始まりのスーパープレイ
転生特典?
なら、俺は……。
TASだ。
そう答え、様々な能力を得た俺は、リリカルなのはの世界に飛ばされた。
そして……。
「おい多須!バットを構えろよ!バットの先っちょを地面に突き刺すな!!バットを振るな!!!」
「良いから投げろ、ホームランを打ってやる」
「ちっ、俺は野球クラブのエースだぞ?!やれるもんなら、やってみやがれえええ!!!」
現在、小学三年生。
「ムッムッホァイ!!!」
「畜生打たれた!!!」
「「「「うおおおお!!!多須君がまたホームランだああああ!!!」」」」
「「「「キャー!多須君ー!!!カッコいいー!!!」」」」
無双してます。
今の名前は多須・M・丈二。
Mはマックスウェル。
名前から分かるようにハーフだ。
父が日本人、母がロシア人。
金髪幼女、ではなく男だ。
しかしまあ、基本的に精神は大人なもんで、家に両親がいるってのが違和感が凄い。
なので、軽く乱数調整して父親の事業にアドバイスしたところ、当然のように一山当たった。
今の俺はTASだ、株価チャートを睨むだけで株価を上げることすら容易い。
なので、両親揃って今は海外に飛んでいる。
俺は一軒家で二人暮らしだ。
……今の人生はめっちゃ気に入ってる。
前世の、TAS動画を作ることを生き甲斐にしつつもダラダラ二流工業大学で大学生やっているのも楽しかったが……、やっぱり、女の子にモテモテ、スポーツ勉強何でもござれの今の人生は面白い。
いや前世がモテなかったとかそう言うアレじゃないですよ?
兎に角、リリカルなのはの世界だ。
リリカルななのはちゃんとの関係は。
「うわー!凄かったの丈二君!」
極めて良好だ。
そしてなのはの親友、アリサとすずかについても。
「相変わらず化け物ねあんた……。スポーツは何でも、勉強も何でも、ゲームでも。完璧超人にも程があるでしょ」
「お疲れ様、丈二君」
極めて良好、だろう。
まあほら俺って当然のようにイケメンだし、完璧超人だし。
モテるのは仕方ないね。
あ、因みに、好感度稼ぐのに乱数調整はしてない。
ただ、俺には、見えるのだ。
『1:ありがとうなのは』
『2:それほどでもない』
『3:うるさいな』
選択肢と、
『好感度「なのは」:100』
好感度が。
ギャルゲTASの力だろう、最適な選択肢が見える。
さて、1と。
「ありがとうなのは」
「えへへ、かっこよかったよ、丈二君!」
『ピロリン!好感度アップ!』
そしてなんか聞こえる。
まあそんな感じで、好感度を荒稼ぎしつつも平穏無事な小学校生活を送っている。
これが中学高校となれば更に楽しいぞー!
俺の中学高校の頃と言ったら、女っ気ゼロのゲーマー人生でな。
ああいや、後悔はしてない。ゲームを通して沢山の友達と出会えたし、イベントなどにも顔を出した。コミケにも毎年行った。最高に楽しかった。
でも、でもだ。
陽キャっぽいことに憧れは、あったのだ!
俺も彼女とデートしたりとか?陽キャ同士で飲みに行ったりとか?してみてえじゃん!
今回の人生では、ゲームを嗜みつつも陽キャルートを目指すぞ!!!
って言いたいところだが、だが待て、だが待つんだ俺。
……また受験勉強やんの?
いや、乱数調整で勉強とか余裕だけど、乱数調整は極力使いたくない。あまり遠い乱数を呼び出したらフリーズやデシンクの可能性もあるかもしれないし。
この世界がぶっ壊れたら困るやん。
いっそなのはについて行って、時空管理局とやらに就職すっか?
いや……、それは嫌だな。
子供を働かせる組織だ、碌でもない。なら俺は、そうだな、いっそ魔法世界で傭兵でもやるか。
そうじゃなくっても、何でも屋みたいな……、なんかそういうの。
ゲームなら何でも嗜んだ俺、当然TRPGもやり込んだ。クトゥルフのように事務所を構えて何でも屋、可愛い女の子の相棒がいると更にグッド。そうは思わないか?
小学校中学校レベルまでなら勉強は授業聞いてりゃ百点とれる。
しかしそこから受験となってくるともう無理。
またあのセンターを超えるのは嫌だ。
うーむ、迷うな。
……ってか、小学三年生の時点で大体の進路決めてるアリサがおかしいんだよな。お前ガキだろ、もっと馬鹿やって叱られたりしろよ、と思う。
本人には言わんけど。
まあ何にせよ金の心配はないし、何でも屋と言う名のディレッタントってのも悪くねえだろう。
高校なんて最悪通信制でもいい訳だしな。
よし。
自由に生きよう。
「つー訳で愛花、俺、将来、自由人になるわ」
「え?う、うん?」
ああ、それと。
言い忘れてた。
こちらは高嶺愛花。
俺の……、妹?彼女?そんな感じ。
いやなんだそりゃ、と突っ込まれるかもしれんが、そういうもんなんだ。
ラブプラス?
ああ、ご名答。
そうだよ、今、俺の目の前にいるのは、ラブプラスの高嶺愛花だ。
どうやって、だって?
いや、これは乱数調整じゃない。
俺最大の能力の一つ、スーパースクリブルノーツ……、マックスウェルの不思議なノートによる産物だ。
スーパースクリブルノーツ、和題マックスウェルの不思議なノート。
どんなゲームかと言うと、パズルゲームだ。
主人公マックスウェルの不思議なノートに単語を書き込めば、その通りのものが出てくる、という設定。
コナミ製なんだよ、スーパースクリブルノーツは。だからコラボで愛花が出せる。スネークとかゴエモンも出せるぞ。ってか出した。出しちゃった。
しょうがねえからスネークには飛行機で海外に飛んでもらった。金塊を提供して、それを元手に、今は傭兵部隊を率いているらしい。ゴエモンは江戸村で忍者の真似事をやって生活してるっぽい。
いやあ、知性ある生命体をポンポン出すもんじゃないね。
騎士、とか警察、庭師、マジシャン、死んだライオンとかも出せるからな、処分に困るものは出しちゃならん。
……因みに、このノートを使えばクトゥルフすら出せるんだが。
……やめておこう。
生涯出すことはないだろう。
更に言えば、このノート、物品ではなく概念だ。失くしても念じればペンとともに手元に来る。
あー、それで、愛花の話だったっけ。
愛花は、俺がこの世界に飛ばされて、物心ついた頃、能力の確認代わりに色々出して実験してた頃、つい出しちゃったんだ。
喜ぶべきは俺と同じ歳で出現したって点かな。
そして、だ。
紆余曲折あって、それなりに裕福な家庭であるウチに引き取られた、って寸法よ。
俺と暮らしてるんで、原作の高嶺の花っぷりは特になく、今では攻略後の状態の明るくて良い子って感じ。
俺のことどれくらい好きか教えて?と聞いたところいっぱいちゅき❤︎と返ってきたので好感度も高い。ってかカンスト。画面下に好感度が見える。
「?、急にどうしたの?」
「いや、高校行かねーかも、と思って」
「そうなの?それでも良いけど、それじゃ将来困らない?」
「まあ、何があっても愛花は養うから」
「ふふ、ありがと」
可愛いなあこいつ。
付け加えて言うと、愛花は俺がTASであることを知っている。
まあ本人の認識では、何でもできちゃうスーパーマンらしいが。
何でもはできないよ、システム上可能なことだけ。
さあて、そんな感じで原作開始もそろそろか。
俺は自分の家で愛花と乳繰り合いつつも明日の準備をして……。
と、その時。
『助けて……!助けて……!!』
おっと、淫獣と名高いユーノ君の呼び声だ。
聞こえるってことは俺にもリンカーコアがあるってことか。
さて、行ってみるかと自室のドアを開ける。
すると。
「あのね、丈二?さっきから助けてって聞こえるんだけど、何かやった?」
愛花、お前もか……。
主な能力は不思議なノート、北斗の気狂いコンボ、警視総監になれる射撃、Wiiスポーツの万能、ケツワープ、上に落ちるなどなど。必殺技の「剣」で全てを粉砕するぞ!