IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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今回はレーザー、エグゼイド、ブレイブvsオータム!


第57話 最速のZero速

9月17日(日)PM02時30分

 

「もう、どこ行ったのよ社長は」

 

演劇が行われているまさにその時、更式木綿季は檀黎斗を探していた。もとよりフラッと消える癖がある黎斗を見つけるのは木綿季にとってそう難しいことではなかった。しかも今は演劇に人が向かっており全体的に人を探すには好都合な状況だった。

 

しかし黎斗はどこにもいなかった。

 

「そんなに走ってどこに行くんだ?」

 

彼女を呼び止めたのは花家タイガ。購買部で買った焼きそばを食べながら木綿季の元へ近づいてくる。

 

「社長を探してるんです。迷子にはならないでくださいねって言ったのに」

 

「どうせゲーム開発部とかにいるんじゃないのか?」

 

「そこは一番最初に行きました。でも社長は来てないって」

 

頭に考えを巡らせる。黎斗が行きそうな場所。しかし考えても、二人の頭の中にはゲームセンターという答えしか出てこなかった。

 

「まあ、いいや。タイガ先生一緒に探してください」

 

「はあ?なんで俺が………いや、アイツを捕まえて新しいガシャットをもらうチャンスか…」

 

「決まり!早く行きますよ!」

 

こうして二人で黎斗を探すこととなる。そして肝心の黎斗は……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『敵ですか?』

 

俺がそれを聞いたのは学園祭前日だった。なんでも敵がまぎれ込む可能性があるらしい。

そして楯無さんが続けて言う。

 

『一夏くんには囮になってもらいたいの。敵を誘き出すための』

 

『………一応聞きますけど拒否権は?』

 

『あら、断ってもいいのよ?その時は私がするだけだし』

 

淡々と答える。流石と言うべきか。でもそれならなんで俺?

 

『ほら、一夏くんクウガだから、他の人より頑丈でしょ?』

 

『………分かりました。やりますよ囮役。でも条件があります』

 

『何かしら?』

 

『危なくなったら助けてくださいよ』

 

『勿論、全力で助けるわ。だって君達生徒の長なんだから』

 

 

9月17日(日)PM02時55分

 

そんなことを平気で言って、そして今助けに来てくれている。楯無さんイケメンかよ!

 

『ステージセレクト!』

 

エグゼイドがキメワザスロットのボタンを押す。するとさっきまで更衣室だった部屋が見たことのない荒野へと姿を変えた。

なるほど、場所を選べるのか。確かにステージセレクトだ。

 

「さあて、どう仕留めてやろうか」『ガシャコンスパロー!』

 

「彼女には聞かなければいけないことが山ほどあります。くれぐれもやり過ぎないように」『ガシャコンブレイカー!』

 

「それじゃあ、そろそろ始めましょうか」『ガシャコンソード!』

 

3人がそれぞれの武器を構える。それと同時にオータムも戦闘態勢に入る。仮面ライダー対IS。正直どうなるか分からない。確かに以前ラウラとキリヤんが戦ったが、アレは決着つかずだ。

 

だが今回は未知の機体に3人の仮面ライダー。レーザーのあの姿の実力もわからないし、エグゼイドとブレイブ、というより虚さんと楯無さんの本当の実力が底知れない。いやまあ俺より強いのは確実だろうけど。

 

「名人は下がってな。ここは自分達だけでやる」

 

「たった3人でこのオータム様のアラクネを相手するってのか?そこのガキを加えたほうが勝率は上がると思うぜ?」

 

「いいえ、織斑君を加えた場合こちらの勝率は100%となります。ですので3人で相手をするのですよ」

 

「ハッキリ言うとね、貴女に少しでもチャンスをあげようと思うのよ。大人しく投降するチャンスをね」

 

「ハッ!言うじゃねえかぁ!このクソガキどもガァ!」

 

アラクネの脚から実弾が放たれる。連射制度は鈴の衝撃砲よりも上だ。普通のISだと交わすのは難しい。訓練機ならまず撃ち落とされる。

 

しかしこの3人の仮面ライダーはそれを三方向へ散らばることで全て避ける。レーザーとエグゼイドは左右に、ブレイブは上空へジャンプする事で攻撃を躱した。

 

「空中じゃ身動き取れねぇだろ!」

 

アラクネの砲門が全てブレイブへと向けられる。そして実弾がブレイブ目掛けて放たれる。

 

「あら、私が専用機持ちだって知らないのかしら?」

 

ブレイブが左手を前に向ける。そして展開される水の障壁。放たれた実弾は全て水の壁に突き刺さっていき、ブレイブ本人に到達することはなかった。

 

「そんな雑な攻撃じゃ、この水は破れないわよ」

 

「ただの水じゃねぇな!?」

 

「正解。この水はISのエネルギーを伝達するナノマシンによって制御しているの。そして正解した貴女にプレゼント」

 

ブレイブが指を鳴らす。それと同時にオータムが吹っ飛ばされる。レーザーとエグゼイドに同時に蹴られたのだ。吹っ飛ばされたアラクネがすぐに体勢を整える………よりも早くレーザーとエグゼイドはその場を駆け出した。ガシャコンスパローの鎌モードとガシャコンブレイカーのブレードモードでアラクネの装甲に傷をつけていく。

 

「そら、もういっちょ!」

 

「そこです」

 

レーザーが鎌をアラクネの脚をに引っ掛けそのまま一本引きちぎる。

エグゼイドはガシャコンブレイカーをハンマーモードへと切り替え、アラクネの脚を叩き折る。

 

「なっ!?アラクネの脚を!」

 

「あんた、自分達ナメすぎ」

 

「ノーコンテニューでクリアすると言ったはずですが?」

 

「クソッタレがあぁ!!」

 

辺り一面を乱射し始めるオータム。二人ともすぐに距離を取り、レーザーはガシャコンスパロー弓モードでオータムを攻撃する。そしてエグゼイドは、

 

「迷惑な攻撃ですね。一撃で沈めます」

 

『ゲキトツロボッツ!』

 

赤いガシャットを起動させる。背景に現れたタイトルは『ゲキトツロボッツ』。そして現れたのは赤いロボット。間違いなくロボットゲーマだ。

 

「大・大・大変身!」

 

『ガッチャーン!レベルアップ!』

『マイティジャンプ!マイティキック!マイティ・マイティアクションX!!』

『アガッチャ!ぶっ飛ばせ!突撃!ゲキトツパンチ!ゲキトツロボッツ!!』

 

ロボットゲーマがエグゼイドと合体する。赤い装甲を身にまとい、左腕には巨大なロボットパンチが装着されている。そうだ、狼野郎と戦った時もあの姿だった。

 

「迫ってくるやつは全て撃ち落としなさい」

『ゲキトツ!クリティカルストライク!!』

 

「無茶言うぜまったく」

『ギリギリ!クリティカルフィニッシュ!!』

 

それでもキメワザで全て撃ち落とす。流石自称遠距離型だな。そして出来た隙間からエグゼイドがロケットパンチを発射する。それは見事にオータムのボディに直撃し、そのまま吹っ飛ばした。

 

「虚ちゃん!追撃!」

 

「はい!」『マイティ!クリティカルフィニッシュ!!』

 

ブレイブが指示するよりも先に駆け出すエグゼイド。そしてオータムを吹っ飛ばしているロケットパンチに更にハンマーを叩きつける。

 

つまりだ。元々のロケットパンチにハンマーの叩きつけの力が加わるのだ。威力マシマシだ。

 

「桐也くん!トドメ、行くわよ!」

 

「りょーかい。んじゃトドメ行きますか!」

 

『タドル!クリティカルフィニッシュ!!』

 

『爆走!クリティカルストライク!!』

 

「はあああっ!!」

 

レーザーは加速してオータムを追い越し、吹っ飛んできたオータムに回し蹴りを叩き込む。

 

「せいっ!!」

 

ブレイブは氷の滑り台を作り、その上を滑りながらオータムとすれ違いざまにガシャコンブレードを叩き込む。

 

因みにこの二つの攻撃。叩き込まれたのは同時である。

 

「ぐああっ!?」

 

きりもみ回転しながら吹っ飛んでいくオータム。アラクネからは火花が散りコアが露出してしまっている。もうこれ以上は無理だろう。

完勝。この3人の仮面ライダーにはその言葉がピッタリである。

 

「さあ、大人しく投降しなさい」

 

オータムの前に3人の仮面ライダーが立ちはだかる。もう逃げることはできない。

 

「ざけんな………テメェらに捕まるぐらいなら……」

 

カチッと言う音が聞こえる。そしてアラクネから光が溢れはじめる。

 

「死んだ方がマシだ」

 

「みんな伏せて!!」

 

次の瞬間、強烈な光を放ちながらアラクネが大爆発し

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『PAUSE・・・RE START』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

た。楯無さんが咄嗟に水の障壁で守ってくれなかったらヤバかった。爆発跡を見るとオータムの姿はなかった。一緒に爆発したのか、それとも寸前で逃げたのか、俺には分からなかった。

 

「クソッタレが……」

 

「最悪ね……」

 

「でも、こうなることは予測は出来たはず。なのに油断した。これは私たちの負けね」

 

3人は変身を解除する。それと同時に周りの風景が元の更衣室に戻る。

 

「………とりあえず戻りませんか。みんな心配してると思いますよ」

 

「それも………そうね。反省会は後にしましょ」

 

こうして俺たちの対亡国企業は『戦いには勝ったが勝負には負けた』という結果に終わった。

 

そして、アリーナに戻った俺たちを待っていたのは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『これより、『仮面ライダークロニクル』のルール説明をする』

 

巨大な空中ディスプレイに映った仮面ライダーが主催する、後に史上最悪のクソゲーと言われる『仮面ライダークロニクル』のルール説明だった。




レーザーターボの初戦がこんな形になってしまい申し訳無い。次から、次から頑張るから!

そして次回からクロニクル編が始まります。まずはルール説明です。

ではSee you Next game!

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