ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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面白い小説を読みたいが、俺が納得できるものは俺しか書けないので書くしかないんだよな。


29話 試験は満点

悪の組織『赤堀ダンジョン研究所』は、ヘイトを逸らしつつも暴利を貪っていた。

 

だが、それもここまでだ。

 

六月。

 

東京、スカイツリー前。

 

大阪、通天閣前。

 

名古屋、名古屋城前。

 

札幌、羊ヶ丘展望台前。

 

仙台、仙台城跡前。

 

広島、原爆ドーム前。

 

福岡、太宰府天満宮前。

 

それぞれのダンジョンの近い位置の建物を政府が買い上げて事務所とし、ダンジョンの一般開放が始まった。

 

それに伴い、『冒険者資格』の試験も各地で開催される。

 

今はセンター試験の時期ではないが、それに近い難易度の試験が開催された。

 

知力、知識、体力、武力、その他特技の五科目のテストだが、好きな種目から受けて良いそうだ。

 

それなので、俺と、俺の両親、更にキチレンジャーと杜和、全員が冒険者資格を取りに行った。

 

青峯は知力テストに、黄場は知識テストに、緑門と桃瀬は特技テストに直行した。

 

杜和も、実はあいつにも実は凄い特技があるんで、特技テストへ。

 

親父は体力テスト、お袋は知識テストへ。

 

俺は……。

 

 

 

宇都宮、自衛隊駐屯地。

 

ここで、俺は武力テストを受ける。

 

武力テストは、この駐屯地のグラウンドで行われるのだが、その内容は……。

 

「えー、これからみなさんには、こちらの防具をつけていただきまして、自衛隊員との組手を行ってもらいます!」

 

ガチの殴り合いであった。

 

うんうん、話が分かりやすくて大変結構だな。

 

しかし、軽率に武力テストを受けに来た若者達はビビっていた。

 

「え……?そ、その!ちょ、直接殴り合うんですか?」

 

誰かが聞いた。

 

すると、自衛隊員は笑顔で言った。

 

「はい!こちらは可能な限り手加減しますから安心してください!ああ、もちろん、隊員を倒さなければ不合格と言う訳ではないので、その辺りは安心してください!」

 

だそうだ。

 

ふーん、なるほどね。

 

「防具なんて頭だけで良いぜ!俺は普段、ボクシングジムで〜……!」

 

みたいな奴が出てきた。

 

そいつは確かに、タッパはそこそこにあったが、俺から言わせれば、無駄な見せ筋ばかりで、闘気も感じられないザコだ。

 

「防具については着用を義務としていまして……」

 

自衛隊が遜って言う。

 

「だからさあ!自衛隊だか何だか知らねぇけど、俺らボクサーは普段、防具なんて付けねえの!無駄な装備を着込んだら俺のシャープな機動性が〜……!」

 

しかし、男は、そんな話をして取り合わない。

 

「怪我防止のため……」

 

「だ!か!ら!俺はセミプロ!格闘技のプロなの!お前らみたいなアマチュアと違って強いんだよ!」

 

全く、わがままだな。

 

いい歳した大人がこれとは。

 

「えー……、ではまあ、構いませんが、怪我をしたとしてもこちらは責任を……」

 

「良いから早くしろよ!」

 

そして、自称セミプロボクサーと自衛隊員の戦いが始まる。

 

 

 

〜十秒後〜

 

 

 

「い、いてええええ!!!」

 

突きを掴まれて投げ飛ばされ、受け身も取れずにモロに地面に叩きつけられ、のたうちまわる自称セミプロ。

 

ほーほーほー。

 

なるほどな、ああやって投げるのか。

 

中々上手いな。

 

ありゃ、柔道ってぇのだな?

 

手首じゃなくて腰で投げてるな。

 

崩しが弱いかな?まあでも、重心移動は及第点ってところか。

 

「な、何で投げるんだよっ!おかしいだろ!」

 

あ、負け犬がなんか言ってる。

 

「は?おかしいとは?」

 

「ボクシングに投げ技は……」

 

「ええと、その、ダンジョンのモンスターは投げ技を使ってきますよ?」

 

ああ、そりゃそうだな。

 

もっと言えば、知能が高いモンスターは、金的目突きに噛みつきもガンガン使ってくるぞ。

 

「だ、だからって!ボクシングなら俺が勝てるんだ!や、やり直しだ!」

 

ははは、こいつおもしれー。

 

殺し合いに『次』がある訳ねーだろ?

 

何言ってんだかな?お笑いだぜ。

 

ま、しばらくは自衛隊の技を見るか。

 

 

 

そして十分後……。

 

うん、うん。

 

飽きた。

 

もう全部見たな。

 

特に、秘伝の奥義とかもないみたいだし……、じゃあ、やるか。

 

「おい、次良いか?」

 

「はい!では、防具の方を……」

 

「ああ、気遣いはありがたいが、余計だな。ええと、何人潰せば満点だ?」

 

俺がそう言うと、周りが騒ついた。

 

……「馬鹿だろ」

 

……「相手は格闘徽章持ちだぞ?」

 

……「若さゆえの過ちなのかねえ」

 

どうやら、この場に見ただけで相手の実力を察せる奴はいないようだ。

 

何でだ?一緒に参加してるジジイとか、見るからにヤベー闘気出てんのにな。

 

見れば、道着を着ている奴とか、かなり鍛えてる奴とかもいるのに、闘気を測れる奴はいないもんなのか?

 

「ははは、自分を圧倒できれば満点ですよ」

 

と笑う自衛官。

 

「そんなことで良いのか?楽だな。ほれ、来い」

 

と、俺は棒立ちする。

 

「はい、では、行きますね」

 

自衛官が掴みかかってくる。

 

なので。

 

「ははは、ほら」

 

俺は、掴みかかってきた手を掴んでやる。

 

「!」

 

反射的に手を引こうとしてきたので、その力の流れを利用して、引っ張られている風に装って間合いを詰める。

 

「はあっ!」

 

お、腰で投げにきたな。

 

だが、それは見た。

 

俺は、敢えて投げられる。

 

しかし、空中で回転して受け身のようなことをしてから、その勢いで自衛官を投げる。

 

「!」

 

自衛官は受け身を取ろうとするが……。

 

「ほらよっと」

 

俺は、受け身を妨害するように着地点やタイミングをずらして、モロに地面に叩きつけられるように調整する。

 

「ぐ……っ?!」

 

「ほら、まだ行くぞ」

 

地面に叩きつけられ、苦悶の声を上げる自衛官を、一度目の投げの力の流れのままに更に転がすように投げる。

 

今回も、受け身は取らせない。

 

背中を地面に叩きつける瞬間、わざとタイミングをずらして、受け身の呼吸をずらす。

 

バランスを取ろうと反射的に出した足を刈り取って転ばせる。

 

「ほら!ほら!どうだ!」

 

「ぐ、がっ!がはっ!」

 

何度か土ペロさせてやると、「そこまで!」と言う声が入った。試合終了だ。

 

「どうだ?満点か?」

 

「文句なしで満点です。ですが、やり過ぎないでいただきたかったですね」

 

おっと、嫌味かな?

 

「いやあ、すまんすまん。つい、興が乗っちまってな」

 

ま、こんな感じで余裕で満点だ。

 

ジジイ以下、門下生達も無事合格。

 

武力テスト、楽勝だな!

 




いやまあ……、いやね。

カクヨムの話なんだけど、目立ちたくない系主人公さんがクッソ目立ってて笑えなかったわ。

転生前は人間関係で苦労したから、転生後は自由に生きるんだ!とか言ってんのに。

厄介なのとは関わらず自由に生きる!と言った矢先に、「困ってる人は見捨てられない!」とか言って厄介ごとに首を突っ込むんだもん。どういうこと?

こういうのを見せられるとさー、本当に目立たず自由に生きている主人公を書きたくなるわー。

それ、巻き込まれ転移おっさんでやったな……。

久々に続きを書くか……。
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