IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

70 / 88
お久しぶりです。
一か月後に書くとか言いながら二か月近く間が空いてしまいました。申し訳ございません!
これからも少し書くペースが落ち可能性があるのでご了承ください!

今回は桐也の過去にちょこっと触れたいと思います。


第66話 九条桐也の章 幼馴染がTarget!?

10月11日(水)AM10時20分

 

桐也の姿は病室にあった。先日のダグバとの戦いの傷は癒えている。では何故か?

 

「あ、来てくれたんだね桐也くん!」

 

「よっ……まあ、幼馴染だし」

 

幼馴染に会いに来たのである。理由は2つあるが。

 

 

10月10日(火)PM05時20分

 

「5日で30人………ねぇ」

 

書類に目を通す桐也、虚、楯無の3人。書類には未確認生命体による被害について書かれていた。

 

場所はとある高校。時刻は今日の午前11時頃。被害者はその生徒1年3組。被害人数は15人。いずれも鼻や口から血を吹き出して死んだらしい。

そして死体のそばに置かれた紙に『5日で30人』と書かれていた。このクラスの人数は30人。つまり1年3組全員を5日で殺すという意味だろう。

 

「ですが、ターゲットが分かっているなら防ぎようはあるのでは?」

 

「被害者の頭の中から歪に曲がった針が見つかったわ。恐らくこれで脳を傷つけて殺したのでしょうね」

 

「頭の中に針?何クラス全員の頭の中にあるってわけ?」

 

「恐らくね…………それは既に頭の中に仕込まれていて、未確認の合図で針が変形、脳を破壊する…………タチが悪いわね」

 

残虐な手法。いかにも未確認生命体が好きそうな殺し方だ。奴が指を鳴らせばその時点で死が確定する。

 

「とりあえず残りの14人には暗部が護衛についてる…………まあ、役に立つかどうか分からないけど……」

 

「既にスタンバイ完了してるからねぇ………ん?14人?あと1人は?」

 

「あと1人は病院に入院しているみたいなの。今回の事件とは関係なく生まれつき体が弱い子みたいでね」

 

そう言って楯無は桐也に写真を渡す。その写真を見て桐也は、

 

「この子には俺が護衛につく。誰が何と言おうとな」

 

自ら警護につくと志願したのだ。そうその写真の子こそが桐也の幼馴染である『藍原奈津子』だったのだ。

実は体が弱いことを知っている桐也は前々から彼女の元を訪れていたのだが、それを知らない虚達は、『珍しくやる気な桐也』としか思えず楯無もダメとは言えず、そのまま警護をお願いしたのだった。

 

◇ーーーーーーー◇

 

「最近よく来てくれて嬉しいよ!病院退屈だもん」

 

「あのね、病院は楽しむところじゃないからね?」

 

「そ、それは勿論知ってるとも!……でも退屈なのに変わりはないよ」

 

病院が退屈なところってのは彼女が一番分かっているのだろう。

ガキの頃からよくなっちゃんとは遊んだもんだ。俺がアロハ好きなのもなっちゃんに色々とアロハグッズを押し付けられたからだし。

 

「まあ仕方ないよなっちゃん体弱いし」

 

「ううっ………あーあ、早くハワイ行って豚骨ラーメン食べたいなぁ」

 

「アロハ好きなのにハワイ行ったことないもんな」

 

「それ桐也くんもでしょ!まあ自分、ハワイより凄いとこ行ってますからぁ?」

 

「はい嘘」

 

「何でバレたのぉ!?」

 

なっちゃんは嘘をつく時一人称が『自分』になる。これも昔からの癖だが直す気はないようだ。

 

「でもでも!アロハシャツって可愛い柄が多いから好きなんだよね!桐也くんのそのデザインのも大好き!」

 

「サイズ違いのをなっちゃんに貰ったからな」

 

「およ?そうだっけ?……ごめん忘れちゃった!」

 

やはり、と言うべきか。

なっちゃんには記憶がない。何故記憶がないのかは…………まあ、今はいいだろう。

 

「あ、そろそろヒイロ先生来る時間」

 

「げ、マジかよ自分あの人苦手なんだよなぁ。変に目つけられる前に隠れなきゃな」

 

「私も苦手なんだぁ。なんかこう、『私失敗しないので!』って感じが苦手」

 

「分かる分かる。んじゃ、また」

 

「うん、バイバーイ」

 

なっちゃんの病室を後にする。部屋を出たと同時にある男に声をかける。

 

「苦手だってよ大先生?」

 

「患者に嫌われるのは慣れている。心配は無用だ」

 

鏡ヒイロ先生。この病院の天才医師とも呼ばれ海外でも色々実績を残しているらしい。そんでもって仮面ライダーブレイブでもある。まさか会長さんと貸し借りしてたなんてな。

 

「お前の任務は彼女の護衛ではないのか?対象から離れてどうするつもりだ」

 

「いっつもこれぐらいで切り上げてんの。なのにいつもより長居したら変に思うでしょ?」

 

「お前なら適当な理由が思いつきそうだがな」

 

それと同時にタイミングが良いのか悪いのか俺の携帯が震えた。大先生に許可を貰ってメールを確認する。

 

「…………適当……って訳じゃないけど、これならここを離れても問題ないよな?」

 

「…………行ってこい」

 

「りょーかい」

 

近くの窓から飛び降りながら変身する。

メールには未確認が現れたと書かれていた。

 

◇ーーーーーーー◇

 

10月11日(水)AM10時50分

 

工場跡地

 

「何処かなぁ………何処に行ったのかなぁ…………ここかな?」

 

未確認生命体ゴ・ジャラジ・ダは人を探していた。自分が殺すターゲットを探していた。警護についていた護衛は手足をもいで動けなくした。そう自分が決めたターゲットしか殺してはいけないルールだからだ。

 

「出ておいでよぉ〜」

 

ジャラジから逃げてきた女子生徒は恐怖のあまり失禁し動けないでいた。誰か助けてとしか願えなかった。

 

「出ておいでぇ…………ん?」

 

「おら出てきてやったぜ」

 

「そこを動くな。狙いがそれる」

 

ジャラジを挟み込む形で2人の仮面ライダーが現れた。エグゼイドとレーザーターボ。2人ともゲキトツロボッツとプロトシャカリキスポーツで武装している。

 

「テメェのやってるのは未確認の中でも最低レベルのクズさだぜ」

 

「よしなさい。奴にとってはそれは褒め言葉になるわ」

 

「よく分かってる、なぁ!!」

 

ジャラジはネックレスから針を取り外し、長槍に変化させて2人に迫る。

それに対してレーザーはスポーツゲーマの車輪を、エグゼイドはロボットゲーマのナックルを発射する。

 

ジャラジが車輪とナックルを弾くと2人に向けて針を投げつける。

2人はそれを躱してスパローとブレイカーで接近戦を仕掛ける。

 

「はっ!先輩!」

 

「たあっ!!」

 

ジャラジを飛び越え背後に回り込むレーザー。それに気を取られているとエグゼイドがジャラジにハンマーでダメージを与えていく。更に怯んだジャラジ目掛けて矢を連続で撃ち込むレーザー。

2人の連携はここ数日でかなりの物に仕上がっていた。

 

「うげっ!?」

 

「そらよっ!!」

 

レーザーの回し蹴りで吹っ飛ばされるジャラジ。吹っ飛ばされた先には、

 

『キメワザ!ゲキトツ!クリティカルストライク!!』

 

決め技を発動し、ナックルに力を込めたエグゼイドが待ち構えていた。

 

「せやあっ!!」

 

特大の一撃を食らったジャラジはそのままドラム缶などが積まれた場所に吹き飛ばされ、大爆発を起こした。

 

「しゃ、楽勝じゃん」

 

「ええ…………上手く行き過ぎている」

 

虚の不安が的中したのか、爆発した場所から指を鳴らす音が聞こえた。

その数13回。

 

「ヒッヒヒヒ…………ウェッヒャハハハハ!!!」

 

「あの野郎、まだ生きてやがったのか!」

 

「なら今度こそ!」

 

「残念でーしーたー!!今ので13人死んだぜ?」

 

「なんだと?」

 

「そんなデタラメが「デタラメかどうか試してみるかぁ?」…………なにを」

 

ジャラジは再び指を鳴らした。今ので合計14回。

すると桐也たちの戦っていた方とは逆から女の悲鳴が聞こえた。

 

「痛い!痛い!痛い痛い痛い痛い痛い!!!助けて助けてよ!助けああああああっ!!」

 

虚と桐也がその場に走ったときには既に遅く、ジャラジから逃げ隠れていた女子生徒は鼻や耳から血を流し、目と口から針が飛び出していた。

 

「ソイツにはサービスしてやったぜ?」

 

気味の悪い笑い声をあげるジャラジ。

奴の言葉が本当なら、今ので14人死んだのだ。つまりターゲットはあと1人。

 

あっという間に14人も殺されてしまったことに、唖然とする桐也と虚。

 

その場にはジャラジの笑い声だけが響いていた。




一気に14人殺されて合計29人殺されてしまいました。この時点で桐也たちの負けみたいなもんですが、あと1人は絶対に守らなければならない。じゃないと色々と不味いもん。

次回は桐也の過去、ゼロデイ、そしてレーザー最強オリジナルフォームが登場です!

ではsee you next game!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。