IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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今回から平成ジェネレーション編です。展開的には平成ジェネレーションズとほぼ同じです。


第39話 Aで振り切れ/別世界の仮面ライダー

8月10日(木)AM09時50分

 

「ふあ〜〜あ……眠い」

 

「夜更かしするからだ馬鹿者。まさか私との約束を忘れたわけではないだろうな」

 

「忘れちゃいねぇよ。ただ夜中に少しバタバタしてな」

 

道路を走るレーザーLv2。運転しているのはラウラだ。

今現在2人はとある用事で空港に向かっている。いや、用事はラウラにしかない。桐也はただの送迎役である。

 

「んで、今から来る軍の副官さんだっけ?その人からモノをもらえば用事は終わりなんだろ?」

 

「そうだ。我々黒ウサギ隊も暇ではない。モノをもらったらすぐに帰ってもらう」

 

「中々手厳しいねぇ。少しぐらい息抜きさせてあげれば?」

 

「むう……まあ、考えておく」

 

2人が会話をしている間にも、空港に近づいていった。

 

 

「敬礼!」

 

副官=クラリッサの号令で彼女の背後の部下が敬礼をする。1ミリもズレのない動きに桐也はただただ感激するばかりだ。

 

「お久しぶりです隊長」

 

「久しぶりだなクラリッサ。紹介しようクジョー、私の副官のクラリッサ・ハルフォーフだ」

 

「クラリッサ・ハルフォーフです。お話は隊長から聞いております。なんでも日本のSAMURAIだと」

 

「いやいや違うから」

 

「ではSAKIMORIですか!?」

 

「いやいや普通の高校生だから!自分は九条桐也。一応仮面ライダー。それだけだから」

 

「なるほど。それで隊長、例のモノですが」

「あ、スルーなの?」

 

桐也の話を中断し、ラウラにアタッシュケースを手渡すクラリッサ。ラウラは中を開いて確認するとアタッシュケースを閉じ、クラリッサたちに敬礼する。それに続きクラリッサたちも敬礼する。

 

「ではお前たちに次の任務を通達する」

 

「次の任務ですか?」

 

「お前たちの次の任務は、この日本で休暇を消化すること。勿論本国への土産も忘れるな。以じょ「ヒャッホーイ!みんな遊びに行くぞ!!」………………」

 

「失礼しました隊長。では任務を開始します」

 

そう言うクラリッサの表情は緩みっぱなしだった。ラウラは呆れつつもクラリッサたちを見送る。みんなスキップで空港を後にしていった。

 

「慕われてんの隊長さん?」

 

「今日はたまたまだ」

 

落ち込むラウラの肩を叩く桐也。なんだかんだで苦労しているラウラであった。

 

「んで、そのケースの中ってなに?」

 

「中は秘密……と言うところだが、お前は仮面ライダーだからな。特別に教える」

 

ラウラがケースを開き桐也に中を見せる。中にはバイクのハンドルが付いたベルトが入っていた。そう、ベルトが入っていたのだ。

 

「ちょ、これって!?」

 

「そう、仮面ライダーの変身ベルトだ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

同時刻

 

「社長!襲撃です!」

 

「いきなりすぎるよ木綿季くん」

 

幻夢コーポレーションは襲撃されていたのだ。白衣を着た5人組によって警備員や警察官は全て排除されてしまったのだ。

そしてその魔の手はすぐそこまで迫っていた。

 

タイミングが悪いことに、黎斗はプロトガシャットを他の場所に持ち出す用意をしていた。そして襲撃者の目的もプロトガシャットだった。

 

ドアを蹴破って入ってくる襲撃者。それに対して木綿季が応戦する。

 

「目的は……プロトガシャットね!」

 

「分かってるならどいて。死にたくなかったらね!」

 

襲撃者のうちの1人が剣で木綿季を攻撃する。達人の域を超えている女の攻撃に対応できない木綿季。その隙に他の襲撃者が黎斗へと迫る。

 

「社長!逃げてください!」

 

「何処へ逃げても一緒だぞ社長」

 

黄色い仮面を被った男が黎斗に忠告する。恐らくこの襲撃者たちを束ねるボス。黎斗はそのボスの声に聞き覚えがあり、そしてこの襲撃者たちの顔を知っていた。

 

「なるほど……君たちは会社をクビになった社員だね」

 

「分かってるなら……俺たちがどうするかも分かるよな?」

 

襲撃者の中で一番ガタイのいい男が黎斗へと詰め寄る。黎斗は観念したようにプロトガシャットの入ったアタッシュケースを渡す。

襲撃者たちはそれを受け取るとすぐに社長室を出ていった。

 

「社長!大丈夫ですか!」

 

「なんとかね。いや前から思ってたが迫力が凄いね彼は」

 

「クビになった社員と言いましたね………彼らは一体」

 

「彼らは…私と一緒にガシャットの開発に携わった社員だよ。君は会ったことないかい?」

 

「元々事務作業の私に聞きますか?秘書になったのも1年前ですし」

 

そんな話をしていると外で爆発が起きる。木綿季が窓の外を見ると、地上でクウガが謎の敵と戦っていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「襲撃だなんて、物騒だな」

 

朝早くから未確認と戦い、撃破した後だ。たまたま幻夢コーポレーションの近くを通ったらこの騒ぎ。まったく強盗なんてよくないぜ?てか強盗にあうなんてドンマイだな幻夢コーポレーション。

 

「クウガか……なら、この力を試してやる」

 

そう言って筋肉モリモリマッチョマンの男はケースから黒いガシャットを取り出す。ん?ガシャット?

 

『ゲキトツロボッツ!』

 

男はガシャットを起動させると、そのまま体に刺しやがった。うわ、吸い込まれてる……てかそれ大丈夫なのか?いやクウガのベルトを体内に宿してる俺が言えたことじゃないけど!

 

やがて男の姿が変貌していく。右腕が巨大なアームに変化し、体全体も怪物へと姿を変える。これがガシャットを取り込んだ結果なのか?

 

「こい……クウガ!」

 

「のやろ…舐めんじゃねえぞ!」

 

全力のマイティパンチをロボット野郎に叩き込む。まず最初に思ったのは硬い。硬すぎるのだ。多分タイタンフォームと同等レベル。かなり厄介だな。

 

「フンッ!」

 

「どわあっ!?」

 

ロボット野郎のロケットパンチに吹っ飛ばされ車に叩きつけられる。しかも追い討ちのロケットパンチが容赦なく俺と車を巻き込み爆発する。

 

「この程度か、クウガ」

 

「……クソッタレ…………今のは痛かったぞ!」

 

タイタンフォームに変身し、さらに白式を纏い瞬時加速でロボット野郎に斬りかかる。全力のカラミティタイタン+零落白夜を発動させる。

 

「うおおっ!!」

 

「甘いんだよなぁ〜」

 

しかし俺の攻撃は横からの銃撃に阻まれた。攻撃してきたのは戦闘機のような姿の怪物。あれもガシャットを取り込んだ姿か!

 

「チンタラしすぎなんだよ。とっとと片付けようぜ」

 

「上等だ。2人がかりでかかってこいよ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「幻夢コーポレーションが襲撃!?マジかよ……分かったすぐに行く」

 

「襲撃だと?一体どういうことだ?」

 

「さあな。でも今こうしてチンタラパフェ食ってる場合じゃないのは確かだ」

 

空港からの帰り道にカフェに立ち寄った自分と隊長さん。そんな中、木綿季さんからの連絡が入った。内容は幻夢コーポレーションの襲撃、そして道路でクウガが謎の敵と戦っているということ。

 

名人1人だと何かと危ないからな。急がねえと。

 

「クジョー!……どうやら、こちらも暫くは動けんかもな」

 

「あ?……なっ、未確認生命体!?」

 

カフェに姿を現したのは五体の黒い未確認生命体。タイガ先生に見せてもらった映像の奴とほぼ同じ姿をしている。話だとかなりの強敵らしいけど……まあ今の自分には関係ない。

 

「速攻で片付ける。隊長さんは避難誘導を頼む!」

 

「分かった!すぐに戻る!」

 

他の人たちを隊長さんに任せ、自分はガシャットを起動させる。

 

『爆走バイク!』

 

「変身!」

 

『ガシャット!』

『レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?』

『アイム ア カメンライダー!!』

 

レーザーに変身して黒い未確認生命体へと挑む。

爪や牙で攻撃してくる未確認。それを避けるかわりにイスや机が犠牲になるが、一撃で木っ端微塵だもんな……ありゃ食いたくねぇわ。

 

「はい、よいしょお!」

 

未確認を投げ飛ばす。さらにフロントアームで銃撃。なんだかんだで倒せそうだな。このまま倒して、早く名人のとこに行かないと。

そして自分がキメワザを発動しようとしたその瞬間だった。

 

「こいつで終いだ」

 

「クジョー!そいつらを止めろ!」

 

「は!?」

 

後ろから隊長さんの声がする。振り返るとこっちに走ってくる3人。

1人は隊長さん。珍しく息切れしている。

もう1人は赤いジャケットの女。手に持ってるの……隊長さんのベルトじゃね?

そしてもう1人はスーツを着た男。ひ弱そうな見た目だが……。

 

「いくよハル!」

 

「まったく、僕たち警察なんだから人のモノ取っちゃダメでしょハル!」

 

「後で返すの!」

 

ジャケットの女が懐から取り出したのは赤いメモリ。ん?メモリ?

 

『アクセル!』

「変…身ッ…!」

『アクセル!!』

 

それに対してひ弱そうな男は赤いベルトを巻くと注射器のようなアイテムをベルトに突き刺す。

 

「アマゾンッ!」

『New…Omega…!』

 

そして2人は変身した。

女は赤い装甲の仮面ライダーに。

男は緑のボディに黒い装甲をまとった仮面ライダーに。

 

「さあ……振り切るぜ!!」「狩り……開始!」

 

「なんなんだアンタら………」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ぐっ……これは想定外だ…」

 

「なっ、なんなんだテメェ!」

 

ロボット野郎と戦闘機野郎に苦戦する俺の前に現れた1人の仮面ライダー。そう仮面ライダーだ。ピンク色で顔面にバーコードがぶっ刺さってる見た目だが仮面ライダーだ。

 

この人は颯爽と現れると、あっという間にロボット野郎と戦闘機野郎を圧倒した。この強さは普通じゃない。まるで破壊者だ。

 

「教えてやる。俺は……通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」

 

通りすがりの仮面ライダー。この人との出会いが、俺とキリヤんのさらなる戦いの始まりだった。




サブタイのAは『アクセル』です。

というわけで今回の参戦ライダーはクウガ、レーザー、ディケイド、アクセル、アマゾンニューオメガです。アマゾンアルファも出そうかなと思ったんですが、流石に多いかなと思ってやめました。

次回はまさかのレーザーvsアクセル、アマゾンニューオメガ!?

ではSee you Next game!

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