兵士三名、リタイアです』
「……えぇ(困惑)」
「小猫ちゃん……、えっと……、あのさ」
「その……、取り敢えず移動しましょう」
「お、おう」
「荒れ狂う炎灼の消滅結尾(フレイムバニッシャー)!!荒れ狂う炎灼の消滅結尾(フレイムバニッシャー)!!!荒れ狂う炎灼の消滅結尾(フレイムバニッシャー)!!!!」
「ま、まただ!大暴れしてやがる!」
『ライザー様の騎士二名、戦車、僧侶、兵士二名、リタイア』
「……何なんだよ!!!」
叫ぶ一誠。
「何で味方を撃ってるんだ?!!!」
「それは……、ちょっと間違えちゃって」
ユーベルーナは適当に答えた。
「さっきからおかしいだろ!ライザーの眷属全員がお前に倒されてるじゃねーか!」
「フレンドリーファイアよ」
「ふざけんな!!!」
「じゃあ、これで終わりよ」
「くっ?!」
ユーベルーナは、魔力を集中させ……。
「はい、ドカン」
自爆した。
『ライザー様の女王一名、リタイア』
「………………何だってんだよ!!!!」
「イッセー!」
「部長……」
「無事で良かったわ!破竹の勢いでライザーの眷属を倒しているじゃない!」
「部長……、違うんすよ、俺じゃないんです」
「じゃあ、祐斗かしら?それとも小猫?朱乃?」
「どれでもありません……。ライザーの女王が、全員を吹っ飛ばした後に、女王自体も自爆して……!」
「な、何よ、それ……!」
戦慄するリアス・グレモリー。
「ぐ、お、遅れました!」
「祐斗!」
「部長、聞いてください……」
「うう……、遅れたわね」
「朱乃!」
木場、姫島も同じく、ライザー眷属に半殺しにされた後に、ライザーの女王が駒をリタイアさせていったと……。
「部長、これって……」
「わざとよ……」
「え?」
「ライザー眷属はどんなに頑張っても倒せない……、だから、フレンドリーファイアと偽って、女王が全滅させたのよ」
「な、何だよ、それ……!!!畜生!!!」
侮辱……。
今までの努力を唾棄するかのような侮辱だった。
「俺達を舐めてやがるっ!!!」
「……許さないっ!!!皆!ライザーに目に物を見せてやるのよ!!!」
「「「「はいっ!!」」」」
そして、ライザーの本拠地にて。
「ライザー!!!」
リアスは叫ぶ。
我らがライザー・フェニックスは……。
「草ァァァ!!!やっぱりウェンズディどうでしょうは……、最高やな!!!!」
魔界深夜番組、ヨーゥ・オーイズミ主演、ウェンズディどうでしょうに夢中であった!
「……ライザー!!!」
『おんちゃーん!おんちゃーん!』
『ぶわははは!!!』
『ヨーゥ!サイコロを振って出たところに行くぞ!』
「だっひゃひゃひゃひゃ!!!おんちゃん最高やでホンマに!!!久々にワロタ」
「ライザー!!ちょっと聞いてるの?!!」
無言でテレビの音量を上げるライザー。
「ライザー!!!!」
「うっさいわケバケバ女!!!ケバケバの実の能力者!!!!」
「誰がケバケバ女よ!!!!地毛よこれは!!!!」
「今ウェンズディどうでしょう見てるでしょ???ワイの邪魔せえへんといてや。ほら……、机の上にユーベルーナの手紙あるから、それ読んだらとっとと帰って、どうぞ」
「手紙……?」
リアスは、机の上にある手紙を見つけた。
「あの、ライザー様へって書いてあるけど」
「ええわ、読めや。あ、ワイはまだ読んでへんから読み終わったら返せよ?」
「そう……」
手紙の内容は……。
『ライザー様へ
ユーベルーナです。適当にうちの子をリタイアさせたら、折を見て自爆します。そうしたら、ライザー様は、「眷属が全員リタイアし勝ち目がないので降参する」と宣言してください。帰ったら一緒にお酒飲みましょうね。ビール、冷やしてありますから。
ユーベルーナより』
とあった。
「ライザーッ!!!貴方……、やっぱり、わざと負ける気で……!!!」
リアスは、もちろん、ライザーが負けた方が都合が良い。
しかし、リアスのプライドの高さは、わざと勝ちを譲られることが許せなかった。
「許さない……、許さないわライザー!!!」
リアスは、怒り、滅びの魔力をありったけぶち込んだ!!!
「アッーーー!!!!」
「ふん……、いかにフェニックスと言えども、滅びの魔力をありったけ浴びせれば……?!!!」
「こぉんの……、クソイメクラ嬢があああああ!!!!」
しかし、ライザーには。
滅びの魔力をありったけ浴びたはずのライザーには。
『傷一つついていなかった』!!!
「そ、そんな……!!!」
「あのさぁ……。ツブヤイター見ながらリアタイでウェンズディどうでしょうを見ることがワイの楽しみゾ?見ろよこの(テレビの)無残な姿をよぉ!!!分かる?この罪の重さ?!悔い改めて」
半ギレのライザー。
「赤龍帝の籠手!!!」「魔剣創造!!!」「はああ!!!」「やあっ!!!」
一誠が、木場が、小猫が、姫島が。
一斉に攻撃を浴びせるが。
「カスが効かねぇんだよ(無敵)」
「そ、そんな……!!!」
「ああもう最悪やわ……。もう許さねえからなぁ?」
そして、軽く跳んだライザーは……。
空中で超過重及び超加速。自らの力を抑える封印術式『エンチャントドラグノフ』を三重にかけてもなお溢れる、そこらの上級悪魔を歯牙にかけない程の圧倒的な力。
爆発的な魔力を以っての事象変換。
それによって、地面ごと世界をひっくり返す……!!!
「まとめて吹っ飛べ。センチネルダンプ!!!」
「「うわあああああ!!!!」」「「「「きゃあああああ!!!!」」」」
リアスとその眷属達は……。
『リアス様チーム、全員リタイア』
余りにもあっけなく。
全滅した……。
「………………ん?あら?ワイ氏、やっちまった?」
ハイスクールDDはなー!
一期しか見てないんだよなー!