ウルトラマンオーブ ─Another world─   作:シロウ【特撮愛好者】

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後編です。

誤字、脱字あればご報告を。


第3話 怪獣水域 ー後編ー

「うわぁぁぁぁ!」

 

 マガジャッパの攻撃を喰らった僕は、しばらく宙を舞っていた。まさかこんなに飛ばされるとは思っていなかったからだ。

 でもいずれ地面に叩き付けられることに気付いた僕だったが、どんな風に受け身を取るべきなのかさっぱりだった。

 やがて地面が見え始めた辺りから、僕は力強く目を瞑っていた。

 でも僕は痛みを感じなかった。その代わりに、力強い何かに抱えられる感覚があった。ゆっくり目を開くと……。

 

「あ……!ガイさん!」

「……ったく。大丈夫か?」

「えぇ、何とか……。」

 

 呆れた様子のガイさんに降ろしてもらった僕は、ジェッタさんのあの言葉を思い出して、それを伝えた。

 

「ガイさん、お願いします!銭湯の平和を取り戻して下さい!」

「銭湯の平和と来たか……。じゃあ行くぜ!」

 

 ガイさんは両腕を交差させて、左手のオーブリングを正面に突き出した──!

 

「ウルトラマンさん!」

【ウルトラマン!】

「ティガさん!」

【ウルトラマンティガ!】

「光の力、お借りします!」

【フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ!

 スペシウムゼペリオン!】

 

『俺の名はオーブ!闇を照らして悪を……』

 

 森の中に、仁王立ちでウルトラマンオーブが現れる。いつものように名乗りを上げるけど、後ろからマガジャッパが体当たりを仕掛けてきた!

 

「えぇ!?名乗りを妨害したぁ!?」

 

『グゥ……』

 

 接近したマガジャッパが放つ臭気に、オーブは顔を反らす。何とか迎え撃とうとするけど、マガジャッパの臭いはオーブにも多大な影響を与えているようだった。

 オーブが攻撃を当てようにも、その臭いでまともに接近戦すら出来ないために、距離を取ろうと蹴り技を炸裂させる。

 小型化させたスペリオン光輪を手裏剣のように飛ばす。だが、臭いのせいで若干へっぴり腰気味に放った光輪は、マガジャッパの頑丈な体表にはあまり意味の無いようにも見えた。

 マガジャッパは、長い尻尾でオーブのがら空きになった脇腹に一撃を与える。その勢いでオーブは地に伏した。

 マガジャッパは、今度は両腕の吸盤から「マガ吸引」を発動させ、オーブを引き寄せる。その強風にはオーブでさえも吸い寄せられる。

 両腕でオーブをがっちりホールドしたマガジャッパは、口から黄色いガス「マガ臭気」を至近距離から放つ。

 その余波は、離れた場所から見ていた僕の元にまで届いた。

 

「痛てて……。目がヒリヒリする……!」

 

 その臭さを間近で受けたオーブへのダメージはとてつもなく、再びオーブは地に伏した。

 それを絶好のチャンスと見たマガジャッパは、体を透明化させて、周りの風景に溶け込んだ。

 

「透明化まで出来るのか……!」

 

 マガジャッパを見失ったオーブの背後から、実体化したマガジャッパのボディアタックが炸裂!

 オーブが倒れた近くで、ナオミ達はその一部始終を撮影していた。そのせいもあってかオーブは身動きが取れずにいた。マガジャッパの尻尾攻撃を喰らい、マガ吸引で引き寄せられたオーブは、また身動きが取れなくなってしまった……!

 

「ガイさん……!」

『「こうなったら……、この力を!」』

 

 ここでガイはオーブリングを再び構え、新たなカードを手にした!

 

「タロウさん!」

【ウルトラマンタロウ!】

「メビウスさん!」

【ウルトラマンメビウス!】

 

 ガイが2人のウルトラ戦士のカードをリードすると、左側にウルトラマンタロウ、右側にウルトラマンメビウスのビジョンが実体化。

 続いてガイは一度交差させた両腕を大きく広げ、身体を左に捻ってオーブリングを勢い良く掲げた!

 

「熱いやつ、頼みます!」

【フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ!

 バーンマイト!】

 

『オリァッ!!』

 

 飛び上がったオーブは何度も空中回転を繰り出し、強烈な飛び蹴りをマガジャッパの顔面に叩き込んだ!

 

「あれは……!スワローキック!?」

 

 今の技は、ウルトラマンタロウのスワローキックだった。オーブがその技を使ったということはつまり…!

 

「あの姿は……!」

 

 そこにいたのは、真紅の巨人。頭部から伸びる角、身体に刻まれているのは金のファイヤーシンボル……!

 

「タロウさんと、メビウスさんの力……!」

 

『紅に、燃えるぜ!』

 

 力強く名乗りを上げると左正拳突き、膝蹴り、チョップをスピーディーに決めていく。

 やはり姿は変わっても臭いには耐えられないようで、少ししかめるようなリアクションを取った。

 するとなぜかマガジャッパの鼻をほじくり、首を掴んでからの、ジャイアントスイング!

 マガジャッパが立ち上がると、すかさずフライングボディプレスで追い討ちを仕掛け、右の拳に炎を纏わせ、大打撃を与えた!

 だが、マガジャッパも負けてはいなかった。マガ水流を放つが、オーブはそれを回避して炎を纏ったスライディングキックで足を崩した!

 

『「俺に触ると……火傷するぜッ!」』

 

 オーブの身体が赤く光り、ガイが熱く吠える。

 

『ストビューム……ッ、ダイナマイトォ!』

 

 その声と共にオーブの全身が炎となった!

 

(あの技は……!)

 

 僕はあの技に心当たりがあった。

 ウルトラマンタロウの『ウルトラダイナマイト』、ウルトラマンメビウスの『メビュームダイナマイト』に酷似していたからだ。どちらとも使用すれば身体への多大なダメージを負う、まさしく諸刃の剣。

 それを使ったガイさんへのダメージはきっと大きくなるはずだ。

 

『ウォォァァァ!』

 

 雄叫びを上げながらマガジャッパに特攻していくオーブ。そしてマガジャッパを捕らえた瞬間、凄まじい爆発が起こる。その威力は、周囲の森林に炎が燃え移るほどだった。

 

「オーブ……ガイさんは……!?」

 

 爆風が晴れた時、そこには力強く立ち尽くすオーブがいた。その姿を見て、僕は少しホッとした。

 オーブは飛び去って行き、その時の衝撃波は森林の炎を消して行った。

 

「そう言えば……、渋川さんとシンヤ君は!?」

 

 それを眺めていたSSPの3人はマガジャッパの攻撃で行方の分からなくなった2人のことを思い出し、急に慌て出す。すると誰かが白い煙の向こう側から走って来る。

 

「おーい!おーい!」

 

 そこから現れたのは渋川さんだった。

 3人は渋川さんの無事を確認して、ビートル隊が一般人に心配かけさせてどうするんだと言う。

 すると渋川さんは「面目ない」と笑顔で答えた。

 

「いやいや、シンヤ君は!?」

「そうだった!渋川さん!シンヤ君知らない!?」

「いや、俺は見てないな……」

「そんな……」

 

 ナオミが落胆した時だった。ポケットのスマホが小刻みに震え始めた。誰からの連絡かと思って出てみると、驚きの人物からだった。

 

『もしもし、ナオミさん?僕です、シンヤです!』

「シンヤ君!無事だったの!?」

『えぇ何とか。ウルトラマンが、オーブが助けてくれました』

 

 

 

 それから色々と長い話を終え、合流場所を教わった僕は電話を切り、ガイさんを探し始めた。もしかしたら今頃どこかで倒れているかも知れない。そう思えて仕方なかった。

 

「こいつは、ウルトラマンジャックさんの力でしたか。お疲れさんです。よろしくお願いします」

 

 探し始めて間もなく、ガイさんを見つけた。

 

「ガイさん!大丈夫ですか!?」

「シンヤ!お前も無事だったか」

「そんなことより!体はなんともありませんか?あの技は…」

「あぁ、何ともないぞ」

「……無理してないですよね?」

「おぅ」

「そっか……、なら良かった……」

「?」

「あ、そうだガイさん!銭湯のお湯、臭くなくなったみたいですよ!」

「ホントか!ならすぐに行かなきゃな!」

 

 ガイさんは、心の底から嬉しそうな顔を見せた。

 

 

 

 一方ジャグラーもまた、マガジャッパの怪獣カードを回収していた。ダークリングの中央からカードを取り出すと、まるでマガジャッパの臭いを嗅ぐようにそのカードの臭いを嗅いでいた。

 

「最後の1枚もこの調子で頼むぞ……。オーブ」

 

 

 

 場所は町の銭湯。日中発生した異臭騒ぎもあってか、銭湯はこれまでにない賑わいを見せていた。

 

「はぁ~……。一番風呂は地球上において最高の贅沢だ……」

「最高ですね~……」

 

 ガイさんと少し離れたところでお湯に浸かっていた僕も、釣られてそう言う。

 まだ体や髪を洗っているジェッタさんやシンさんが大袈裟だと笑うけど、今ならガイさんの気持ちがとても分かる。こうして当たり前だと思っていることが本当に幸せなことなんだなと改めて思う。

 そうしてしみじみとしていると、ジェッタさん達が湯船に飛び込んで来た。そこから離れていた僕は無事だったけど、ガイさんは顔に水飛沫が思い切りかかる。

 そんな2人に対して、ガイさんは怒りを爆発させる。

 

「……湯船に、飛び込むなぁっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ガイとシンヤの、ウルトラヒーロー大研究!」」

 

シンヤ「いや~良い湯でしたね、ガイさん!」

ガイ「あぁ……そうだな」

シンヤ「ホントにすみません……。後でお2人にはよく言っておくので……」

ガイ「あぁ、頼むぞ……。せっかくの気分を台無しにしやがって……」

シンヤ「えぇと、今回紹介するのはこれです!」

 

【ウルトラマンオーブ!バーンマイト!】

 

ガイ「『ウルトラマンオーブ バーンマイト』。タロウさんとメビウスさんの力で戦う、熱い戦士なんだ」

シンヤ「名前はメビウスさんの強化形態『バーニング』ブレイブ、タロウさんのウルトラダイナ『マイト』が由来。

 メビウスさんは設定上タロウさんの教え子で、登場シーンや戦闘の構えが、タロウさんと同じだったりします」

ガイ「そう言えば、『ウルトラマンメビウス』第30話『約束の炎』だと、攻撃や動きが完全にシンクロする小ネタがあったみたいだな」

シンヤ「そうなんですよ!あの息のぴったり合ったコンビネーション!とても震えました!」

ガイ「バーンマイトの必殺技は、全身に炎を纏って敵に体当たりを仕掛ける『ストビュームダイナマイト』だ!」

シンヤ「この技のモチーフはタロウさんの『ウルトラダイナマイト』とメビウスさんの『メビュームダイナマイト』。どちらとも自爆技で、マガジャッパ戦で僕は内心ハラハラでしたよ……!」

ガイ「心配かけて悪かったよ」

シンヤ「分かってくれるなら良いんですよ……。

 それでは、今回はここまで!」

 

ガイ&シンヤ「「次回も見てくれよな!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突如現れた巨大な火の玉。吹き荒れる熱風に町は大混乱だ!

 これは火ノ魔王獣の仕業に違いない!大惨事になる前に、何とかしないとな!

次回!

『ウルトラマンオーブ ─Another world─』

『真夏の空に火の用心』。

 闇を照らして、悪を撃つ!




駆け足気味になってしまった今回の作品。

待ってくださった方々には本当に申し訳ないと思います…。

恒例の隠れサブタイは、『ウルトラセブン』第3話『湖のひみつ』でした。

ではノシ
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