ウルトラマンオーブ ─Another world─   作:シロウ【特撮愛好者】

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予定通りの時間に上げれて良かったです。

『ウルトラマンサーガ』を見ていて何度も号泣しちゃいました…。

今回はサーガにも関係あるあの作品の名言が登場ですよ~

それでは、どうぞ


第1.5話 豪腕の巨人 ー後編ー

──それはどこかの森の中。

 強敵との戦いで傷付き、俺は身近な樹木に背中を預けていた。

 そんな時、口にひんやりとした感覚を覚える。それが水だと気が付き、一口。

 重くなった瞼を開く。そこにいたのは──

 

「あっ……」

「気が付きましたか、ガイさん?」

 

 そこにいたのは、昨日出会った青年だった。名前は…何だったろうか。右手に水の入ったペットボトルを持っていた。

 場所も森の中ではなく、瓦礫だらけの町中だった。

 

「アンタ……、何で……」

「動かないで下さい。傷の手当てしないと……。少し染みますよ……」

 

 彼はどこからか持ってきていた救急箱から消毒液やガーゼを取り出し、俺の手当てを始めた。

 

「……どうして」

「へ?」

「どうして……俺を助けてくれるんだ?」

「どうしてって……。困った時はお互い様ってことじゃ、ダメですか?」

 

 彼は少し考えた後、子どものような無邪気な笑みを俺に向ける。

 

──俺は1人でもやっていける。足手まといはゴメンだ……。

 

 昨日のことを思い出した。あんなに冷たい態度で突き放したと言うのに、この青年は……。

 そう思った途端に、自分がとても情けなくなった。

 

「……1人でもやっていけるなんて、言った矢先にこれか……」

「ガイさん……。ガイさんは、野球のピッチャーマウンドがどうして高いのか、考えたことありますか?」

 

 治療を続けながら、青年はそう問いかけて来た。

 野球は知っている。確か互いに9人1組でチームを組んで、攻守に分かれて行う球技のことだったような気がする。

 でも、マウンドが高くなっていることなんて知らなかったし、むしろ考えたことすらなかった。

 

「何だよ急に……」

「ピッチャーは孤独だって言いますけど、僕はそう思いません。マウンドの中央が高くなっているのは、仲間にその背中がよく見えるようにするためなんです。頑張れ!負けるな!って……。そんなみんなの声が、一番届く場所なんです……」

 

 青年は何かを思い出すように優しく語りかける。

 その表情はとても穏やかだった。

 

「えっと、何を言いたいかって言うと、その……。ガイさんは一人じゃないってことです。僕もいますし……それに、ほら!」

 

 そんなこんなで治療は終わって、青年は慌てながらも何かを必死に伝えたい様子だった。それからカバンから何かを取り出した。

 それは分厚い本のようなカードホルダー。そのページを数枚めくりながら、青年は言った。

 

「こんなに偉大な先輩方も一緒です!だからきっと、大丈夫です!」

「アンタ……」

 

 青年の屈託のない笑顔は、とても輝いて見えた。

 その笑顔をずっと見ていると、青年の表情は少しムッとなった。

 

「……ガイさん。僕は「アンタ」って名前じゃないですよ。僕は、草薙眞哉です」

「あぁ……悪い」

 

 

 

 

「さぁ、休憩時間は終了。ゲームを再開しますよ……!来い、EXレッドキング!」

 

【レッドキング!】

 

 ダークリングにレッドキングのカードをリード。またレッドキングが現れるが、今度はいきなり進化したEXレッドキングの姿で実体化した。

 

「また出やがったな……!」

 

 EXレッドキングが現れたのは、僕がいくつか買ってきた菓子パンをガイさんが食べていた最中だった。腹が減っては何とやらである。

 でもガイさんの方も傷が完治した訳じゃない。EXレッドキングに立ち向かうために立ち上がるけど、その表情は少し苦しそうだった。

 

「ガイさん……」

「大丈夫だ。今度は絶対負けねぇ……!」

 

 ガイさんは左手に握るオーブリングを正面に突き出し、光の巨人へと姿を変える──。

 

【フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ!

 スペシウムゼペリオン!】

 

『闇を照らして、悪を撃つ!』

 

 町中に登場するオーブ。だがどことなく肩で息をしているようだ。

 それでも果敢に向かって行く。だが硬い体表にはその攻撃はあまり意味はなく、その度に自分の倍以上の一撃が返ってくる。それでも立ち上がり何度も攻撃を繰り返すが、結果は変わらない。

 

『グゥ……!ガァァ!』

 

 既に満身創痍のオーブに追い討ちをかけるように、EXレッドキングはフレイムロードを繰り出す。

 ついにオーブは膝を突き、力なくうつ伏せに倒れる。

 

(ダメだ……。もう力が……)

 

 オーブの中──。そこにガイはいた。前回の傷が仇になった。もう立ち上がる気力すらない。

……このまま消えても良いんじゃないだろうか。

 そう思って目を閉じようとした時。ガイの耳に声が届いた。

 

「オーブッ!あなたが倒れたら、誰がこの星を守るんですか!?あなたが……あなたがウルトラマンだって言うなら、もう一度立ち上がって!あなたには、僕がついてる!あなたは一人じゃない!!」

 

(シンヤ……?そうだ……。アイツは、俺と一緒に戦いたいって言ってくれたんだ……!その想いに答えられないでどうする……!)

 

 オーブはゆっくりと立ち上がる。既に体は限界を迎えている。だが、体の底から力が沸いて来る。

 

『「まだ……俺は戦える!共に戦う、仲間がいてくれる!」』

 

「オーブッ……!」

 

 その時。シンヤの持つカードホルダーが輝く。

 そのカードホルダーから、2枚のカードがオーブのカラータイマーへ向かって飛んで行く。

 

 

 

『「このカードは……!」』

 

 突如目の前に現れたその2枚のカードを、ガイは受け取った。

 その2枚からは強い意志を感じた。2人の先輩方の意志もそうだが、何より彼の意志を感じ取った。

 

『「……行くぜ、シンヤ!」』

 

 

「ガイアさん!」

【ウルトラマンガイア!V2!】

「ビクトリーさん!」

【ウルトラマンビクトリー!】

「大地の力、お借りします!」

【フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ!

 フォトンビクトリウム!】

 

 オーブの体が光ったと思ったら、上空から光と共に巨人が現れ、着地と同時に轟音と砂煙が舞う。砂煙が晴れた時そこにいたのは、オーブだった。でもさっきとは姿が全く違っていた。

 全身が様変わりしていて、頭部や腕にV字のクリスタル。額のクリスタルは黄色く輝き、アーマーのようなものを纏う。何より巨大な両腕が目立っている。

 

『闇を砕いて、光を照らせッ!』

 

 オーブはそう言うと戦闘態勢に入る。対するEXレッドキングも、雄叫びを上げる。

 

「姿が変わったところで……!行け!EXレッドキング!」

 

 ヨミの指示で、EXレッドキングはオーブの胴体へ巨大な拳を振るう。だが──

 

『ハッ、こんなもんかよ!』

 

 オーブの方は微動だにしなかった。さして痛がる様子はなく、まるで岩石のようだ。

 EXレッドキングは拳のラッシュ。しかしオーブの頑丈なボディ──いや、岩乗なボディには通用しない。

 

『今までのお返しだぁ!オラァッ!』

 

 オーブは渾身の右ストレート。EXレッドキングの巨体を軽々吹き飛ばす。

 何とか立ち上がるEXレッドキングの頭上には、ヒヨコが回っている。

 

『「これで決める!」』

 

 オーブは右の拳を引きずりながら接近し、その最中にエネルギーを拳に集中させる。

 その拳から放たれる一撃は──!

 

『フォトリウム……ナァックル!!』

 

 豪快な右アッパー!天空に吹き飛ばされたEXレッドキングは、体制を立て直すことが出来ない。

 その隙をオーブは見逃さなかった。

 今度は頭部のクリスタルにエネルギーを集中。

 そこから放出されるのは、2つの大地の力を得た光の刃──!

 

『フォトリウムエッジ!!』

 

 回避することすら出来ないEXレッドキングに、その一撃が直撃。膨大なエネルギーを二度も喰らい、市街地の上空で爆発した!

 その戦いを見守っていた人々は、歓喜の声を上げる。

 

「ゲームクリア、おめでとうございます……。

 次こそは……!」

 

 ヨミは怒りを滲ませながら、元々いた場所から消えた──。

 

 

 

 オーブは戦いを終え、ふと下を見ると笑顔でサムズアップをする彼の姿が見えた。

 彼に頷いて飛び立とうとした時だった。

 

「ここは……一体?」

 

 ガイの意識は、見知らぬ空間にあった。後ろに気配を感じて振り向くと、そこには二人の英雄がいた。

 

「あなた方は……」

 

『オーブ。君達の地球は、君達の手で守って行くんだ』

『共に戦う仲間がいるってことを、忘れんなよ』

 

 地球が生んだ大地の巨人と地底を守護する太古の巨人の言葉を受け取ったガイは、力強く頷いた。

 

「これからも、よろしくお願いします!」

 

 オーブは空を見上げ、飛び立った。

 

 

 

 

 

「……おかえりなさい、ガイさん」

「あぁ、ただいま」

 

 オーブとレッドキングの激戦を終えて、町の人々は復興作業を始めた。中にはSSPのみんなや渋川さんの姿もある。

 ガイさんに肩を貸しながらその様子を見て、ふと僕は呟いていた。

 

「この人達を……ガイさん、あなたが守ったんですよ」

「……」

 

 人々を見つめるガイさんの目に、涙が見えた気がした。

 

 すると、僕を見つけたナオミさんがやって来た。

 ガイさんは僕から離れて立ち去ろうとした。でもすぐ立ち止まって、僕に2枚のカードを返却した。

 

「……ありがとな。これからも頼むぜ、シンヤ」

「……!はい!」

 

 懐から出したオーブニカでいつものメロディを奏でながら、ガイさんは去って行った。

 

「シンヤ君、良かった~無事で……。ケガない?」

「はい、平気です。……ナオミさん、頼みがあるんです」

 

 ナオミさんは首を傾げて、少しきょとんとした。

 

 

 

 

 日が暮れて、どこかの地下駐車場。お互い黒い装いで揃えた2人の男がいた。

 

「ヨミ。お前のおかげで楽しいものが見れた。感謝するぜ」

「ありがとうございます、ジャグラー様。……これよりもっと楽しいゲームをまた始めようと考えているのですが、いかがですか?」

「ほう……。一体どんなゲームだ?」

「それは……」

 

 ヨミはレッドキングのカードをダークリングで読み込ませ、地底に向かって撃ち込む。

 地底には光る球体があり、何かを封じ込めているようだった。だが、レッドキングのカードがその輝きの一部を覆う。

 

「オーブがレッドキングと戦っている間に発見出来て良かったですよ」

「なるほどな……。次のゲームも面白くなりそうだ」

 

 

 

 

 

「今日からSSPに所属することになりました、草薙眞哉です!見習いですが、これからもよろしくお願いします!」

 

 翌日。

 ジェッタさんとシンさんの前でそう言って、深々と頭を下げた。

 

 先日ナオミさんに頼んだのは、SSPへの正式な加入だった。これまでは時々顔を出す程度だったけど、これからのSSPの活動の中できっと魔王獣は現れると思った。そしてその先々でガイさんにもきっと遭遇するだろうと考えたからだ。

 ナオミさん曰く、まずは見習いからのスタートということで同意を得た。

 僕が顔を上げると、2人とも何度も瞬きをしていた。

 

「えぇ?シンヤ君ってSSPに入ってたんじゃないの?」

「僕もてっきりそう思っていましたけど……」

 

 2人とも僕が既にSSPの一員だと思ってくれていたようだけど、これじゃあ僕の重大発表も意味がないみたいになってしまった。

 

「えぇ~?そんなぁー……」

「まぁとにかく!これからもよろしくね、シンヤ君!」

 

 ナオミさんのフォローに答えるべく、ふと思い浮かんだ懐かしいセリフを言ってみた。

 

「GIG!」

「ジーアイジー……?何それ?」

「あ…。了解って意味ですよ…アハハ……」

 

 やっぱりこっちの世界じゃ通じないか……。

 そう思って、笑って誤魔化した。

 

(これからもっと、忙しくなりそうだな……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ガイとシンヤの、ウルトラヒーロー大研究!」」

 

シンヤ「さぁ始まりました、このコーナーも2回目ですよ!ガイさん!」

ガイ「今回はオリジナル回。本編の1話と2話の間の話ってことらしいな」

シンヤ「そうですね。それじゃあガイさん、早速いきましょう!」

ガイ「あぁ、今回紹介するのはこれだ!」

 

【ウルトラマンオーブ!フォトンビクトリウム!】

 

ガイ「『ウルトラマンオーブ フォトンビクトリウム』。ウルトラマンガイアさんと、ウルトラマンビクトリーさんの大地の力で戦う攻防一体の戦士なんだ」

シンヤ「『ウルトラマン フュージョンファイト!』限定キャラで、岩のようなボディと巨大な両腕が特徴的ですよ!

 必殺技は巨大な拳から放つ『フォトリウムナックル』!今作オリジナルで『フォトリウムエッジ』という技も使います!」

ガイ「お互いに大地の巨人って繋がりがあるんだな」

シンヤ「そうです!それにガイアさんにはXIG(シグ)とアグルさんが、ビクトリーさんにはギンガさんとシェパードンって頼れる仲間がいるんです!」

ガイ「今回の一件で俺は、仲間の大切さを学べた……。これからもよろしくな、シンヤ!」

シンヤ「こちらこそ、よろしくお願いします!ガイさん!それじゃあ今回はここまで!」

 

ガイ&シンヤ「「次回も見てくれよな!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 平和な町を襲う新たな脅威。そしてその裏で蠢く謎の影。

 邪悪を封じる龍脈が乱れる時、次なる魔王獣がその姿を現す!

次回!

『ウルトラマンオーブ ─Another world─』

土塊(つちくれ)の魔王』。

 俺の名はオーブ。闇を照らして、悪を撃つ!




いかがでしょうか?

ちなみに、隠れていたサブタイトルは『ウルトラマンダイナ』第27話の「怪獣ゲーム」でした。

ではノシ
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