中忍試験間際にダンゾウの元に届けられた一通の手紙。
そこには最近できた音隠れの里長から長々と不明瞭な事が書かれており、遠回しにダンゾウの三代目に対する劣等感を煽るような事も書かれていた。
音隠れの里長が大蛇丸なのは情報通なら誰でも知っている。
そして最初の不明瞭な部分の文頭を繋げて"ひらがな"にすると「このはくずし」とも読める。
つまりこれは大蛇丸から"木ノ葉崩し"をするが三代目を狙うから邪魔をするな、というメッセージなのだ。
オレは悩んだ。
木ノ葉を想うなら悩む必要はないが、この提案を断ると伯父上の死に気づかれる可能性がある。
また、これは各所にアジトを持つ大蛇丸をおびき寄せて仕留めるチャンスでもある。
熟考していたオレに、最近は静かだった四代目から念話が届く。
(ハフリくん、ナルトが中忍試験を受けるそうなんだ!
オレに裏口で試験官やらせてくれないかな?)
こいつでいいか。
「"根"のキツネ、お前に任務を与える。
中忍試験で怪しい動きをする者たちを監視し、大蛇丸を発見した場合は即座に仕留めろ」
(えっと、自由時間とかは……?)
「九尾の人柱力に不審な行動が見られたら優先的に監視する事を許す」
(やった!)
よし、オレは非戦闘員の避難とかで株を上げるとしよう。
木ノ葉が大ダメージ受けたら全部コイツのせい。
そして始まった中忍試験。
筆記試験では9問まで問題を解き、10問目で辞退しなければ合格という優しいスタイルだったから九割くらいが残った。
第二試験では一班一つ巻物を持ち、"天地"二種類を揃えて"死の森"の奥の塔に行くという内容であった。もちろん死の森はただの森ではなく、危険生物が大量にいる。その所為でドンドン受験生は減っていくが、おかげで面白い事が分かった。
(砂隠れの我愛羅って子が砂を自在に操ってる!
たぶん一尾の人柱力だ……!)
なんと!砂隠れの受験生の中に一尾の人柱力がいたのだ!
四代目に六道の杭を渡してよかった。
これで何時でも人間道にできる。
そしてそれには及ばないが、ナルトの班員であるイタチの弟が大蛇丸に遭遇して呪印を付けられたという報告があった。
呪印か、思い出したら胸糞悪くなってきたな……。
その後、四代目はナルトが傷つけられた事にキレて大蛇丸に襲いかかり、激昂していたせいかロクに成果も出せず、穢土転生で蘇った事がバレた上に逃げられたらしい。
あーあ、これで屍鬼封尽が解除可能ってわかっちゃうし、九尾のもう半分が木ノ葉にあるってバレたな。
「アイツ本当ふざけんなよ。
任務舐めてんのか……!」
……もうブチ切れそうです。
「グァアアアア!!!」
音隠れの忍を砂を纏った手で惨殺する我愛羅。
血と肉片が民家の屋根を汚す。
我愛羅の顔は狂気に染まっており、正常な思考は期待できそうにない。
むしろその方が都合がいいが。
ガッ
一瞬で移動し、人間道で魂を抜こうとするが砂に防がれる。
砂で防がれた際に面白い手応えを感じたので一部を引き出してみると、その魂は女性の顔に変形した。
しかもその魂は強く、どんなに引っ張っても最初ほど引き出す事ができなかった。
「これは、砂の禁術による憑依か……?
ーー相性が悪いな!」
我愛羅の砂の腕が振るわれる。
オレは左腕で受け止めながら人間道を発動し、右足に爪の形の鳳遁チャクラを纏わせて蹴り飛ばす。
ーー鳳遁
肉体が飛んだことで魂が取りやすくなり、我愛羅から一尾の魂が三割ほどと一尾化していた左足が引き抜かれる。
文字通り肉体が引き裂かれる痛みに叫ぶ我愛羅。
それに呼応して一尾の模様の砂が高速で迫り、
グチャッ
志村ハフリは死んだ。
「ハァハァ、一尾の癖に強すぎだろ……!」
伊邪那岐尊で死にながらも生還したハフリは荒い息を吐く。
砂に取り憑いた女の亡霊と一尾のチャクラ。
あの一瞬だけ守るだけだった亡霊が怒気を発し、攻勢に移ったかと思えばいつの間にか死んでいた。
まさに砂の最終兵器。
一尾と女の亡霊が攻守に分けずに力を合わせた時、おそらく最強の人柱力となる。
母は強し。
一尾を持っていて迦楼羅の砂を使いこなせたら最強だった。
まさに狐七化け狸ヤバ気
究極の一ですね、アルティメットワンですわ。