2人目の六道(ガチ)   作:SS教

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六道仙人とオレ

木の葉隠れの里の外れ、うずまき一族の紋の付いた屋敷。

その中でオレは輪廻眼を使い、以前四代目火影が使用した屍鬼封尽に近いチャクラのものを感知する。

 

「これは、鬼の面……?」

 

そこにあったのはたくさんの鬼の面。

とりあえず屍鬼封尽のチャクラを発する面を手に取ってみる。

 

「?」

 

屍鬼封尽の時に口寄せ?された死神の顔に似ているような気もする。

どう使えばいいんだ?

 

手当たり次第(たな)箪笥(たんす)を漁っていると巻物を発見した。

 

「うずまき一族の秘伝忍術 金剛封鎖……尾獣も縛れるのか、かなり強力だな。うずまきの大元は六道仙人だからオレにも使える。良いものを拾ったな」

 

オレは巻物を持ってきたパックにしまって作業を再開する。

その後、オレは結局何も見つけられなかった。

 

 

 

うずまき一族の屋敷を出たオレは一人森の中を歩いていた。

 

(オレは何がしたかったんだろう……?

伯父上に内緒で九尾を解放して九尾に六道仙人の事を聞いて、そこから如何したかったんだろう……?

……この感じ、鳳遁を開発する時と同じだ。六道仙人にない志村ハフリだけの物を欲しがってる。オレはクローンである事に、六道仙人である事に、劣等感を感じてるのか?

……まるで子供、いや、年相応なのか)

 

そんな事を考えて頭をかこうとした時、手に持っていた鬼の面が落ちて頭に乗った。

その瞬間、ゴウッと身体から力が抜けていったかと思うと、

 

ズズゥウオオンッッ

 

背後に屍鬼封尽の死神がいた。

 

「なにッ!?」

 

そして死神は手に持つ短刀を腹に刺し、切り裂く。

 

「ゴフッ!!?」

 

何故か死神が腹を切り裂いた直後に激痛と共にハフリの腹部から血が溢れ出す。

死神は腹から二つの魂を解き放つ。

 

(四代目と九尾か!)

 

オレは九尾のチャクラを発する方を人間道で掴み、地獄道に取り込む。

 

いつの間にか死神は消えていたようだ。

もう大丈夫か?

 

ハフリの輪廻眼にチャクラが込められ、その真の力が解き放たれる。

 

伊邪那岐命(イザナギノミコト)

 

輪廻眼の本来の保有者だけが使える固有瞳術。

中でもハフリ、そして六道仙人が持つ伊邪那岐命は別格であり、多大なチャクラの消費と引き換えに気に入らない結果を書き換えることができる。

 

チャクラが半分ほど消費されたのが分かる。

初めてだが上手くいったようだ。

血まみれだった服は綺麗になっていた。

 

「ふぅ、思ったよりもチャクラを使うな。使い所には気をつけよう。

あとは……」

 

右手に掴んだものを見る。

荒々しいチャクラと相応の威圧感。

 

「これが九尾か……」

 

 

 

ピチャンッと音を立てて水面に波紋が広がる。

目の前にはかつて見た三尾や九尾よりも小さな九尾だが、それでも三尾に匹敵するプレッシャーを感じる。

 

『そのチャクラ、六道の爺と同じだな。何者だ小僧』

 

九尾はその眼を僅かに不快そうにし、上から目線に尋ねる。

実際あちらが上なのは間違いない。尾獣に有効な封印術を持たないオレでは輪廻写輪眼を以ってしても九尾に身体を乗っ取られてお終いだろう。

 

だが、たとえ死んだとしてもオレは聞かなければならない。

オレには貫ける芯がない。

ただ伯父上に言われるがままに道具のように育ったオレでは問題を抱えて成長し、木の葉を裏切って敵に寝返り世界を滅ぼす一助となる可能性すらある。

 

「私……いや、オレは志村ハフリ。六道仙人のクローンだ。もしオレにほんの少しでも感じるものがあるならオレの願いを聞いてほしい」

『クローン?とうとう人間共はそんな物にまで手を出したか……

フンッ、言ってみろ』

 

「オレと六道仙人の違う所を教えてくれ」

 

そう、それが知りたい。

志村ハフリ(オレ)という人格にどれほど重さがあるのかが知りたい。

六道仙人ではない志村ハフリが存在するのかが知りたい。

 

九尾はオレの懇願を鼻で笑った。

 

『全部だ。他のヤツらもそう言うだろうよ。

テメェが爺だなんて認めねえ。角が無え、眼が違え、口調が違え。性格も違うし考え方も違う。経験も足りねえし根性も足りねえ、おまけに目も足りねえ。時代も違うし環境も違う。術の使い方も違うだろうし技術も違う。食い方も違いそうだし寝相も違いそうだ。チャクラが少ねえ、体力が少ねえ、髪が短けえ、髭が無え、シワが無え。

ーー何よりも、自分が無え」

 

一言一言が心にのしかかる。

そして最後の一言。

誰かに聞こうと思ったのが間違っていたのか?

こんな事実は知りたくなかった。

オレは、六道仙人ですらない。

 

『ワシから言わせて貰えば』

「……」

 

『テメェがなれるとするなら志村ハフリだけだ』

「……!」

 

最初とは比べ物にならないくらい優しい声音で九尾は言った。

頬に熱いナニカが流れる。

その言葉は何かからオレを解放した。

 

パキッ

 

顎の下、見え辛い部分から墨汁のようなものが(こぼ)れる。

これは……

 

『呪印か。爺と違いすぎるわけだ』

 

呪印、いつの間にか伯父上に付けられていたようだ。

育ての親は想像以上の外道だった。

 

『どうする?今のお前なら爺のようになれるかもしれんぞ』

揶揄(からか)うな。オレは志村ハフリ以外にはなれないんだろう?」

 

オレという人間はこんなにも感情豊かだったのか。

これが喜びか、これが欲か。

オレは目の前の恩人に言わなければならない。

礼をそして、

 

「ありがとう九尾、オレと」

 

ーー友達にならないか?

 

初めて抱いた感情を口にしたオレ。

九尾は口角を吊り上げ、

 

『断る』

「……そうか」

『自分すら持たない分際でワシをダチにしようなんざ百年早えんだよ』

 

自然と気分が落ち込む。

これが悲しみ、今までの自分はそれすら感じなかった。

ふと見上げると九尾は不機嫌そうになっていた。

 

『第一ワシの名前は九尾じゃねえ。九喇嘛(くらま)だ』

 

どうやら九尾は渾名だったようだ。

機嫌を損ねてしまった、どうしようか。

 

「そうか。なら恩を返させてくれないか、九喇嘛」

『ほぉ?お前がワシに何かできるのか?』

「あぁ、今魂だけの状態だろう?新しい肉体をやるよ」

『……貴様、ワシの肉体を持ってるのか?』

「いや、持ってるヤツに用がある」

『……何する気だ?』

「報復さ」

 

ーー八年分のなァ!

 

 

 

「ハフリ、このような時間まで何をしておった。

……ワシが納得できる理由はあるんだろう、なァッッ!!?」

 

ボトッ

 

オレが何の前触れもなく振るった愛刀によって伯父上の左腕が肩からバッサリと切り落とされる。

その拍子に顔の包帯が落ちた。

 

「ヘぇ」

 

包帯の下の伯父上の顔は豹変していた。

左目は赤く光る三つの勾玉のある眼、写輪眼。そしてその周りは真っ白になっており、頭の横には角のような出っ張りがある。

なるほど、伯父上が怒りっぽくなったのは……たしか両腕と顔の左半分に包帯を巻き始めた時からだったか。

 

「なら右腕もかな!」

「グアッ!」

 

バキャッ

 

木。

そうとしか言えない感触が両腕に伝わる。

服で隠れているが、もう封印らしき包帯は無いので両腕と左目の正体はわかった。

 

右腕は初代火影。左目は伯父上の戦友 うちはカガリ。そして左腕は、オレ。

 

「どこまでも不愉快な人だ。

恩師の肉を抉り、友の眼を奪い、弟子の血を啜る。業が深すぎるな。

おまけに写輪眼はギリギリ、柱間細胞には呑まれかけ、六道細胞に至っては脳まで犯されている。

ーー醜いな」

「きさまぁァアアアアッッ!!!」

「黙れ」

 

ーー鳳遁 鳳嘴殺!

 

ジュッ

 

「〜〜〜ッッ!」

 

ダンゾウの(のど)貫手(ぬきて)が放たれ、声が発せず悶絶する。

肉の焼けた匂いが立ち込める室内でオレはダンゾウを見下す。

 

「アンタは小物だ。確固たる信念も無く、三代目が温厚だから過激であろうとし合理的になれない。いつかその欠点は致命的な物になる。

ーーアンタは上に立つ者に相応しくない」

 

メキメキッ

 

ダンゾウの眼が血走り、柱間細胞と六道細胞に侵食されていく。

右が茶色、左が白と肥大化と共に塗り潰されていき、写輪眼も勾玉が薄れて輪廻眼へと変化していく。

 

「もはや人ですらないな」

 

ーー天遁 建御雷神(タケミカヅチ)

ーー炎遁 天照(アマテラス)

 

ハフリの両眼から血が流れ、万華鏡写輪眼の力が解き放たれる。

 

「鳳遁 大紅蓮黒凰覇(だいぐれんこくおうは)

 

漆黒の鳳凰がかつてダンゾウだった怪物を飲み込み、天に飛び立つ。

 

 

 

「ダンゾウ様!ご無事ですか!?」

 

しばらくして暗部の男が部屋に入ってきた。

男は2人が傷を一つも負ってない(・・・・・・・・・・)のを見て安堵する。

 

「ああ、ワシとハフリで襲撃者は灰にした。戻ってよい」

「ハッ」

 

男が去った後、ダンゾウは結界を張り人造九尾を口寄せする。

 

「さぁ、九尾。次はお前の番だ」

 




時系列が同じ物を一つにまとめました。
話数が減っていて驚いた方はすいません。
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