ウルトラマンオーブ ─Another world─   作:シロウ【特撮愛好者】

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久し振りに、前後編続いての投稿です。

そう言えば、最新ウルトラマンの情報が出ましたね。
どんな作品になるのか期待しつつ、こちらの作品も投稿し続けようと思います。

それでは後編、どうぞ。


第11話 大変!ママが来た! ━後編━

 SSPの誰よりも早く、入らずの森を訪れたガイ。

 以前SSPらがこの森を訪れた時、地下に古墳が埋まっていたことが発覚し、それ以来、この森に立ち入ることはほぼ不可能になった。現在でも森の入り口のあちこちに、侵入禁止の黄色と黒のロープが張り巡らされている。

 そんな中、森の入り口付近に置かれていた椅子に腰かける男の姿。

 この場にはあまりにも不釣り合いな、ホスト風の出で立ちの男は、ガイを見るなり呟いた。

 

「……遅ぇよ」

「裏でコソコソ立ち回りやがって……。ご苦労なこった」

 

 ジャグラーに対して、冷淡な態度を取るガイだったが、ジャグラーの視線に何かを感じ取り、ぶっきらぼうに尋ねた。

 

「……何だよ」

「……お前と直接殺り合うのも、これが最後かな……。ハアッ!」

 

 のっそりと立ち上がったジャグラーは、ガイの不意を突き、闇のエネルギー弾を発射。

 咄嗟に反応したガイは、それを素手で掴み、闇のエネルギーを光に変換し投げ返す。

 その隙に、魔人態に変貌したジャグラーは光弾を弾き、ガイに迫る。

 肉薄した両者は、攻防一体の戦闘を展開。互いに決め手に欠ける中、半ば強引にジャグラーがガイを振り払って距離を取る。

 すかさずジャグラーは、ダークリングを取り出す。その背後に、玉響姫が実体化して警告する。

 

『いけません……!止めさせて下さい!』

「もう遅い……!甦れ、魔王獣の頂点に立つ大魔王獣……!!」

 

 玉響姫を一瞥したジャグラーは、これまで入手してきた6体の魔王獣のカードを、天高く掲げたダークリングに読み込ませる。

 ジャグラーの頭上で、魔王獣カードが不気味な光を放ちながら、地中にエネルギーを注ぐ。

 その影響で土砂が激しく巻き上がり、玉響姫がそれに巻き込まれてしまう。

 

「……ッ!玉響姫ッ!」

 

 咄嗟に身構えたことで、何とか無事だったガイだが、玉響姫が巻き込まれたことに動揺する。

 しかし、それを遥かに凌駕する出来事が発生した。

 入らずの森の大地を突き上げて、紫色の光を放出する肉塊のようなモノが出現する。よく見ればソレは微かに脈動し、肉塊そのものが生きているかのようだ。

 その肉塊の中に瞬く僅かな光を、ガイは目視する。

 

「フンッ……!」

 

 だがジャグラーが、最後の仕上げと言わんばかりに、ウルトラマンベリアルのカードをダークリングを介して射出。その光に向かって一直線に飛んで行くベリアルのカードは、その光を打ち砕いた!

 ベリアルの闇の力を受けた肉塊の脈動は加速し、やがて土煙を上げて爆散。

 爆発と共に紅い閃光が走り、ついに最悪の脅威が顕現する……!

 

「見ろ……!如何なる惑星(ほし)をも喰い尽くす大魔王獣、マガオロチだッ!!」

 

 大魔王獣 マガオロチ。

 全身に刺のような突起があり、特に背中から生えている突起は、まるで翼のようだ。

 直立歩行の真紅の体躯で、胴体には目玉のような器官が6つ発達していて、この怪獣を言葉で表現するなら、まさに「魔王」の言葉が相応しい。

 完全復活を遂げたマガオロチは、金切り声に似た不気味な咆哮を上げて町へと進行する。

 これに怒ったガイは、ジャグラーに激昂する。

 

「お前の目的は俺だろ!!関係ない奴らを巻き込むなッ!!」

「フフフッ、退治出来るもんならやってみろ!」

「くっ……!」

 

 憎々しさを滲ませたガイは、ジャグラーよりも、マガオロチの撃退が最優先だと頭を切り替える。

 

 入らずの森に急行していたSSPだったが、マガオロチの復活を受け一旦SSP-7を急停車させて、この緊急事態を一早く報道する。

 

「ヤバいよヤバい……!伝説のオロチが復活しちゃったよ…!」

 

 足元に伸びた樹木を踏み倒し、マガオロチは足音を轟かせて進み続けた……!

 

 

 

 

 

 

 マガオロチの出現を受けて、町中に避難を勧告するサイレンが鳴り渡る。

 見晴らしの良い丘の上に立ったガイは、町に進行するマガオロチを見据えて、オーブリングを構えた!

 

「ウルトラマンさん!」

【ウルトラマン!】

「ティガさん!」

【ウルトラマンティガ!】

「光の力、お借りします!」

【フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ!

 スペシウムゼペリオン!】

 

 上空から町に降り立ったウルトラマンオーブ スペシウムゼペリオンは、マガオロチに戦いを挑むべく、額のクリスタルを輝かせて接近する。

 これに対してマガオロチは、全身に電流を迸らせて、口から電撃光線「マガ迅雷」をオーブに喰らわせる。

 

『ウォアアアアッ!!』

 

 まともにそれを喰らったオーブは一撃で吹き飛ばされ、巨大なビルに叩き付けられてしまう。

 しかし、マガオロチの攻撃は止まず、町を破壊しようと放ったマガ迅雷がオーブに着弾し、余計に体力を削る。

 雄叫びを上げて突進するマガオロチに、オーブは必殺光線を発射する!

 

『スペリオン光線!』

 

 スペリオン光線は、確実にマガオロチに直撃している。だがしかし、マガオロチの硬すぎる体表はスペリオン光線を弾き、微塵もダメージにはならなかった。

 これまで数多くの怪獣達を破ってきたスペリオン光線が全く効かず、マガオロチはオーブの首を片手で絞め上げて、力任せに投げ飛ばす。

 地を転がり、何とか状況を立て直そうとしたオーブを、マガオロチの長い尻尾が絡め取る。マガオロチはその尻尾からマガ迅雷を直接流し込み、オーブにダメージを与えた!

 身動きも取れない上に、強力な攻撃を受けたオーブは、別の姿で勝負を挑む!

 

「ジャックさん!」

【ウルトラマンジャック!】

「ゼロさん!」

【ウルトラマンゼロ!】

「キレの良いヤツ、頼みます!」

【フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ!

 ハリケーンスラッシュ!】

 

『オーブランサーシュートォッ!!』

 

 ハリケーンスラッシュに姿を変えたオーブは、マガオロチの背中目がけてオーブランサーシュートを撃つ。

 しかしこれも、マガオロチを倒すには全く足りない。

 

『光を越えて……!闇を斬るッ!!』

 

 オーブのいつもの名乗りにも疲労の色が見え隠れしていて、これまで受けたダメージの大きさが伺えた。

 オーブは、オーブスラッガーランスを振るって素早い斬撃を繰り出すも、マガオロチはそれを全て見切った上で回避。斬撃が届く前にランスを弾き、オーブを捕らえると、ランスを弾き飛ばしてオーブの戦力を削ぐ。

 オーブはマガオロチの下顎にニーキック、後ろ回し蹴りを炸裂させるがノーダメージ。もう一撃回し蹴りを喰らわせるが、片手で防がれて地に手を付いた拍子に、マガオロチに蹴り飛ばされてしまった。

 だが、オーブはその勢いを利用して、先程弾き飛ばされたオーブスラッガーランスを拾うことに成功する。この機を逃さず、オーブはオーブスラッガーランスを用いた最大の大技を発動する!

 

『トライデントスラッシュ!!』

 

 高速の斬撃がマガオロチを切り裂くが、直撃した箇所に火花が散るだけで、マガオロチは微動だにしない。

 オーブは四撃目を叩き込もうとするが、何とマガオロチは、トライデントスラッシュの軌跡すら見抜き、オーブスラッガーランスを鷲掴み、受け止める。

 マガオロチはランスを掴んだまま、オーブを強引に引き寄せ、自らの腹部の鋭い刺にオーブの胴体を突き刺す。

 その生々しい音は、遠くからこの戦いを見守っていたナオミ達の耳まで届き、彼らを戦慄させる。

 

「何だよアイツ……!オーブの攻撃が何も効かない!」

 

 これまで、オーブが戦って来た多くの怪獣達との格の違いを見せつけられたジェッタは、マガオロチの圧倒的な強さに身震いした。

 その隣でオーブを見守るナオミとシンもまた、この脅威の前では焦燥感に駆られてしまう。

 マガオロチに刺された胴体を押さえるオーブのカラータイマーが赤く点滅を開始し、現在オーブに力を貸しているゼロとジャックが半透明になって、オーブの身体から漏れ出る。

 この姿でも歯が立たないと判断したオーブは、両肩を上下させながら最後の手段に出る。

 

「タロウさん!」

【ウルトラマンタロウ!】

「メビウスさん!」

【ウルトラマンメビウス!】

「熱いやつ、頼みます!」

【フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ!

 バーンマイト!】

 

『ストビューム……!ダイナマイトォォォォォ!!』

 

 燃え盛る火炎を纏ったウルトラマンオーブ バーンマイトは、捨て身の覚悟でマガオロチに特攻。

 ストビュームダイナマイトの激しい爆発の後、そこには炭と化したマガオロチと、満身創痍となり膝を突いたオーブの姿があった。

 何はともあれ、マガオロチを倒したオーブにナオミ達は安堵するが、その表情はすぐさま驚愕の色に染まった。

 炭化したことで、完全に生命活動が停止したはずのマガオロチの肉体が熱を帯び始め、まるで殻を突き破るかのように、マガオロチは即座に復活し、活動を再開した。

 胸を押さえて何とか立ち上がったオーブに、マガオロチは非情にもマガ迅雷を浴びせる。

 反射的にオーブは、「∞」を描いたような形状のバリア「ストビュームディフェンサー」を展開するが、残り僅かなエネルギーで生成されたバリアではマガ迅雷を防ぎ切れず、あっという間にバリアは割られてしまう。

 

『グォアアアアアッ……!!アアッ……、グッ……』

 

 更に追い討ちのマガ迅雷が数発直撃したことで、今度こそオーブは力尽き、膝を突いて光の粒子となって完全に消滅した……。

 変身が解除され仰向けに倒れたガイは、痛みを堪えて再び起き上がろうとするが、これまで負った傷は深く、力尽きて気を失ってしまった。

 勝利の雄叫びを上げたマガオロチを眼前にしたSSP達も危機感を覚え、この場から離れようとする。しかし、SSP-7に乗り込もうとしたナオミが足を止める。

 

「ねぇ……!ガイさんは……!?」

「僕が探しに行きます……!ナオミさん達は、早く逃げて下さい!」

 

 ナオミがガイを探しに駆け出すよりも先に、シンヤが彼女を制して飛び出して行く。

 幸いにも、辺り一帯には白煙が上がっていて、それを目眩ましとしたシンヤはオーブが消滅した地域───瓦礫の山となった町の方へと駆けて行った。

 

 

 

 その頃、力無く倒れたガイの元に、ジャグラーが足を運んでいた。自分が近付いても全く反応を示さないガイに警戒しつつも、ジャグラーはガイとの距離を詰め、身じろぎもしないガイを見下ろして呟く。

 

「これでホントにおしまいか……?」

 

 ジャグラーが視線を動かすと、ガイが右腰にいつも携行しているフュージョンカードホルダーが目に飛び込んで来た。

 それに向かって震える手を伸ばし、カードホルダーに手をかけたジャグラーはホルダー本体を少し捻り、カードホルダーを奪うことに成功した。

 

「フフッ……フハッ……!フッハァハハハッ!ハァーッハハハハハハッ!!ハァーッハハハハハハッ……!!」

 

 高嗤いと共に、邪悪に満ち溢れた笑みをガイに向けるジャグラー。

 最早、自分の邪魔をする存在が消えたマガオロチは、本能の赴くまま、破壊の限りを尽くす。

 マガ迅雷が着弾した場所には爆発が発生し、北川町は火の海へと変貌した──。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンヤ「今回の『ガイとシンヤの、ウルトラヒーロー大研究!』のコーナーはお休みです……!ガイさん、どうかご無事で……!

 次回も、見て下さい……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 凶悪な力で暴れる大魔王獣。

 だが、カードを奪われた俺には何もすることが出来ない……。

 勝利の鍵を握るのは、マガオロチを封印していた勇者のカードと、闇の力──。

次回。

『ウルトラマンオーブ ─Another world─』

『黒き王の祝福』。

 光と闇の力、お借りします。




……いかがだったでしょうか。

今回、ラストのコーナーがなかったのは、シンヤ君がガイさんを探しに行ったからです。
次回は、多少手を加えてお送りする予定です。

隠れたサブタイトルは、『ウルトラマン』第19話『悪魔はふたたび』でした。

では……ノシ
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