Hidden exceptions   作:ポン酢 

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第2話 <<始まり>>

__神様は私たちに、成功してほしいなんて思っていません。

              ただ、挑戦することを望んでいるだけよ。

                          マザー・テレサ__

 

 

 

 

 

__砂煙で周囲が見えない中、見えたものは二つ。__

 

 

 

 

・・・足元にはさっき転ばされた死体。

 

 

もう一つは・・・

 

そう思いながら僕は顔を上げた。

 

 

そう。そこには赤いカラーリングのACが何かに射撃している姿があった。

 

 

「ヴェニデ・・・」

 

ふと、口から漏れてしまった。

 

 

__あれが・・・僕達の幸せをたった今奪った存在・・・__

 

ACについては以前勉強したことがある。

 

 

コーディーがACについて話をしていたのがきっかけだけど・・・

 

コーディーは僕達の知らないことも知ってたりするから、興味があって僕も隠れてACについて色々勉強していた。

 

・・・まさか本物を見ることになるなんて思ってもなかったけど。

 

 

『誰か!誰かいませんか!』

母さんの声だ。母さんが近くにいるんだ!

 

「母さん!どこにいるの!?」

必死に大声を出して答えた。

 

『アヤギ!・・・こんなところにいたら危険よ!』

母さんの忠告を無視して声のする方へと向かう。

 

「母さん!今助けるからね・・!」

声のする方へ向かうと、下半身が瓦礫の下敷きになっていた。

自分の出来る限りの力を使い持ち上げようとしても、瓦礫はビクとも動いてくれない・・・

 

『良いのよアヤギ・・・母さんは間に合わない・・』

「ダメだよ母さん!諦めちゃ!・・・まだ・・・まだ助かる可能性があるんだから!!」

__そうだ・・・まだ希望はある・・・まだ希望は_

 

『大丈夫。母さんはちゃんと助かるから。』

 

目から涙が流れた時、母さんの優しい温かい手が僕の目の涙を拭った。

 

『大丈夫。母さんは死なないから!だって、ヴェニデの人達に捕まるだけであって殺されはしないわよ。』

「でも・・」

『安心して。離れてても母さんは貴方の側にいるから!』

嫌だ。離れたくない。一緒にいたい・・・

 

そう思っているうちに・・・

「おい!あそこに誰かいるぞ!」

 

『・・・!まずい、ヴェニデの兵士よ。・・・アヤギ、これを持って塔へ向かって!早く!』

 

そう言われて母さんは僕の手に何かを渡した。

・・・また、会えるよね・・?

今の僕には助けられる力はない。だからこそ。またこの街に戻ってくる。いつか。必ず・・・!

 

「母さん・・・また・・・また会おうね!」

 

__僕はそう言い残し塔へと向かおうとすると、母さんが悲しい顔をしながら見守っていた__

 

 

__________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

急いで塔に着いた。運がいいのか、塔には傷1つなかった。

 

母さんに託された物を確認すると、左右に翼が付いている懐中時計のような物の中の歯車が見える物だった。

 

これは母さんが大事に持っていた物で、僕に触らせてはくれなかった。

 

でもこれを母さんが渡してきたのには理由があるはずに決まっている。

 

色々と考えていると、奥の方で物音がした。

 

・・・もしかして、敵がいたり・・・?

恐る恐る見に行くと、そこには何もなかった

 

「何もない…じゃあなんで__」

 

その時だった。階段下の壁の一部分に青い光を放つ何本かの線が浮き出て延びていった。

 

「な、何!?」

それが何かなんて分かるわけがなかった。でも…

僕が母さんから貰ったこのお守りも同じ光をしている…

…何か、関係があるのかな…?

 

そう考えているうちにただの線だった青い何かは、長方形の中に記号のような物を描いて止まった。

 

 

するとその長方形の部分の壁だけが動きだし、下へと続く階段に姿を変えた。

母さんが僕に伝えたかったのはこれの事なのかな…?

 

そうこう考えていると…

 

「あの塔に誰か居るかもしれん。確認しにいくぞ!」

 

外から声が聞こえてきた。多分…ヴェニデの人だと思う。

 

ゆっくりする暇なんてなかった。僕は急いで出来上がった階段に足を踏み入れ、中に入った。

 

すると、壁が自動的に出来上がっていって…閉まった。

 

「こんなシステム、どの街でも見たことない…。でも…この奥に何が…?」

 

ここがどういうところか分からないまま階段を降りていくと、大広間らしき所についた。

だけど明かりが点いていないのか、天井は暗闇に覆われていてどれぐらい高いか分からなかった。

 

…この街の地下にこんなものがあるなんて思いもしなかった。こんなに広い空間をなぜ使わないのか。

ふとそう思った。

…それに、ここに三大勢力には内緒でACを隠し持っていればこんなことにはならなかった。

 

…なんでだろう。理由を考えていると、目の前に大きな何かがあった。

 

「…AC?」

 

人形で、大きさも約4、5m程だろうか。暗いけどギリギリ確認出来た。

 

…やっぱりここに隠してあるじゃないか。でもなんで一人もここにいないのかな…

 

__ドォォォォオオン…ボォォン…__

 

上から爆発音がするのに気づく。

…誰も居ないなら、僕が乗るしかない…!

怖いけど…怖いけど…!

 

「母さんや…皆のために…戦うんだ!」

僕は決意した。

そしてACの横にある階段から上がっていき、コックピット部分に近づいた。

 

既に頭部パーツは上に向いていてすぐに入れる状態だった。

迷う暇なんてない。そう思いながら僕はコックピットへと乗り込んだ。

 

後は起動するだけ…

そして起動させようとした瞬間、モニターが明るめの青色になり、目の前には歯車の様な模様が回り始めていた。

すると…

 

____________________________________

 

...........////666666{Starting...}///

 

 

<<Reboot>>

 

......<<Start-up>>

 

____________________________________

そんな言葉がモニターに写し出され、その直後言葉が消えた。そして少し時間が経つと…

 

『…パイロット搭乗を確認。』

「え?」

何処からか声が聞こえてきた。外からではなくコックピットの中でハッキリと。

「誰?誰かいるの?」

コックピットには人一人分に少しのスペースしかないと言うのに、誰かが居るのはあり得なかった。

すると

『…搭乗者確認。年齢…10歳。身長…157cm。体重…42kg。性別…男。』

『…搭乗者。あなたに質問します。貴方は私のマスターですか?』

少し大人な男の声がした。…え?マスター?

「ま、マスター?マスターって僕のこと…?」

『搭乗者、もう一度問います。貴方はマスターですか?』

「ち、違うけど…」

ACに話せるシステムなんてあるはずがない…。

UNACとかその類いなんじゃないかと思った。

『質問への回答を確認…。マスターの登録開始…』

ピピピピピ…と、アラームのような音がしたけどものの数秒で音が止まり、この…UNAC?は次にこう言った。

 

『登録完了。マスター、貴方の名前を教えてください。』

「え!?な、名前!?えっと…」

 

 

どうしよう…本当の名前を言うべきなのだろうか…でも母さんに言われたことは守らないと…。

「ほ、星空…アヤギ…」

『星空アヤギ…該当データ確認中…………該当データなし。マスター、それが貴方の本当の名前ですか?』

「うっ…」

訊かれたくないことを訊かれる…。

それでも…

「そ、そうだよ…?」

『…まばたきの回数が増加。…何か事情があるのですね。では、先程の回答を優先します。』

『マスター名、星空アヤギ。マスター、これでよろしいですか?』

「そ、それでいいよ!」

嘘をついてもすぐに見破られる…すごい…

『マスター、貴方はACを操縦したことがありますか?』

「な、ないよ…ACについて勉強したことはあるけど…。」

『ではこちらが機動面をサポートします。…オート操縦システムON…。』

『マスター、何か質問などはありますか?』

いきなり質問はあるか?…と言われても…。でも聞きたいことは既にある。

「き、君ってUNACなの?…でもUNACにしては専用パーツが搭載されてないけど…。君って何者なの?」

『申し遅れました。私の名前は"メビウス"自律思考学習型AIのプロトタイプです。私の識別コードは"Sn-f"です。決してUNACではありません。』

「メビウス…ね。よ、よろしく…でも…じ、自律思考学習型AIなんていうの、聞いたことないよ…?」

UNACではなくAI…。ACにそんなことが出来るの…?

そう疑問に思っていると

『今お答えした通り私はUNACとは違い、搭乗者。つまりパイロットの戦闘方法を操作の際にデータ化し、搭乗者の癖、戦闘方法によるメリット、弱点を即座に確認し学習・検証・修正・改善を行い、さらには敵機、つまり敵パイロットの動きや戦闘方法も先程と同じような行程で記録し、生存率を高め搭乗者と私自身を強化する学習型のAIです。』

 

もう…何が何だか分からないや…

「簡単に説明してもらえるかな…?」

 

『了解しました。簡単に説明すると、マスターと敵パイロットの行動パターンを学習・分析し、強くなると同時に弱点を極限にまで減らすと言うことです』

すごく簡単になった…。

「せ、説明ありがとう…」

『…地上より発砲音、共に爆発音確認。どうやら現在襲撃にあっているようです…マスター、どうなされますか?』

…そうだ。

 

上には母さんや雪ちゃん、コーディー君が待ってる…

 

…皆が危ない…

 

「…メビウス、今から地上に大至急出たいんだ。上には今たくさんの敵が街を襲撃してる…母さんや友達が死んじゃうかもしれない…だから…僕に力を貸して欲しいんだ…!」

『了解しました。では、今から地上へ向かいます。マスター、戦闘の際の機体の操縦は私が請け負います。マスターは武器の射撃をお願いします。』

「…分かった。行こう。メビウス」

『了解です。マスター』

…そしてここから奥に見える大広間の天井が開く。どうやら今メビウス立っているここはカタパルトだったみたいだ。

「僕が…みんなを守るんだ…!」

そう言うとカタパルトが作動し、その勢いで空中へ飛び出した。

地上へ降下すると、目の前にはACではなくヴェニデの攻撃部隊がいた。

「…やるよ。メビウス」

『了解しました。…戦闘モード起動。殲滅します。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…これが、メビウスとの出会い。

 

__未来の僕の、最高の相棒との出会い__




















____あとがき____
皆さんこんにちわ。ポン酢です。

明けましておめでとうございます。
今年も、よろしくお願い致します!

本当はこの回を大晦日に仕上げ、元日に出す予定でしたが…

両親との大切な時間を過ごすことに優先していたので投稿が遅れてしまいました…。

さて、今回はあまり説明することがありません!

…メビウスに関してはまだ言わない方が言いと。
私がそう感じておりますので、まだメビウスに関しては説明しません。

今回は長々とした回なのであまり面白くないかもしれません。
勿論、楽しんでくれる方も居ます。そういう方が居てくれるだけでも元気とやる気が貰えますので、頑張れます!
…あれ?元気とやる気って一緒…?(こら)

今回もあとがきに関してはあまり話すことはありません。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします!
(今更ではありますが、ご意見・ご感想、評価などはは絶賛受け付けております!)
以上です!

今回も見ていただき、ありがとうございました!
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