IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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今回からクロニクル編本格突入です。


第59話 Team結成!

9月20日(水)AM07時32分

 

「えっ!?一夏の誕生日って今月なの!?」

 

「ああ、9月27日」

 

寮での朝食、いつものメンツ(でも1人いないけど)で食事を摂りながら談笑していたら、この話題になった。そういえば箒と鈴以外知らなかったかも。

 

「一夏さん、そういう大切なことはもっと早く教えてくださらないと困りますわ。あと一週間しかありませんわよ!?」

 

「え?なんかマズイのか?」

 

「私はいつも誕生日の1ヶ月前からプレゼントを考えているのです!なのに一週間しかないとなると……」

 

それからブツブツと唱え始めるセシリア。セシリアは優しいなあ。

 

「それにしても、どうしてお前は誕生日のことを黙っていた?箒が話題に出さなければ私たちはお前の誕生日を祝えなかったのだぞ」

 

「え?いや、別に大したことじゃないかなーって。別に年取ったからって特殊能力ゲット出来るわけじゃないし」

 

「まったくお前という奴は……」

 

ラウラが呆れながらパスタを口にする。季節のサラダパスタ美味しいよね。

 

にしても、みんな俺の誕生日祝ってくれるんだな。なんか嬉しい。別に今まで祝ってもらったことがないってわけじゃない。ただ今は特別嬉しい。多分今まで一番人生が充実しているから。

 

「とにかく、9月27日ですね!一夏さん、予定はどうなってます!?」

 

「ん?一応、中学の友達が祝ってくれるから俺の家に集まる予定。許可申請ももう出してるし」

 

「学校終わりで?それだとあまり遊べないんじゃない?」

 

「シャル忘れたのか?その日は午前授業。『キャノンボール・ファスト』中止になったからな」

 

ISの高速バトルレース『キャノンボール・ファスト』。本来なら国際大会として行われるが、IS学園があるここでは市の特別イベントとして開催される。いや開催されるはずだった。

 

まあ度重なるIS学園の襲撃、未確認生命体、そしてクロノスが発表した『仮面ライダークロニクル』。これらが積み重なって今年の開催は中止となった。

 

俺としてはそういうの大好きだし、何よりレース好きのキリヤんと戦えるかも知れないと思うと結構ワクワクしてた。だってのに……

 

「せっかくなら休みにしてくれてもいいじゃない。ねぇ?」

 

「学生の本分は勉学だ。それを午前だけでもさせたいという学校の考えだろう」

 

鈴の愚痴に箒が答える。俺も休みにしてくれた方が嬉しかったんだけどなぁ。ゲームしたいし。

 

「そういえばクジョキリはアンタの誕生日知ってんの?」

 

「え?………いや、知らない」

 

ていうか、ここ最近会話すらしてない。教室で会うには会うけどずっとノートに何か書いてるし、放課後も生徒会室に直行だし。今日も今日で学校休むってのほほんさん言ってたし……どうしちまったんだよキリヤん。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

同時刻 幻夢コーポレーション前

 

「世間一般は仮面ライダークロニクルで盛り上がってるのに。ここは相変わらずだねぇ」

 

「なんで俺まで連れ出したんだ」

 

「そりゃあタイガ先生いた方が心強いじゃん?」

 

停車しているレーザーレベル2にまたがる自分と自身のバイクにもたれるタイガ先生。俺たちの目線の先には幻夢コーポレーションの入り口。そこである人物を待つ。今現在ライダーガシャットに一番関わっている人物。

 

「お、来た来た。はぁーいおはようございます。宝生エムさん」

 

早足で会社に入ろうとする女性、宝生エムを引き止める。今現在ライダーガシャットの開発は彼女がトップらしい。

 

「……!?………な、何か用ですか九条さん、花家さん」

 

「あんな放送が全国に流れたら、誰かしらくるとは思ってただろ?」

 

自分は兎も角、顔が怖いんだからそんなに睨んだらエムさん泣いちゃうよタイガ先生?

にしても、まさかこの人がライダーガシャットの開発のトップなんてな……。

 

 

2日前……

 

『社長が行方不明?』

 

『ええ、学園祭で見失ってからね。会社にも戻ってないし、携帯にも出ない。ゲームのログインもしてない』

 

木綿季さんから社長さんが行方不明だと聞かされた時、仮面ライダークロニクルの犯人は社長かって思った。だってタイミングばっちしじゃん。

 

『私としては仮面ライダークロニクルとのタイミングがバッチリすぎると思うの。だからって社長がクロニクルの犯人とも思えない』

 

『その心は?』

 

『だって、そんな如何にも『私が犯人です』ってタイミングでいなくなると思う?あの社長が?だから私は、犯人を捜すために姿を消したんだと思うわ』

 

なるほどねぇ。確かに社長さんならやりかねない。まったく生態がわからない幻夢コーポレーションの社長、檀黎斗。分かっているのはゲーム好きってことだけ。

 

『因みに木綿季さんは犯人に心当たりは?』

 

『心当たりっていうか……まずライダーガシャットを作れるのはウチだけよ。なら犯人は幻夢コーポレーションの中にいる。その中でもライダーガシャットに関わっているトップは……』

 

 

「更式先輩がそんなことを………疑われても仕方ありませんよね……でも」

 

「でも?」

 

「私は、そんなことしてません……確かに、仮面ライダークロニクルは天条さんの企画を復活させたものです。でもそれをガシャットにするなんて………そんな恐ろしいことは」

 

「恐ろしいこと?てか仮面ライダークロニクルってな「テメェの言ってることが全部嘘なら、分かってるな?」いやまだ自分が話してるんだけど?」

 

「嘘は言ってません!本当です!」

 

エムさんが必死に訴えてくる。なんか嘘ついてるようには見えないんだよなぁ。ここは一旦引いた方がいいかな。

 

「帰ろタイガ先生。彼女は嘘ついてないよ」

 

「九条、根拠はあるのか?」

 

「そりゃあ、嘘つきの自分が言うんだから」

 

それに次のターゲットは決まった。すっかり忘れてたけど、これはタイガ先生にも好都合かもしれない。

 

さあ、(アマゾン)狩りを始めようか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

9月20日(水)PM04時00分

 

「はい、みんな集まってくれてありがとう。ご存知楯無さんだぞ!」

 

今日の昼、いきなり楯無さんから生徒会室に集合するようメールが来た。今現在生徒会室には俺と専用機持ち、楯無さんと虚さんだ。

 

「さて、今回集まってもらった君達に聞いてみたい。君たち、仲は良いかな?」

 

全員がキョトンとする。そりゃそうだ。いきなりそんなことを言われたら思考が停止する。てかそんなことで呼んだのか?ほらラウラが帰ろうとしてる!

 

「ああ、待って待って。今回の重要任務で必要なことなのよ」

 

「重要任務?なんだそれは?」

 

ラウラが聞き返してくる。それに対して楯無さんは咳払いをして扇子を広げる。そこには「戦隊」と書かれている。

 

「仲の良さってよりは、チームワークの良さかな?この任務に重要なのは」

 

虚さんが資料を配る。そこには『インフィニティーズ計画』と書かれている。

 

「インフィニティーズ計画?なんですかこれ」

 

「そこんとこは……虚ちゃん、お願い」

 

パンパンと手を叩く。それでいいのか生徒会長。

 

「はい。手始めにまずインフィニティーズ計画について説明します。インフィニティーズ計画は専用機持ちがIS学園を警備するというものです。その為の新装備をインフィニティーズ計画で主に使用します」

 

「新装備?俺たち専用機のですか?でも俺の白式がそれを受け入れるかどうか」

 

「それについてですが、新装備はISとはまったく異なるものです。起動には専用機が必要ですが、その性能はISを凌駕します。言ってしまえば進化系ISと言いましょうか」

 

「進化系……IS……って結局ISでは?」

 

「チッチッチ、これが違うんだよ箒ちゃん。この進化系ISは仮面ライダーに近いの。来るべき仮面ライダークロニクルに備えて、この進化系ISで学園を守ろっていうのが、このインフィニティーズ計画」

 

なんかとんでもない計画だな。にしても俺たち専用機持ちが仮面ライダー……結局はISだけど、それに近い存在になれなんてな。なんかキリヤんの隣にやっと立てた気がする。世間一般から見ればクウガは未確認生命体。でもこの進化系ISなら堂々とみんなの前でキリヤんと変身できる。感動だな。

 

「それじゃあとりあえず、アリーナ行こっか」

 

 

第3アリーナ

 

「これが進化系IS?」

 

「正式には『インフィニット・モーフィンブレス』よ。さあ、みんな変身よ!」

 

テキパキとブレスを操作する楯無さん。えっと、このボタンを押して……白式を呼び出す。確か声に出さないといけないんだっけ。

 

「着装!こい、白式!」

 

白式が起動して俺の全身を光が包み込む。そして光が弾け飛ぶ。

 

その時には既に、俺の体は白と銀のバトルスーツに包まれていた。

 

「それが、無限戦隊インフィニティーズの白担当、インフィニットホワイトよ!因みに私はインフィニットシアンね」

 

これが、インフィニットホワイト………てか、

 

「なんですか無限戦隊って。これそんな感じで進むんですか?」

 

「そうよ?箒ちゃんはレッド、セシリアちゃんはブルー、鈴ちゃんはマゼンタ、シャルロットちゃんはオレンジ、ラウラちゃんはブラック。そして私がシアンで一夏くんがホワイト」

 

みんなそれぞれの専用機のカラーと一緒の姿に変身する。いざ揃うと本当に戦隊だな。

 

「はい、それじゃあ無茶振りいくよ。みんな即興で名乗って!はい一夏くんから!」

 

「ええっ!?えーっと………白き閃光!インフィニットホワイト!」

 

「インフィニットレッド。篠ノ之箒」

 

「煌めく雫、インフィニットブルー!」

 

「ドラゴンマスター!インフィニットマゼンタ!」

 

「疾風の再誕!インフィニットオレンジ!」

 

「インフィニットブラック」

 

「辿り巡る淑女、インフィニットシアン!ってみんなバラバラ!」

 

確かにみんなバラバラだ。可笑しくなってみんなが笑いだす。こういうのも悪くないかも。てか結構即興でみんな言えるんだな。

 

 

 

こうして、俺たち無限戦隊インフィニティーズの特訓が始まった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お嬢様………いつまで隠されるおつもりで」

 

「………全部終わるまで?」

 

「流石にそれは無理かと。事態が悪化する前に皆さんにお伝えすべきかと。元々無限戦隊は『未確認生命体対策部隊決戦装備』だと」

 

「未確認生命体用だって知れば、真っ先に飛び出す子がいるでしょ。明かすのは未確認生命体を全部倒してからでも遅くないわ」

 

「…………決断されたからには、後悔しないように」

 

「分かってるわ。いざとなったら私が………」

 

決意を固めた楯無。その瞳の先には…………インフィニットオレンジ=シャルロットの姿があった。




無限戦隊インフィニティーズ結成!!前々から仮面ライダーとISを並べるとやっぱりスケールが違うって思ってた。だから並び立たせるにはチームを組んでもらうしかねぇ!という風にできました。

次回からは夏休み編にやったアマゾン関係を少しずつやりながら、クロニクルを進めようと思います。

ではsee you next game!

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