ウルトラマンオーブ ─Another world─   作:シロウ【特撮愛好者】

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後編です。
マイナスエネルギーの生み出した怪獣を退治する専門家の登場です。


第7話 霧の中の明日 ━後編━

 左手に掴んだオーブリングを天高く掲げたガイは、紅の巨人へと変わる!

 

「タロウさん!」

【ウルトラマンタロウ!】

「メビウスさん!」

【ウルトラマンメビウス!】

「熱いやつ、頼みます!」

【フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ!

 バーンマイト!】

 

 オーブは登場と同士に、上空から火炎弾をホーめがけて撃ち込む!

 そして町に降り立ったオーブは、力強く名乗りを上げた!

 

『紅に燃えるぜ!』

 

 するとホーは、そっぽを向いて泣き出した。その涙は流れ落ちて、道路を溶かす。

 ついさっきの火炎弾が良くなかったのかと、オーブが申し訳なさそうに脱力した時だった。

 オーブの方に顔を向けたホーが、不意打ちで怪光線を発射した!

 咄嗟にかわしたオーブがホーを見ると、上手くいったと喜ぶようにホーが手を叩いていた。

 つまり、さっきの涙は嘘泣きだったのだ。

 

『アアッ!!……ノヤロォ!!』

 

 まんまと騙されたオーブは怒り、ホーの首を掴みにかかる。振りほどいて頭部をがっしり捕まえてからの、勢いを付けたヘッドバット!痛がる様子を見せたホーに対して、殴りかかろうとしたオーブは動きを止める。

 その隙を突かれてホーのビンタ、頭突きのラッシュを喰らって飛ばされてしまう。

 そこから起き上がった途端に、怪光線をお見舞いされる。

 

『ウォアアッ!!』

 

 それを見つめていた僕らだったけど、ハルカさんが諦めたかのように叫ぶ。

 

「やっぱり勝てない……!運命を変えるなんて無理なのよっ!」

 

 ハルカさんの心境に呼応しているのか、ホーはオーブを圧倒。魔王獣を始めとした多くの強敵と渡り合ってきたオーブが、一方的に押されていた。

 起き上がろうとする度に蹴られ、まるでサッカーボールのように町を転がる。仰向けになったところを何度も踏みつけられて、次第にカラータイマーが点滅を開始した!

 

「このままじゃ……ガイさんが……!」

 

 オーブのピンチに俯いてしまうハルカだったが、隣から大声でオーブを応援する声が聞こえた。

 

「オーブ!頑張れ、オーブ!!」

 

 必死に叫ぶシンヤの横顔を見たハルカは、昨日出会った人達の言葉を思い出していた。

──ハルカさん。あなたの見る予知夢も、もしかして、誰かの運命に関係があるんじゃないかな?

──過去は変えられない……けど、未来は変えられる。

──怖いものに立ち向かって行く。それが、本当の勇気なんじゃないですか?

 

「……運命を、変えられる。変えなきゃ!」

 

 シンヤの前に飛び出して、ハルカはオーブに向かって叫んだ。

 

「負けないで!オーブっ!」

「もう一度立って、ウルトラマンオーブ!!」

 

 2人の応援が届いたのか、オーブはホーの足を掴んで押し飛ばした!

 オーブは額のクリスタルを輝かせると、全身に炎を纏ってホーに特攻した!

 

『ストビューム、ダイナマイトォォ!!』

 

 がっしりホーを捕縛したオーブは、全身の炎を一気に爆発させる!爆発が止んで、そこにいたのは膝立ちで構えるオーブだった。

 勝利を確信したオーブはゆっくりと立ち上がるが、背後に霧が密集して再びホーが出現したことに気付かなかった。

 霧を吸い込んだホーは、怪光線をオーブに撃つ!

 

 これは奇しくも、ハルカが見た夢の再現だった。

 しかし、運命を変えると決意した少女は、オーブに叫ぶ!

 

「後ろよ!避けて!」

 

 それを聞いたオーブは上空に飛び上がり、怪光線を回避。ホーの背後に着地した。

 

「ハルカさん……!やりましたね!」

「運命が……、変わった……!」

 

 これまで絶対に変えられないと信じてきた運命が目の前で変わったのを見て、ハルカは思わず笑顔になった。

 するとホーの首から煙が吐き出され、ホーも脱力した。

 向かい合わせになったオーブは、高らかに宣言する!

 

『俺も変わるぜ!』

 

「ウルトラマンさん!」

【ウルトラマン!】

「ティガさん!」

【ウルトラマンティガ!】

「光の力、お借りします!」

【フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ!

 スペシウムゼペリオン!】

 

『闇を照らして、悪を撃つ!』

 

 紫の戦士『スペシウムゼペリオン』に姿を変えたオーブはホーに構えるが、一方のホーは涙を一滴流した。

 敗北を悟ったことによる悔しさの涙か、それともハルカの心境が反映された感謝の涙か。オーブにそれは計り知ることが出来なかった。

 そして必殺の『スペリオン光線』の構えを取った時だった。

 オーブの意志──ガイに語りかける男がいた。

 

「あなたは……」

「オーブ、迷える彼女を救ったその姿、実に見事だった。だが奴は、マイナスエネルギーが生み出した怪獣。私の力を貸そう」

「──ご協力、感謝します!」

「ハハッ、そう遠慮はするな。同じウルトラ戦士だろう?さぁ、私のカードを……!」

 

 瞳を開いたガイは、シンヤから受け取ったカードをオーブリングに読み込ませた。

 

80(エイティ)さん!」

【ウルトラマン80(エイティ)!】

 

 オーブはスペリオン光線とは逆に構えを取る。

 左腕を斜めに、右腕を水平に伸ばし、両腕を頭上で交差させる。そして両腕を腹部に下ろして放つのは──!

 

『バックルビーム!』

 

 腹部に集中させたエネルギーを、ホーに照射。

 するとホーは大人しそうに鳴き、光の粒子となって消滅した。

 ホーが消えた後、町中の霧も消えて、辺りは夕焼けのオレンジ一色となっていた。

 視線を感じ取ったオーブは振り返る。そこにはこちらに精一杯手を振るシンヤと、笑顔で頷くハルカがいた。

 2人を見届けたオーブは、輝く夕陽に向かって飛んで行った。

 

 

 

 後日、郵便受けに入っていたお便りを整理していた僕とナオミさん。僕らSSP宛に届いていたのはほとんどが請求書ばかりだった。

 請求書を何度か数えると、ナオミさん宛に便箋の手紙が届いていた。

 

「ナオミさんにお手紙です。差出人は……、ハルカさんからです!」

「ハルカさん!?何なに?」

 

 それを聞き付けて、ジェッタさんとシンさんが寄って来る。

 ナオミさんは便箋から手紙を取り出して、読み始めた。

 

『夢野 奈緒美様。

 この前は、急に出ていってしまってごめんなさい。

「明日は見えても、明日を変えることなんてできない」

 先日、私がお伝えした言葉、この場を借りて撤回させていただきます。

 私はある人と出会い、その人の運命を変えることができました。

 奈緒美さんの幼い頃に見たという光の巨人の夢。きっとそれも、あなたとウルトラマンオーブの運命に、何らかの関係があるのだと思います。

 いつか真実が明らかになりますよう祈っています。』

 

 SSPの面々が、ハルカからの手紙を読んでいた頃。ガイは橋に寄りかかって、いつもの曲を奏でていた。

 演奏を終えた時、後ろから突然声をかけられたガイは振り向く。

 

「素敵な曲ね」

「おぉ、元気にしてるか?」

 

 そこにいたのはハルカだった。しかし、以前と違って髪を2つに結い、表情がよりはっきり見えるようになっていた。

 ガイに返事をしたハルカだったが、少し考える様子を見せた。そしてぽつりぽつりと話し出した。

 

「……あなたの未来を夢に見たの。とても不吉な夢」

 

 その夢とは、ガイが苦痛の表情で1枚のカードに手を伸ばすというもの。そのカードは邪悪なオーラを纏い、夢の内容をより一層不吉なものにしたのだと。

 しかしハルカは、ガイと向かい合って笑顔で言う。

 

「でも心配しないで!あなたが教えてくれた通り、どんな運命も、きっと乗り越えられるから。あなたなら……あなたと、あの人ならきっと」

 

 それを聞いてガイはシンヤのことを思い出して、苦笑い気味に答える。

 

「そいつは頼もしいな」

「ガイさんしっかりね?」

「あぁ……、アンタも。幸せになれよ?」

「ありがと」

 

 感謝を述べたハルカはガイに近付いて、小さな声で耳元に囁く。

 

「……ウルトラマンオーブさん」

 

 そう言われて照れるガイだったが、笑顔で去ろうとするハルカを呼び止める。

 立ち止まって振り返るハルカが両腕に抱えるスケッチブックを指差して、ガイはこう告げる。

 

「ハルカ!……もしも明日を見失ったら、捜せばいい。アンタの明日は、そのスケッチブックみたいに真っ白だ」

 

 スケッチブックに視線を落とし、正面を向きながらハルカはまた笑顔でこう言った。

 

「『明日を捜せ』……。素敵な言葉」

 

 そう言い残して去って行くハルカを見届けたガイは、決意を新たに、ハルカとは逆の道を歩み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ガイとシンヤの、ウルトラヒーロー大研究!」」

 

シンヤ「ふっふっ!」

ガイ「どうした、シンヤ?空手の練習か?」

シンヤ「あ、ガイさん。いえいえ、これは今回紹介するウルトラ戦士さんのヒントです!」

ガイ「ほぉ~。その人は一体誰なんだ?」

シンヤ「じゃあ、ガイさんも一緒にやりましょう!こう、正拳突きを交互にして……」

ガイ「えっ、えっと……こうか?」

シンヤ「そうですそうです!それから……!」

 

 ~数分後~

 

シンヤ「皆さんおまたせしました!今回紹介するのは、この方です!せーの……」

 

(ガイとシンヤ、左右交互に正拳突きを繰り出し、右腕を高く上げて……!)

 

ガイ&シンヤ「「エイッティッ!!」」

 

シンヤ「ウルトラマン80(エイティ)さん。宇宙警備隊の隊員で、『ウルトラ兄弟』の九男です。

 地球には『矢的猛』という名前で、中学校教師として滞在していました」

ガイ「教師だったのか!」

シンヤ「その他にはないキャラクター性から、『ウルトラマン先生』や『80先生』と呼ばれることも。その傍ら防衛隊にも所属していて、かなり多忙だったかと思います。

 しかし物語が進むに連れて怪獣との戦いが激化。やがて、志半ばで学校を去ることになってしまいます」

ガイ「どうして、エイティさんは教師になろうと思ったんだ?」

シンヤ「それについては『80』本編終了から25年後の、『ウルトラマンメビウス』第41話『思い出の先生』をご覧下さい。この回は、真の最終回としてかなり高い評価を得ました」

ガイ「そろそろエイティさんの紹介の本筋に入るぞ。

 エイティさん本人の戦闘能力は高く、ウルトラ兄弟では唯一、本編で全勝するという快挙を成し遂げたんだ!」

シンヤ「主な必殺技は『サクシウム光線』。中でも『バックルビーム』はサクシウム光線以上の威力があります!

 しかし近年の劇場作品では、初の黒星を付けられてしまいました……」

ガイ「俺もいつか、エイティさんの指導を受けてみたいぜ……!」

シンヤ「えぇ、僕もです!では、今回はこの辺で!」

 

ガイ&シンヤ「「次回も見てくれよな!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魚屋に訪れる親子。

 これが人間なら普通の光景だが、半魚人だって言うんだから、町は大混乱だ!

 しかも、近海を荒らす怪獣まで出現してしまった!

 これじゃあ、魚が食えなくなっちまうぜ!

次回!

『ウルトラマンオーブ ─Another world─』

『都会の半魚人』。

 光を越えて、闇を斬る!




…いかがでしょうか。
これまで出番のない80先生に、今作オリジナル要素としてスポットライトを当ててみました。
80先生を使ったフュージョンアップ形態が思いつかなかったこともあって、こんな形になってしまって申し訳ありませんでした…。
もっと勉強が必要だなと思った回でした。

隠れたサブタイトルは、『ウルトラセブン』第23話『明日を捜せ』でした。

では……ノシ
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