ウルトラマンオーブ ─Another world─   作:シロウ【特撮愛好者】

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またまた、お待たせ致しました(土下座ァ
今作オリジナルのフュージョンアップ形態として、以前頂いたアイディアを基にした形態を登場させました。

ではでは、どうぞ。



第13話 赤い靴の思い出 ━後編━

 銃声に驚き反射的に目を閉じたナオミ達が、恐る恐る瞼を開くと、そこには未だ健在なゆかりと、銃を握った渋川が立ち尽くしていた。

 スーパーガンリボルバーから放たれた銃弾は、ゆかりにではなく、ゆかりの眼前の地面に直撃していた。

 力無く構えを解いた渋川は膝を突き、泣き崩れながら何度も地面を殴る。

 

「出来ねぇ……!俺には出来ねぇっ!こんなこと、出来るわけねぇだろ!ちくしょうっ……!」

 

 決心を固めたと言うのに、最後の最後で揺らいでしまった己の無力さを嘆き、四つん這いになって嗚咽を漏らす渋川。

 一種の遣る瀬無さがこの場を支配し始めた時、渋川を見つめるゆかりに異変が起こる。

 

「シぶ川……、クん……」

 

 呼び掛けられて顔を上げた渋川の瞳に飛び込んで来たのは、あまりにも生々しい一幕だった。

 先程までゆかりの顔半分に浮かび上がっていた鱗が全身にまで到達、身体のあらゆる箇所から高熱による白煙と共に、凄まじい衝撃波を放出する。

 それらが収まった後、そこに「榮倉ゆかり」の姿は無く、彼女と入れ替わるように、黄色い双眸を輝かせた青い体躯の巨大怪獣が発現していた。

 その場に立ち尽くすシンヤは、この怪獣の名を暴く。

 

(あれは……!メモール!)

 

 うろこ怪獣 メモール。

 その名の示す通り、全身が鱗で覆われたサイボーグ怪獣で、主な武器は口から吐く火炎と、手から噴出する赤い煙、そして長い尻尾である。

 以前ウルトラマンタロウが対峙した怪獣だが、実はその正体は凶悪宇宙人 ドルズ星人の魔の手によって改造された1人の地球人で、今回のゆかりもまた例外では無いと言う訳だ。

 

 咆哮を上げ、暴れ始めるメモール。ナオミ達がメモールの足元に目を向けると、その足はまるで赤い靴を履いているかのように赤くなっていた。

 放心状態のまま、微塵たりとも身動きを取らない渋川の手を取りその場から離れるナオミ達。その道中、何度か振り向いてメモールの動向を探る。

 すると怪獣出現の一報が入ったのか、数機のゼットビートルが現着。目標をメモールに定めて搭載されたミサイルによる攻撃を開始する。

 それに対してメモールは火炎を吐き、ゼットビートルを撃墜。雄叫びを上げながら暗雲垂れ込める町を破壊するが、ナオミ達の耳にはそれが悲痛な叫びにも受け取れた。

 

「あの怪獣……。もしかして、泣いてるの……?」

「メモールが……ゆかりさんが、泣いてるんだ……!」

 

 ナオミとシンヤがメモールを直視しながらそう呟くと、メモールは次のターゲットを渋川に変更したのか、渋川達に襲い掛かる。

 あわや絶対絶命の危機に陥ったナオミ達を救うべく、一度ガイは一行から分かれ、オーブリングを構えた!

 

「タロウさん!」

【ウルトラマンタロウ!】

「メビウスさん!」

【ウルトラマンメビウス!】

「熱いヤツ、頼みます!」

【フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ!

 バーンマイト!】

 

 迫り来るメモールに為す術も無く、思わず顔を伏せたナオミ達。だがメモールが全く襲って来ない事に気付きふと顔を上げると、そこにはメモールの接近を食い止めるウルトラマンオーブ バーンマイトの姿があった。

 

「オーブ……!」

『オオォォォォーッ、リィアァァァァッ!!』

 

 メモールの両手をがっしりと掴み、取っ組み合いの形となったオーブは、渋川達から何とか距離を取ろうとして、メモールを市街地まで押し込む。

 メモールは長い尻尾を振るってオーブを攻撃。反撃に出ようとするオーブだったが、ガイ自身が事情を知ってしまったが故、下手に手を出せないと言う悪循環に陥る。しかもメモールの攻撃の手が緩まる事は無く、防戦一方の展開が続く。

 メモールは、未だに逃げようとしない渋川達に目掛けて火炎を放射するが、オーブが渋川達の眼前に駆け付け、身を呈してそれを阻止する。

 するとこれまで静観していた渋川が飛び出し、メモールに向けて声を張り上げる。

 

「ゆかりちゃんっ!!もうやめてくれ!!俺はこれ以上、君が誰かを傷付けるのを……君が傷付くのを見たくないっ!!頼む……!元の優しいゆかりちゃんに戻ってくれよぉっ!!」

 

 その声に反応したのか、メモールは渋川だけをじっと見つめる。ナオミ達は渋川の強い想いが、あの怪獣に通じたのだと直感する。

 しかしその直後、メモールは頭を押さえて苦しみ出す。その素振りに、一体何が起きたのかと全員が目を見張る。

 オーブもメモールの変化に戸惑いを隠せないが、背後から襲い来る何者かからの不意討ちをまともに喰らってしまった。

 

『「ぐあっ……!お前は……!」』

 

 オーブの内部──インナースペースと呼ばれる場所に潜在するガイを突然の痛みが襲い、ガイは思わず表情を歪めた。

 忌まわしげに後ろを向けば、そこには先日邂逅した異星人が下卑た笑みを浮かべていた。

 そのまま語りかけるドルズ星人に、ガイは敵意を露わにして接触する。

 

「ちゃんとした姿では初めましてだな、ウルトラマンオーブ。俺の名はヴァルガ、ドルズ星人ヴァルガだ」

『「昨日逃がしたヤツか……。今更何の用だ!」』

「なぁに、失敗作が手こずっていると聞いたからな。ほんの少しの助力だよ」

『「失敗作、だと……!?」』

「当然。たかだか地球人1人の呼び掛けで、自我を取り戻しかけたのだからなぁ……。だから先程、再教育を施させて貰った。より強固な洗脳をな……!」

『「……キッサマァァァァァァァァ!!」』

「ハハハッ、無駄だッ!」

 

 怒りに震える拳を硬く握り、ドルズ星人ヴァルガを征伐しようとしたオーブだったが、ヴァルガの声に反応したメモールが、オーブを羽交い締めにする。

 身動きが取れず困惑するオーブを、ドルズ星人ヴァルガは挑発する。

 

「メモールは、創造主たる我等ドルズの命令には決して背く事は出来ない。謂わばそのオンナは、俺の意のままに動く操り人形さ!!ウルトラマンオーブ、今日が貴様の最期だッ!!」

 

 2対1と言うあまりにも卑怯な戦法で、執拗にオーブを痛め付けるドルズ星人ヴァルガ。

 そんな中、怒りを力に変えたオーブは強引にメモールの拘束を振り解き、ヴァルガと真っ向から勝負を挑む。

 元々好戦的な種族の一員という事もあってか、ヴァルガ個人の戦闘力は中々のものだった。

 しかしパワーに優れる上、事の元凶であるドルズ星人達への強い憎しみを抱くウルトラマンオーブ バーンマイトの戦闘力はそれを遥かに上回り、終始これを圧倒。

 ヴァルガとの掴み合いになったオーブは、巴投げの要領でヴァルガを投げ飛ばし、フィニッシュを決めるべく胸部にエネルギーを集中する。

 

『これで決めてやる!ストビューム……!?』

 

 必殺の「ストビュームバースト」を炸裂させようとしたオーブだったが、その動作は途中で中断されてしまう。

 何とヴァルガを庇うように、両腕を広げたメモールが、オーブの前に立ちはだかった。

 

「言っただろ?コイツは、俺の操り人形だとな……!」

 

 息を切らしながら、ヴァルガはオーブに言い放つ。

 オーブがメモールを傷付ける事が出来ないのをいい事に、ヴァルガはメモールを盾にしてオーブの攻撃の手段を押さえ込んだのだ。

 身動ぐオーブの一瞬の隙を突き、ヴァルガに操られるメモールは火炎放射でオーブを追い詰める。

 

『(くそっ……!どうすれば……、どうすればゆかりさんを元の姿に戻せる……!?)』

 

 この窮地の真っ只中でもガイは、メモールに変えられてしまったゆかりを救う術を模索し続ける。だが解決策は見つからず、ついにカラータイマーが赤く点滅を開始した。

 

『(もう……やるしか、ないのか……!?)』

 

 覚悟を決めようにも、今尚心が揺れ動くガイ。

 そんな時、ガイの脳裏に誰かの声が響いた。

 

──オーブ……。ウルトラマンオーブよ……。

 

 それを聞いたガイは、咄嗟に振り向く。

 するとそこは見慣れたインナースペースではなく、辺り一面が真っ白な空間だった。

 ガイがその風景を一望していると、自分がこれまで一度も出会った事の無いウルトラ戦士が1人、天空からゆっくりと舞い降りる。

 金と紫を基調とする、一種の神々しさを感じさせる銀色の身体。プロテクターを肩に装着し、裏地が赤い銀のマントをたなびかせるその戦士は───。

 

「あなたは……一体……」

──私には、沢山の呼び名があってな。

 人間達は皆、私をウルトラマンキングと呼ぶ。

「あなたが……『伝説の超人』と呼ばれているキングさんですか……!しかし、なぜ……?」

──私は今、遠い別の宇宙から、君に直接語り掛けている。私は、怪獣にされてしまった人間を救いたいと言う君の心に感銘を受けた。私の力を使うと良い。何か、役に立てるかも知れん。

「えっ、そんな、恐れ多い事は……!」

──ウルトラマンオーブ……いや、クレナイ・ガイ君。この世界を、彼女を救えるのは君だけだ。頼んだぞ……!

 

 それを最後に、ガイとウルトラマンキングの不思議な語らいは幕を閉じた。

 

 

 

 身体に走った衝撃でハッとしたガイは、現在の状況を理解しようとする。

 やはりメモールは依然としてヴァルガに操られており、オーブの眼前まで迫っていた。

 乱暴に両腕を振り回して攻撃を繰り出すメモールに対して、咄嗟に防御の姿勢を取ったオーブ。

 苦しそうに唇を噛むガイの目の前に、黄金に輝く2枚のカードが飛来した。

 その内1枚は、先程邂逅した銀色の巨人。

 そしてもう1枚は、優しさと強さ、そして勇気を体現する光の巨人のカードだった。

 

『「キングさん……!有り難く、使わせていただきますッ!!」』

 

 その2枚を手に取り、偉大な戦士へ向けて感謝の言葉を述べたガイは、オーブリングを再び構えた!

 

「キングさん!」

【ウルトラマンキング!】

「コスモスさん!」

【ウルトラマンコスモス!エクリプスモード!】

「奇跡の力、お借りします!」

【フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ!

 エクリプスモナーク!】

 

 突如オーブの発した眩い輝きに、シンヤ達とヴァルガは思わず目を覆う。

 やがてその光が収まり、彼らが再びオーブを捉えた時、そこには猛々しさを纏った戦士が現れていた。

 額のランプは黄金に光り輝き、全身には赤と青のラインが走る。何よりも目に止まるのは、両肩の金のプロテクターと、その姿の貫禄を醸し出すウルトラマントであろう。

 古来の王族を彷彿とさせるそのマントを横になびかせたオーブは、声高らかに名乗りを上げる!

 

『この身に纏うは……!ウルトラの奇跡!』

 

 全く動かずともその身体から溢れ出すオーブの闘気に、メモールの後方にいたヴァルガは数歩後ずさる。

 だがすぐさま頭を切り替えて、メモールに檄を飛ばす。

 

「しょ、所詮、虚仮威(こけおど)しだ!やれッ、メモールッ!」

 

 ドルズ星人ヴァルガの指示通り、メモールはまたしても火炎を吐く。

 しかしそれに怯む事無く、オーブはウルトラマントを翻す。するとその炎は、マントに引火する事無く無効化された。

 続いてオーブはマントを一度脱ぎ捨て、目にも止まらぬ高速移動でヴァルガに接近。怒涛のラッシュを仕掛ける!

 

『シェアァッ、ハァアッ!!ンンンッ……、デアァァァァッ!!』

 

 力強さを込めた野太い掛け声と共に、オーブは右手の拳に金色のエネルギーを集中させ、渾身のストレートパンチを叩き込んだ!

 ヴァルガを派手に殴り飛ばしたオーブだったが、その追撃は終わらない。再び高速で移動したオーブは、ヴァルガの両脚を掴み取り、豪快に放り投げた!

 オーブに投げ飛ばされ、ヨロヨロと立ち上がったヴァルガは、自身に程近い場所にいたメモールを呼び寄せ、到来したメモールを再び盾のように扱う。

 ヴァルガのそのやり方に、正直嫌気が差したガイだったが、その心にもう迷いは無かった。

 

『「またそれか……!だが、その手はもう通用しねぇよ!」』

 

 オーブは両腕を胸の前で交差させ、黄金色と藍緑色の輝きを両腕に宿し、その2つのエネルギーを溜め始める。

 それを目の当たりにしたナオミ達は戦慄し、全員を代表してジェッタが口を開けた。

 

「まさかオーブ、あの怪獣にトドメを刺す気じゃ……!?」

 

 2つのエネルギーを充填し終えたオーブは、両手先をメモールに向けて真っ直ぐに伸ばし、2つの光線を同時に放った!

 

『コズミューム……!フラッシャァァァーッ!!』

 

 2色の光線はやがて一点に交わり、メモールに直撃する。その光景に誰もが息を呑んだが、それを遥かに凌ぐ現象が直後に発生する。

 何と直撃したはずのオーブの光線が、メモールの身体を貫通し、メモールの背後に立ち尽くしていたヴァルガに命中したのだった!

 たった今オーブが放った光線は、オーブが現在力を借りているウルトラマンキングの「キングフラッシャー」と、ウルトラマンコスモス エクリプスモードの「コズミューム光線」の合わせ技であり、後者の特性である「邪悪な敵だけを倒せる」効果を色濃く受け継いでいた。であるから、ドルズ星人ヴァルガには絶大な効果を発揮した、と言う訳である。

 

「なあッ!?そんな……!この俺がァァァァッ!!」

 

 そうなる事を全く予期していなかったドルズ星人ヴァルガは反応が遅れ、成す術も無く空を仰ぎ断末魔を上げて爆砕した!

 

「やったぁー!!オーブが勝ったぁー!!」

「あの宇宙人だけを倒すだなんて、凄すぎですよ!」

「すごい……!オーブって、あんな事も出来るのね……!」

 

 オーブの逆転勝ちに、ナオミ達は一気に沸き立ったが、渋川とシンヤの表情は未だに曇ったままだった。

 なぜならオーブの傍らには、横たわったメモールの姿があったからだ。

 

『(キングさん……もう一度、奇跡の力、お借りします)』

 

 身動きを全くしなくなったメモールの傍に膝を突いたオーブは、先程外したウルトラマントをメモールに被せる。続けて両腕を交差させると、そこから水色の光が放たれる。

 するとどうだろうか。メモールの巨大な身体がみるみる小さくなっていき、やがてその面影すら無くなったではないか。

 それを目撃した渋川は、オーブのいる一帯まで一目散に駆けて行く。その後を、ナオミ達も全力で追いかけた。

 

 

 

 実は、シンヤ達とは別の場所で、この一部始終を見ていた者達がいた。それは、ドルズ星人ヴァルガと共に地球に来訪したドルズ星人達だった。

 彼らもこの戦いをずっと見ていた訳では無い。

 かつての同胞と同様、地球人達を数名捕らえて、惑星ドルズに連れ去る算段だった。

 しかし、ウルトラマンオーブとその仲間達の活躍もあって止むを得ず、せっかく捕らえた貴重な人間達を全員捨てて、本星へと撤退する事となり今に至っている。

 だがやはり彼らも全く懲りていない様で、次に地球に来る時には、メモールの大軍団による逆襲の計画を企てていた。

 だが、彼らを思いもよらない緊急事態が襲った。突如、警報のアラームが円盤内部に鳴り渡ったのだ。

 これにはリーダー格と思われるドルズ星人も動揺を露わにして、部下に向けて声を荒らげる。

 

「一体何が起こっている!?」

「全くの原因不明です……!皆さん、足元が……!」

 

 その言葉に従って、この場に居合わせたドルズ星人達が全員足元に目を向ける。

 そこにあったのは、黒一色の絨毯……いや、自分達を呑み込まんとする、あまりにも深過ぎる闇黒だった。

 彼らが気付いた時には既に手遅れで、膝元まで迫っていた冥闇に、誰もが成す術も無いまま引きずりこまれて行く。

 ある者は精神に支障を来して発狂し、またある者は藁にも縋る思いで必死に手を伸ばすものの、彼らに手を差し伸べる者など、元より存在しなかった。

 

 

 

 ドルズ星人達が迎えたこの事態を、地球から見つめる者が1人だけいた。

 真っ黒い喪服の様な装いで、邪悪な笑みをたっぷりと浮かべるその男は、死に行くドルズ星人達に向けて感謝の言葉を述べた。

 

「あなた方には感謝していますよ、ドルズ星人。おかげで、中々に良質なマイナスエネルギーを手に入れる事が出来ましたからね……。わざわざM78ワールドから呼び寄せた甲斐があった……、と言うものです」

 

 そう言って男は、右手にしっかりと掴んでいた黒い球体──マイナスエネルギーの塊をじっと見つめて、舌舐めずりをする。

 このマイナスエネルギーは、渋川がゆかりの真実を知り彼が絶望した際に発生したものである。

 しばらくそれを眺めていた男は、何の躊躇いも無く、文字通りそれを飲み込んだ。

 その味に満ち足りた表情を見せた男は、遠い宇宙に向けて冷たい一言を呟いた。

 

「ドルズ星人……お前らは用済みだ」

 

──こうして。ドルズの星団は、他の誰に気付かれる事も無く、瞬く間に壊滅したのだった……。

 

 

 

 怪獣と異星人の騒動から、既に数日が経過した。

 ドルズ星人ヴァルガが、ウルトラマンオーブに敗れた後の事だ。

 彼らドルズ星人が起こしていた誘拐事件は未だ解決に至らず、また数十年前の再演になるかと思われていた。

 そんな中、ビートル隊に匿名の報せが入った。それには、今回ドルズ星人が連れ去った人々が捕えられている場所の情報が含まれていたのだ。

 半信半疑のビートル隊が調査を進めた結果、その情報通りの場所に気を失って倒れていた人々を発見、全員を無事に保護したのだった。

 

 何はともあれ、平穏な日々を取り戻した北川町。

 SSPのメンバーも、いつもと変わらぬ日々をいつものように過ごしていた。

 今日も人数分のお茶を淹れていたシンヤの耳に、誰かが階段を上り始める音が届いた。誰が来たのか想像の付いたシンヤは、湯呑み茶碗をもう1つ取り出してその人の分もお茶を用意し出す。

 すると数分と待たない内に、オフィスの扉が開け放たれたと同時に、陽気な声が室内に響いた。

 

「おーっす!よぉ、お前ら!今日も来たぜ~!」

「おじさん……。いらっしゃい」

 

 渋川の来訪に、先日の事を思い出してしまったナオミは、やや気が重そうに返事を返した。

 だが渋川は相変わらず、晴れ晴れしく冗談めかしてナオミに語り掛ける。

 

「何なに、どうしたナオミちゃん、暗いぞ~?

……もしかして、バイトクビになったとか?」

「そうじゃない……。おじさん……結局、ゆかりさんに何も言えず終いだったじゃない?ホントに、あれで良かったのかなって……」

 

 ナオミが言っているのは、オーブとメモール、ドルズ星人ヴァルガの戦いが終わりを迎えた後の事だ。

 あの日、オーブの元に行き着いたナオミ達が見たのは、人間に戻ったゆかりの姿だった。

 しかし元の姿に戻れたとは言え、異星人に改造を施されたゆかりの身体に、異常が残っている可能性も否定出来なかった為、ゆかりはビートル隊の本部が置かれているパリ支部の医療施設に入れられる事が決定した。

 そのせいで、渋川はゆかりに想いを告げる事も出来ず、また暫し別れる事となってしまったのだった。

 渋川の心境を察したナオミが、切なさを感じさせる口調で語り掛けるものの、対する渋川は気にしていない様子で答える。

 

「良いんだよ、ナオミちゃん。……それにさ、人間誰しも、大事に取っておいた思い出に、別れを告げなきゃならない事があるんだ。そんな風にして、男は成長していくんだから……。お前達だって、今に同じ思いをするさ」

 

 そう言って渋川は、自分を見つめるジェッタとシンに向けて、年長者だからこそ言える深い言葉を送った。

 そんな渋川に、淹れ終えたお茶をトレーに乗せたシンヤが近付き、湯呑み茶碗を差し出して口を開く。

 

「それでも僕は……僕はなるべく、先に延ばしたいですね……」

 

 シンヤのその一言に思わず微笑んだ渋川は、一口お茶を啜る。

 しかし、熱めのお茶が入っていた事に気が付かなかった渋川は毎度の如く、その熱さに顔をしかめたのだった。

 

「……あっちぃっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ガイとシンヤの、ウルトラヒーロー大研究!」」

 

ガイ「さぁ、『ウルトラヒーロー大研究!』の時間だぞ」

シンヤ「今回は誰を紹介しましょうか?」

ガイ「今回はある『偉大なお方』を紹介するぞ」

シンヤ「了解しました!では、今回紹介するのはこの方です!」

 

【ウルトラマンキング!】

 

ガイ「ウルトラマンキングさん。『伝説の超人』と呼ばれていて、他のウルトラ戦士の方々から見ても、神様のような存在なんだ」

シンヤ「初登場は、『ウルトラマンレオ』第26話『日本名作民話シリーズ! ウルトラマンキング対魔法使い』。

 宇宙の魔法使い『怪獣人 プレッシャー』の魔法で小さくなってしまったレオさんを助ける為に、キングさんは地球に降り立ちました。

 何と言っても特徴的なあのお髭は、ウルトラ族の年齢で4万5千歳を越えないと生えてこないそうです!」

ガイ「よ、4万5千歳……!?俺もまだまだって事か……」

シンヤ「……ずっと気になってたんですけど、ガイさんって、一体、今お幾つなんですか?」

ガイ「人の年齢を聞くのは失礼だって、前ナオミが言ってたぞ」

シンヤ「え……。えぇー……」

ガイ「話を戻すぞ。キングさんの強さはまさしく別格で、ウルトラ兄弟の方々と比較すると、ウルトラ兄弟と人間程の能力の差があると言われているんだ」

シンヤ「それ以外にも、ウルトラマンヒカリさんにナイトブレスを、ウルトラマンギンガさんにはウルトラフュージョンブレスを授ける……等々、多方面に渡って活躍されています。

 そんな偉大な方から力を貸していただけるなんて……!すごいですよ!ガイさん!」

ガイ「あぁ。キングさんからお借りした力は、あれが最初で最後だったが、おかけで俺も渋川のおっさんも助けられたぜ……」

シンヤ「そうですね……!それでは、今回はこの辺でお開きです!」

 

ガイ&シンヤ「「次回も見てくれよな!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突然SSPの前に出現した、謎の巨大ロボット。

 シンは、平和を守るスーパーロボットだ、なんて騒いでいるが、果たしてこいつは、敵か味方か……?

次回!

『ウルトラマンオーブ ─Another world─』

『暴走する正義』。

 闇を照らして、悪を撃つ!




……いかがだったでしょうか。
色々と詰め込んだ今回の裏話を、活動報告の方で掲載致しますので、そちらも合わせて読んでいただければと。

新番組の『ウルトラマンジード』が始まる直前だと言うのに、ようやく、ようやく(大事な事なので2回)ギャラクトロン回に近付きました……!
夏の暑さにも負けず頑張りますので、これからもよろしくお願いします……!

隠れたサブタイトルは、『帰ってきたウルトラマン』第22話『この怪獣は俺が殺る』でした。

では……ノシ
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