IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜 作:無限の槍製
そして平成ジェネレーションfinalのキャスト、凄いですね!オリキャスだらけでオラワクワクすっぞ!
6月29日(金)AM11時50分
「死ねぇ!!」
「死ぬかよ!!」
タイタンソードとリヴァイヴの拳が激突する。何度目の打ち合いか。タイタンソードはタイタンフォームの武器だけあってかなりの強度だ。未確認なんて一撃で倒せるぐらいに。そんな剣とやり合うのが目の前のシャルル。よく見るとリヴァイヴの装甲にヒビがはいっている。これ以上はシャルルが危ない。
「何やってんのよ!防戦一方じゃない!」
「んなこと言ったって、受け止めるので精一杯なんだよ!」
鈴からヤジが飛んでくるが気にしない。いやヤジを飛ばすな!と言う方が難しい。かれこれ10分はこれが続いている。たかが10分。されど10分。短いようで長いのが10分だ。
「動きを止めればいいのだな!」
「出来るのか!?」
「私を誰だと?私は仮面装者だ!」
『ジョーカー!』
そう言うとレーゲンをジョーカーへと変え右手をかざす。発動したのはAIC。見事にシャルルの動きを止めた。
「ぐっ!?ううううっ!!」
「なっ!?AICでも動きを止められないと言うのか!!」
「邪魔を……するなあっ!!」
しかし止まったのはほんの数秒。AICを無理矢理解除しラウラへと向かっていく。しかも瞬時加速。タイタンフォームじゃ追いつけない。
「くそっ!超変身!!」
タイタンフォームからドラゴンフォームへと姿を変えシャルルを追いかける。しかしドラゴンフォームでも追いつかない。いや追いつけなかった。
「がはっ!?」
「ラウラ!!よくも!」
「待ちなさい箒!!」
ラウラに強烈な一撃。普段のラウラなら難なく止められただろう。しかし怪物達との戦い以前にラウラは試合も行なっている。今現在暴走状態のシャルルを除いて一番疲労が溜まっているのはラウラだ。そこへシャルルの強烈な一撃。ジョーカーの変身が解け地面に倒れてしまう。
そこへ鈴の制止を聞かなかった箒が飛び込んでくる。それに続いて鈴とセシリア。しかしシャルルもすぐに対応する。取り出した銃を箒に弾がなくなるまで撃ち込むとすかさず別の武器へと切り替え立て続けに鈴とセシリアを攻撃する。
これは不味い。我を忘れて暴れていたシャルルだが、ここにきて本来のバトルスタイルに戻ってきている。本来の戦闘スタイルだと例えクウガでも重症は免れない。だったら、
「次は、お前だ!」
「そこだっ!!」
今までで一番足に力を入れたかもしれない。一気にシャルルの目の前まで接近して銃を奪い取る。しかしすぐにパイルバンカーで変身した場所まで吹っ飛ばされる。
再び捲き上る土煙。叩きつけられて全身が悲鳴をあげている。でも今は集中しろ。神経を研ぎ澄ませ。狙うのは一点だけだ。銃を構え狙いを定める。
よく見える。よく聞こえる。今までの頭痛は全然しない。自分の心臓の音も聞こえない。いやそれは言い過ぎた。しかしハッキリと聞こえ、見えてるのは……
「お前………泣いてるじゃないか」
シャルルの瞳から涙が流れる。彼女は途中から気づいたんだ。我を忘れて暴れたとしても、大切な友達の事を傷つけてしまったことに。そしてそれを止められなかった自分自身に対して怒り、悲しんでいる。
そして彼女の口が動く。『お願い、助けて』と。
「任せろ」
銃口から放たれる一撃。それは確かにリヴァイヴに命中し、シールドエネルギーを一撃でゼロにした。ISが解除され倒れこむシャルルを地面にぶつかる寸前で支えるラウラ。シャルルは気を失ってるみたいだな。
これが、緑のクウガ=ペガサスフォームの力か。
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「………」
「ここまでか…拍子抜けだな九条桐也」
地面に倒れる桐也。姿はボロボロで今にでも死にそうな様子だった。黒い仮面ライダーはそのまま歩いて去っていこうとする。
しかし、それを阻む者が1人。
「よお、5年ぶりだなゲンム」
「花家タイガ……随分と成長したな」
「お陰様で、25だ」
タイガが地面に落ちていたガシャコンマグナムを構えて黒い仮面ライダー=ゲンムの前に立ちはだかった。
「あの時のように、鏡ヒイロと一緒に挑んだ方が良いんじゃないか?」
「ふん、お坊っちゃんの手は借りねぇ。テメェは俺がぶっ潰す」
そう言った瞬間、タイガの姿がゲンムの目の前にあった。少し距離があったにもかかわらず、タイガはそれを一瞬で詰めたのだ。そしてタイガは拳を既に振りかぶっている。
「らあっ!!」
「があっ!?……流石、5年経てば体にも馴染むか」
「言ったはずだぜ、テメェは俺がぶっ潰すってな……いや、今は先約がいたか」
不敵に笑うタイガ。それを不審に思ったゲンムは彼の視線の先、つまり自分の後ろを見る。そこには仮面ライダーレーザーに変身した桐也が拳を振りかぶっていた。
「おらあっ!!!」
「バカなっ!?ぐおっ!!」
フロントアーム付きのパンチがゲンムの顔面にクリーンヒットした。そのまま校舎へと叩きつけらるゲンム。正直驚いていた。あそこまでボロボロだった九条桐也に何故ここまでの力があるのか。そして、
「何故、レベル1がレベル3にここまでのダメージを」
シャカリキスポーツで見えていないが、ゲンムの満タンだったライフゲージは半分まで減っていた。レベル1にここまでの力は存在しないはず。しかしそれを可能とする存在を忘れていた。
「正解は、『火事場の馬鹿力』のエナジーアイテムだ。正直こんなエナジーアイテムがあるなんて思いもしなかったぜ」
「私も、想定外だ……」
ゲンムはそのまま映像が消えるように姿を消した。それを見届けた桐也は変身を解除すると気を失い地面に倒れてしまった。
「ったく、ガキが無茶しやがって」
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「確かに『火事場の馬鹿力』のエナジーアイテムは体力がピンチな程力が増大するエナジーアイテムだ。しかしここまでの力はない。となると……やはり彼も5年前から成長している、というわけか」
1人屋上でさっきの出来事を考えるゲンム。そして変身を解除する。そこに立っていたのは………
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6月29日(金)PM07時20分
「謝って許してもらえるなんて思ってないけど……皆んな、本当にごめんなさい!!」
俺の部屋で皆んなでトランプをしていた最中ドアが開くと同時にシャルルの口から出たのが今のセリフだ。
「頭上げてくれシャルル。別に気にしてないよ」
「で、でも。僕のせいで専用機も使えなくなってるし、怪我もしてるし」
そうなのだ。シャルルやあの化け物との戦闘で俺たちの専用機はしばらくの間使えなくなってしまった。怪我もそれなりに。ぶっちゃけ俺はペガサスフォームに変身してから50秒が経過したあたりからすんごい頭痛で気を失っていた。周りの人間は最初に壁にぶつかった時に頭を打ったのだと見ている。
「あーー実を言うとね………ぶっちゃけアレ、戦う前から壊れてたの」
「え?」
「実は試合中に本音さんの銃弾が私達の専用機に致命的なダメージを与えていたらしく、どのみち修理が必要なそうで」
そう、実はのほほんさんは意外にもこんな結果を残している。凄いなのほほんさん。それをシャルル相手に出来なかったものか。
「怪我ならば問題ない。実戦ならば怪我はつきものだ」
「だからシャルルは気にすんなよ」
「一夏…皆んな……本当にごめん……それと、ありがとう。こんな僕を止めようとしてくれて」
「当たり前だ。私達は友達なのだからな」
「デュッチーとは、友達だよ〜」
「そうそう、友達だしね!」
「はい、友達ですわ!」
「そう、友達なのだ……つまり、友達の前で隠し事は、ダメだろ?」
「え、ええ?」
「悪いシャルル………皆んなに話したんだ……シャルルの事」
「そ、そうなんだ………じゃあ、一夏にも話してない事、今話すよ」
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IS学園、屋上。桐也とタイガ
「母親を殺された?未確認生命体に?」
「ああ、丁度2年ぐらい前だ。知らないか?フランスで謎の生物が目撃されたって」
「聞いたことはある。でもそれって、結局は嘘だったんじゃ」
「ああ、その時は嘘だった。それが真実に変わったのはそれから2日後だ。シャルと母親は街に出かけていた。その出先で未確認生命体に出くわした」
「ちょい待ち、さっきから気になってるけど、未確認生命体ってどっちかと言うと最近の部類じゃない?2年前からいるってなるとそれなりにニュースになると思うけど?」
「それなんだが、お前は実際には見てないのか?今日のアリーナで暴れまわった化け物を」
「木綿季さんから少しは見せてもらった……まさか、アレ?」
「ああ。今回のカラスじゃなかったけどな。話によると姿はクラゲらしい」
「クラゲの未確認生命体……」
「目の前で母親をクラゲの未確認生命体に殺されてから、あいつは未確認生命体を見ると今日みたいに暴走してしまうんだ」
「実際に見たわけじゃないけど凄かったらしいね。そんでそれをクウガが止めたと」
「あの場に未確認2号が出てくるとは思わなかったけどな。今回ばかりは感謝している」
「素直じゃないねぇ。『俺のシャルルを守ってくれて、ありがとぉ!!』ぐらい言えないわけ?」
「うるせぇ……それと、あいつの本当の名前は」
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「シャルロット?それが本当の名前?」
「うん。お母さんがつけてくれた名前。シャルロット・デュノア。これが僕の、私の本当の名前」
「シャルロット……うん、よくあってる名前だよシャル」
「!……ありがとう、一夏!」
シャルル、いやシャルロットの過去を知り俺はより一層決意を固めた。未確認生命体が暴れて大事な誰かを失ってしまう。シャルロットのような人を1人でも減らすために、俺は戦わないと。
たとえ、シャルロットの憎悪の対象にクウガが含まれていても。
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「どうだ解析は」
「未だ未知の部分が多いですね。謎の細胞です。もう少しサンプルが欲しいところです」
「無茶を言うな。あれ以上被害を出されてたまるものか。今回は残りがいきなり消滅したから事なきを得たが……それにしても謎の細胞か…山田先生ならなんて名前をつける?」
「そうですね……すばり、分かっていることを踏まえて、『生物に寄生して、その体を変異させる』特徴を持つこの細胞の名前は」
「名前は?」
「アマゾン細胞です!!」
「………君のセンスはよく分からないな」
ペガサスフォーム登場に、タイガ先生とゲンムの因縁、更にアマゾン細胞と駆け足で駆け抜けた!後悔はしていない、だが反省はしている。駆け足ですまない。
次回から臨海学校編!一学期の山場!そして強敵がぞろぞろと。勿論キリヤんと一夏もパワーアップ!
でも海の前には水着を買わないとね!
ではSee you Next game!