2人目の六道(ガチ)   作:SS教

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四対六から九対六

ハフリは怪しい者に九尾が狙われる事を危惧し、四代目を九尾の人柱力である彼の息子 うずまきナルトの護衛に宛てた。

これには彼がオビトを逃した事への罰も含まれており、精々近くにいるのに話しかけられない事を苦しめ、という考えで始めた事だったが、すぐに後悔する事となった。

 

(ハフリくんハフリくん、今日はナルトが変化の術を使ってたよ。ちょっとエッチな術だけど……)

 

(ハフリくんハフリくん、ナルトがアカデミーで卒業できないみたいなんだ!ちょっと裏口で何とかしてくれない?)

 

(ハフリくんハフリくん、ナルトが影分身の術ができるようになったみたいだよ!ミズキのヤロウをぶっ殺さずに見守ってよかった!)

 

(ハフリくんハフリくん、大ニュースだ!今日ナルトが)

 

「うっるさぁあああいッッ!!!」

 

ノイローゼになる程、いや…ノイローゼになっても尚ナルトの事を話し続ける四代目。

穢土転生の死人は眠る必要はないが、わざわざ寝てる息子の寝言寝相を伝えてくる意味はあるのだろうか?。

 

(あ、あの…ハフリくん?)

「お前うるさい!どうでもいい情報省けぇ!」

(いや、今度は大ニュースなんだ!ナルトが戦った"鬼人"桃地再不斬(ももちザブザ)が六尾の人柱力の居場所を知っていたんだ!)

「なにっ!?」

(そして!)

 

まだあるのか!と驚いたハフリは四代目の次の言葉に集中する。

 

(ナルトに友達ができたんだ!)

「どーでもいいわッッ!!!」

 

四代目は親バカではなく、バカだった。

 

 

 

「オレお前の所為でノイローゼだから」とハフリに六道の杭をぶち込まれ、人間道に仕立て上げられた事で左眼が輪廻写輪眼に変化した四代目。

彼は桃地再不斬がナルトの班の担当上忍 はたけカカシから逃げる際、見逃す条件として聞いた霧隠れの抜け忍にして六尾の人柱力 ウタカタの隠れ家に来ていた。

 

木ノ葉がある火の国と霧隠れがある水の国、その大体中間くらいの場所にそこはあった。

雲のように空を埋め尽くす大量の泡。

何かから守るように泡で覆われた小さな家。

その屋根の上にウタカタがいた。

 

「やぁ、こんにちは。ボクは木ノ葉の"根"に所属するキツネ」

「……お前、誰からこの場所を聞いた?」

「君と同じ抜け忍の桃地再不斬からだよ」

「あのヤロウ、オレを売りやがったか……!」

 

怒気を発するウタカタ。

慌てる四代目。

 

「ボクがここに来たのは戦うためじゃない。君を"根"に迎え入れに来たんだ」

「"根"だと?どうせオレの中の尾獣でも狙ってるんだろう?

第一"(しのび)(やみ)"とか言われてるヤツの部下なんて霧隠れと大差ないじゃねえか」

「……断るのかな?」

「当たり前だろう」

「なら」

 

チャキッ

 

四代目は三叉の特注クナイを構える。

ウタカタもキセルのような物を口にくわえる。

 

「そんな事だろうと思ったぜ」

 

ーー水遁 泡沫の術

 

ウタカタのキセルから泡が溢れ出す。

しかしそれらはすぐに破壊される。

無数に現れた手裏剣によって。

 

「手裏剣影分身の術。

君とは相性が良さそうだね」

「……舐めるなよ、三下がッ!」

 

ウタカタの全身を赤いチャクラが覆っていく。

 

「チャクラの衣、それも六本分。

まさにしっぽを出したね」

「……それが遺言でいいんだな?」

 

ーー溶遁 酸性雨

 

空を覆っていた泡から雨のように酸性の液体が降り注ぐ。

四代目の服はそれらが当たった所から溶けていくが、同時に穢土転生の特性で修復され、延々とそれらを繰り返す。

その光景はウタカタの目には何の影響も与えられていない風に映った。

 

「オレの術で溶けねえとは……服が特殊なのか、お前が特殊なのか。

只者じゃないのは間違いねえな」

 

ーー溶遁 大瀑酸衝破(だいばくさんしょうは)

 

ウタカタが印を結び、地面に大量の酸を吐き出す。

するとそれらは降り注ぐ酸性雨に強化され、酸の津波となって四代目を襲う。

 

「これは少しヤバいな」

 

四代目は酸の津波に向かってチャクラを纏わせた特注クナイを投げる。

それらは酸の津波を貫き、多少溶けた状態でウタカタに迫るが難なく躱される。

 

しかしそれも予想通り。

四代目は飛雷神の術でウタカタの背後にあったクナイに飛ぶ。

 

ーー螺旋丸!

 

四代目の螺旋丸はウタカタの腹部に直撃し、(ひじ)までがめり込む。

倒した、そう思った四代目だが、ふと違和感を感じて腕を引き抜くと肘までが溶けて無くなっていた。

 

「溶遁分身の術。

もう印は結べない。これで終わりだ!」

 

四代目の周囲を囲む無数の泡。

それらがウタカタが指を弾くと同時に一斉に爆発する。

 

 

 

大量の土煙の中でウタカタが背を向けた瞬間、突如爆発の中心部から伸びた巨大な赤い腕がウタカタの体を掴み、引き寄せる。

 

「バカな、尾獣化だと……!?」

 

そこにいたのはウタカタと同様に赤いチャクラを纏った、九本の尾を持つ四代目。

その姿はボロボロで、仮面は(ひも)だけ、右腕は肩、左腕は手首が無く、修復の真っ最中だった。

だが、ウタカタはあまりの衝撃にそれらに気づかない。

 

引き寄せられるウタカタに四代目が復活した左手で九尾チャクラから作った紫の螺旋丸をぶつけようとしたその時、

 

「うおおおおッッ!」

 

ウタカタが纏っていた尾獣チャクラが濃くなり、元の姿がわからない赤い獣へと変貌する。

 

ーー蛭間(ヒルマ)

 

ジュッ

 

赤い獣、半尾獣形態になったウタカタは強アルカリの分泌液でチャクラの腕を溶かす。

そしてそのまま着地したウタカタは六本の尾を口の前に向け、黒い球体を作り出す。

 

「あれは尾獣玉……ヤバいッ!

オレの螺旋閃光超輪舞吼陸式(らせんせんこうちょうりんぶこうろくしき)でやるしかない……!」

 

四代目は左右にありったけの特注クナイを持ち、ウタカタに投げつける。

そしてフリーになった両腕にほぼ九尾チャクラでできた紫の螺旋丸と自分のチャクラでできた緑の螺旋丸を作り出す。

二つの螺旋丸は近づけると混ざり合っていき、一つになったそれは不規則に変形しながら回転する。

 

「二つの性質の近い螺旋丸の合体技」

 

放たれた大量の特注クナイが近くにある物にぶつかり、ウタカタの前で四散する。

それによってウタカタの注意が逸れた瞬間、

 

「ーー太極螺旋丸(たいきょくらせんがん)ッッ!!!」

 

背後に落ちたクナイに飛び、左手で人間道を発動しながら太極螺旋丸を背中に叩き込む。

 

「グァアアアア!!!」

 

人間道で六尾の魂を抜き取られ、錐揉み回転して遥か彼方まで飛ばされるウタカタ。

その姿は半尾獣形態だったのも相まって演劇の悪役そのものだった。

 

 

 

「ふぅ、何とか六尾の魂は取れたよ。

人造九尾も一時期オレに入ってた所為か上手く使えた。

人柱力の記憶は消しとくかい?」

(そうか、ご苦労。抜け忍だから記憶操作はしなくていい)

 

ーー畜生道 口寄せの術

 




時系列が同じ物を一つに纏めました。
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