特別編の為、既にμ'sは9人です。
今日は小泉の誕生日だ。小泉を祝う為にμ's全員が小泉の家に集合している。それは俺も例に漏れず、小泉の家に向かっていた。だが、俺は女子に対するプレゼントなんて殆んど買った事が無かった。
だから『小泉が好きそうな物で良いか』と思い、プレゼントを選んだのだが、なんと言うか、加減が分からなかったのだ。その結果、片手には紙袋、そして背中には米俵と言う何ともヤバイ状態だ。
「自分のバカさ加減には嫌気がする…良いトレーニングに…ならないと分かる程に重い。よくもまぁ昔の人はこんなのを軽々と担いでたな…」
独り言を言っても何も変わらないのは分かっているが、何故か自然と言葉が出てきてしまう。想像してみてくれ。ここは大都会東京。住宅地とはいえ、人通りはそれなりにある。そこに米俵を背負った男だ。通報されてもおかしくない。
そんな事を考えていると、携帯電話が震えた。矢澤先輩からのメールだ。
《遅いわよ!皆集まってるんだからさっさと来なさい!勿論プレゼントは用意してるんでしょうね!?》
メールを見て疲れが溜まる。とりあえず《プレゼントのせいで移動に苦労してます。もうすぐ着くので大人しく待ってろよ矢澤》と返信する。すると即座に返事が返ってきた。
《アンタ何をプレゼントにしたのよ!?と言うか大人しく待ってろよ矢澤って何よ!?喧嘩売ってるの!?》
……もうスルーしよう。
☆☆☆☆
「遅かっ…う゛えぇ!?ナニソレ!?」
小泉の家のインターホンを押すと、玄関を開けたのは西木野だった。米俵を見て驚いている。まぁそれが普通の反応だな。
「何って…米俵?」
「意味わかんない!」
とりあえず小泉の部屋に向かった。米俵を持って。
「あっ!ツカサ君!やっと来た!……凄いねっ!」
「遅いにゃ!ツカサ先輩はかよちんを待たせた罪として3回回ってにゃあの刑に処すにゃ!……にゃ?」
「もう皆プレゼント渡したわよ?さっさとアンタも渡しなさい!……えっ?」
部屋に入るなり、矢継ぎ早に声をかけられる。皆テンション高いな。
「まぁまぁ、そう言わんと…ツカサ君は何を持って来た……嘘やろ?」
「一体何を持って……ハラショー!」
「ツカサ?まさかそれは…」
「わぁ!私、初めて見た!」
「本当に意味わかんない…」
大抵が米俵を見て驚いている。高坂と絵里さんと南は喜んでいる。いや、面白がってるだけか?さて、肝心の小泉は…
「あ…ああ…あっ!」
口元を手で押さえて泣いていた。解せぬ。
「流石にやり過ぎたか?」
「嬉しいですっ!米俵!夢と希望が詰まった最高の梱包!………どこ産か聞いても良いですか!?」
確か店のイチオシって書いてあったな…
「記憶が正しければ魚沼産だったな」
「はうっ!」
原産地を聞いて床に倒れ込む小泉。幸せそうな表情を見る限りは悪い米ではないのだろう。しかしどれだけ米が好きなんだ?
「最高級の魚沼のお米が…米俵で…幸せです…」
「米俵ってどれくらいの重さなの?」
「ウチは60㎏くらいって聞いた事あるよ?」
「ハラショー…私よりも重いのね。そんな物をよく持ってこれたわね…」
何か一部の奴等に軽く引かれた気もするけど気にしない。
「ツカサ、その紙袋は何ですか?」
「ああ、こっちはA-RISEからのプレゼントだ」
園田に言われて紙袋から取り出したのはA-RISE3人のサイン色紙だ。それを見た小泉がまた泣いていた。
「A-RISEのサイン色紙…!!頂いても良いんですか!?」
「ああ。お前の為に書いてもらったからな」
色紙には“誕生日おめでとう!”と書いてある。
「3人とも快く書いてくれたよ。とりあえず、喜んでくれたなら3人も書いた甲斐があるだろう」
「はいっ!大事にします!」
「良かったね!かよちん!」
「うん!今までで一番楽しい誕生日だよ!皆、本当にありがとう!」
その後もμ'sの皆で楽しく騒いだ。そして一発芸披露で矢澤先輩に黒歴史が追加されたのは別の話である。
白米天使小泉花陽。