IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜 作:無限の槍製
「はあ〜、やっと終わった〜」
「はいお疲れ様」
「サンキュー先輩。仕事終わりのコーヒーは中々美味いねぇ」
一仕事終え、虚先輩が淹れてくれたコーヒーを口にする。俺の好みが分かっている。そりゃあ、高校の時からの知り合いだし。なんといっても嫁のお姉様で、仮面ライダーエグゼイドなんだからこれくらい当然のことだよな。え?理由になってない?細かいことは気にすんな。
「そういや会長さんは?」
「お嬢様ならオペの最中です。もうしばらく時間がかかると思いますが………というより桐也、貴方まだお嬢様のこと会長と呼んでいるの?」
「そういう先輩だってお嬢様って呼んでるじゃん。会長さんは普通に名前呼んでって言ってたよ?」
「それは貴方に対しても言えることです」
先輩は自分の分のコーヒーを淹れると立ったまま飲み始める。高校の頃は『座って飲みなさい』なんて言ってたくせに、今となっては自分から立って飲んでるんだもん。
「んあーー!終わったわよ2人ともーー!」
「おつかれー会長」「お疲れ様ですお嬢様。予定より早いですね」
「当然!なんたって天才外科医ですから!」
部屋に入ってきたのは白衣に身を包んだ会長さん。高校の時と違い髪の毛は黒色になっている。まあカツラだけど。いややっぱ黒髪似合わないね。
「自分で天才とか言ってると、いつか足元すくわれるよ?」
「大丈夫、初心は忘れてないわ。それに天才外科医なんてみんなが言ってるだけじゃない。高校の時と同じよ。あの時も学園最強なんて言われていたけど、結局の最強は虚ちゃんだったじゃない」
「ムテキだもんね」
「ハイパームテキなら桐也もお嬢様も使えるではないですか。それにトータルの最強なら私かもしれませんが、剣の扱いならお嬢様、最速なら桐也に軍配があがるはず。それに本当に強いのは」
「あのバカぐらいだもんな」
1人の男を思い出す。あの学校で肩を並べた戦友。究極の闇の力を持つ超古代の戦士。
「結局、彼に勝てたの桐也くんだけじゃないかしら?」
「さあ?あれもチーム戦だったし。てか運動会だし」
昔を思い出す。今となっては未確認生命体も仮面ライダークロニクルも懐かしい。それだけ歳取ったってことか。今や俺も25だ。会長は26、先輩は27だ。あと3年で三十路って嘆いてたな。
「懐かしいですね。あの頃は一番バタバタしてましたね」
「虚ちゃんもピリピリしてて怖かったわ〜」
「あの頃は私も若かったので」
「そうだよねぇ〜あの頃はまだ十代だもんねぇ〜もう三十路だもんねぇ」
「桐也。ハイパームテキとゴッドマキシマム、どっちがいい?」
「まだ勝ち目があるゴッドマキシマムで」
「そう、分かったわ覚悟しなさい!」『ハイパームテキ!!』
「嘘つき!」『爆走バイク!タドルレガシー!』
その時だった。部屋の固定電話が鳴ったのは。
「はい、こちら聖都大学附属病院電脳救命センターです!」
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「桐也くん、虚ちゃん。患者さんのこと任せたわよ」
「ま、変身できるの俺と先輩だけだし。張り切って行きますか」
「行ってきます!」
高校を卒業しても、監察医になっても、俺の戦いは続いていく。ドクターとして、仮面ライダーとして。
トゥルーエンディング 〜九条桐也、布仏虚、更識刀奈〜
これから一区切りごとにトゥルーエンディングを書いていこうと思います。何故このような結末にたどり着いたのか。それらはこれからの物語で。
ではSee you Next game!