記念の話しは本編には基本的には関係無い。
最近アキバに大きなオモチャ屋が出来た。それ自体は珍しい訳では無いが、たまには行ってみるのも良いだろうと思い、俺はオモチャ屋に行ってみたのだが…
「どうなっているんだ!?最近の玩具は機械の上に置くと動いたりするのか!?」
「何をしてるんですか英玲奈さん…」
子供達が沢山居る中で、大袈裟にリアクションを取る英玲奈さんを見付けた。こんな所で何をしてるんですか。
「ツカサ!?いや、その…最近の玩具はスゴいな!」
「はい、凄いですよ。で?何をしてるんですか?」
「普段あまり玩具とかに触れてなかったから、試しに来てみたのだが、まるで浦島太郎にでもなった気分だ。プラモデルとやらが動くとは思わなかった」
「あー、確かに最近は凄いですよね。俺も最初は驚きましたよ」
最近の技術進歩は目覚ましい程だ。VRやら何やら…あまりオモチャで遊ばない人には最早オモチャ屋は未来都市みたいな物かも知れない。
「私が最後に遊んだ玩具はベーゴマとけん玉だと言うのに…」
「それは本当に浦島太郎にでもなった気分だろうなぁ…良かったら一緒に見て回ります?そこはかとなく心配なんで」
オモチャを今時玩具(がんぐ)なんて言い方する人を一人にするとか無理だわ。
「本当か!?一人で心細かったんだ!あんじゅとツバサは私を置いて何処かへ行ってしまうし…」
「ツバサとあんじゅさん来てるんですか?電話はしました?」
「電話しても出ないんだ…心配なんだが…」
アイツ等絶対に英玲奈さんが困るのが分かってて置いて行ったな。ツバサが提案して、あんじゅさんがそれに悪ノリしたんだろう。
「多分あの2人なら大丈夫ですよ。それよりも見て回りましょう。何か気になる物とかあります?」
「あの動くプラモデルが気になる!」
俺の質問に勢い良く答える英玲奈さん。目がキラキラと輝いている。
「あれはガンプラってプラモデルで、ガンダムってアニメに出てくるロボットをプラモデルにした物です。最近は何ちゃら粒子とかで、あの機械の上に置くとガンプラで戦えます」
「成る程…そのガンプラとやらを買えば遊べるのか?」
「はい。GPベースって言うのも必要ですけど、新品が余ってるんで差し上げます。懸賞に応募してたのを忘れてて買っちゃったやつなんで」
「そうか?済まないな。それにしても、そんな物を持ってきているとは。元々これで遊びに来たのか?」
「まぁ人が少なければ、って感じでしたけどね」
フィールドの周りには沢山の子供達。年齢が高めの人は少なかった。これは英玲奈さんと一緒に俺も量産型の機体でも作らないとな…本気の機体を子供に使う訳にもいかんし。
「人が多いな。どうするツカサ?」
「どのみち先にガンプラ作らないといけませんから。エントリーシートに名前を書いて、待ち時間の間に作りましょうか。結構時間は掛かりますし」
時間に間に合わなかったら俺のガンプラ貸せば良いか。と思いながらエントリーシートに名前を書いた。英玲奈さんも名前を書く。しかしこの時失念していた。英玲奈さんが書いたのは統堂英玲奈。つまり本名だと言う事を。
☆☆☆☆
場所はバトルフィールドの近くにあるガンプラ売場。多種多様なガンプラが置いてある。そして必ずガンプラを初めて買う人間に聞かれる事がある。それは…
「お勧めのガンプラはあるか?何が良いのか分からない」
そう。お勧めのガンプラについて聞かれる。正直これ程答えるのが難しい質問は無い。初心者には量産型を勧めるのか、それとも作りやすいファーストガンダムとかを勧めるべきなのか。分からん。
「……そうですね…」
その人に合ったガンプラとか分かる訳がない。コミュ障やぞワイ。とりあえず、英玲奈さんのキャラに合ったガンプラ…ストライクノワール…うーん。
「あ、あまりジロジロ見ないでくれ。恥ずかしいぞ」
「あっ、サーセン。英玲奈さんはガンプラを飾るんじゃなくてバトルをするんですよねぇ…となると使いやすさ重視ですから…やっぱりファーストガンダムか…」
「この特徴の無さそうな奴か?」
箱を手に取り、特徴の無さそうな奴とか言い出す英玲奈さん。せめてオールマイティーと言ってあげて。
「嫌ですか?」
「……我々はA-RISEだからな。特徴の無いのは困る。人前で行動するのならエンターテインメントを意識したい」
「意識高い…じゃなくて…そう言うなら簡単で高性能なSDガンダムで行きましょう」
A-RISEとして行動するのなら仕方無い。ここは俺がサポートしまくるしかない。見た目も華が有って強そうでありながら、女性が扱っても違和感がないSDガンダムにしよう。操縦は難易度高いけど、タッグマッチにすればアシスト出来るだろうし。
「英玲奈さん。初めてやるのでコマンドガンダムで…英玲奈さん?」
SDガンダムのコーナーの入口で足を止めている英玲奈さん。入口に置いてあるSDガンダムとか嫌な予感しかしないんですがそれは。
「ツカサ…私はこれが良い」
恐る恐る英玲奈さんが指を指したガンプラを見る。案の定恐ろしい物だった。
「曹操ガンダムとか近接しか出来ないんですが」
「成る程、あの三国志の曹操か。ならばツバサは劉備か?うん。やはりこれにしよう」
わー。英玲奈さんの目がキラキラしてるわー。これは梃子でも動かないわー。しかもどっちかと言うとツバサが曹操って感じだわー。つーかA-RISEを三国志の人物に例えると、ツバサが曹操で、英玲奈さんが関羽。あんじゅさんが孔明って感じだ。しかし三国伝を選ぶとは…
「マジでそれにするんですか?」
「ああ、マジで」
「…了解です。買ったらすぐに組み立てましょう。仕上げのヤスリとかはやるんで。大丈夫、SDならすぐに出来ますから」
「あ、ああ…」
購入してすぐに箱を開けてパーツを並べる。それを見て英玲奈さんが息を飲む。
「こんなにあるのか?」
「これ、滅茶苦茶少ないですよ。とりあえず、説明書があるので読んで下さい。説明書を読まずに作るのは不可能なんで」
「分かった」
英玲奈さんが説明書を読んでいる間に自分のガンプラを作ろう。とりあえずジムを買ったが…曹操ガンダムの援護とか無理ゲーだな。
「なぁツカサ…こんな感じか?」
「ん?……ん!?」
英玲奈さんの手元を見ると、曹操の胴体が出来上がっていた。はえーよエレ。いや、冗談を言っている場合じゃない。えっ?マジで手先が器用ってレベルじゃないんだけど。
「ど、どうした?何か間違ったか!?」
オドオドしだす英玲奈さん。普段あまり見られない英玲奈さんの貴重なシーンではあるんだが、それを楽しんでいる余裕は無い。
「間違ってないんですけど…うん。とりあえず、作ってる所を見せて貰っても良いですか?」
「わ、分かった」
了承すると、英玲奈さんは作業を再開した。手に迷いが無い。パーツの形を記憶して、手に取っている。なんてこった、説明書の内容を完全に記憶しているのか。だから迷いなくパーツを組み立てられる。恐ろしいな、しかも仕上がりもキレイだ。
「うん。ちょっと凹むわ」
「えっ?」
「いや、こっちの話です。とりあえず、後は仕上げですね。時間もまだあるんで英玲奈さん、やってみます?」
「良いのか?」
「ヤスリとか程度なんでそう気負わずに…」
そう言って道具を手渡すと英玲奈さんは、おっかなびっくりと言った感じで作業を行う。しかし上手く出来ている辺り、流石だと思ってしまう。しかもすぐに終わってしまったせいで時間もまだ余っている。仕方無いから少し他のガンプラも見て回ろう。
☆☆☆☆
「これは…メッキで塗装してあるのか?」
「そうですね。元々フェネクスは金色なんで、メッキ塗装してある奴もありますよ」
「そうなのか。ん?あれと、あれは同じ機体なのになんで箱の大きさが違うんだ?」
並んでいる箱の大きさを見て、英玲奈さんが疑問符を浮かべる。確かに最初は俺も混乱した。
「あれは単純に大きさが違いますね。こっちの小さいのは1/144サイズで、こっちの大きいのは1/100サイズですね。他にも色々ありますけど、説明すると長くなるので…」
「成る程、大きさも区別されるのか…」
英玲奈さんが感心していると、何かに気が付いたみたいだ。
「ここに飾ってあるのには弾痕があるぞ?わざわざそんな細かいパーツもあるのか?」
「あ、それは多分お線香を使って付けた弾痕ですね」
「あの仏壇にあるお線香か?」
「はい。棒のお線香に火を点けて、その先端をガンプラに当てると弾痕みたいになるんですよ。完全にジオラマ用のガンプラに使う方法なんで、ガンプラバトル用のガンプラには使いませんけどね」
「ガンプラとやらは奥が深いな…」
俺の説明に納得したのかうんうんと頷く英玲奈さん。そろそろ時間も良い頃だろう。バトルフィールドに戻るとしよう。
☆☆☆☆
フィールドの近くに戻ってきて唖然とした。人が滅茶苦茶増えてる。しかも子供の比率よりも中高生の女子が多い。
「どう言う…事だ?」
英玲奈さんが軽く混乱している。しかし俺は思い出した。英玲奈さんがエントリーシートに書いたのが本名である事を。つまり、誰かがエントリーシートの名前を見て、ここにA-RISEの統堂英玲奈が居ると知って、SNSか何かで拡散したのだろう。そしてこの騒ぎだ。
「本物の統堂英玲奈だ!」
「キャー!英玲奈様ー!」
英玲奈さんの姿を見た中高生が騒ぎ出す。英玲奈さんの女性人気は半端じゃないからな。
「英玲奈様もガンプラバトルするんですか!?何のガンプラを使うんですか!?」
「う……そ、曹操ガンダムを…」
「買ってきます!これで英玲奈様とお揃いのガンプラ…!」
ファンに囲まれて四苦八苦している英玲奈さん。これはバトルどころでは無いな。どうするか迷っていると、人混みの中から声が聞こえた。
「はいはい、そこまで。あんまり騒ぐとお店に迷惑よ?」
「げっ、ツバサ…」
「ツバサさん!?英玲奈様だけじゃなくツバサさんまで!?」
ファンが一層騒ぎ出す。それを制止する様にツバサは声を発する。
「もう。騒がないでって言ったでしょ?今日は息抜きにここに来たんだけど…面白い事になっているみたいだし、そうね…店員さん?私から一つ提案があるんだけど、良いかしら?」
「は、ハイッ!何でしょうか!?因みに私が店長ですッ!」
ツバサに声を掛けられて裏返った声で返事をする店長。地味に自己アピールしたな…しかし何だろう。凄い嫌な予感しかしない。
「英玲奈達の後にエントリーシートに名前を書いた人は居ない。まぁ英玲奈かどうかを確認してから名前を書こうとしたんでしょうね?だからこの場で英玲奈達と戦う人が居ない、って状況なの。だからここで英玲奈達と戦うファイターを決めようかって話よ。勿論これは私達の勝手な提案。だからタダでとは言わないわ、お店に対してサインも贈るし、A-RISEの公式サイトで宣伝もさせてもらうわ。どうかしら?」
店からしたら破格の提案だろう。デメリットは無いしな。
「ひゃい!それは願ってもない提案です!それで大丈夫ですッ!」
「そう、ありがとう。因みに英玲奈の隣に居る男の子は私の弟だから…彼と英玲奈のタッグと戦うタッグマッチにしましょう!2人に勝ったら好きなガンプラを一つプレゼントして、そのガンプラにサインを書いてあげるわ!どう?」
因みにって明らかに俺を巻き込む気で話を進めているな。しかもツバサの提案のせいで相手のボルテージは高い。初めてのガンプラバトルで英玲奈さんを負けさせる訳にもいかないしな…仕方無い。
「災難ね。ツカサ君?」
「うおっ!?あんじゅさん!?」
後ろから急に声を掛けられてビビった。いつの間にか後ろにあんじゅさんが居た。意地悪な笑みを浮かべている。
「悪戯成功かしら?ふふっ、頑張ってね?応援してるから」
そう告げてあんじゅさんはツバサの隣へと行ってしまった。絶対楽しんでるだろ。
「完全にあの2人に遊ばれているな私達は…」
「こうなったら絶対に勝ちますよ英玲奈さん…相手を粉砕しましょう」
「そ、そうだな…少し怖いぞツカサ…」
そりゃ怖くもなる。これからツバサの掌の上で踊らされる訳だからな。
「さて、そろそろ相手を決めようかしら?そうね…」
ツバサ興味深そうにファイター達を見る。どうやら決めたみたいだ。
「そこの眼鏡をかけた子とオレンジ色のショートヘアーの子…どう?」
「ひゃい!」
「にゃっ!?」
ん?この声は…
「小泉と星空か?なぜここに!?逃げたのか?自力で脱出を!?」
「ツカサ先輩も何やってるんだにゃ…」
「ま、まさかA-RISEとガンプラバトルをする事になるなんて…感激と同時に緊張で吐きそうです…」
「吐くな!スクールアイドルが観衆の前で嘔吐とかヤバイぞ!?」
みるみる内に顔色が悪くなっていく小泉。これはアカン。
「ツカサ、この2人は確かμ'sの…」
「はい…ツバサの奴、知っててやってるな」
「かよちん大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ凛ちゃん…こんなチャンス、滅多に無いもん!」
おっ、小泉は何とか持ち直したみたいだな。なら遠慮なくやれるな…
「準備は良いかしら?英玲奈、ツカサ?」
「私は問題ない、ツカサはどうだ?」
「俺も問題ない。久々にやるが、2人相手ならどうにかなるだろう。英玲奈さんは初めてのガンプラバトルなんで、あんまり無茶は無しでお願いしますね?曹操ガンダムは近接のみですから、巻き込まれない様にしてくれれば良いです。操縦のやり方はこれが終わってからゆっくりとやりましょう」
申し訳無いが今回は英玲奈さんには下がって貰おう。初めてのガンプラバトルで俺のガンプラの戦いに…況してや曹操ガンダムでついていくのは無理だろう。
「かよちん、大丈夫?行けそう?」
「うん!大分落ち着いたよ。一緒に頑張ろうね、凛ちゃん!」
「よーっし!じゃあ行くにゃー!“ガイアガンダム”出撃にゃー!」
「こ、小泉花陽!“フォーンファルシア・セプテット”行きます!」
英玲奈さんと俺はガンプラをセットする。
「驚いたな、ツカサもSDガンダムとは…っと、統堂英玲奈、曹操ガンダム!出る!」
「そんなに意外なんだろうか?まぁ良いか。綺羅ツカサ…“呂布トールギス”出陣!」
お互いのチームのガンプラがバトルフィールドに転送される。するとすぐに英玲奈さんから通信が入る。
《凄いな…VRの応用か?これを見ただけでも夢中になるな!》
「そうですね。今回のフィールドは“高地”ですから、眺めも良いですしね。宇宙じゃなくて良かった」
《宇宙もあるのか!?是非とも見てみたいな!》
「SD三国伝の機体だと殆んど詰むんで別の機体にしてくださいね。俺は何とかなりますけど…」
話に花を咲かせているとビームが飛んでくる。多分小泉のファルシアからだろう。かなりの射程距離だな。
「英玲奈さん、小泉の使ってる機体は“カスタム機”なんで、気を付けてくださいね」
《カスタム機?あの花みたいな奴は普通のガンプラとは違うのか?》
「ぱっと見て細かい装備以外は変えてないみたいなんで、分かりにくいですけど、フォーンファルシアって機体は本来は薄い桃色なんですけどね?」
《成る程、あれは赤みが強い桃色だな。色を付けたのか?》
「ご名答です。ガンプラの出来でガンプラバトルの機体の性能は変わります。英玲奈さんと俺の呂布トールギスはヤスリがけとかはしましたけど、謂わば“素組”なんですよ」
《つまり私達の方が性能は低いのか?》
「ぶっちゃけるとそうですね」
まぁ例外もあるんだけどな。
《大丈夫なのか?機体を細かく改造するようなのを相手にして…》
「正直に言ってあの2人の実力は未知数なんで、何とも言えないのが事実ですけど、少なくともサシでの勝負なら俺が…いや、“戦慄の暴将”と呼ばれる呂布トールギスが負けるなんて有り得ませんよ」
俺にあるのは呂布トールギスに対する絶対的な信頼。今度、英玲奈さんにもDVDを貸そう。曹操を使いこなすつもりなら、良いイメージも沸くだろう。
「さて、そろそろ完全に敵の射程内、つまり相手が目視出来る範囲に来ます。先ずは目視で相手を捉えて構えて下さい。曹操は近接しか出来ないので動く事に集中して」
《了解。足手纏いになって申し訳無いが…頼むぞ!》
「…目視で確認。さて、上空から来るのは小泉のファルシア…そしてMA状態で正面から突撃してくるのが星空。2人で俺を潰してから英玲奈さんを狩るつもりだな…さて、呂布トールギス、行こうか!」
☆☆☆☆
「凛ちゃん!相手はSDガンダムの素組だからって油断したらダメだよ!相手はあの呂布トールギスなんだから!近接戦は極力避けて、私がファンネルとウィップで援護するから確実にビームライフルで仕留めて!」
《了解にゃ!》
凛ちゃんに指示を出してからファンネルを展開する。相手はあのツカサさん…何を仕掛けて来るのか分からない…気を引き締めないと負け…えっ?
《う…ウソ…だにゃ…》
ツカサさんの呂布トールギスを見た瞬間に悪寒が走った。私は今上空に居る。安全圏と言える場所に居るのにこれだけの悪寒が…近くに居る凛ちゃんはもっと…
《こ、こんなの勝てる訳が…》
凛ちゃんの声が震えているのが通信越しでも分かる。でもこのままじゃあ凛ちゃんはやられる。どうにかしないと…考えていると、通信が聞こえる。ツカサさんと英玲奈さんの通信みたい。わざとオープンチャンネルで?
《英玲奈さん、星空は任せても良いですか?》
《初心者の私に出来るだろうか?》
《大丈夫ですよ。もう戦う気力は無いみたいなんで、練習台くらいにはなるでしょう》
《そ、それはそれで気が引けるのだが…》
《えぇ…じゃあスパッと斬りましょうか…小泉はまだやれそうだし“あんなの”よりはマシだろう》
「ッ!」
凛ちゃんは確かに戦う気力はもう無いかもしれないけど…あんなの呼ばわりは…酷すぎます!オープンチャンネルを開いてツカサさんに宣言をする。
「ツカサさん!私は貴方を倒します!」
☆☆☆☆
《ツカサさん!私は貴方を倒します!》
オープンチャンネルで聞こえる小泉の声。先ずは第1段階終了って所か?μ'sの練習やライブの時もこうやって自分を出して欲しい物だけどな。
通常の通信で英玲奈さんから通信が入る。
《発破をかけるのが下手過ぎないか?》
「英玲奈さん」
《な、何だ?》
「自分、コミュ障ですよ?」
《………済まない》
分かってくれればそれで良いんです。さて、小泉のファンネルが周囲を包囲している。一見すれば大ピンチなんだけどな。しかも星空の位置とは随分と離された。とりあえず、ファンネルを潰そう。
「数があっても無駄だぞ?“旋風大烈斬”」
呂布トールギスの唯一の武器である“破塵戟”を振り回して竜巻を発生させる。そしてその竜巻をファンネルにぶつけてファンネルを一掃した。
《そんな、ファンネルが!?でも、その戟さえ無力化出来ればツカサさんは丸腰!》
小泉が破塵戟目掛けてウィップを伸ばす。丁度良い…久々に素手でやるのも面白いと思っていた所だ。
《えっ?戟を地面に突き刺した?》
「素手で相手をしてやると言う事だよ。そっちはファンネルが数基とビームバルカンにウィップ…一応星空もまだ無傷だし、かなり有利だぞ?観客が見てるんだ。楽しいバトルにするためのハンデとでも受け取って貰おうか」
《ッ!バカにしないで下さい!ツカサさんがこんなにも性格が悪いなんて思いませんでした!》
はっはっは…メンタル辛い。でも、これだけ小泉が頑張ってるのに星空はノーリアクションか…いつもなら小泉の為に何とかしてでも動こうとはする筈なんだが。まさか…
「…英玲奈さん、今どこに居ます?」
《戦意を失っているガンプラの近くに一応は陣取ってはいるぞ?》
「……そうですか」
フィールドに落ちている石を拾って大きさと重さを確かめる。これを全力で投げれば星空には届くな…
「英玲奈さん、今からこっちに来れますか?出来れば“星空に背中を向けた状態”で」
《?分かった。ツカサの言う通りにしよう》
英玲奈さんとの通信が終わると同時にレーダーで星空の位置を確認して、石を全力で投げる。因みにトルネード投法である。
《ツカサ!?あのガンプラ撃って来たぞ!?戦意を失っている筈ではなかっ《に゛ゃっ!?》…あっ、飛んできた石に当たって倒れたぞ》
やったぜストライク!…じゃなくて、やっぱり小泉がキレた辺りから戦意は取り戻してたな。そして姑息にも英玲奈さんが近付いて来るのを狙っていた…
《凛ちゃん!大丈夫!?動けるの!?》
《正直まだ少し怖いけど…かよちんを虐めようとする奴が居るなら…凛は立ち上がるよ!かよちんの為に!》
汚い手段を使おうとした点は評価出来ないが、まぁ及第点と言った所か。暫くは星空と小泉には怨み言を言われるだろうが仕方無い。途中から気分がノッてきたし。
「そろそろ終わりにするか…」
《な、なんで呂布トールギスで私の所まで跳躍出来るんですか!?ひゃっ!?》
小泉のファルシアの所まで跳んだ俺はファルシアの頭を掴んでそのまま地面へと叩き付けた。
「呂布トールギスで跳躍出来る理由?俺からしたら寧ろ呂布トールギスだったら、これくらいは出来て当然だと思ってるんだけどな」
《かよちんを踏むなんて…許さないにゃ!》
スラスターを全力で吹かして突進してくる。英玲奈さん完全にスルーされてるな。
《うにゃー!》
ガイアガンダムで近接戦か…ビームサーベル持ってる分、そっちが有利だし、フェイズシフト装甲だから素手では殆んどダメージを与えられない…
「とでも思っているんだろうな」
《り、凛ちゃん…ダメ…今の私達じゃあ絶対に勝てない…でも、いつかは…!》
「そうだな、諦めずにいてくれよ?A-RISEを越えるのなら諦める暇なんて無いぞ」
《ツカサさん…》
踏み抜いて小泉のファルシアを破壊する。
《ツカサ先輩!覚悟にゃーっ!》
「……うん、あれだ。お前も気概は良いし合格なんだけどさ…」
《…嫌な予感がするにゃ》
「普通にガンプラバトルが弱い!」
《無慈悲だにゃー!》
隙だらけの胴体を拳で貫いて終わった。
☆☆☆☆
「とりあえず、お疲れ様…で良いのかしら?」
「メンタルは疲れたな。でも、アイツ等には良い経験になってくれれば良いんだが…」
家に帰って、ツバサと談笑する。ツバサの手にはガンプラが握られている。
「私もツカサと久々にバトルしたかったんだけど」
「お前負けると泣くじゃん」
「泣かないわよ!私の“天ミナRISE”ならツカサにも勝てるわよ?」
天ミナを素体とした機体だろうな。しかし武装が全てデカい、負ける気がしないのは何故だろう。
「なんでそんな生暖かい目で見るのかしら?」
「いや、お前は分かりやすいなって思ってな」
「ツカサ程じゃ無いわよ。不器用な弟なんだから」
…こういう事には勝てないんだけどな。
本編と関係無い話しはなんでこんなにも書けるんだろうか…
ガンプラバトルが出来るなら呂布トールギスを使いたい(真顔)
フォーンファルシア・セプテットはクイン・マンサ・セプテットのフォーンファルシア版だと思って下さい。武装に細かい変更はありません。