IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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遅くなりもうした。新章開幕なり!


桐也vs一夏!過去と闇!
第64話 サラシキの章 Paradox参戦


10月1日(日)AM10時24分

 

「ふあぁ〜」

 

「お眠かな〜キリヤん?」

 

「最近忙しすぎて笑えない……」

 

整備室にて。

 

自分は本音の工作を見ていた。工作って言っても図画工作じゃない。なんでもプロトガシャットを改良しているらしい。

てか改造できるんだな本音。技術者としてかなり優秀って先輩から嫌ってほど聞かされてたけど。

 

「ほほ〜ここがこうなってるだね〜」

 

「自分には意味不明だ……」

 

ゲームをするのは得意だけど、作るのは無理。てか作る気もないけど。

 

「それにしても最近、木綿季さんそわそわしすぎじゃない?」

 

「まあねぇ〜、実の妹が海外から帰ってきたんだもん」

 

「あ、やっぱり会長さんって木綿季さんの妹だよね?仲悪すぎじゃない?」

 

更識楯無と更式木綿季。同じサラシキなんだから関係はあると思ってた。

てかあからさますぎるんだよね。会長さんは露骨に木綿季さん避けてるし、木綿季さんは物陰から会長さん見守ってるし。

 

「なんであんな仲悪いの?」

 

「流石に私の口からでは言えないよ〜。説明も下手だしね〜」

 

「やっぱ本人に聞くしかないか……」

 

携帯を開き木綿季さんにメールを送る。

 

『至急、整備室に来られたし。さもなくばアンタのセーブデータを全て消す』

 

「よし」

 

「鬼だねキリヤん」

 

 

5分後。廊下を全速力で走る音が聞こえる。

 

「ちょっと桐也くん!?このメールはどういう意味!?」

 

「まあ、とりあえず座ってよ」

 

全力で走ってきた木綿季さんを椅子に座らせる。自分と本音も対面で座る。

 

「自分の質問に答えてね。答えなかったり嘘ついたらセーブデータを1つずつ消していく」

 

「鬼!悪魔!」

 

「簡単な質問だよ…………会長さんとどういう関係?」

 

わーわーわめいていた木綿季さんの動きが止まった。それと同時に目をそらす。やっぱりワケありじゃんか。

 

「本音ちゃん、助けて……」

 

「それはむりぽ〜」

 

「ここにも悪魔が……………いいえ、いずれ話すつもりだったし…………話すわ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

同時刻 食堂

 

「あら、お勉強かしら一夏くん」

 

「最近お前は外に出ずっぱりだから、今日は中にいろ、って言われまして……仕方なしに勉強です」

 

「うんうん、向上心がある子はお姉さん好きよ」

 

食堂で勉強をしていると楯無さんが話しかけてきた。楯無さんも暇そうだなぁ……。

 

「あ、そうだ。木綿季先生さっき全速力で走って行ったな……」

 

「…………話題作りが下手ね一夏くん」

 

「すいません…………でも、気になるんです。楯無さんとどういう関係があるのか」

 

楯無さんは一瞬険しい表情になったが、すぐにいつも通りの楯無さんに戻った。

 

「…………そうね、私もいつまでも意地をはってる場合じゃないか……」

 

楯無さんは俺の隣に座ると話し始めてくれた。

 

更識家の過去を。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

更識家は代々『楯無』の名を受け継いでいる。楯無こそ更識家一番の実力を誇り、暗部としての重要な役割を担う。

 

そしてその楯無の名を継ぐ『はず』だった人がいる。更識木綿季。更識家の長女だ。

 

成績優秀、スポーツ万能、何事においても優秀だった木綿季。楯無の名を継ぐには相応しい人材だった。

 

しかし木綿季は楯無の名を拒んだ。

 

木綿季には夢があった。それはゲーム制作会社に就職して、世界で一番面白いゲームを作ること。

木綿季は更識家の家系の中で一番のゲーム好きだった。故に夢を持ってしまった。

 

それでも木綿季に楯無の名を継がせたい更識家。木綿季は拒み続け、遂には家を出て行ってしまった。その後更識家から勘当扱いにされてしまった木綿季。

それから彼女は更識を更式に変え、更式木綿季として生きることを選んだ。

 

 

 

では、受け継がれなかった楯無はどうなるのか。

 

 

 

次に優秀な人に受け継がれるのだ。

 

それが楯無………いや、更識刀奈だ。刀奈こそが本当の名なのだ。

 

刀奈は楯無の名を継ぐことを拒まなかった。木綿季と同じぐらい優秀な刀奈。楯無を名乗ることになっても優秀なことに変わりはなかった。

 

いや、優秀すぎたのだ。優秀すぎた故、周りからの期待が重くのしかかった。何度も挫けそうになった。それでも『私は楯無だ』と何度も自分に言い聞かせてきた。

 

結果、刀奈は歴代で最強の楯無となった。

 

 

 

 

 

木綿季は刀奈が楯無になったことを聞いて、酷く自分を責めた。自分のせいで妹の未来を壊してしまったと。楯無となった以上、自由に夢を見ることは出来なくなる。

木綿季は今でもそれを後悔している。あの時自分が楯無になっていればと……。

 

 

対する刀奈は自分に何も言わずに出て行ったことを怒っていた。朝起きたら姉がいなくなっていた。両親に聞けば姉は勘当扱いになったと言う。楯無を継げと言われたことよりも、姉が何も言わずに出て行ったことにショックを受けていた。

 

 

木綿季からそれを聞いた桐也と、

 

刀奈からそれを聞いた一夏。

 

離れていても、考えることは一緒だった。

 

「「うん、とりあえず謝ろうか」」

 

「あのねぇ?自分が妹の夢見る権利を奪ってしまったって思うならよ?まず謝ろうよ。物陰から見てる場合じゃないよ?」

 

と桐也

 

「どうして?って思うならまず聞きましょうよ。露骨に避けるのは違いますよ。まずそのことを謝ってから聞いてみましょう?」

 

と一夏

 

その後も2人の説得?が続き、

 

「「分かりました………謝ってきます……」」

 

と年上2人を謝らせに行かせたのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はぁ……なんか説教みたいになっちゃった?」

 

「あのくらいがちょうどいいんだよ〜」

 

本音は再びガシャットの改良に取り掛かった。自分もなんかやること見つけてやりたいけど……

 

「やることねぇなぁ…………先輩に電話しよ」

 

虚先輩に電話をかける。するとすぐに繋がった。

 

『ナイスタイミングね。今貴方に電話しようと思ってたの』

 

「自分に?嬉しいねぇ。何の用?」

 

『仮面ライダークロニクルの時間よ』

 

「オゥ………………りょ、すぐ行きまーす」

 

電話を切る。このタイミングは最悪だよバカ。爆走バイクはまだ使えないし………士さんからもらったアレらを使うか。

 

「ちょっと行ってくるわ」

 

「待ってるね〜」

 

 

というわけで現場到着………って、

 

「ライドプレイヤー同士の戦いは禁止じゃなかった?」

 

そこではライドプレイヤー同士が戦っていた。更に爆走バイクのバグスター、モータスと戦うエグゼイド、虚先輩の姿もあった。

 

「さりげなくレジェンドライダーガシャット使ってんだからあの人」

 

虚先輩もマイティアクションX以外が使えない状態だ。だから士さんからもらったレジェンドライダーガシャットを使って戦っている。

 

虚先輩が使っているのは『ミラーラビリンス龍騎』。鉄仮面のドラゴンライダーだ。

 

「んじゃ、自分も行きますか」

 

『モシモシファイズ!』

 

自分が起動させたのは『モシモシファイズ』。携帯電話で変身する仮面ライダーだ。

 

「変身!」

 

『ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!モシモシファイズ!モシモシファイズ!!』

 

ファイズゲーマーに変身してライドプレイヤーたちを退かしていく。

 

「はいはい邪魔だよっと!」

 

「来るのが遅かったわ、ね!!」

 

「姉妹の仲直りを手伝ってただけだよっ、と!」

 

モータスを2人で蹴り飛ばす。それから虚先輩はドラグセイバーとガシャコンブレイカーの二刀流でモータスを追い詰める。

 

自分は乱闘してるライドプレイヤーたちを止めに入る。ゲームは楽しくプレイしましょうってね。

 

「はーい、そこまでだよっと!」

 

「邪魔すんな!」

 

「退けよ仮面ライダー!」

 

「散々な言われよう………あのね?自分もそこまで言われたら手が出ちゃうよ?」

 

ライドプレイヤーの1人を殴り飛ばす。勿論本気で。こういうのは本気でやらないと。

 

「まったく、騒ぎを大きくしてどうするのよ!」

 

『ミラーラビリンス!クリティカルストライク!!』

 

「はあっ!だあぁぁぁ!!!」

 

炎を纏ったドラグセイバーがモータスに炸裂する。怯んだモータスに更に炎の連続攻撃を叩き込む。オーバーキルにも程があるよ先輩?

 

「これで、終わっ「そこまでだぜエグゼイド」なっ!?」

 

いきなり虚先輩が吹っ飛ばされる。

何事かとモータスの方を見ると……

 

「テメェ……ダグバ!」

 

「久しぶりだなレーザー。一夏はいないのか?」

 

ダグバが不敵な笑みを浮かべながら立っていた。あの野郎に吹っ飛ばされたのか。

 

「名人はいねぇよ。自分じゃ不満か?」

 

「…………ひー、ふー、みー……いや、この数なら不満って程じゃない」

 

そう言うとダグバは懐からガシャットを取り出しやがった。形はタイガ先生や会長さんが持っているガシャットと同じ。なんであいつが?

 

「俺とゲームしようぜ」

 

『PERFECT PUZZLE!』

『what's the next stage?』

 

「変身」

 

『DUAL UP!Get the glory in the chain!PERFECT PUZZLE!』

 

ダグバはガシャットを操作して青い仮面ライダーに変身した。その姿は明らかに自分たちのゲーマライダーを凌駕していると見える。

 

「そうだな……仮面ライダーパラドクスってのはどうだ?正義の味方仮面ライダーが人類に牙をむく。矛盾したライダーが俺だよ」

 

「ハッ!言ってろ。自分たちに勝てると思ってんのか?」

 

「油断しないで。相手の力は未知数よ」

 

「上等だ……ノリにノッてくぜ!!」

 

『モシモシ!クリティカルフィニッシュ!!』

 

パラドクス目掛けてガシャコンスパローで攻撃する。しかしパラドクスは避けようとしない。

 

「それじゃあ、遊ぼうか」

 

パラドクスはスパローの攻撃を手で受け止めるとコッチに投げ返してきやがった。

なんとか自分は回避できたけど、虚先輩が食らってしまった。

 

いや、避けられなかった。避けてしまえば背後にいたライドプレイヤー達に当たってしまうからだ。

 

「先輩!体力が!」

 

「いい、から………目の前の敵に、集中しなさい!!」

 

「先輩…………くっ!」

 

複数のライドプレイヤーに怪我した虚先輩。

あらら……結構ピンチ?

 

「まあ、簡単に負けてやるつもりはねぇぜ」

 

「ハハッ、心が躍るなァ!!」




パラドクス参戦です!え、サブタイで分かってた?
そしてバイク名人オリジナル設定!更識三姉妹なり!長女の木綿季、次女の刀奈、三女の簪で構成されてます。出来れば簪は次回に出せるかな?

次回はレーザーvsパラドクス!そして姉妹は仲直り出来るのか!?

ではsee you next game!

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