IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜 作:無限の槍製
5月20日(土)PM01時18分
「オラァッ!」
「シャァ!!」
スナイプの弾丸を自慢のスピードで避けていく16号。俺もなんとか剣で攻撃するが……重い。剣もそうだがこの鎧、かなりの重量だ。確かに防御力とパワーはピカイチだ。だが圧倒的にスピードが足りない。せっかくスナイプが上手く誘導してくれても攻撃を当てることができない。
「クソッ、このままだとこっちがやられる。おい名人!次は上手く当てろよ!」
「んなこと言ったって難しいんだよ!」
「あの剣と鎧のせいか……当たればそれなりにだが」
「何をしても、私のスピードにはついてこれない!!」
「………フッ」
ん?今笑ったのか?何か作戦でもあるのか?
「おい名人!合図出したら思いっきり振りかぶれ!」
「え?」
そう言うとスナイプはガシャコンマグナムをライフルモードに変形させて16号を狙撃する。しかしそれは楽々と躱されてしまう。さっきのハンドガンモードと違い、ライフルモードは一発一発が強力だが連射機能が備わってない。足止めならハンドガンモードの方が……
「ハッ!血迷ったか仮面ライダー!これで死ねぇ!!」
16号が一気に駆け抜ける。このままだとスナイプがやられる。でもなんだろう、妙な安心感がある。
「おいおい、このバンバンシューティングはオールハードモードのガンシューティングだ。つまりは、」
16号の爪の一撃をバックステップで避ける。その瞬間に何かを投げるスナイプ。形からして丸い何かだけど。
「なんでもアリなんだよ!名人!!」
「お、おう!!」
作戦通り剣を振りかぶる。次の瞬間爆発でこっちに飛んでくる16号。なるほど、さっきのは手榴弾ってわけか。
「ぐがあっ!!」
「このチャンス、逃しはしない!!」
「させるかクウガ!!」
さすがは16号、すぐさま体勢を変え飛びかかる形で俺に爪を向ける。爆発の反動で更にスピードをつけたってとこか。でもそれは逆にジャストタイミングだぜ!
「そこだぁッ!!!」
「ぐおおおッ!!!」
俺が振り下ろした剣と16号の爪が激突する。でも鍔迫り合いは慣れてるんだよ!
すぐに爪の攻撃をそらす。そのまま勢いで16号は俺の隣を通り過ぎようとする。狙い目はここだ!
「ハッ!!」
今度は通り過ぎる16号の腹めがけて剣を振り上げる。確かな手応え。でも青のクウガで14号と戦った時とは違い剣に力がこもってない。つまり必殺じゃない。16号をただ打ち上げただけだ。
「ナイスだ名人!」
『バンバン!クリティカルストライク!!』
いつの間にか空中にいるスナイプ。体勢は必殺の蹴り、つまりライダーキックだ!
「そら、こいつで終いだ!」
これで勝った。多分俺とスナイプはそう確信しただろう。でも思わぬ邪魔は常に最高の場面ではいってくる。
「!?なんだアレ」
「なっ!ガハッ!?」
突如飛んできたナニカがスナイプを吹き飛ばした。そしてソレは俺にも向かってくる。
「ッ!結構、パワーあるな……」
真っ正面からソレを受け止める。そしてソレの正体も分かった。
車輪だ。正確には自転車のタイヤ。それに刃がついてる。何度も刃がぶつかるせいで剣が少しずつ削れていく。結構ヤバイかも……
「名人!そのまま持ちこたえろ!」
『バンバン!クリティカルフィニッシュ!!』
ライフルモードの一発でタイヤを吹き飛ばす。そのまま吹き飛んだタイヤは何処かへと飛んで行ってしまった。なんだったんだアレ…
「って未確認は!?」
「悪い名人、逃げられた。逃げられるギリギリで目ん玉ブチ抜いたからそう遠くは行ってないハズだ」
「そうか……ふう」
「ま、自分はこれで失礼するよ。探すのはあんたに任せる。なんだったら倒してくれてもいいんだぜ?」
「まあ、努力はするよ。ありがとなスナイプ」
「……あくまでそう呼ぶか名人」
「ん?なんか言ったか?」
「別に?ただ、隠し事はすぐバレるってこと」
「??」
そのままスナイプはビルの屋上から飛び降りる。未確認も気になるが、箒たちも心配だ。ここは一旦戻ろう。
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5月20日(土)PM01時25分
「血痕はここで途絶えてるわ。ここで消滅したか、あるいは傷を治して何処かへ逃亡したか」
「多分前者はないな。それなら消えた痕があるハズだ。つまりはどっかに逃げたか」
「でしょうね……今日はいきなり呼びつけてゴメンなさいね」
「いいや、女性の頼みは断らないタチなんで」
「そう。ならば本音ちゃんとの約束も守ってあげてね」
「………なーんで、知ってんのかね〜」
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5月20日(土)PM02時50分
「ただいまー」
「おい一夏!トイレに行くフリして外で出かけるとは何を考えているんだ!!」
「心配したんだよオリムー!!」
家に帰るなり怒鳴られる俺。珍しくのほほんさんもご立腹だ。箒は言わずもがな。
「い、いやートイレットペーパー切らしててさ!どうしても我慢できなくてちょっとコンビニまでひとっ走り行ってたんだよ。そ、その……ゴメンな」
「心配させないでくれ……お前に何かあったら私は…」
「箒……ホントにゴメン。でも心配してくれてありがとな」
「うあ〜〜疲れたわ〜〜……って、もしかして自分お邪魔虫だった?」
「キリヤ〜ん!!!」
帰ってきたキリヤんに凄い勢いで飛びつくのほほんさん。キリヤんは優しくのほほんさんの頭を撫でたあとに、俺たちにドヤ顔を向ける。いやなんでドヤ顔なんだよ。
「あ、そうだ。セシリアとリンリン、今日はパスだってさ。色々あったみたいだからさ」
「そうか。ならば4人で勉強会だな」
というわけで始まった勉強会。初めこそマジメに取り組んでいたが、最初にのほほんさんがダウンした。箒曰くキリヤんが心配でずっとウロウロしていたらしい。多分キリヤんが帰ってきて安心したんだろうな。
そして次にキリヤんがダウンした。まあさっきまで未確認と戦ってたわけだし仕方ないよな。
まあそんなこと考えているうちに俺も寝た。
起きた時には箒も寝ていた。因みに箒が起きたのが21時前。夜も遅いから今日は俺の家に泊まることになった。勉強会?もうみんなやる気ないよ。俺もないよ。
◇
6月2日(金)PM00時10分
「あんたらねぇ……どうしたらこんな点とれるわけ?」
「正直……驚いてます」
俺、キリヤん、箒、のほほんさん。4人の前で立つセシリアと鈴。今は6月の頭。そして中間テストの返却日でもあった。そしてテストが返却されるたびに目が死んでいく俺たちに4人。それを不審に思ったセシリアと鈴が
『全テストを持って食堂へ』
なんて言ってきた。仕方ないから食堂へ行くとセシリアと鈴にテストを強奪され、今に至る。
「本音さんは次も同じ点を取れば補習はないとは思いますが、箒さんは微妙なラインですね。もう少し勉強をされた方がいいかと」
「ぐっ、精進します……」
「それに比べて男2人!なんなのよこの点!特に一夏!あんた酷すぎない?何これ?一桁!?バッカじゃないのおお!?」
「オリムー……8点」
「流石名人だな」
「逆に凄いぞ一夏」
「あんたらも人のこと言えないでしょ!!」
いやそんなに言わなくてもいいじゃないか。俺だって頑張って勉強したんだ!なのに……全然わかんなかった(笑)
「笑ってる場合じゃないでしょーが!!」
「べふっ!?」
鈴にしばかれた。しかし鈴は真剣に心配してくれている。なら俺もそれに答えないと、な!!
「よし、次は赤点取らないぞ!絶対だ!もし赤点取ったら、なんでも好きなもの買ってやる!!」
「はーい全員しゅーごー」
「オリムーには赤点取ってもらわないと」
「私は新しい竹刀が欲しいな」
「私は新しい靴が」
「あたし、こ○亀全巻!」
「んじゃ自分は新しいゲームを」
「い、いいぞ!ああ買ってやるよ!なんせ、次は赤点取らないからな!」
言ってしまった……こうなったら全力で勉強しないとだな……
◇
「と、話変わるんだけどさ」
「ホントいきなりだな鈴」
「なんでも転校生が来るみたいよ。1組に2人」
「俺たちのクラスに?」
「それもフランスとドイツから。なんでもドイツは代表候補生で、フランスがなんとビックリの!」
「ビックリの?」
「ガチの2人目の男性IS操縦者みたいなのよ」
「………マジで?」
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「ハア……ハア……」
誰もが寝静まった夜。路地裏でいまだ傷を治しているメビオ。そんな彼女に近づく黒い影。
「ハア……ッ!仮面……ライダー…」
「………」
「ハアッ……死ねぇ!!」
「………」
黒い仮面ライダーに飛びかかるメビオ。しかし飛びかかった瞬間メビオの身体は真っ二つに引き裂かれ地面に落ちる。そしてメビオだったものがギョロリと残った目玉を動かす。
そこに写っていたのは、紫のチェーンソーを自分めがけて振り下ろす、黒い仮面ライダーだった。
やっとこさ6月です。やっとこさあの2人が登場です。長かったね!
そして裏で殺されるメビオ。やったのはあの黒い2Pカラーライダー。変身者は誰なのか!
次回は転校生2人のお話。こっからも長くなりますね。
ではSee you Next game!
あと、メインキャラのテスト順位ですが、
1位、セシリア
2位、鈴
3位、本音
4位、箒
5位、桐也
6位、一夏
となってます。一夏は全クラス中最下位です。ガンバレ一夏!!