IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜 作:無限の槍製
私は篠ノ之箒。IS学園に通うごく普通の女子高生。そんな私にはある悩みがある。それは同室の男についてだ。
男の名は織斑一夏。この世界でISを動かせることができる男だ。そして私の幼馴染でもある。
そんな私の幼馴染だが、テンションが異常だ。どれくらい異常かというと、
「おはよぉぉぉぉうっ!!!…………箒ぃ!!!」
こんな感じ。
「ちょっとちょっと!!テンションが低いんじゃないのぉぉ!?そんな時は!動いて元気になろうZE!!」
昔はこんな風に朝っぱらから起こしに来ることはなかった。いやまず起こしに来たこともない。昔は普通の男だったはずだ。それが6年会わないだけでこうも変化するものなのか。
「イエス!早速朝ごはんいこうぜぇぇ!!」
何がイエスなのかサッパリだが、このテンションに慣れなければこの学校では生活できない。それは同室なったとき、いや自己紹介の時から思っていたことだ。
『イエス!織斑一夏デェェェェェエス!!ヨロピクッ!!』
恐らくクラス全員、下手をすれば隣のクラス、最悪学校全体が感じたことだろう。こいつはめんどくさい、と。
「おはよぉぉぉぉう……キリヤんッ!!」
「よお、今日もうるせえな名人」
九条桐也。この学園にいるもう1人の男。ISは動かせないが仮面ライダーレーザーとしてこの学園にいる。因みに鈴と付き合っている。そしてその鈴がいないが………。
「あれ?あれあれあれ!?鈴がいないぞぉ!!」
「あいつ風邪なんだよ。昨日はハッスルしすぎたからな」
「ワオ、ヤッちゃたんだぁ!どおりで腰をおさえてるわけダァ!!」
寮の廊下で話すことではないと思う。ましてや私が隣にいるのに。私は男に見られているのだろうか?
「んなことより飯行こうぜ。腹減っちまって」
「イェーーーイ!カツ丼ていしょぉぉぉく!!」
カツ丼定食と叫びながら廊下を走るのは恐らくこの地球上探し回ってもコイツぐらいだ。キリヤんはポケットに手を入れてテクテク歩いていく。私もそれについていく
◇
「おばちゃん!!エビフラァァァァイ定食……ちょうだぁぁい!!」
「カツ丼定食じゃねえのかよ」
言うのを忘れたが一夏はバカだ。こう、勉強が出来ないバカじゃなくて…………とりあえずバカだ。いい意味で。
「朝からうるさいサルがいるもんだ。ほれトマトをくれてやろう」
「こらラウラ。自分が嫌いな食べ物だからって人に押し付けたらダメだよ?」
ストレートに悪口を言う女とそれを注意する女がいる。シャルロット・ハナヤとラウラ・ハナヤだ。双子の姉妹らしいが、金髪と銀髪であまり似ていない。胸も大きさが違う。因みにラウラが姉でシャルロットが妹だ。
「サルって言うなし!モンキー様と呼べ!!」
「意味は同じだな」
「ではモンキー。私の嫌いな食べ物を食べる権利を与えよう」
そう言って皿を突き出す。皿には野菜が残っている。ブロッコリーにピーマン、トマト。小学生かお前は。だからそんなに小さいんだぞ。
「小学生かーーいお前は!だからそんなにオッパイ小さいんだぞッ!!」
「普通に言ったね一夏………ほら、ラウラ泣かないの。頑張って食べよう?僕も付き合うから」
「ううっ………えっぐっ………ひっく………シャルロット……頑張って………食べたら………オッパイ……大きくなる!?」
「難しいんじゃない?」
「うわぁぁぁぁん!!!」
ガラスのように繊細な心は今日も健在のようだ。
さて、朝ごはんを貰ってから席に着くまでに永遠に近い時間が経過したような気がするが気にしないでおこう。
「いただっきまーす」
「いただきマンモォォォォォス!!」
いきなりエビフライを二本口に入れる一夏。欲張りすぎだお前は。キリヤんの冷たい目が一夏に突き刺さる。突き刺さっているはずだ。しかし一夏は止まらない。止まらない。止まらない。止まら……水?水が欲しいのか?そんなに顔色悪くして?
「…………ぶはあっ!?死ぬかと思った……」
ここ。ここが昔の一夏のテンションだ。死にかけた時、自然と昔のテンションに戻るらしい。しかしすぐに戻ってしまう。ああ、残念。昔のテンションなら彼女ぐらいできただろうに。
「おお?犬みたいにガツガツ食ってんのはぁ、一組の一夏じゃ〜ねぇか!!」
「!!3組のデンジャラスウーマン!セシリアナントカ!」
「オルコットだナメてんのかテメェ!!」
一夏の胸ぐらを掴んだのは3組のセシリア・オルコット。ギャングのボスの娘らしく、この口調も自然と身についたもの。しかしセシリア自身が可愛いため、あまり迫力を感じないのが痛いところ。
ついでに言っておくが、1組は私と一夏とキリヤん。2組は鈴。3組はセシリア。4組飛ばして5組にシャルロットとラウラが所属している。
「今日の合同練習はウチラが勝つんでそこんとこ夜露死苦!!」
「熱い戦いにしようZE!!」
念のために言っておくが合同練習は実戦ではない。ただの訓練だ。それにウチラとか言っているが乗り気なのはお前だけだぞ。
セシリアが去りようやく食事に専念できると思った矢先、食堂内にサイレンと歌が鳴り響く。このサイレンと歌は街に未確認生命体、もしくは北都政府か西都政府が攻めてきた時に鳴る。
またしても言うのを忘れたが、我が国日本は謎のパンドラボックスが引き起こしたスカイウォールによって東都、西都、北都の三つに分断されている。IS学園は東都に位置する。
「この歌知ってる!ちゃーらー、へっちゃらーだ!」
「せめてエキサイトって言えよ!」
食事の手を止め走り出す2人。そう2人は仮面ライダー。決してプ◯キュアではない。日曜午前9時から放送される系ヒーローなのだ。
と、私も行かないとな。
◇
現場に着くとそこは既に瓦礫の山だった。犯人は目の前にいる。2人組の最強タッグだ。
「遅かったな一夏」「やっほ〜キリヤ〜ん」
パラドとノホホンだ。2人ともバグスターと呼ばれる存在でかなりの強敵だ。ナメてかかればすぐに死ぬ。それぐらいの強敵だ。
「今日も遊ぼうぜ」
腰にゲーマドライバーを巻きつけるパラド。そしてガシャットギアデュアルを起動させ、ゲーマドライバーに装填しレバーを開く。マックス大変身した彼は仮面ライダーパラドクスへとその姿を変える。
「それじゃあ〜、へんし〜ん!」
ノホホンはバグルドライバーツヴァイに仮面ライダークロニクルガシャットを装填する。そしてボタンを押した瞬間、ベルトからパネルが飛び出す。それを潜るとそこにはノホホンの姿はなく、仮面ライダークロノスの姿がそこにあった。
「よし、行くか名人!」
「オッケー牧場!!ザ・アルティメット変身ターイム!!!ジャッキーン!キュインキュインキュインキュインピカーン!!」
「ゼロ速、変身!」
キリヤんは仮面ライダーレーザーターボに一夏は仮面ライダークウガアルティメットフォームに変身する。ホント、究極の闇を使いこなすこのバカは一体何者なんだ。
「究極の闇か……心が躍るなぁ!!」
「とりあえず皆んな絶版だぁ〜〜」
「ノリに乗ってくぜ!」
「イエス!変身完了ッ!!最初からクライマックスだぜぇ!!」
始まる最強たちの戦い。さて、私も今のうちに変身しよう。一応謎の戦士ポジション獲得してるからな。
私も青いベルト、スクラッシュドライバーを装着する。そこにロボットスクラッシュゼリーを装填し、レバーを倒す。そしたら潰れる、流れる、溢れ出ること。私の体は謎の仮面ライダー、グリスへと姿を変える。
さて、心火を燃やして…………もう少し見守ろう。
◇
「疲れたーリンリン疲れたー。エッチしよー」
「あんた風邪ひいてんの見てわかんないの!?そういうのは元気な時にして!」
戦闘が終了したのは夜中だった。午前中はガチバトル。お昼ご飯を挟んで午後からはボウリング大会だった。そして今現在鈴の部屋。鈴のお見舞いだ。
「元気そうじゃん鈴。オッパイは小さいけど」
「うっさいわね!!……にしてもいつものテンションはどうしたのよ」
「名人、パラドにボウリングで負けてテンション下がってんだよ。ガーター防止のやつまでつけてガーターだもん。そりゃテンション下がるわ」
結果優勝したのは私だった。グリスの力でゼリーの壁を作りストライクゾーンを作る。完璧な作戦だった。
「んじゃ夜も遅いし、帰るわ…………よっっっっしゃゲームしようぜ箒!!」
「うるさいぞ織斑!」
廊下の端から千冬さんが叫んでくる。それも気にせず部屋へと向かう一夏。それを後からついて行く私。なんだかんだコイツのことが、いやこの世界のことを気に入っている私であった。
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「にしても箒、今日も無口だったな。クールビューティーって言うのか?」
「ああゆうのは基本心の中ではお喋りなのよ」
テンションがおかしい一夏アルティメット
彼女が違うキリヤんターボ
無口で心の中ではお喋りな箒グリス
オラオラ系セシリア
いつも通りの鈴
優しいシャル
泣き虫ラウラ
ラスボス系本音
って感じですね。ホント自分までおかしくなりそうだった。因みにこの話は本編とは一切関係ありません。繋がりません。融合しませんのでご注意を。
次回からは話を戻して夏休み編を。出来れば一夏の家で遊ぶ話をしたい。
ではSee you Next game!