ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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なんかよく分からんけど、Vチューバーが炎上してて草。

アイドルならまだ分かるよ?だって現実に存在する人だもん、もしかしたら、万が一にも結婚できるかもしれないじゃん?

でもVtuberはさ、幻想の中の存在な訳じゃん?幻想の存在にガチ恋ってどう言うことなの……?

側から見てる分には面白いから良いんだけどさ。


49話 新潟へ

十一月は、ほぼ休暇とした。

 

だって疲れたんだもんよ……。

 

受勲だのなんだので気疲れした俺は、大人しく登校してゆっくりした。

 

ドラゴンの心臓を取ってきて、杜和を龍心人にしたのは良いか。既定路線だったしな。

 

なんか知らんが、知らない人達からプレゼントがドカドカ届くが、よく分からんので杜和に任せる。

 

それと、ソラに、服を脱がなくても翼を展開できるような服をポイントショップに置いてくれと頼んでおいた。

 

そう、龍心人は、翼を生やして空を飛べるのだが、翼を生やすには上着を脱がなきゃならないんだよ。

 

女の杜和に、外で上着を全部脱げとは言えねぇからな。

 

ソラは快く、特殊な魔法の上着を用意してくれたので、それを着る。

 

 

 

さて、十二月。

 

冬休みに入ったので、遠征をすることにした。

 

行き先は新潟。

 

食料が産出するブランチダンジョンだ。

 

美味いもんが食いてぇのよ。

 

ハヤと桐枝と日和、そして杜和を連れて新幹線に乗る……。

 

と、思いきや、何かこう、黒くて長い車が迎えにきた。

 

アレだ……、リムジン?って言うやつ。

 

何でも、俺はこの前の受勲が全世界に放送されたらしくて、日本の超VIPになったから、新幹線とかそう言うのに気安く乗ると騒ぎになるかもしれないからダメなんだと。

 

俺は立場的には、下手すりゃ総理大臣よりも今の日本に必要な存在らしい。

 

杜和も、「新幹線に乗れば、写真とか撮られるし、変な人達が交渉だの何だのと言って近寄って来ると思うっすよ」と言っていた。

 

なるほど、俺もアホじゃない。

 

それくらいは理解できた。

 

そんな訳で、長い車に乗る。

 

……犬っころをこんな高そうな車に乗せて良いんだろうか?

 

まあ良いか。

 

長い車にはテレビがついていて、テレビでは……、ニュース?がやってた。

 

『見てください!こちらのリンゴ!金色に輝いています!』

 

『こ、これはすごい!レポーターの山岡さん、お味の方はいかがですか?』

 

『とっっっても美味しいです!糖度は驚きの25%で、含まれる栄養素も数倍!おまけに、食べれば食べるほど賢くなるそうなんです!』

 

『ええっ!本当ですか?!』

 

『本当です!赤堀ダンジョン研究所の実験結果によると、ほんの少しずつですが、食べれば《INT》のステータスが向上すると分かっています!こちらのリンゴ……、ダンジョン産の《ゴールドウィズダム》は、青森県で栽培が開始されました!お値段は一つ三十万円の高級フルーツですが、食べてみる価値はありますよ!』

 

『レポーターさん、ありがとうございました!……いやー、素晴らしいですね!どう思いますか、コメンテーターの横田さん?』

 

『やっぱり、お値段の方が気になりますね……』

 

『確かに……。ですが、既に青森では、接木による果実の成長が見られたので、これから値段はどんどん下がるようですよ!』

 

『それは素晴らしいですね!しかし……、外国に奪われたりなどしないでしょうか?』

 

『それも大丈夫です!例えば、我が国のシャインマスカットなどが海外に持ち出されて、勝手に外国の名で売り出されてしまうようなこともかつてはありました。しかし、このダンジョン産の植物は、土壌に魔力成分が含まれていない限り生育しないのです!』

 

『おおっ!つまり、魔力を含んだ肥料を作れる我が国以外では、育てられない訳ですか!それならば、外国人に盗まれる心配もありませんね!』

 

『因みに、最近家畜化に成功したダンジョンの食肉動物なども、テイムした人間にしか従わないので、盗まれる心配はありません!』

 

俺は、ボーッとテレビを見ながら、ビールを飲んでいたが……。

 

「うわー、今もうこんな感じなんすねえ」

 

と杜和が呟いているのを耳にした。

 

「何の話だ?」

 

「ん、ああ……。ちょっと前までは、テレビでは、出羽守な国会議員の人達が散々騒いでたのになーって」

 

あー?

 

……まあ、そうね。

 

俺も、ニュースなんてものに興味はないが、最低限は知っておくのが『御影流』の義務だからな。

 

ある程度は分かる。

 

日本がこうなる前までは、出羽守……、要するに、海外を優先する国会議員が多かったんだよ。

 

やれ、アメリカを見習え!だの、中国に優しくしろ!だの……。

 

そう言う人達は実際、その国からのバックアップがあったんだろうけど……。

 

ここ最近のダンジョン騒ぎで、海外は全て、「損切り」とばかりに日本を見捨ててきたからな。

 

海外からバックアップを受けていたマスコミ、国会議員、企業……、そういうのは殆ど、部下を見捨てて海外に高飛びした。

 

残された、「金のために出羽守をやっていた連中」は、裏切られた!とばかりに反海外派に鞍替えしたのだ。

 

そんな訳で、今の日本はかなり右傾化してきている。

 

 

 

さあ、新潟に入ったぞ。

 

畑がすごい沢山あるなー、流石田舎。

 

うちも田舎だが、ここも負けず劣らず田舎だ。

 

……ん?

 

「おい、あれ……」

 

俺は、畑に指を指した。

 

そこには……。

 

『グウ、ガア』

 

『ガギ、ギギ』

 

『グギ、グギ』

 

ボブゴブリンが、畑で働いていたからだ。

 

「ああ、あれは、テイムモンスターを働かせてるんすよ」

 

と杜和。

 

「そうなのか?」

 

「はい、元々は、技能実習生とかいう事実上の奴隷みたいな制度があったらしくて、それで安値で外国人を働かせていたみたいなんすよ」

 

あー、なんか聞いたことあるな。

 

ベトナムとかの貧しい人を、実習生の名目で安く雇って重労働させるみたいな話。

 

「でも、今はもう、日本に外国人は来なくなっちゃったっすからね。その代わりに、人型のテイムモンスターを派遣して働かせるみたいな事業が始まったらしいんす」

 

「なるほどねえ」

 

「テイムモンスターは、農作業くらいなら指示さえもらえれば何とかできるし、賃金も要らないから、ただ餌やりと夜寝させるだけでいくらでも働くらしいっす」

 

ふーん。

 

まあ確かに、ハヤも飯以外は散歩連れてくくらいで何も言わないし、桐枝と日和も、食い物をやれば自分達で好きに過ごす。

 

まあ、欲しい物ないか?くらいは定期的に聞いてるが、ネットフリークス(有料動画配信サイト)さえあれば特に欲しいものはないそうだ。安上がりだなー。

 

それを考えると、テイムモンスターに重労働をさせるのは効率的かもしれない。

 

ここはホブゴブリンなのでちょいとアレだが、心ないゴーレムやマシン系辺りに働かせれば、倫理的な問題もセーフなんじゃないか?

 

接客や介護なんかも、容姿を問わなければ、ワーウルフやリザードマン、デーモンにドラゴニュートなどに任せられる。

 

容姿が問題なら、ラミアやハーピィ、モノアイ、ニンフ、ケンタウロスにセイレーン、アラクネやユキジョロウ、サテュロス、ザシキワラシにテング辺りか?この辺なら、性接待とかもどうにかなりそうではあるな。

 

とにかく、今後はテイムモンスターがかなり使われるようになるだろうな。

 




久々の田舎剣士、どうでしたか?

政治フェイズが入りますが、叩かないでね……。

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