青色の信号灯。
桜は後方を確かめるべくハイパーセンサーを稼働させていた。整備科の先輩を吹き飛ばさぬよう、彼女が壁際の手すりをつかむ姿を認める。
スラスターの出力を慎重に上げていく。暖機は十分だ。ISを動かすための手順は頭に入っている。露天デッキから身を浮かし、最小限の動きで滑らせる。桜は最新の注意を払いつつ、田羽根さんに周囲に気を遣うように言づける。
進行方向の空気抵抗が極限まで抑えられている。風を利用するのではなく、もっと別の何かでねじ伏せる。航空力学を超越した技術。風を感じずにいられる、というのは便利だ。が、慣れ親しんだ物理現象から開放されて、桜はどことなく寂しさを覚えていた。
Bピットから鈍色の光が飛び出す。カタパルトから射出されたISは、簪の小柄な体と武骨な
打鉄。
甲冑を模した純和風の第二世代機から戦意がにじみ出ており、恐れを知らぬ若鷲とはどこか一線を画している。
簪とやるのは今日が初めてだ。桜は不意に顔をしかめ、突然浮かび上がった見知らぬISの姿に戸惑いを覚える。
――妙な感じや。
IS同士の戦いは負けて撃墜されても決して死ぬことはない。死傷者が存在しない安全なスポーツとして公に認識されている。かたや、桜がかつて生きてきた世界はもし足を止めれば死ぬ世界だった。訓練であっても、細心の注意を払わねば死ぬ。訓練で殉職、または死の淵をさまよった仲間たちが時折夢枕に立つくらいに。
歴戦の古強者に見えた。気をつけろ。この女は他者を殺し慣れているぞ。戦場に身を置き、若さを急速に失っていったあの頃のようだ。経済成長後の日本に生まれ、豊かな暮らしを過ごしてきた娘を警戒している事実。遠い未来に新しく生を受け、妄想にとりつかれて勘すら衰えたか。
――不覚を取るな。
桜は己を戒めた。隙を見せたら潰される。彼女は日本の代表候補生。搭乗者として生き残りたければ、いずれ蹴落とさねばならない。
桜の雰囲気が剣呑なものに変わりつつある。
「悪目立ちしていますね!」
田羽根さんが桜の変化に気づいたかどうか定かではなかった。二頭身が白いワンピースを身に着け、頭にウサミミカチューシャをはめている。ちゃぶ台の下からプラカードを取り出す。注目指数なるものを提示して、打鉄零式への視線のほとんどが敵意に満ちていることを明らかにした。
わざわざ言葉にしなくともわかっている。桜はぽっと出の新人のくせにバックスクリーンの立ち姿として中指を突き立てた画像を提出している。ナタリアの発案で、新聞部での評判がよくなかった。
桜は誘導にしたがって、あらかじめ設定された待機位置に移動する。簪が地面に足をつけたので、桜も合わせた。互いの距離は二五メートルほど離れていた。
桜は打鉄の装備を見て意表をつかれた。
――近接戦闘型?
合計三振の剣。腰のアタッチメントにロングブレードとショートブレードを一振ずつ固定し、もう一振のロングブレードを背負っている。左肩に柄が伸びており、右利きだとわかる。
――このままの装備で織斑とやり合ったら面白そうや。
桜は簪と目を合わせる前に装備をじろじろと観察した。
――銃火器は量子化してあるか。
てっきり重武装を選択してくるかと思っていた。過去の記録を見たかぎり、簪は重武装で試合に臨むことが多い。日本の代表や代表候補生の戦闘スタイルには千冬と松本を源流とする二系統が存在する。前者は卓越した回避能力をもって柔よく剛を制す。現状では千冬に比肩する選手が育っていない。後者は重武装大火力を是とする。乱戦や不整地戦で力を発揮し、動きが鈍くなるので近接戦闘を不得手とする。
桜を含めた三組の生徒は、簪が後者に属するものと考えていた。専ら
――薙刀を使うまでもないとしたのか、出方を見られとるのか。どっちなんやろ。
互いに面と向かってみて、簪が親の
視野の裾で田羽根さんが飛び跳ねて、簪から
田羽根さんが学校の教室に設置されているようなスピーカーを地面に置き、スイッチを入れた。
「……今日、あなたを倒さなくてはならない」
――ええっ? いきなり宣戦布告?
桜は驚きながら簪の顔を拡大表示した。事前に仕入れた情報では人見知りがちなおとなしい少女のはずだ。
――本音や朱音の話とちゃうんやけど。
「まあ、そうやろな」
桜は角が立たないように相づちを打つ。簪は強い視線を放ちながら、それでいて柔らかい話し方をする。突き刺すような視線。先ほどから抱いている違和感と相まって、桜は更識簪という人物のことがわからなくなった。
気迫が突然大きくなった。何かしらの覚悟を決めたような雰囲気すらある。打鉄らしきISをまとった彼女が見知らぬ土地で歩兵を射殺する既視感。殺された味方のために怒りを抱き、眉ひとつ動かさず敵を打ち倒す。
――うわっ。
背筋に悪寒が走る。簪の瞳は、既視感とまったく変わらぬ非情に染まっている。
桜のなかで長い間静まりかえっていた激しさが、むっくりと頭をもたげた。久しく忘れかけていた気持ちがよみがえりつつあった。
「……そんな意味じゃない」
試合に勝つ以外に何かあるのだろうか。否定の言葉を口にした簪に耳を傾ける。
「どういうことや」
「本音をあなたから取り返す」
簪と本音は幼なじみだった。桜は本音の口からそのことを聞いており、最近では簪が本音を遠ざけようとしていることも知っていた。
――幼なじみの本性を知ったらなあ。
簪はどうやら本音がおかしくなった原因が桜にあると考えているらしい。
「なぜ? 私が盗ったわけやないし、手も出しとらん」
事実を口にした。桜から見れば、本音のほうが積極的に友情以上の関係になりたいと望んでいる。
桜は眉間にしわをよせながら続ける。
「私を責めるのはお門違いや。最初に道を踏み外させた生徒会長さんを責めるべきや」
桜は塩辛い梅干しを口に含んだように顔をしかめた。入学から二ヶ月近く経過して本音との関係に目立つような変化はなかった。あるとすれば本音が生徒会役員を命じられたこと。一〇二七号室の住人が発信源のうわさに軽く変化が生じたくらいだ。
――面倒な思いこみをされてかなわんわ。
桜自身も巻き込まれているため、うわさに触れるときは慎重を期さねばならない。ちなみに直近のうわさをまとめるとこうだ。
――本音に女同士の技を手ほどきしたのは更識楯無だ。楯無の生徒会長就任によって生徒会は変わってしまった。生徒会の役職に就くためには生徒会長と情を交わさなければならない。ただし会計をのぞく。
気がつけば桜が生徒会役員候補だとささやかれるようになってしまった。会計が除外されているのは、虚の人物によるところが大きい。品行方正を地でいくような人柄だったことが影響している。
「……あの人は昔からそういう人でした」
「そういえばお姉さんやったね。同情するわ」
「……安っぽい同情はいらない」
簪は姉への呪詛をこめた。
「……弐式の件もある」
「そのことは逆恨みってもんや」
簪は心底悔しそうに唇をかむ。
打鉄零式は、弐式に搭載可能な武器はすべて装備できる。先日、搭載可能武器リストが更新され、正式装備として春雷一型と夢現、剣玉フレイルが追加された。堀越によると、簪には扱いの難しい試作装備を優先して回すことが決まったらしい。
「正直、剣玉フレイルはちょっとなあ」
「あんな使いにくいもの……拡張領域の無駄!」
彼女は実家で
「更識さんはええやろ。武器やから。私なんかヘンテコな高機動パッケージを試せって言われとるんやで。テストしたら打鉄改に積むんやって。しかも千代場アーマーって何やの」
桜が現状への不満を口にする。桜と簪は互いに不毛な
実はこの試合、倉持技研内部では技術者間の代理戦争と見られていた。桜は堀越から貫手をぜひとも試してくれ、と指示を受けている。簪は菊原から堀越の鼻をへし折ってくれ、と激励の言葉をもらった。本郷からは打鉄の潜在能力を存分に引き出し、第二世代がまだまだ現役機だと証明するよう頼まれていた。
桜は改めて簪に向き直った。田羽根さんを呼び、マニピュレーターの状態を確かめる。
「くれぐれも貫手を人体に向けて使ってはいけませんよ!」
田羽根さんがいつもの文句を口にする。打鉄零式の貫手はマイナーバージョンアップによって大幅に制限が緩和されたとはいえ、照準が甘いままだった。そこで桜は頭を下げて頼み込み、甘い照準を是正する許可を得たのだ。気が遠くなるような反復練習を重ね、脚部や
このとき田羽根さんは、桜の誠意をわかりやすくするため「
桜はチラと視線を右下にやる。田羽根さんが自作と思われる湯飲みでお茶を飲んでいる。桜の視線に気づいて顔をあげた。
「困ったときは田羽根さんを呼んでくださいね! 誠意を見せてくれたら助けてあげないこともないですよ!」
――くそう。足下を見おってからに……。
桜は憎々しげに唇をへの字に曲げる。
田羽根さんは鼻歌で口ずさんでおり、すこぶる上機嫌だった。その証拠に両頬の渦巻きが回転している。
桜は仕方なく恥を忍んで「
「とにかく更識さん。あんたを倒してみんなの食券をもらうんや。おとなしく負けてもらうわ。悪く思わんで」
「……本音を正気に戻す。あなたには悪いけど」
簪は片方の頬を歪め、不敵に笑う。それも一瞬のことで念仏のように何かを唱えはじめる。くすぶっていた炎が突如として火勢を強め、高温になって青い揺らぎに転じた。簪は集中し、桜の心臓に狙いを定める。小動物のような簪の雰囲気が変化して、血生臭さを宿すようになった。
――本気……やな。
打鉄零式は搭乗者の精神の変化に呼応して、レーダーユニットの輝きを強める。桜のなかで戦闘機乗りとしての血が、またうずきはじめた。
▽
「クラス対抗戦第二試合。三組代表、佐倉桜。対四組代表、更識簪。――試合開始!」
合成音声による試合開始の合図だ。簪はほぼ同時にロングブレードの
――居合いとは珍しい。
簪が頃合いを見て、腰を落として構えに入った。ためらいがない。間合いを完全に把握しており、桜を倒す一念のみが体を支配していた。
桜は頭を切り替え、普段の物静かな簪ではなく、既視感のほうが本当の姿だと考える。
――限界まで近づいて攻撃を放つ。
意識を一事に集中させて研ぎ澄ます。近接戦闘による速攻。簪は本来得意とする機動戦を捨ててきた。居合は待の型であり、相手の出方に応じて変化する。
――銃に手をかけたら、瞬時加速で懐に入り込まれて終わりや。
今の簪に銃火器は通用しない。弾丸を放ったとしても彼女の体を避けて通るに違いない。桜は直感に従った。
試合開始から一分ほど経過したとき、桜は自分から簪の間合いに飛び込んだ。
簪は大声ではなく、腹にためた渾身の気合いを風に乗せる。ロングブレードが幻惑迷彩に吸い込まれた。
灰色の剣先が太陽の光を受けて鈍くきらめく。
「き……」
刹那、不気味な破砕音が響きわたる。一瞬遅れて観覧席から悲鳴がわき起こった。簪が剣を振り抜いたとき、腕にかかる重さが消えた。ロングブレードは根本から折れて刀身が消えてなくなっている。観覧席を覆う隔壁に消えた刀身が突き刺さり、一瞬の攻防の激しさを物語っていた。
「……貫手」
打鉄零式は地面に左膝と手をついていた。右腕が槍の穂先のように伸び、指を畳んだマニピュレーターを簪の腰に向けて突きだしている。
打鉄零式は傷ひとつ負っていない。桜は貫手を刀身と
――もし一瞬でも判断を誤れば殺られとった……。
桜はゆっくりと息をつきながら頭を働かせる。
相手は殺気と思しき気迫を維持している。代表候補生は実戦紛いの稽古を続けてきたのではないか。桜は彼女の心構えを計るために、あえて茶化すような物言いをした。
「ほんまに殺す気で抜きおったな」
「……最初からそのつもり」
簪は折れたロングブレードとその鞘を捨てた。右手を胸の前を通過させて左肩に持っていき、ロングブレードを抜く。
桜は息を詰まらせながら、膝立ちになって縮めた腕で刃を受ける。刃が接触する寸前に高速で手のひらを返す。手の動きに合わせて腕が一八〇度、高速で回転する。ロングブレードを打鉄の腕ごと弾いた。打鉄の重心が前のめりになったところを狙い、非固定浮遊部位に備え付けたチェーンガンを発射。細身の単砲身から炎がきらめく。
桜の予想に反して簪の悲鳴が聞こえることはなかった。眼前を黒い塊が覆ったかと思えば、そのまま激突した。
「ぷ……」
桜の唇から泡粒が吹き出す。打鉄の膝が顔面を痛打していた。
衝撃で強制的に首が横向き、そのまま五メートルほど吹き飛んで尻餅をつく。それだけでは勢いが止まらず三回後転してようやく止まった。
――なにをされたんや!
桜には簪の動きが見えなかった。簪は倒れている桜に構うことなく、一二.七ミリ重機関銃や二〇ミリ砲を実体化する。
桜は困惑したまま目を瞬く。田羽根さんがすぐさま桜が知覚し得なかった事実を教える。
ロングブレードを受けたことにより、簪は重心をずらされてバランスを崩した。だが、簪は冷静な顔つきのままPICを用いて体を支える。チェーンガンの射線から逃れるために空中で寝そべるような格好になり、そのままスラスターの急噴射を利用して膝蹴りを敢行したのだ。
よほど恨みが深いのか。それとも用心深いのか。簪の手におさまった一二.七ミリ重機関銃が火を噴いた。
――あかんっ。
桜はすぐさま立ち上がり、後退しつつ、チェーンガンの照準を左右にばらつきを持たせて連射する。
簪は動じることなく弾丸の隙間をすり抜ける。まったく被弾することなく距離を詰め、腰につるしていたショートブレードを抜く。
「……もっと密度をあげないとダメ。その程度では私を殺ることはできない」
そのつぶやきを耳にして、桜は息をのむ。
簪はほどなくして瞬時加速を仕掛けた。強烈な精神的圧力を生んだ。打鉄零式の懐深くに飛び込み、その胸板を突き刺す。足が地面を削り、土煙が立ち上る。
「削られたか」
桜はゼエゼエと息を吐きながら、上空へ緊急待避していた。シールドエネルギーがすでに五割を切っている。ショートブレードのひと突きで三割も減った。一度の攻撃がとてつもなく重い。試合でなければ、さすが代表候補生と喝采をあげていたことだろう。
簪の気迫は本物だ。
背中に滴がしたたり落ちるような感覚があり、とっさに体を倒し、コの字に空を蹴った。IS用に改造された二〇ミリ砲によって激しい対空砲火が形成される。簪は無理に直撃を狙うことなく炸裂した弾頭の破片を利用し、行動可能な空域を徐々に狭めていった。
「……逃げないで」
「それこそ無理な相談や!」
一方、桜は非固定浮遊部位を自機から数メートル距離を置く。田羽根さんに細かい制御を任せ、自分の動きを追尾させた。急激機動を実行する。多目的ロケットランチャーの弾頭として無誘導弾を選択し、背面に気を配る。
「
二〇ミリ砲を発射するため動きを止めた打鉄に対し、ハイドラロケット弾ファミリー、合計一四発による飽和攻撃を実行した。
「……ハっ」
個人間秘匿通信から短い呼気が漏れる。二〇ミリ砲から放たれた弾丸とロケット弾がすれ違い、立て続けに着弾する。
天高く土煙が舞い上がった。炸裂した弾頭によってもたらされた化学変化によって一時的に光学探知、熱源探知が無効となる。
戦果確認のために立ち止まれば撃墜されてしまう。桜は高度を下げて地面を這うように、かつジグザグに飛ぶ。全弾直撃ならばその時点で勝負が決まる。簪はやわな搭乗者ではない。まだ、全身を貫く殺気の奔流が消えていないのだ。
――行って。
桜は例のボタンを押す。田羽根さんに非固定浮遊部位の制御を頼んだ。非固定浮遊部位を斥候として前進させ、簪の状況を探る。
――チェーンガンの残弾多数。交換の必要なし。
非固定浮遊部位が桜の前方を蛇行して飛行する。多目的ロケットランチャーの筒が長く伸びているため、土煙のなかでもじっくり見れば確認はたやすい。
桜は直感で、簪が本体を狙ってくると考えていた。斥候は囮であると同時に簪をはめるための罠でもあった。
――そろそろやな。
盾を実体化させ、右手で持つ。直後に身を鋭く
簪の体が小さく見える。自機の隠密性を高めるために銃火器を量子化することで最小体積としたのだ。
簪は己を奮い立たせるような気勢を口にしない。無言のまま致死に至る気合いを乗せて一刀ずつ打ち込んでくる。避けるたびに身を削られる思いがした。しかも桜が反撃しようとすれば、土煙のなかに身を隠して攻撃を封じてくる。
桜は視界不良のなか、地面に足を着ける。右肩の後ろに土を踏む音。
――そこ!
振り向きざま、裏拳を当てる要領で殺気の塊に盾をぶつけ、貫手を放つ。
「ぐ……」
腕が伸びきり、貫手が空振りに終わったことを悟る。その直後、わき腹が鈍く痛み、激しい熱を持った。
打鉄零式の盾を傾斜させることで二〇ミリ砲の弾丸をはじいたまではよかった。簪は瞬時加速を用いて、自らが放った弾丸を追尾するように直進。桜のわきが開く。簪は懐に向かって低く這うように飛び込む。下からすくい上げるように刃先を上向け、スラスターの推力によって足りない力を補った。繊維装甲に刃が食い込む。桜は即座にわきを閉め、強化型マニピュレーターで打鉄の両肘を固定する。
危険を察した簪が身をよじって体を抜こうとする。桜の意図に気づくのが一瞬遅れ、腕、そして肩が極まる。
「……離して! しまっ……抜けない! こうなったら……」
「捕まえた。これで終わりや!」
▽
「試合終了。勝者なし。三組と四組の引き分けとする」
桜は非固定浮遊部位に搭載したチェーンガンを用いて集中砲撃を行った。これに対抗するべく、簪は二〇ミリ砲を実体化した零距離射撃を敢行している。簪が被弾しながら対抗手段を用意したため、対応が遅れてしまった。
その結果、双方のシールドエネルギーが同時に尽きている。
Bピットに戻る前に、簪は桜の背中を振り返った。唇をとがらせながら鋭くにらみつける。
「……次は勝つ」
同じくAピットに戻ろうとした桜は、簪の視線に気づくことなく肩を落とした。
「なんでえ。やったと思ったのに。ああ……みんなの食券が遠のいていく」
居合を使ったバトルが見たかったので自分で書きました。