綺羅ツバサの弟   作:しろねぎ

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気が付いたらUAが10000を越えてた…読んで下さっている皆様に心から感謝致します!


スクールアイドルは憧れる物?

西木野の家から高坂の家へ向かって歩いていく。小泉も同じ方向だったらしく、途中まで送る事にした。小泉は遠慮していたが、方向が同じだからと言って半ば強引に行動を共にした。

 

そして高坂の家である“穂むら”へ到着した。

 

「お母さんにお土産でも買っていこうかな…」

 

「おっ、マジか。俺もここに用事があったんだよ」

 

小泉はここが高坂の家だとは知らないらしい。地元じゃ結構人気の和菓子屋らしいが、俺も知らんかったし。店の戸を開けると高坂が店番をしていた。店番の途中でメールしてきたのか…

 

「あっ!いらっしゃいツカサ君!……と花陽ちゃん?どうして一緒なの?もしかしてデートの帰りとか…?」

 

「いや、違うぞ。デートの相手は西木野だった」

 

「そうだよね~。ツカサ君は女の子にはあんまり興味がなさそ…西木野さんとデートしたの!?」

 

相変わらず五月蝿い。小泉が若干怯えてるぞ。

 

「少し静かにしろ。小泉が怯えてるだろ」

 

「あっごめんね花陽ちゃん!私、店番がまだあるから上で待ってて!」

 

「あ、いえ…お邪魔します…」

 

高坂に言われて上へあがる。そして高坂の部屋の扉をを開けると…

 

「皆!ありがとー!ファンの心に…ラブアロー・シュート!」

 

有り得ない程ノリノリの園田が居た。俺と小泉はそっと扉を閉めた。

 

「……どうする?」

 

「えっ!?私に聞かれても…」

 

困惑する小泉。そりゃそうだ、俺も軽く混乱している。しかし、無情にも高坂の部屋の扉が開いた。そして肩を震わせている園田が出てきた。

 

「見ましたね?」

 

「いや、見てない」

 

滅茶苦茶怖いんだけど。何あの眼光。

 

「見ましたよね?」

 

「ひぃっ!?見てません!」

 

小泉は今にも泣き崩れてしまいそうな状態だった。流石に可哀想なので助け船を出してやろう。

 

「すまん。俺は見た。……ラブアローをファンの心にシュート!超エキサイティング!園田オリジナルから!「ふんッ!」ガフッ…」

 

バ、バカな…速すぎ…る…気が付いたら…園田の拳が…鳩…尾…に…

 

その場に膝をつく俺。

 

「だ、大丈夫ですか綺羅さん!?」

 

「ど、どうやら身体が鈍っているのは高坂だけじゃないみたいだ…」

 

腹を押さえながら園田を見上げると、園田は恐ろしい笑みを浮かべていた。まだまだご立腹みたいだ。あと、小泉の優しさが身に染みる。

 

「身体が鈍っているのは確かみたいですし…鍛え直しましょうか♪」

 

「お手柔らかにお願いします…」

 

「と、とりあえず、綺羅さんをお部屋に…」

 

小泉マジ天使。

 

☆☆☆☆

 

「へぇ~?海未ちゃんがポーズの練習を?」

 

店番が終わり、部屋に入ってきた高坂がニヤニヤと笑っている。

 

「穂乃果が店番で急に居なくなるから悪いんですよ!」

 

「綺羅さん…大丈夫ですか?」

 

「大分落ち着いてきたから大丈夫だ…すまんな…」

 

優しさが半端じゃないな小泉は。そんな中、南が部屋を訪れた。手にはノートパソコンを持っている。

 

「お邪魔します~!ってあれ?もしかして、本当にアイドルに!?」

 

南は小泉を見た途端に小泉に詰め寄る。圧迫面接か。

 

「偶々お店に来てくれたからご馳走しようと思って!穂むら名物“ほむまん”!」

 

高坂は真ん中に“ほ”と焼き印が押された饅頭を取り出す。穂むら饅頭を略して“ほむまん”らしい。味は中々である。

 

「そうなの?残念…あっ!パソコン持ってきたよ!」

 

「ありがとー!私のパソコン肝心な時に壊れちゃって…動画はあった?」

 

「まだ調べてないけど…多分ここに…」

 

成る程、高坂のパソコンが壊れたから南が持ってきたのか。動画は恐らくはファーストライブの動画の事だろう。南がパソコンを開こうとしたその時、小泉がテーブルの上にあった物を邪魔にならないように持ち上げる。やっぱり気遣いが出来るな。周りが良く見えている証拠だ。

 

「あっごめんね。ありがとう!」

 

「あ、いえ…」

 

少しして、ライブの映像を見付けた南が映像を再生した。

 

「誰かが撮っていたんですね…」

 

「うん!感謝しないとね!」

 

「あっ!ここの所はキレイに決まったよね!ずっと練習してたから、決まった時は嬉しかったな!」

 

それぞれがライブの感想を述べていく。小泉はライブの映像を食い入る様に見ていた。それを見ていた俺達は笑い合った。

 

「小泉さん!」

 

園田が話し掛ける。

 

「本気でアイドルやってみない?」

 

高坂が問い掛ける。

 

「えっと…私は、向いてないので…」

 

断ろうとする小泉。だが、園田が小泉に話す。

 

「私も人前に出るのが苦手です。向いているとは思えません」

 

南も園田に続く。

 

「私も歌とか忘れちゃうし…」

 

「私は凄くおっちょこちょいだよ!」

 

高坂も自信満々に宣言する。

 

「お前は少しは直そうとしろ」

 

「え~!酷いよツカサ君!」

 

「ねっ?私達はプロのアイドルなら直ぐに失格になっちゃう。でもね?スクールアイドルなら、やりたいって思ったら、やっても良いんだよ!」

 

南が立ち上がり、小泉へ語り掛ける。やりたいと思ったらやれば良い…か。

 

「そうだな。やりたければやれば良い。じっくりと考えろ。スクールアイドルなら、“憧れるだけのもの”じゃなく、手を伸ばせる物だからな」

 

「ツカサの言う通りですよ!その代わり、練習は厳しいですが…」

 

「海未ちゃん!何でそんな事言うの!」

 

「おっと、失礼…」

 

高坂が園田の言葉を責めて、園田が謝る。本当にただの友達の集まりと変わらない。だけど、それがスクールアイドルの在るべき姿なのだろう。

 

「さっきツカサ君も言ってたけど、じっくりと考えて答えを出して。私達μ'sは何時でもメンバー募集中だから!」

 

☆☆☆☆

 

「花陽ちゃん…μ'sのメンバーになってくれるかな…?」

 

皆が帰った後、私はベッドの上で呟いた。ちょっと不安になったけど…でも、皆の顔を思い浮かべたら何だか上手く行きそうな気がしてきた!

 

「よしっ!明日も良い日になります様に!」

 

明日も朝練…ファイトだよっ!




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