ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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頭無惨かよ。


20話 両親

その後、自衛隊は、ダンジョンへの一般市民の進入を防ぐ為〜などと言って、家の庭に野営してきた。

 

まあ、俺には関係ないし、好きにやってくれ。

 

 

 

十一月半ば。

 

庭でウチの蔵を取り囲む自衛隊員に軽く挨拶してから登校。

 

なお、俺は自衛隊員だか内調だかよく分からんが、外出すると遠くから誰かしらが監視してくる。

 

学校にもついてくるみたいだ。

 

「先輩!先輩の家に自衛隊来てるんすよね?!何すかあれ!」

 

早速、噂になっているみたいだ。

 

「あー?まあ、そんなこともあるよな」

 

「な、何があったんすか?!」

 

「ちょっと蔵にダンジョンができただけだ」

 

「え……、えええええーーーっ?!!!!」

 

そして、噂は一瞬で広がり……。

 

「ねえねえ、赤堀君の家にダンジョンができたってほんと?」

 

「ダンジョンの中に入ってみたか?」

 

「ダンジョンってどんな感じ?!」

 

知らない奴らにまで囲まれて、大騒ぎになった。

 

授業ができないくらいの騒ぎになったし、ついでに俺んちの写真がネットにアップされたりした。

 

おもしれーなー。

 

「赤堀クン!ダンジョン!ダンジョンに入れてぇな!」

 

「いやーキツいっす」

 

「銭や!銭になるで!」

 

「まあ、そのうち一般開放されんじゃね?ダンジョンの総量も増やすって聞いたし」

 

「ホンマかいな?!よし、今から鍛えるでぇー!」

 

「おっ、ウチの道場来るか?」

 

「いや、ワイは人間なんで……」

 

ウチの道場が人外向けみたいな言い様は止めろや!

 

 

 

そうやって、一躍時の人となっていると……。

 

「ただいま」

 

「ワフ」『おかえり』『おかえりなさい、ご主人様』

 

「「おかえり!」」

 

おや?

 

「あ、親だ」

 

珍しー。

 

帰国してたんだ。

 

「おいおい、ダンジョンだとぉ?こぉーんなおもしれぇもんあるんなら、早く言ってくれよ!」

 

父親、赤堀紫電。

 

「そうよー!こんな面白いことがあるなら、ちゃんとママに言ってよ〜!」

 

母親、赤堀(旧姓:三鶴城)小雛。

 

「仕事はどうした?」

 

「「辞めてきた!!!」」

 

「ハッハー、こんのクソ馬鹿共ー。笑えねぇぞおい!!!」

 

「「ウソウソ、辞めさせてもらえなかったから、ダンジョンを調査して来いって……」」

 

親父は冒険家、お袋は生物学者。

 

親父は、御影流をそこそこにかじっていて、その武力で、襲いかかる殺人部族や海賊を蹴散らしながら、危険地帯を研究する考古学者。

 

お袋は、アメリカの最高学府を飛び級で卒業した生命科学者の権威。

 

双方共、学者の中ではかなり有名で、テレビをつければ毎年一回くらいは見る顔だ。

 

だが、真実は、全ての活動を趣味でやってる享楽主義者である。

 

立場のある社会人にも関わらず、自分の仕事を放り投げて、より面白そうなダンジョンを弄りに帰国したそうだ。

 

クズだな。

 

「「とりあえず、ダンジョンに連れてって!」」

 

「やだよめんどくせー!バーカ!!!」

 

「「そんな……、ひどい……」」

 

ムカつくなー。

 

育児も殆どしねーで海外に飛んだクズ親がよくもまあ。

 

まあ、俺は別に、育児放棄ガーなどと怒るつもりはないが。金は余分なほどにもらってるからな。

 

だがムカつくのはそのツラの皮の厚さよ。

 

いきなり来てダンジョンをエスコートしろなんざお断りだわ。

 

「せめてコツ!コツとか教えて!」

 

「あー?できるだけ少ない人数で、銃以外の武器で戦うことだな」

 

「おっけぇ!行ってくるぜ!」

 

「私も行くー!」

 

 

 

四時間後。

 

「「チュートリアルまではクリアした!!!」」

 

クソ、流石俺の親だ。

 

スペックだけは馬鹿高いからな……。

 

「で?それは何だ?」

 

お袋に訊ねる。

 

「え?ゴブリンの死体だけど?」

 

「……どうすんだそれ?」

 

「もちろん、解剖だよ!」

 

「……どこで?」

 

「……お風呂場借りて良い?」

 

「外でやれ!!!!」

 

 

 

全く……。

 

「おう、藤吾!」

 

親父が言った。

 

「何だ?」

 

「お前どこまで行った?」

 

「三十まで」

 

「そうか!三十のポーションくれ!」

 

「やだよ」

 

「じゃあ売ってくれ!五百万でどうだ?」

 

「振り込みを確認したら渡す」

 

「おう!」

 

次の日、俺の口座に五百万円が振り込まれていた。

 

「ほらよ」

 

「ありがとな!」

 

親父は、三十階域ポーションを丁寧に梱包して、アタッシュケースに詰めてどっか行った。

 

何企んでんだろな?

 

 

 

その来週。

 

「おう、藤吾!ウチの隣に研究所を建てることになったからよろしくな!」

 

「……は?」

 

「建設会社の尻をぶっ叩いて、三ヶ月で建物を作ることになったぜ!」

 

「いや待てよ」

 

「工事中はめちゃくちゃうるさいから、しばらくホテルにでも泊まれ!」

 

「ちょっ、待て!待てこの野郎!!」

 

捕まえて話を聞いたところこうだ。

 

お袋と懇意にしている某資本家が、重度の糖尿で苦しんでいた。

 

そこにポーションを持っていき、糖尿を治してやる代わりにスポンサーになってもらったらしい。

 

「お前も研究員にならないか?」

 

「はぁ?俺は高校生だぜ?」

 

「研究員ってのは名目だけだ!適当にダンジョンに行って、ダンジョンから色々なものを持ち帰ってくれ!」

 

「えー……。俺、寺を継ぐんだが」

 

「どっちもやれば良いだろ?副業だ!」

 

「でもなあ……」

 

「残業なし、土日祝日どころか好きな時に休める!」

 

ぴくっ。

 

「基本給は手取りで三十万円!」

 

ぴくぴくっ。

 

「成果によっては特別報酬と昇給有り!」

 

「いやー!俺もなー!いきなり寺を継ぐ前に、ちょっと社会人やっても良いかなーって思ってたんだよな〜!!!!」

 

「おおっ!やってくれるか?!!!」

 

「やります!!!!」

 

そういうことになった。

 




弟が鬼滅読んでガチ泣きしてた。

俺はアレ、常に無惨様の方に感情移入しちゃってて、いまいち鬼滅隊が死んでも泣けなかったです。

まあ、俺の書いてる主人公もみんな、頭無惨奴ばっかりなんでお気づきでしょうが……。

俺の思い描くハッピーエンドが、『永遠の命を得た完全な生命となり、他者を一方的に蹂躙できる現人神として、世界を思うままに支配する』って感じで、俺の書いてるssも最終的にはそうなる予定ですから。

永遠の命を求めて何が悪いのか?たかだか百年ぽっちで醜く老いさらばえる人間になんの価値があるのか?男と生まれたからには、最強の力と世界征服を夢見て何が悪いのか?

そして、そうなることは悪いことなのか?悪いことだとして、やったらどうなるか?そう考えながら、ssを書いてます。

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