IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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箒、鈴(セシリア入り)、ラウラ(シャル入り)vs銀の福音!

そしてスナイプ(タイガ先生)vsガドル!


第30話 決戦 〜Level3・Mighty〜

7月7日(金)PM08時00分

 

海上300メートル。そこで静止していた銀の福音は不意に顔を上げる。

次の瞬間、超音速で飛来した砲弾が直撃、大爆発を起こした。

 

「初弾命中!頼んだぞ鈴、ラウラ!」

 

『わーってるっての!』

 

『箒は引き続き砲撃を行え!』

 

5キロ離れた場所に浮かんでいる紅椿をまとった箒。姿こそ変わらぬ紅椿だがスペックと装備で本来の紅椿を遥かに凌駕する。

たった今行った砲撃はラウラのシュヴァルツェア・レーゲンの80口径レールカノンを装備した一撃だ。

 

次弾を装填する箒に福音が迫る。しかしそれを阻むものが2人。

 

「そーらこっちよ!」

 

「遅い!」

 

箒へ右腕を伸ばしてくる福音に対し、海中から現れる2つの影。メモリギアと呼ばれる新武装をまとった鈴とラウラだった。

鈴は右腕についた白い刃=アームファングで。ラウラはサイクロンの力を使った手刀で攻撃する。

 

海中からの奇襲に驚き離脱する福音。それに追い打ちをかけるように箒は雨月と空裂のエネルギー斬撃、鈴はトリガーライフル、ラウラは自前のエターナルエッジで斬撃を飛ばし攻撃する。

 

『ラウラ!海岸でも戦闘が始まったよ!』

 

「よし、ここまでは作戦通りだ。あとはさっさとコイツを倒して、花家先生の元へ急ぐぞ」

 

『鈴さん!ライフルの扱いが雑ですわ!私に変わってください!』

 

「あーもう!うっさいわね!これでも射撃は得意なのよ!」

 

『鈴さんが得意なのは精密射撃ではなく、広域爆撃ですよね!』

 

それぞれ鈴にはセシリア、ラウラにはシャルロットが意識を移している。そのせいでこのように頭の中に直接話しかける形で会話することができる。もっとも、箒には独り言にしか聞こえないが。

 

「先に行くぞ!」

 

加速して逃走を図る福音を追いかける箒。それに対し自身の翼からエネルギー弾を飛ばしまくる福音。しかしそれもリヴァイヴ専用防御パッケージ『ガーデン・カーテン』を改造した檀黎斗製パッケージ『ガーデン・カーテンX』の前では無意味だった。

 

「このまま……推して参るッ!!」

 

 

海岸。そこも戦場と化していた。

 

「おいダグバ。仮面ライダーは1人が2人の仮面ライダーに変身しているのではないのか」

 

「どうも違うみたいだな。ハハッ、心が躍るなぁ」

 

ガドルとダグバの目線の先には、遥か上空に浮かんだ戦艦=シミュレーションゲーマの上に乗っている仮面ライダースナイプ。彼は仁王立ちで2人を睨みつける。

 

「悪いが、俺はあのガキとは違う。甘く見てると数秒でゲームオーバーだぞ」

 

「ならば、貴様の実力見せてもらうぞ!」

 

シミュレーションゲーマの上から飛び降りるスナイプ。その体に分離したシミュレーションゲーマが合体する。これこそが仮面ライダースナイプレベル50の姿。

 

『スクランブルだ!出撃発進!バンバンシミュレーション!!発進!』

 

「御託はいいからかかってこい」

 

「後悔するなよ!」

 

未確認生命体に姿を変えスナイプに突進するガドル。それを避けようとはしないスナイプに対し、ダグバは不思議に思った。

あの速度のガドルのパンチを食らえば体が真っ二つになる。昨日のスナイプもそれが分かっていたのか回避に専念していた。

 

「ふんっ!!」

 

「………ハッ、その程度か?」

 

「なに!?」

「避けろガドル!!」

 

しかしダグバの忠告虚しく、ガドルに無数の砲撃が叩き込まれる。その威力はスナイプレベル3のクリティカルインパクトに匹敵する程の威力。それが一発ならガドルも難なく耐えれた。しかしそれを連続で叩き込まれれば、さすがのガドルも耐えられずに吹き飛ばされる。

 

「どうだ、舐めてかかってきた自分に何か言ってやりたいだろ?」

 

「まったくだ……しかし、これは楽しめそうだ」

 

ガドルが力を込めると全身の筋肉が膨れ上がった。見るからにパワータイプ。レベル50でも耐えられるか不安になるタイガ。しかしその不安は一瞬で消える。

 

再び突進しようとするガドルに弾丸が命中する。スナイプの砲弾程の威力はないが、ガドルの意識を向けるのには充分だった。

 

「貴様……昨日の仮面ライダー!」

 

「はろー、送迎屋でーす。地獄まで送り届けてやるよ」

 

「ったく。来るのが遅いんだよ九条」

 

 

「箒!武器を捨てて緊急回避しろ!」

 

紅椿の二刀が福音に受け止められてしまった。それによって動きを封じられた箒に両翼の砲門が開放される。このままでは箒がやられてしまう。そう感じた鈴とラウラはベルトのメモリを交換する。

 

『ヒート!メタル!』

 

『ルナ!トリガー!』

 

「絶対当たるコイツなら!」『トリガー!マキシマムドライブ!!』

 

「焼き切る!」『メタル!マキシマムドライブ!!』

 

背後から無数のホーミング弾を発射する鈴と、炎をまとったメタルシャフトで福音の翼を狙うラウラ。しかし相手は軍用IS、すぐに片翼だけを鈴とラウラに向けてエネルギー弾を発射する。

急いでターゲットを福音からエネルギー弾へと変更し、ホーミング弾で全てのエネルギー弾を撃ち落とした。

そしてエネルギー弾を撃ちきった片翼目掛けてラウラはメタルシャフトを振るう。

 

「『はあああっ!ぜやあっ!!』」

 

ついにその一撃は福音の片翼を奪った。

 

「一枚奪ったんだ。後はなんとか出来るな」

 

「助かる!」

 

もう片方の翼のエネルギー弾は限界を超えてチャージされていた。だが箒の前でそれは無意味と終わる。グルンと一回転し、爪先の展開装甲がエネルギー刃を発生させる。

 

「たあああああっ!!」

 

踵落としのような格好で斬撃が決まる。ついに両翼を失った福音は、崩れるように海面へと堕ちていった。

 

「はっ、はぁっ、はぁっ……やった」

 

「やれやれ、やっと終わったか」

『お疲れ様、ラウラ』

 

「あー肩こったー。セシリア肩揉んでー」

『肩がこるほど重たいものつけてませんのに……』

「ああ!?今なんつった!!」

 

いつものみんなの会話。これだけで箒は1つの戦いが終わったのだと実感した。あとはタイガ先生と合流して未確認生命体を倒すのみ。この勢いでいけば勝てる。誰もがそう思った。

 

 

しかし、問題は、簡単にはクリアさせてもらえない。

 

 

 

 

 

突如海面が吹き飛ぶ。それと同時に竜巻状のエネルギー光線が鈴とラウラに直撃する。メモリギアはISのような絶対防御は発動しない。つまりその攻撃を和らげることなく直撃してしまう。

 

全身をズタズタにされた2人は海へと堕ちていく。

 

「貴様……よくもっ!!」

 

海から現れた福音は第二形態に移行していた。切断された機械の翼の代わりにエネルギーの翼が生えている。

 

箒が福音を睨みつけるように、福音も箒を見つめていた。

 

そして動いたのは同時だった。

 

「うおおおっ!!」

 

互いに回避と攻撃を繰り返しながらの格闘戦。徐々に改造された出力を上げていく紅椿。第二形態に移行した福音もそれに食らいつくが、やはり差は開いていく。

 

「これで、どうだっ!」

 

確信を持って、最後の打突を繰り出す。しかし……

 

「なっ!?ここで、エネルギー切れ……!?ぐあっ!」

 

エネルギー切れを起こした紅椿。その隙を見逃さず、福音の手が箒の首を捕まえる。そしてゆっくりと光の翼が箒を包み込む。

 

(ごめん……一夏………仇を……取れなかった……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の仲間は!誰1人やらせねぇ!!」

 

箒が微かに見たのは、白き翼を持った赤き戦士だった。

 

 

「そらそらっ!」

 

「くっ!小賢しいマネを!」

 

「悪いけど今回は邪魔しかしないよ?メインはタイガ先生だからね」

 

「ったく、さっさとレベル上げろ!」

 

レーザーとスナイプの砲撃に苦戦するガドル。時々レーザーは接近して攻撃してくるが、何故か二頭身に似合わないアクロバティックな動きをするレーザーに翻弄される。

 

何故あの体型で側転ができるのか。何故あの体型でバク転ができるのか。第一バク転の時に腕は届いていないのではないのか。

そして何より、昨日あそこまで痛めつけたのに、何故動けるのか。それがガドルにとって最大の謎だった。

 

「ガドルのやつ、押されてるな」

 

「よーし、ここで決めたら一気に50ぐらい上がりそうだなぁ」

 

「だったら決めるぞ」

「あいよ!」

 

今現在スナイプのレベルは50。つまりフィールドにはエナジーアイテムが入ったドラム缶が置かれている。それを破壊してエナジーアイテムを取り出すレーザー。

 

「そらよ!」『停止!』

 

停止のエナジーアイテムをガドルに投げつける。そしてガドルの動きは停止する。

 

「ここが正念場だぞ!」

 

複数のドラム缶をロックし、一斉に破壊するスナイプ。中から出てきたのは全て赤いメダル、攻撃力アップの『マッスル化』だった。

 

『マッスル化!マッスル化!マッスル化!』

『マッスル化!マッスル化!マッスル化!』

 

『爆走!クリティカルストライク!』

『バンバン!クリティカルファイヤー!』

 

レーザーは両フロントアームの銃口から。スナイプは全砲門から必殺の一撃を放つ。停止しているガドル目掛けてトドメの一撃が迫る。攻撃力をアップした攻撃を全て受ければさすがのガドルでも耐えられない。

 

そう考えたダグバは、1つのドラム缶を破壊し、エナジーアイテムを吸収する。そしてそのままガドルの前に立つと、なんと片手でレーザーとスナイプの合体技を跳ね返してしまった。

 

当然それはレーザーとスナイプへと直撃してしまう。

 

「ぐああああっ!!」

「うああああっ!!」

 

「エナジーアイテム反射。凄く便利だぞガドル!」

 

「敵の物を利用するとは。さすが頭が回ってるな」

 

攻撃が直撃した2人の変身は解除され地面に伏してしまう。タイガは気絶しているが、桐也は大切なアロハシャツがボロボロになりながらも、まだ立ち上がろうとする。

 

「ふむ、やはり貴様は立ち上がろうとするか。昨日もそうだったな。その根性だけは認めてやろう」

 

「へっ……認めてもらっても……嬉しくねぇよ」

 

「さらばだ、仮面ライダー。言い残すことはあるか」

 

「んじゃ、1つ……どのゲームにも、経験値はある。それは勝った時だけもらえるんじゃない。負けても半分はもらえるんだぜ」

 

「………何が言いたい?」

 

「自分言ったよな。ここで決めたら50ぐらいレベル上がりそうって……でも負けた………けど、経験値は入ってきてる」

 

『ガッチャーン!レベルアップ!!』

 

「なに?まさか!」

「おい、ガドル!そこを離れろ!」

 

ダグバに掴まれて放り投げられるガドル。次の瞬間、ガドルの立っていた場所に何かが飛来する。それは一言で言うと銀色。銀色が銀色の何かを押さえつけている。

 

「貴様は……まさか!」

 

「まさか、第二形態になった途端に簡単に福音に勝てるなんて凄いよな。死んだの案外無駄じゃなかった?」

 

「チラチラ見えてたけど、お前クウガで白式まとってたろ。箒に見つからなかったのか?」

 

「げ、バレてるのかよ………そ、そう!何を隠そう俺こそがクウg「ああ、そういうのいいから。てか結構前から気づいてたから」……はあ!?だったら言ってくれよ!てかお前がレーザーって今初めて知ったんだけど!?」

 

「ったくうるせえな。福音も倒したんだったらさっさと変身しろ。周りの目はねえんだから」

 

「それもそうか……よし、一緒に行くか!」

 

銀の福音を片手で掴んで海岸に叩きつけた張本人=一夏は白式を解除し、腰に手を当てる。そこに浮かび上がるクウガのベルト『アークル』。

 

「三速!」「超!」

 

「「変身!!」」

 

『爆走!独走!激走!暴走!爆走バイク!!』

『アガッチャ!ギリギリ!ギリギリ!チャンバラ!!』

 

一夏はクウガ、それも赤き戦士『クウガ マイティフォーム』へと。

桐也はレーザー、それも第3の姿『チャンバラバイクゲーマーレベル3』へと変身する。

 

「「決めてやろうぜ、俺たちのウイニングランを!」」




遂にここまでやってきた。レーザーはチャンバラバイクに!クウガはマイティフォームになりました!長かったね!
因みに桐也の言っていた経験値云々。つまり爆走バイクのガシャトレベルは25になってるって言いたかったんだよ。一気に成長したね!

次回遂に臨海学校編決着!まさかの隠し玉も?

ではsee you next game!

あと、サブタイのマイティって英語の綴りあってる?

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