IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜 作:無限の槍製
今回はスナイプvsジョーカー!!
6月10日(土)PM01時40分
「仮面装者…ジョーカーねえ」
「粉微塵に吹き飛ばしてくれる」
両腕にプラズマ手刀、いやあの爪みたいな形はプラズマクローって言ったほうがいいのか。それに背中に担いでいるのは大口径リボルバーカノン。
ISと違うためかサイズ的にはスケールダウンしている。でもこの圧倒的威圧感はあの状態ならではだろう。
「やることに変わりはない。あんたの攻略法は分かってんだ」
「ふん、その自信いつまで続くかな?」
『バンバン!クリティカルフィニッシュ!!』
ラウラが不敵な笑みを浮かべた瞬間、ガシャコンマグナムから必殺の一撃が放たれる。その速度も上がっている。これならラウラが右手をかざして動きを止めるまでに着弾する。
「無駄なことを」
しかし会心の一発はラウラの目の前で消滅してしまった。手をかざすことなくだ。
「今度はこちらの番だ」
一気に間合いを詰めるラウラ。明らかにISよりも速度は上がっている。しかもプラズマクローはプラズマ手刀よりもリーチが長くなっている。このままじゃまずいぞキリヤん!
「せやっ!」
「ちっ!!があっ!?」
クローによる一撃を躱したと思ったら次は足技だ。しかも一撃決まると次々とキリヤんに叩き込まれていく。これが本来の力なのか。
でもキリヤんも負けてはいない。ラウラの足を掴んで投げ飛ばす。ラウラは何事もなく着地するがキリヤんは既に必殺技の体勢に入っている。
「おらあっ!!」
『バンバン!クリティカルストライク!!』
必殺の飛び蹴り。しかし今度はそれも塞がれてしまった。空中で固定されたように動かなくなっている。
「終わりだ!」
「……終われるかよ」
固定されたキリヤんを撃ち落そうとするラウラ。それに対してキリヤんは動けない。でもそれで諦めるキリヤんじゃない。
リボルバーカノンから放たれる弾丸。それは確実にキリヤんへと命中した。
爆煙に包まれるキリヤん。でも弾丸が当たる直前、その時に俺は確かに聞いた。『レベルアップ』と。
『バンバン!クリティカルフィニッシュ!!』
『ジェット!クリティカルストライク!!』
爆煙の中から放たれる一撃。それは3つの攻撃が1つに収束されているからだった。
その一撃は予想外だったのか驚きを隠せないラウラ。何とかそれを躱すが、全力の一撃はアリーナの地面に大きなクレーターを作り上げた。あれがキリヤんの、スナイプの全力……
「これが、第参戦術の力だ」
『アガッチャ!』
『ジェット!ジェット!イン・ザ・スカイ!ジェットジェット!ジェットコンバット!!』
「仮面ライダースナイプ。コンバットシューテングゲーマー。レベルは3。テメェを倒すにはこいつで充分だ」
あれ、キリヤんちょっと怒ってる?
「ふん、いくら武装が増えたとはいえ、所詮は私の敵ではない。なんなら貴様の全力とやらを打ち砕いてやろう」
「ほざいてろ。そんなに食らいたきゃ食らわせてやる。しっかり味わえ」
ラウラはプラズマクローを右腕のガントレットにしまうと、今度は3つのメモリをガントレットに挿し込む。
『サイクロン!マキシマムドライブ!』
『ファング!マキシマムドライブ!』
『プリズム!マキシマムドライブ!』
更には最初のナイフに装填したメモリまでマキシマムドライブとやらを発動させた。これによって計4本のメモリの力が右腕に集まっていく。
対するキリヤんは武器と腰のスロットに装填していたガシャットを一度取り出し、もう一度挿し込む。
『バンバン!クリティカルフィニッシュ!!』
『ジェット!クリティカルストライク!!』
「降参するなら今のうちだ。全力の私は止められんぞ」
『サイクロン!ファング!プリズム!ジョーカー!クアトロマキシマムドライブ!!』
「テメェこそ、俺にぶっ飛ばされる前に謝っとけ。そしたら直撃は勘弁してやる」
『バンバン!ジェット!クリティカルインパクト!!』
「ヤバイよ一夏!このままじゃアリーナが壊れちゃう!!」
「でも、止められる気がしないんだよなぁ」
「そんな諦めた顔しないでよ!!」
もうダメだ!おしまいダァ!!ついに放たれる2人の全力。誰もかれもが目を瞑り、自身の生存を祈った。てか観客結構いるなぁ!!
「やめんか、馬鹿ども!」
しかし!そんな2人を一撃で蹴り飛ばす黒い影があった。
そう、我らが頼れる担任、織斑千冬である!
◇
6月10日(土)PM02時10分
「き、今日はもうあがろっか一夏」
「そ、そうだな!銃、サンキュな!」
目の前で怒りの一撃を食らったキリヤんとラウラは地面に突っ伏している。そして今までの戦闘を見ていた観客たちには千冬姉の睨みつける攻撃が炸裂した。恐らく『口外するな。したら殺す』の意が込められていると思う。
「えっと……先に着替えて戻ってて」
「ん?今日もか?まあ、俺はいいけど。じゃあ先行ってるぞ」
シャルルにそう伝え、更衣室へと向かう。無駄に広い更衣室を俺1人で使うのは贅沢だよな。
「は〜、風呂、入りてえなぁ」
特訓の汗とかその他諸々、とにかく今日は汗をかいた。さっぱりしたいのだ。噂によると男子が三人になったから山田先生が大浴場のタイムテーブルを組み直してくれているらしい。
『あのー、織斑君にデュノア君、九条君もいますかー?』
「ん?えーと、織斑だけいますー」
『入っても大丈夫ですかー?まだ着替え中ですかー?』
「大丈夫ですよ!着替えは終わってますー」
『そうですかー。それじゃあ失礼しますねー』
ドアが開くと予想通り山田先生が入ってくる。
「あれ?残りのお二人は一緒では?」
「シャルルならピットに戻ってると思いますけど、キリヤんなら当分は戻ってこないと思いますよ」
「そうですよね。あれは流石に痛そうでした。では織斑君に先に伝えますね。ええと、今月の下旬から大浴場が使えるようになります。時間帯別にすると色々問題が起きそうだったので、男子は週に二回の使用日を設けることにしました」
「………」
「?織斑君?」
「……山田先生………ありがとう、ございます」
「お、織斑君!?なんで泣いてるんですか!?」
「やっと、やっとさっぱりできる。女子に『え、織斑君汗くさーい』なんて言われなくて済む。なんでキリヤんは全然汗かかないんだよ!」
「……大変でしたね」
そんな号泣する俺の顔を後から来たシャルルが何事かと覗いてきた。
そして、理由を聞いたシャルルは、
『そりゃ汗かいたらすぐにシャワー浴びるでしょ。桐也もシャワー浴びてたよ?汗かいてシャワー浴びないのって、ちょっと僕は引くかな』
と『なにこいつ』みたいな目で言ってきて、俺は別の意味で泣いた。
◇
6月10日(土)PM06時20分
「はー、やっと終わった…」
白式の正式な登録者となるために色々と書類を書いたが、まあ量が多い多い。あんなの高校生に書かせる量じゃないだろ。結局後は千冬姉がやってくれるみたいだし。あとで礼言っとかないと。
「ただいまー。って、シャルルの奴またシャワー浴びてるのか」
シャルルが転校してきてから俺の部屋の同居人は箒からシャルルへと変わった。まあそれが普通だ。男女よりも男子男子の方が気が休まるだろう。そういうもんだ。多分。
そういえばシャンプーの残りが少なかったな。補充してないからもしかしたらなくなってるかも。確かクローゼットにあったよな。
「おーいシャルルー。シャンプー残り少ないだろー。変え持って来たぞー………って、え」
「い、い、いち……か………?」
シャワールームは洗面所兼脱衣所とドアで区切られている。俺はとりあえず脱衣所まで持って行って、そこで声をかけようと思ったのだ。
しかし同時にドアを開けたためにシャルルと鉢合わせたのだ。
だがしかしィ!シャワールームから出て来たのは『女子』だったのだァ。どうして分かったかって?簡単だ。胸がある。
サイズはCぐらいだァ。どうしてかって?簡単だ。そういう映像作品をいくつか見てるからだあ!!ブゥーハハハハハッ!!ブゥン!
………これ、ヤバくね?
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6月10日(土)PM06時30分
「おら、そっち埋めろよ」
「お前こそ手を休めるな。でないと終わらんぞ」
「どうしてこうなったんだか」
「お前が地面に向かって攻撃するからだろう!」
「いや、あんたがAICで打ち消すかなあって」
「あれは改良型AIC。まだ試作型だがうまく作用したようだ。あれはエネルギー攻撃を停止させ、消滅させることが出来る。それを私を中心として最大周囲30キロに展開できる。どうだ凄いだろ!」
「凄いのはあんたじゃなくて、ジョーカーと専用機の力だろ」
「それを使いこなす私が一番凄い!」
「あー、はいはい。ったく、腹減ったなあ」
「……終わったら食べに行くか」
「……いいぜ、いつになるか分かんないけど」
ため息をつく2人。さっきの敵も今は友。ドイツの副官が言っていた言葉を思い出しながらラウラは地面を埋める。
静かになったアリーナに、2人のお腹の唸り声が鳴り響いた。
改良型AICの説明。
ようは周囲に展開してエネルギー攻撃などを打ち消す力がある。つまりラウラジョーカーにはスペシウム光線も通用しない。
しかし弱点もあり、ずっとは展開できない。できたらチートだもん。それと自身のエネルギー攻撃なんかも消してしまう。つまりスペシウム光線が撃てない。しかしラウラのリボルバーカノンは実弾なのであんまり関係なかったり。
つまりはまだ試作型ってことダァ!!
そして次回からシャルルは一夏と、ラウラはキリヤんと関係を深める?
ではSee you Next game!
あと活動報告あげるのでそっちもヨロシクです。